《改行表示》75.《ネタバレ》 宇宙の生物が、エイリアンなどではなく、微生物であるところとか、地下に作られた研究施設の防疫システムや、専門家たちが謎の病原体を解明してゆく、その科学的な過程などの細かい描写が、リアリティを醸し出し、サスペンスとして魅せてくれる。一方、核による自爆システムをギリギリで止める演出など、多少陳腐なところもある。 宇宙から細菌を持ち帰った衛星の形を見て、どうしても一昨年帰還した、はやぶさを思い出さずにはいられなかった。もしあれが、細菌汚染されていたら、大変な事になっていたんだと、恐ろしくなった。大気圏に突入した時の高温で、生き物は死んでしまうんだ、と漠然と考えていたが、地球上でもヒ素を栄養にする生物が発見されたり、まだまだ我々の常識を超えることが、世の中にはいっぱいあるらしいので、油断できないものだ。 物語は、これを軍の細菌研究の招いた厄災としている。研究所の危機と、アメリカ国土上の危機は、何とかアルカリによって脱した事になっているが、まだまだこれからも同様の危機が起こりうることを示唆して物語は終わる。自ら研究していた生物兵器によって、バイオハザードの危機に陥る物語は、たくさんあるが、おそらくこれはその初期の傑作であると言えるのだろう。 【Tolbie】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-06-08 15:14:55) (良:2票) |
74.《ネタバレ》 初めて観たのは10代の頃TVで。その時は興奮しました!(当時の感性だと8~9点) 寝たきりの爺さんと赤ん坊だけが生き延びた謎に引き込まれたもんです。感染すると血液が粉になって死んじゃうという不思議で怖い病気と、その病原体の不思議な仕組みにドキドキでした。けれど、今回久々に見直してみたら、やはりちょっとスローでゆるい感じは否めなかったです。しかし、この作品を初めて観た時の感動は、物語の面白さのみではなく、この話を作り出したのが医学生かなんかだということも自分の中でプラスされてました。医学生だったのかどうか曖昧な情報入手しかしてませんでしたが、どうやら医学畑に関係する人らしいってことは分かって「そういう人が小説書いたりもしちゃうんだ、スゴいなー!」と感心してました。『ウエスト・ワールド』っていう、西部開拓時代を再現したテーマパークで、安全管理されたロボット扮するガンマンたちと西部劇ごっこを楽しむはずが、ロボットが暴走するという映画もあって、その映画は本作と同じ原作者でしかも映画監督までやっちゃったらしく「なんてオールマイティーな人なんだ!」とウラヤマビックリしておりました。自分が大人になってからもその人が面白いお話を作り続けてるとは当時思ってもなく、『ER』だの『ジュラシック・パーク』だの出してきた日ニャ「マイケル・クライトンてどんだけスゴい人なんや」と感心しまくりでした。というクライトンさんの存在を知るきっかけになった作品です。 【だみお】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-06-06 03:00:10) (良:2票) |
《改行表示》73.2010年、日本国内を席巻したトピックスの一つとして挙げられるのは、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還だろう。 それまで見向きもしなかったものに対して、突如として熱狂することは、善し悪しは別として昨今の日本人の特色だ。 このトピックスで日本中が沸いた際、何かのメディアで評論家が興味深い“不安”を口にしていた。 それは、無人探査機が地球から遠く離れた小惑星から採取したその「物質」が、地球の生態系において全く無害で、人類の科学技術で管理できるものだと、誰が断言できるのかということだった。 大多数の賞賛の中で、その空気の読めないコメントは、特に取り上げられることもなくスルーされた。 だが、その“不安”は、充分に考えるべき要素だと思った。 そして、それに極めて類似する不安要素を、このマイケル・クライトン原作の映画作品に感じた。 映画として優れた娯楽性を見せる作品とは言い難い。 宇宙から飛来した謎の病原体を、4人の科学者たちが深い深い地下の秘密施設で研究し続ける映画で、作中の科学者たちと同様、延々と繰り返される終わりの見えない研究室の風景には、退屈感が蔓延する。 主要キャストの4人も、オジンとオバンばかりで格好良さがまるで無い。 謎の物体が、突如として真の姿を現し始める瞬間など、スリリングな場面は幾つかあるのだが、もっと娯楽性高く映画全体を魅せる方法はいくらでもあるように思う。 ただ、今年「はやぶさ」に対する安直な熱狂があったからこそ、この映画が描き出す「恐怖」は、実はすぐそこに迫っているのではないかという緊張感を増幅させる。 そう考えていくと、分かりやすい娯楽性なんてこの映画には必要なく、延々と続く研究シーンと同じく、「未知なるもの」に対する実態の見えない分かりにくさこそが、「本質」なのだとも思える。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-10-18 22:32:41) (良:2票) |
72.《ネタバレ》 邦題から、宇宙空間を舞台にしたSF映画を予想してたんですがみごとのに外れました。しかしながらそんな事はどうでもよくなってしまうくらいに凄い映画でした。冒頭、“何か”が起こった街を探索するシーンから研究所に至るまでが淡々と描かれてますがそれがかえって未知の恐怖を倍増する効果をもたらしているし、中盤から後半に至るまでの“アンドロメダ”の謎の解明などがスリリングに描かれているのもこの映画が普通のSFパニックではないことを物語ってます。言うまでもなく、これはSF映画史に残る傑作です! 【クリムゾン・キング】さん [地上波(吹替)] 10点(2004-03-20 20:19:31) (良:2票) |
71.《ネタバレ》 みな様ご存じ、最新科学的知見を取り入れたハッタリを書かせたらピカイチのマイケル・クライトンですが、彼のフィクションは映像化するのには意外とハードルが高いところがあります。本作で言えば、ニューメキシコのド田舎の住民を全滅させた宇宙から衛星が持ち込んだものが何なのか、という謎を純科学的に解明してゆくプロセスを映像として再現するところでしょうね。そこはベテランのロバート・ワイズですから、地下深くに構築された研究施設のディテールに徹底的にこだわった演出でストーリーテリングして成功しています。当時では最先端のコンピュータシステムの画面なんかは今の眼で観ちゃうと微笑ましい限りの代物ですが、執拗に描かれる殺菌プロセスなんかは現代でも通じる絵作りだと思います。このストーリーで地味だが斬新なところは、人々に死をもたらしたものが細菌でもウィルスでもなくアミノ酸を持たない地球上では考えられない生命体だったというところで、「微生物やウィルスのようなサイズや構造の知的生命体が地球外に存在するかもしれない」というセリフには目から鱗という感じでした。 この映画では結局匂わすだけで終わった感じでしたが、衛星を打ち上げて回収する“スクープ計画”なるもの自体がなんとも怪しげです。宇宙から細菌や微生物を採取してBC兵器を開発するのが目的だったと暗示しているようですが、まあフィクションですから目くじら立てることはないですけど荒唐無稽ではあります。でも製作時期を考えると“コロナ・ウイルスBC兵器説”に代表されるような陰謀論の元ネタなのかもしれません。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-04-15 22:13:29) (良:1票) |
《改行表示》70.《ネタバレ》 未知の感染症パニック映画と聞いて想像する、「人々が病気でバタバタと倒れる、死ぬ」映像が一切ないことにまず驚きます。 物語の進行も、現地調査はほとんどなく、厳しく隔離された研究施設内で地道に細菌の性質を究明し、その明らかになった特徴で サスペンスを演出するというもの。現代でリメイクするなら、CGを駆使して派手に飾りたい欲を我慢できないでしょうね。良作。 【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 7点(2019-10-21 17:54:15) (良:1票) |
《改行表示》69.《ネタバレ》 ドキュメンタリータッチのSFというのが変わってる。 謎の病原体でバタバタと死んでいった人々の中で、なぜ赤ん坊と酔っ払いの二人だけ生存しているのか。 研究所内での出来事がメインで派手な動きはないけれど、迫りくる人類存亡の危機にどう対処していくのかで引っ張られる。 結局、病原体は特定のpH領域でしか活動できないということを突き止める。 SFの中には素人目にも突拍子もない無理な理論の上に成り立っているストーリーもあるが、これなら何となくそんなこともありえるかと思えてしまう。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-07-02 23:38:57) (良:1票) |
《改行表示》68.《ネタバレ》 終始一貫してソリッドな作り。まるでNHK特集の生真面目な再現ドラマを見ているようです。 ちょっと色気のある制作者なら、未知のウィルスにパニックになる市井の人々だとか、スクープを抜こうとする記者とかの描写を入れそうなものですが、もう頑固なまで科学者サイドべったりの目線。たまにホワイトハウス側の「どうなってるんだよ」という外野の声も入るには入りますが。 スター不在の地味なめんつが地味に(そして必死に)原因を探すのに付き合わされる130分。全身消毒を繰り返すくだりはさすがに飽きますが、派手さは無くともこれが意外にサスペンスフル。特に冒頭の”死の町”描写は淡々としてるが故にぞっとする光景が現実味ありでとても怖いですし、赤ん坊の泣き続ける声というのもこちらの気持ちをざわざわさせます。 そして本作は71年の作品ながら、コンピュータ等の機器に古臭い感性が少ないのも観やすかったです。66年の「ミクロの決死圏」のメカは正直「未来風な」デザインを目指しすぎてヘンテコになった感がありましたから。テレビ電話やタッチ画面など、やけに正確に技術予見してるなあ、と驚きました。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-29 16:46:52) (良:1票) |
《改行表示》67.《ネタバレ》 「2001年宇宙の旅」を想起させる緻密な画作りで、閉鎖空間でのサスペンスを手堅くまとめたSF映画の佳作。 科学的見地から人類と未知の生命体との攻防を描き、ミクロの世界の恐怖を見せつける。核爆弾を使えば病原体が拡散するという逆説的な風刺の面白さ。そして、宇宙生物を利用して細菌兵器を開発する計画に気づき「これも偉大な一歩」とつぶやくレービット博士………アームストロング船長の言葉をもじったセリフは皮肉のパンチが効いている。 飲んだくれ老人と赤ん坊という“弱さ”を代表する二人の生存、そのカギを握る酸性とアルカリ性、突然変異と無害化、それらの対比が意表を突く展開で、中盤以降は俄然面白くなる。 核自爆装置の解除は予定調和だが、終盤のハラハラドキドキは後の「カサンドラ・クロス」や「アウトブレイク」などにも受け継がれる、いわば“ハリウッドのお家芸”だね。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-09-16 11:52:02) (良:1票) |
66.初見での面白さが半端じゃなかった。開幕5分で見入らされ、後はそのまま。終始サスペンスで派手なアクションなど皆無だが、ストーリーと丁寧な展開の移り変わりそのものに見入らされる。再三フラグが立てまくられている「ラスト5分」はスパイスでありオマケ。おっちゃん達が各々全力を尽くす感じだとか、その道のプロが人間味を交えながら力を発揮するだとか、理屈で核心に近づいていく過程だとか、そもそもそういうのが好きというのも面白いと感じた要因なのかもしれない。私は生物・化学の知識がゼロなためもし矛盾とかがあっても全く気付けない一方で、専門用語連発で置いてきぼりをくらうという感じでもなく、展開とともに、あ~なるほど、だからそうなのか、そういうやり方になるのか、と見入ったまま考えること自体を楽しめる、そういった意味でも良い作品と感じました。 【53羽の孔雀】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-07-06 04:01:27) (良:1票) |
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65.クライトンの小説が好きで、よく読んでます。しかし、映画になると途端にダメダメになってしまうものが多いんですね(例外として、ジュラシックパークはアドベンチャーとしてとても面白い映画でしたが)。この「アンドロメダ・・・」もその数少ない例外の一つではないでしょうか。オープニングタイトルは小説の世界観をよく表していると思います。隔離された研究室で、人類の今後を左右する目に見えない脅威との戦いはとてもスリリングです。そして、事態は一見収束したかに見えても、事件の前と後では誰も気づいていないところで世界は決定的に変化してしまい、そして以前の世界には戻ることができないという変化を描いていると思います。クライマックスの展開はちょっとサービス的でしたけどね。 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-03-23 12:44:59) (良:1票) |
64.クライトンのこの小説は映画を観るまで読まないことにして待っていたのですが、やっと時間がとれて(暑い連休で外に出るのもおっくう)自宅で鑑賞。このアンドロメダと名づけられた小説では英国の学者フレッド・ホイルの異星から送られた生命体による危機をテーマの小説(多分映画化されていない)があって、更に同時期に書かれた小松左京の「復活の日」(これは「火星の殺人者:MM21と呼ばれる細菌兵器研究のために育てた地球外の細菌が流出して人類滅亡の危機を招くものでこの映画のシチュエーションに似ている)などSFには格好の題材のようです。この映画で感心したのは1970年代初期ですからCGには物凄く金がかかるところをキャラクタベースでの画面で緊迫感を求めていることです(後にマトリックスなどが踏襲していますが、これはつまらない)。安っぽいスリラーみたいに画面に突然化け物が出てくるのでもなく、あくまで正攻法での映像を貫くことで真面目な作品となっています。宇宙との間での物質の出入りは宇宙開発の最初から各国が必要以上にと思われるほど気を配っていますが、昨今のように途上国まで参入してのコスト競争が続くとこの映画が杞憂と笑えない日が来るかもしれません。 【たいほう】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-07-16 23:48:12) (良:1票) |
《改行表示》63.非常に静かなパニック映画。それが妙なリアルさと緊張感を与えてくれる。 リメイクでもされたら、ド派手な映像シーン満載ということになるんだろうけど、 映像技術の発達していない時代の作品ということで、懸命なシナリオの練りとともに、 丁寧に作られているなぁという印象。ストーリー自体も面白いという範疇で、 大方の人は納得できるのではないかと。お薦めのSFパニック・ドラマ。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-12-01 20:37:04) (良:1票) |
62.人類は「パンドラの箱」を開けようとしているのかもしれないと「はやぶさ」の帰還に対して一抹の不安を覚える。 【akila】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-03-05 15:13:16) (良:1票) |
《改行表示》61.《ネタバレ》 『日曜洋画劇場』で見たのが最初でした。とにかく面白かった。数日後、偶然書店で原作を見つけ、さっそく購入。かなり忠実に映画化されていることを知って、驚くと共にこの原作に感心しました。 本作の成功は、まずリアルな設定に徹したこと。物語自体が、実際に起こった事件の報告書という体裁をとっています。演出も、一部映画的な手法をとっていますが、おおむね地に足がついたリアルなタッチで貫かれています。「本物らしさ」の持つ迫真さを感じます。最下層に行くまでの長々しい描写も、本物らしく見せるためには必要不可欠なのです。 それと、物語の基本を「謎解き」に置いたこと。最初は何が起こったのか? という謎で引っ張り、次になぜこんな死に方をしたのか? に移り、最終的には「なぜあの二人だけが生き残ったのか?」という点にたどり着く。最後にはその謎を解いてみせる。形式こそSFですが、実はミステリーの要素が重要な位置を占めています。そのことが、推理小説が好きな私の心をつかんだようです。 あと、未知の存在を科学的に解析・研究する過程・手法。新しい事実を次々と発見していく面白さ、未知のものを解き明かす知的興奮を味わうことができます。これもやはり一種の「謎解き」と言えるでしょう。専門用語も頻出しますが、実はあまり詳しくなくても理解できるように作られています。中学卒業程度の理科の知識があれば大丈夫でしょう。pH すら知らないというのなら、話は別ですが……。ということで、SFということで敬遠しそうな人にこそお薦めしたい名作です。 今回はNHKの放送を見たのですが、字幕にあまり適切でないところがあったのは残念でした。ロボットじゃあるまいし、“燃料”を飲んでいる人っていないでしょう。何の誤訳なんだか。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2011-02-14 20:18:43) (良:1票) |
60.細菌との戦いなので映像に派手さは無いが、未知の目で見えない脅威をしっかりと演出されており見ていて緊迫しました。途中専門的用語?がたくさん出てきてついていけなくなりそうでしたが、研究で正体が明らかになっていくのは面白いし、最後はわかりやすいスリルで終わるので楽しめました。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-09 17:53:06) (良:1票) |
59.《ネタバレ》 自分にとっては「ミクロの決死圏」と本作がSF映画の原典です(「2001年」を観たのは大学生になってからなので…)。住民が死に絶えた街の捜索から、研究施設での病原の抽出、感染経路の特定、アンドロメダ細胞の性質の分析と、ストーリーは極めてストイックに進行する。現在なら過剰と思える研究施設に入るための殺菌の過程も、当時はSFマインドを盛り上げるために寄与したのだと思います。一般ウケするかどうかは別にして、地球外の存在でもUFOや宇宙人のような類いの正体不明より、こちらの方が現実味を持った脅威として実感できます。エンタテイメントとして弱点を挙げるなら視覚的ワンダーが少ないところかな。アンドロメダ細胞の胎動に一瞬ドキッとしたくらいで、全体的にたいへん大人しい。お色気という意味でも「ミクロ…」は科学者スタッフにラクエル・ウェルチがいましたが、こちらは中年の嫌味なおばちゃんですもんね。まぁ、サービス精神が希薄というより、作品全体をストイックにまとめることを優先させたようで、その志は分かります。こういう科学的な「探求」がストーリーの本流になっている作品が現代にも欲しいところです。そうそう、実験動物として赤毛ザルが病原体の餌食になりますが、その断末魔は必見です。アカデミー助演賞もの。(本当に殺したのかな…?) 【アンドレ・タカシ】さん [地上波(吹替)] 6点(2010-11-27 21:59:25) (良:1票) |
58.期待以上のものでした、山場がいくつかあり、細部にいたるまでとってもよく描けていて、緊張感もありました。7.5点くらいですが、8で。。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-10-31 23:14:51) (良:1票) |
57.研究者たちの消毒過程までご丁寧に見せてくれまして、さすがに眠くなってしまったが、病原体の研究はなかなか面白い。それにしてもあの猿の演技力は凄すぎる、本当に殺されたんだろうと思って見入ってしまった。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-10-27 18:08:56) (良:1票) |
56.《ネタバレ》 SFはもっぱら宇宙基地とか古代恐竜とか、巨大なものを相手にしてきた。『ミクロの決死圏』だって、映像的には巨大な人体の胎内めぐりのようなものだった。しかしこれでは微小な方に向かったのが特徴。そのスケールの小さなものが、大きなスケールに増殖していくかもしれないことの不安。人間の日常のスケールを越えた世界を対象としていく。SFの王道であり狙いはいいのだが、それはやはり理屈の面白さであって、小説では楽しめそうだけど映像としては難しかった。小さな緑の結晶が生きている、ってあたりがドキドキさせるべきところなのだが、顕微鏡映像を通してなので、もひとつ手応えが弱い。これ作られたころは、まだアポロ計画の最中だったかな。人々の興味は急速に薄れていたとは言え、科学の現場をドキュメンタリー的にたっぷり描いたのも、そういう背景があったからだろう。かえって今見ると、その70年ごろの近未来図の野暮ったさが味わい。ジャバラつきの感染防止服なんかいい。あんまりドキュメント調では観客に悪いと、ラストに冒険がサービスとして入るが、文字通り取って付けたようだった。映画としては、最初の死滅した町の探検の部分が一番。宇宙服みたいの着て日常の町を歩き回る凶々しさ。この増殖する生命体、ちょっと「ウルトラQ」の「バルンガ」を思い出す。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-10-21 09:57:10) (良:1票) |