8.《ネタバレ》 ベアールが泉での水浴びで美しいヌードを披露。
もちろんベアール目当てで見たのだが、そんなよこしまな気持ちはストーリーに引き込まれてどうでもよくなってくる。
実はⅠにはベアールが出ないのでⅠを見ずにこのⅡから見始めたが、途中でこれは絶対にⅠを見てからのほうがいい映画だと察知して中断。
日を改めて、Ⅰを先に見ることに。
そうしたらⅠが期待通りの作品で、すぐにⅡを見ずにはいられなくなる。
ⅠとⅡは言ってみれば前編・後編のようなもので、前編を見なければ後編は成立しないのと同じ。
一つの映画としてセットで見るべき。
因果応報、自業自得を絵に描いたような物語。
Ⅰではウラゴンとパペの悪事は暴かれることなく、悪人が得をするラストだったが、Ⅱで全部ツケを払わされた感じ。
西洋のおとぎ話のような古典的な味わいもあり、リアリティはないけれど、物語としてよくできていて釘付けにされる。
悲劇ということなら、ストーリーは全然違うがロミオとジュリエット並。
そういえば、こちらも分岐点は行き違いで届かなかった手紙だった。
手紙が届いてさえいれば、ハッピーエンドになったのに。
盲目の老女から真実を知ったパペが、生きる気力を失くして翌朝ベッドで冷たくなっているというのは、自殺でもないのに通常ありえない死に方。
でも、それも納得してしまうくらい失ったものが大きすぎて、それも全部自分自身の招いたこととなれば、生命エネルギーがゼロになるのかも。
マノンの復讐は当然で、ざまあみろというカタルシスもあるが、同時に運命の苛酷さと哀しみも感じる。
あまり知られていないようだが、隠れた名作と言ってもいいレベル。
思いがけない秀作だったので得した気分。
キャストもばっちりハマって素晴らしい。