4.《ネタバレ》 英国映画「雨の午後の降霊祭」は、役者として「大脱走」、監督としても「ガンジー」や「遠すぎた橋」で有名なリチャード・アテンボローがプロデュースしつつ主演もしている映画です。
いかにも英国映画らしい、モノクロームでなくては作れないお芝居です。
テーマは誘拐。犯人夫婦の妻の方が霊媒で、僅かな信者を集めては降霊会を開きます。
リチャード・アッテンボロー扮する夫が、子供を誘拐し、妻が霊媒としてその家に乗り込んで、子供が自分の夢に現われたなどと話します。
身代金をうまく手にいれる場面の疾走感が、とてもいいんですね。
これで犯罪としては成功なのですが、結局は誘拐された子が殺され、やがて実に意外な方法で真実が暴露される。
ここでは、ミステリーという言葉も推理ではなく、神秘という本来の意味に取ったほうがいいのかもしれません。
抑制されたリアリズムで作ってゆくから、最後の超自然的な展開が冴えわたります。
英国以外の国では絶対に作られない種類の映画だと思いますね。