71.《ネタバレ》 冒頭のおもちゃのようなセットの町に口あんぐり。何もかもがユルイ。密室、鉄道、サスペンス、アクション、ラブコメ。道具立ては良いのだが、詰めが甘い。◆ホテルで小夜曲を歌う男が突然出てきた手によって絞殺された。あの歌は暗号だったのか?何故そんなまどろっこしいことをするのか?で、スパイの老嬢がその曲を覚えて、駄賃の小銭を投げる。殺されたのに気づけよな!翌日出発の駅で老嬢が娘に向かって、「私の茶色のバック知らない?」知るわけないよね。そして階上から老嬢めがけて植木鉢が落とされる。が手元が狂って、隣の娘の頭に激突。自分が狙われていることに気づかない老嬢。本当にスパイ?◆植木鉢の件から推察するに、敵は老嬢を拘束して尋問したいのではなく、ただ殺したいだけのようだ。それなのに随分と手の込んだことをする。同席の乗客を買収。ウエイトレスの一人は仲間。高名な医者も仲間。老嬢の身代わりを病人に化けて乗車させる。付添いの尼僧も仲間。娘が寝た隙をついて、老嬢を拉致、病人とすり替える。そんな面倒なことをしなくてもスパイ罪で逮捕するか、毒殺でもすれば済むものを。三流国の警察のやることはわかりませんね。◆娘と音楽家は列車の物置場で奇術師の男と対決する。倒した男を箱に閉じ込めたら消えてしまったが、どこに消えたのか?男はどうやって客車に戻ったのか。◆・尼僧の裏切りで敵の策略が明らかとなり、老嬢を取り戻してからもドタバタは続く。銃撃戦だが、敵は最終ターゲットである老嬢が逃げても追わない。撃たれて死んだと思ったのか。それでも銃撃戦を続けるのはなぜ?銃撃戦が始まっても逃げない運転手達。あーあ、結局殺されちゃった。◆外務省に着いた娘と音楽家。音楽のことはまかせてくれと言っていたのに旋律をすっかり忘れている男。旋律を弾く老嬢に出会うが、科の尉はどうやって早く戻ってくることができたのか。一方は鉄道、一方は徒歩だよな。◆いつも喧嘩ばかりしているダブル不倫カップル。男は死んでしまった。女のその後は描かれず。それにしても6週間の不倫旅行とは…。◆クリケットファンの二人の紳士。ロンドンに着いたら試合が中止。唖然とする二人。だが観客も唖然とする。登場人物が一体となって同じ方向を向き、勝利することでカタルシスを得る。なのにこの映画は最後まで登場人物場がばらばらの方向を向いている。おしゃれなコメディのつもりだろうか。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-01-18 01:05:40) (笑:2票) |
《改行表示》70.《ネタバレ》 サスペンス映画好きのくせに、実はヒッチコック映画を観ていない。 過去に見た作品は、「サイコ」と「北北西に進路を取れ!」くらいである。 久しぶりに物凄く古い映画を観たくなって、70年前に製作された今作を手に取った。 特急列車の中で突如姿を消した中年女性。主人公は彼女の行方を同乗者に聞いてまわるが、誰もが「そんな女性はいなかった」と彼女の存在を認めない。 という「奇妙」から端を発し、コトの真相が、列車に乗り合わせた群像と人間心理の中で徐々に描き出されていく。 おや、どこかで観たことがあるストーリー展開だなと思えば、まるっきりジョディ・フォスターが主演した「フライトプラン」ではないか。 当然、「フライトプラン」の元ネタが今作というわけなのだろう。 とにもかくにも、70年も前に製作されたサスペンス映画が、今も変わらず映画としての“面白味”という輝きを放ち続けていることに、アルフレッド・ヒッチコックという映画史の巨人の言うまでもない巨大さを感じずにはいられない。 ただ単に、謎とそれに対する真相を追い求めるだけでなく、登場する人物の性格や、言動、心理描写に映画としての核心があり、そのことがこの作品が劣化しない最大の要因だと思う。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-12-23 10:02:20) (良:2票) |
《改行表示》69.古典的なサスペンスで、どこか別の映画かドラマでこの手のものを観ている感覚がある。 なので意外性に驚くことはあまりなく、面白いとは思うけど、ちょっとダレる感じもあり。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-09-18 00:14:57) (笑:1票) |
68.《ネタバレ》 足止めを喰らって旅館で過ごす一夜のシークエンスがどうもモタモタし過ぎている感じがします。この作品は登場人物が多いのですが、どうもそれぞれのキャラが有機的にストーリーに活かされていないところが難点です。どうもヒッチコックは群像劇のようなタイプの映画を演出するのはあまり得手ではなかったみたいですね。列車を舞台にしているところなんかはアガサ・クリスティーの『オリエント急行の殺人』に便乗した感じが強いけど、この映画の脚本は本格ミステリーに良くある「まずトリックありき」という不自然さが目立ち過ぎています。あんな老婦人一人を始末するのにあそこまで手の込んだ仕掛けが必要なのかが意味不明。ハラハラドキドキ感は薄いし、種明かししてからの展開もちょっと強引過ぎる気がします。まあ“消えた乗客”というプロット自体は偉大なオリジナルで、この後色んな映画で模倣されてるくらいだから評価すべきところでしょう。 そう言えばヒッチコック先生はどのシーンでカメオ出演してたんでしょうか、全然判りませんでした。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-03-27 23:37:26) (良:1票) |
《改行表示》67.《ネタバレ》 列車内で起きた老婦人が消えたという謎の描写自体は面白かったです。。 ただ、「さっきいた人がいなくなった」→「だからどうした」という思いが消えなかったことも事実で、それほどスリリングな印象は受けませんでした。 個人的な興味は「窓ガラス」あたりがピークで、あとは下降線。 ラストの無理やりなハッピーエンドに何とも言えない締まらなさを感じました。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-10-21 23:40:25) (笑:1票) |
66.あのクリケット命の紳士二人組が一体いつ本筋に絡んでくるかを考えながら観ていたけど、まさかああいう展開になるとは思わなかった。それまでの話が絶妙のテンポで進んでいただけに、ちょっと飛躍しすぎって気もします。追っ手があれ以上追ってこないのもなんか解せないし。でも最後はキレイにまとまってよかったよかった。余談ですが、あのまま支線を進んでいったなら…やはり行き着く先はシベリアですか? 【とかげ12号】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-22 19:22:43) (笑:1票) |
65.《ネタバレ》 おバカなやり取りあり、ミステリあり、マジックあり、恋あり、アクションあり、という実に贅沢な(個人的に)、いくらホメてもホメ足りない映画。前半のホテルでの、出来そこないの喜劇みたいなグダグダ~ッとした感じが、もータマリマセン、完全にツボ。邦題が『バルカン超特急』っつうんだから、どうせこの後舞台は列車に移るんだろうけど、もうこのまま列車なんかのらずにグダグダ続けてくれればいいのに、と思う。しかしそんなワガママは通用するはずもなく、グダグダな人たちを乗せて列車は発進。しかし当然ながら、ここがらがさらに面白い(それまで一体ワシャ何に喜んでいたのやら)。列車という密閉空間で、忽然と消失したフロイとい女性。主人公はフロイを探し求めるが、ナゼか他の乗客たちはフロイの存在自体を認めない。このあたりの謎の提出の仕方が、ミステリとして第一級のワクワク感。窓ガラスに現れる「フロイ」の文字にゾクゾク。しかも主人公が気付く直前のシーンで、ちゃんとこの文字を何気なく(本当に何気なく、気付かないように)我々に見せてくれるのが心憎い。ところで、この文字、もっと前のシーンでフロイ夫人自身が指で書いたものだけど(この伏線の張り方がグー!)、オヤオヤ、さっきのシーンとちょっと筆跡が違うんでないかい?と細かいツッコミも入れておこう。そして謎は突然、全貌を現し、ストーリーは一気にテンポアップ、後半の銃撃戦へ! またこの銃撃戦が、どうしてなかなか、いやワタシ、こういうの好きだなア。と言うわけで、大方予想通りのオチまで含めて、大満足のオモシロ映画でした(・・・個人的に)。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-08-29 22:31:46) (良:1票) |
64.私も素敵な男性と出会って、一緒に難事件を解決しちゃいたい!と思わせてくれる作品。 【paraben】さん 7点(2005-03-10 13:15:52) (笑:1票) |
63.すごく雰囲気が良かった。映画には雰囲気って大切だなと改めて実感。個人的には「サイコ」「めまい」に次ぐヒッチコック映画のベスト3だね。 【ゆきむら】さん 9点(2005-01-26 21:52:12) (良:1票) |
62.ヒッチコックなんて全然観たことなかった。古いから。今、観てもしょーもないって思って。んで、最近、古いものえーなーって思うようになり、これを観た。ちょっとびっくりしたんはサスペンスや思ったら、コメディーやったから。だから緊迫感なし。銃撃戦もしょぼすぎる。でも悪くはない。全体的に舞台劇みたいな雰囲気。ヒロインの人はめちゃくちゃかわいいわ。見た目もそーやけど、仕草とかも。特に列車の倉庫で格闘するのを助けるとことか。白黒の映画ってほんま女優さんとか神秘的にすっごくかわいく見える。それにアンティーク感もあるし、多少しょぼくても許せてまう。ラストのオチとか展開とかほんま今作ったら馬鹿にされるとは思うけど。今の時代から観るとストーリー的にリアリティー感低くて漫画チック。突っ込みどころも沢山ある。だからその辺はわりきって観なあかんとは思う。でも映画自体のノリはかなり好き。それにまた観たい映画かな。 【なにわ君】さん 7点(2004-04-17 19:21:01) (良:1票) |
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61.視聴者まで老婆がほんとに居たのか、居なかったのか分からなくさせる見せ方が上手い。何かの陰謀にするにしてはその理由が見えないし、乗客の誰かが見たという確証も取れない。彼女が見た幻覚だったのだろうか・・・と疑ってみてしまうのも仕方ない。乗客の嘘をつく理由がそれぞれ個性があるのが良かった。まあ逆に言えば、買収された人以外が嘘をつくのは偶然の産物なんだけど。でも見ている時はそれを感じさせないくらい上手く出来てた。物語が核心に迫ってくると話が飛躍的に大きくなるのもヒッチコックらしいといえばヒッチコックらしいか。 【智】さん 8点(2003-12-04 23:15:32) (良:1票) |
60.《ネタバレ》 おばちゃんスパイのネタばらしの過程が雑だし、ラストでの登場で拍子抜け。 |
《改行表示》59.《ネタバレ》 ~The Lady Vanishes~消えた女。 調べたらバルカン半島から東欧経由ドイツ行を『バルカン列車』といったそうで、映画のはロンドンまで行く(ドーバー海峡はどうするんだ?)そうだから、架空の超特急だと思う。 ドイツ圏の架空の国バンドリカ。オープニングのミニチュアの街が結構よく出来ている。世界大戦直前の1938年だから雪山ロケなんて出来なかったんだろう…というか舞台はホテル内、田舎の駅、車内、森の中、都会の駅くらいか?お金掛かってないなぁ。走る列車もミニチュア模型だ。 メイド部屋で1枚のパジャマを上下に分けるイギリス紳士2人、キャラが立ちすぎている。でもまさかの『お色気担当』と思ってたワガママ自己中金持ち女の1人が主人公。 さっきまで話してた人が消える。周りの人は“そんな人いなかった”という。昨日のいけ好かない男が助けてくれる。席に戻ってきたという女性は別人だ。なぞなぞみたいにシンプルな謎だけに興味が湧いて先が気になる。 自分の記憶違いか?と思うようになるアイリス。ハーブティーの件と窓のFROYを見つけるがギルバートに見せる前に消え、絶叫と汽笛が重なる辺り、独りアウェイなアイリスがちょっと可哀想になる。 貨物車両辺りからテンポが良くなる。子牛、魔術師ドッポの看板、消える箱、ホームズとワトソン。掛け合いが楽しい。協力者ギルバートがどんどん良いやつになって、アイリスはどんどん可愛く見える。薬を盛られたと思って背伸びの運動してるアイリスの微笑ましいこと。あーコレTRICKだ。山田と上田コンビに感じた面白さだ。 格闘とか銃撃戦とかあって、ゆるーい空気で事件は解決、敵側の良い人修道女も無事、フロイも生きててハッピーエンド。良かった、良かった。…あれ?車内の敵士官はどうした? 勢いで作った映画っぽいけど、お金掛かってないけど、粗探せばボロボロ出てくるけど、すげー面白かった。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-29 17:33:25) |
58.《ネタバレ》 最初の30分と後の60分でまるで別のような作品。ホテルのシーンは、もう全体的にグダグダで、というか私はクリケットの2人組が主人公かと(少なくとも後で何か活躍はするのかと)思っていました。列車に乗って謎が開始してからは、一気呵成の勢い。80年以上前にこんな先進的な謎の設定があったのに驚き。オチは「それだけ?」という感じですが、時代を考えて許してあげましょう。●時期的にはヒッチコックイギリス末期の頃で、最後の方で明らかにイギリス人を馬鹿にしまくっているのは、何か思うところがあったのかといろいろ想像してしまう。それと、単純な銃撃戦というのもやってたんですね。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-12-26 00:51:36) |
《改行表示》57.ヒッチコック作品をどれか一つ選べと言われて本作を推すことはないけど、3本の指には入る作品だと思います。 ヒロインの記憶が真実なのかわからなくなる展開からスケールが広がっていき、生きるか死ぬかの境に入ると、ドキドキハラハラします。 ラストまで息つく暇もありません。 1938年の作品とは思えない傑作でした。 そういえばヒロインの相手役の男性がゲイリー・オールドマンに似ているなぁと思いました。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-12-25 18:58:37) |
56.チープな話かと思ったら、どんどんスケールが大きくなっていく。オチも完璧。純粋な娯楽作品としてはちょっと減点のしようがない。オープニングで主人公が誰かよくわからない導入が少しだけ怠いかも。 【ブッキングパパ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-30 14:51:07) |
《改行表示》55.《ネタバレ》 ヒッチコック監督作品で1本選べと言われたら、私なら迷わずこれ。私がミステリに必要不可欠な要素だと思っている「ユーモア」がふんだんに盛り込まれ、なんとも楽しい作になっています。特にイギリス人2人の使い方が良く、ちょっと自虐的な描き方にも思えますが、最後のオチまで愉快です。あと、暗号が歌になっているという秘密自体おかしいのですが、銃撃戦を横目にその歌を教えているあたりは爆笑もの。実にトボケた情景で、製作者側の余裕を感じられます。ほか、窓に書いた文字や紅茶の包み紙も、視覚に訴える文字通り「見(魅)せる」名シーンでしょう。 最初に見たときは、序盤のホテルのパートがつまらなかったのですが、再見すると主要人物をうまく紹介していることがわかります。ただ、主人公が誰なのかわかりにくいため、面白みが感じられないのでしょう。あと、弁護士とその愛人はユーモラスな部分がなくちょっと浮いた存在ですが、この弁護士が白旗を揚げながら撃たれるあたり、当時の情勢を反映しているようです。 そういう部分もあるものの、基本はお気楽に楽しめる娯楽作です。テンポがのんびりしていることもあって、古き佳き時代のサスペンスと言えるでしょう。(レビュー1000本目) 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2020-04-29 20:20:06) |
《改行表示》54.まさか80年も昔の映画で笑えるとは。銃撃戦の最中の「真実を話すわ」「今かよ」(意訳)などというやりとりが秀逸。最初のホテルのシーンでは乱雑な印象しかなかったし、事件が起きるまで長いので不安になりなすが、そこから先は謎解きが興味をつなぎます。いろんな意味で「音楽」の使い方がすばらしい。それに一部の黒幕が操るのではなく、人それぞれの事情が絡み合って物語が進行するというのも、なかなか見事です。実は容赦なく人が死んでいく殺伐とした話でもありますが、コメディの要素が勝ります。 それからヒロインの女優さん、ものすごく美人だと思います。笑いも美人も普遍的なものなんだなと再認識できました。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-01-26 10:13:29) |
53.《ネタバレ》 しかし、おばちゃんスパイをひとりさらうのに、どんだけ手間描けてんのかね? 【センブリーヌ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2020-01-20 13:57:16) |
52.《ネタバレ》 皆さんおっしゃるとおり、フロイ夫人が発見されるまでは緊張感があり、面白い展開を予感ささたのだが、医師が犯人と判ってからは夫人の正体に驚かされる程度で退屈な内容だった。ラストのハッピーエンドも私にはよく解らなかった。撃たれて死んだと思ってたし。。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 5点(2019-06-29 23:51:00) |