1.《ネタバレ》 自分はただのアホか…それとも単なるバカなのか。…そうつくづく思うのは、こんな実話でも無いこの手の話に号泣する時。兵十がごんを誤って撃ってしまった時、家の前に散乱する栗や松茸を見て初めて気付くごんの日々の行い。個々の描写を対比させる事で新たなペーソスを生む。そして、兵十の母への思いとごんの母への思いを重ねる事で表現される優しさ。また、母を猟銃によって失い…そしてごん自身も猟銃によって命を絶たれる。さりげない武器批判をレトリック表現をもって描くのも、原作者の強いメッセージ性を感じます。教科書に載る様なオーソドックスな話に加え、「日本昔ばなし」の延長に有る様な童話作品ですが、子供の頃から泣かせてくれる…本作の自分に対する貢献度は圧倒的に強く、また作品のレーゾンデートルを高く評価したい。