8.《ネタバレ》 スタンドバイミーをグーニーズで味付けしたような“少年少女のひと夏の冒険もの”としてよく出来ている。
いじめられっ子達が何となく集まって、それはそれで楽しそうに夏休みを過ごす。下水道に入っていくのも冒険だけど、薬局から万引するのも冒険だ。湖の場面は特に良かった。あの高さから飛び込む勇気ないわ…目の前に下着姿の女の子が寝てたら、見るよなぁ。少年少女の夏だなぁ。
いじめっ子がナイフで傷付けるのは、ちょっとシャレにならないレベルだけど、そのやり過ぎ感があったために、マイクを助けるのにみんなで石で撃退する時はカタルシスがあった。
いきなりジョージーの腕を食い千切るとか、マイクの観る火事で扉が開かない悪夢とか、うわっ…て思えて期待感が高まった。
ペニーワイズやその他の怪現象は、凄いんだけど、怖いかと言われると…美麗なCGのせいかもしれないけど、生っぽさと言うか、自分もその場に居る。怖い。逃げたい!というライブ感が感じられなかった。
何というか、少年達に起きた怪奇現象を、安全な場所で、モニター越しに観ている感じが付きまとってしまった。つまり映画に入り込めなかったのか。歪んだ人物画が動いたら怖いだろうなって思うけど、CG映像で見ると怖さ半減。ペニーワイズが巨大化したり、大口を開けるシーンなど、映画に入り込めていたら、目を背けたくなるシーンだと思うけど、むしろ『へぇ~、口の奥の方こうなってるんだ…』みたく、恐怖の体験者ではなく視聴者(≒安全にじっくり観察する立場)に引き戻される。映画館の大画面で観ていたら違ったかもしれないけど…
ビルとベンの間で揺れ動くベバリー。リッチーの下ネタジョーク。エディとママの関係。こっちのドラマパートを延々と観ていたかった。