119.パンケーキを食べるにしても、子供とちゃんと同じ量を半分コにして食べている姿に暖かい優しさを感じた。 |
118.《ネタバレ》 目で見せる。サイレントの特性は、常に映画の基本精神に成り立っているところです。チャップリンの映画は、そのほとんどが目で見て分る、おじいちゃんやお母さんや子供も、偉いさんもそうでない人も見たらわかる、姿勢を貫いています。この映画もそうです。自分の子供ではない。だけど捨て子といって放っとく訳にはいかない。自分の食事だけでも危ういのに、何とか助けようとする。まずしいながらも、2人で組んでのガラス売り。警察官との丁々発止。コミカルに描きながら、台詞はなくとも、たくましく育てている「愛」がこちらに伝わってきます。そう、貧しいという「苦しみ」を「生きる喜び」に変え、それを感じさせるたくましい精神を子供に教えているのです。「お前を愛してる」なんて言葉は交わしません。ただ、一緒にいたい。離れたくない。一途な気持ちだけが全て。実の親子よりも「愛」を感じること。その精神のなんと幸せなこと。チャップリンの、誰にでも「愛」で通じ合うものがあるというメッセージが強く伝わってきます。昔になりますが、12月24日に亡くなられて、TVの「月曜ロードショー」において、この映画を放映していました。故荻昌弘氏が解説を担当していたのですが、荻氏が泣きながらチャップリンの偉大さを、そしてこの作品の偉大さを伝えていました。自分も亡くなった哀しみと合わせて、この素晴らしい解説に涙が止まりませんでした。今でも「キッド」を見ると、そのことが思い出となって甦ります。 【映画小僧】さん 10点(2004-03-18 12:58:08) (良:2票) |
《改行表示》117.名作を知らずに死ぬのは勿体無いと思い、チャップリンとヒッチコックを見ています。基本的に彼らの映画には大きなハズレはなく、本作「キッド」も一定以上のレベル(実際かなり高いレベル)に達しています。これが100年以上も前の作品だというのだから本当に驚きます。1921年にこのクオリティで映画を撮ったチャップリンは極めて偉大で、一世紀後の現代人が見ても十二分に納得感が得られるというのは、やはり凄いとしかいいようがありません。 無声映画で最も注意すべきは登場人物の態度と表情だと思いますが、これをチャップリン本人が意識的に演技するのはまあ当たり前にしても、7歳の子役(役どころでは5歳)であるジャッキー・クーガンが存分に演じていることに驚きます。とにかく表情豊かでしゃっちょこばった雰囲気もなく、自由にのびのびと演じています。 このジャッキー・クーガンという人物を調べてみると子役スターの第一人者でもあり、高額な子役の報酬を本人に代わって守るための法律「クーガン法」が制定される切っ掛けになった人物だそうです。当時300万ドルともいわれる多額の報酬を母親が無断で使い込んだそうで問題になったようです。Wikiによると(クーガン法(クーガンほう)は、子役が稼いだ収益の一部を子役自身のために残すことを義務つけたカリフォルニア州の法律(州法)。英語表記は「California Child Actor's Bill」。) 映画の内容としては非常にシンプルなもので、チャップリンが演じていなかったら面白くもなんともない題材だと思います。ただし、面白くないといっても人種を超えて動物の本能である”親子が互いを愛する物語”なので普遍的かつ決して色褪せない鉄板の題材でもあります。ここでひねりが効いているのが、、この親子が実は全く血縁ではないということ。パンケーキを数えて分け与えたり、寝ている最中に同じタイミングでビクついたりと・・ なんだか奥深くてホロっとさせられちゃいます。 ラストが物足りないという意見も見られますが、序盤に見られたような宗教色やら贖罪色やら強調されてもお寒いだけだったと思われます。真摯に子供の願いを聞き入れ、育ての親を呼び寄せるラストカットだけでもう十分に幸せな余韻に浸らせてくれる素晴らしい結末だったと思います。「やっぱりチャップリンは面白かった。。」これに尽きます。 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-11-03 17:17:59) (良:1票) |
《改行表示》116.《ネタバレ》 -The Kid- “坊や”。 一本の映画の中に悲劇と喜劇が混在する作品は、本作が映画史上初。とのこと。自分で書いたレビューを振り返ると、この映画が最も古い映画なので、喜劇はともかく、悲劇のみの映画とか、ちょっと想像がつかないな。 大人と子供の組み合わせ映画だけど、男手一つで子供を育てる映画なら、事情があって母親の居ないシングル・ファーザーの話でも良かっただろうけど、偶然拾った血の繋がらない子供にしたのは、きっとチャップリンが第一子を生後すぐに失っていることと大きく関係するんだろう。そして本作を単純に“喜劇のみ”に出来なかった理由も、きっとその辺なんだろう。 注目はジャッキー・クーガン演じる子供の可愛らしさ。そして演技。今から100年も前の映画なのに、5歳ほどのジャッキー少年が、当時はきっと珍しかったカメラを気にすることなく、ノビノビとした演技と、はっきり解る喜怒哀楽の表情をしているのが素晴らしい。 2人の食事風景がとても印象的で、謎の煮込み料理を、自分と同じ量を子供の皿にも盛る男。あんな大人でも食べ切れない量なのに、次のシーンではぺろりと食べ終わってるのが面白い。 同じ量。パンケーキは枚数まで数えて同じにする。不足分は“半分こ”してまで子供に与える。お腹いっぱい食べることは生きるうえで一番の幸せ。男が子供を商売に利用しているのではなく、対等なパートナーとして扱っているようで、とても好きな場面。 ガラス修理する男の後ろに警官が立つ場面の“?”の字幕の意味がわからない。何だろうあれ? 子供が風邪を引いた時に「一度帰りますが、また来ます」と言った母親。きっと看病の日に再会してるんだろうけど、その場面を描かなかったのは、手紙をダメ医者に見せる時に母親が居ては、ここで話は終わってしまうから? 数日後、子供の風邪が治ってから、孤児院の車が来る日になって、やっと母親も来るのでは、遅いよなぁ。でも屋根を伝って追いかけるシーン。右手に孤児院の車も観える立体的なチェイス・シーン(のんびりしてるけど)が、こんな大昔に撮られていたことに驚く。 男と子供と母親が揃って再会ハッピーエンド。 最初、夢の国の天使=母親だと思ったけど、別人だったんだ。男と母親の間に恋愛要素は無いのか。 その後3人仲良く暮らしたのかは解らないけど、この作品のテーマが“失った人と再会する”であれば、それはそれで納得。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-02-23 10:51:36) (良:1票) |
115.チャップリン映画の中で一番好きです。なんといっても子役の子! 【movie海馬】さん [地上波(字幕)] 9点(2013-09-17 15:17:55) (良:1票) |
114.終わり間近「夢の国」の場になる。登場人物たちが羽根を生やして失楽園を演ずる。いちおう子どもを失ったチャップリンの内面世界ととれるが、ジェラシーとかイノセントとか、それまでのストーリーからは浮いていて、現代人の目にはとてもヘン。これは活動写真が見せ物だった時代の名残りと思うのが一番いいのではないか。ワイヤーアクションで舞台の芸人が飛びかっているような見せ物。古いミュージカル映画のラスト近くにも、筋から自由になった長めのダンスの見せ場がよく置かれる。私は勝手にカデンツァ(協奏曲のコーダ近くにある独奏者の見せ場)と呼んでいるのだが、あれも映画が見せ物だった時代の名残りではないかと想像している。映画がストーリー(筋)に屈伏させられないよう抵抗しているようでもあり、ああいう無意味が氾濫する場を終盤に用意するのは、もと見せ物客だった観客に対するサービスだったのではないか。日本の昔の村芝居では義経が人気だったので、ストーリーに関係なく「さしたる用はなけれども」と言いながら義経が舞台を通り過ぎた、という話はよく聞く。決して無意味が無価値ではなかったかつての演劇の活力を、映画は受け継いでいたはずなのだ。舞台が意味に覆われてしまったイプセン以後の近代演劇のほうが異常なのである(いま思ったのだが、植木等の「およびでない」のコント、大好きだったが、これと関係してないか)。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-25 09:36:48) (良:1票) |
113.擬似父子人情モノとして別にいいんですけど、あんまりブチュブチュしないでほしいの。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-03 06:00:07) (良:1票) |
112.《ネタバレ》 偶然拾った子供をなかなか捨てられず困ってしまった放浪者、しかし子供が親に捨てられたと分かり、このまったく血のつながっていない子供の父になる決心をしたときの表情が素晴らしい。 【たけよし】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-08-13 23:19:14) (良:1票) |
111.《ネタバレ》 チャップリンの映画かなり久しぶりに見たけど、笑いと感動のバランスが絶妙で、やっぱりいいなあと感じた。特に子供が孤児院に連れて行かれそうになるシーンは赤の他人であるはずのチャップリンと子供との「親子愛」を感じられ、とても感動した。もちろん、笑えるシーンもたくさんあって楽しめる。ラストがハッピーエンドで良かった。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-06-24 18:56:16) (良:1票) |
110.チャップリンの映画、特に長編物は全てDVD-BOXで集めたいと思い買いました。そのぐらい大好きなチャップリン映画の記念すべき長編映画第1作にあたるこの映画、正しくチャップリンならではの愛と優しさに満ち溢れた傑作中の傑作です。(最もチャップリン映画はどれも傑作ですけど)そんなこの映画、とにかく少ない字幕と動きだけで何もかも伝わってきます。チャップリンならではの優しさがにじみ出ている。それと、子役のジャッキー・クーガン、文句なしの可愛さです。とにかくチャップリンの良い面が全て出ている作品として文句なしの満点です。 【青観】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-06-12 09:19:32) (良:1票) |
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109.本当は赤の他人の二人なのに実の父親以上にその子供のことを愛するチャップリンに思わず感動。チャップリン映画には欠かせない警官とのやり取りもいつもながらやってくれますねぇ。 |
《改行表示》108.《ネタバレ》 文句なしの10点満点!のチャップリン映画です。30歳を過ぎたばかりのチャップリンが、最初の妻 (ミルドレッド・ハリス) との離婚訴訟絡みの差し押さえを逃れるため、当時全幅の信頼を寄せていたという日本人秘書・高野虎市さんらを伴って、ユタ州ソルトレイクシティへこっそり雲隠れ。安ホテルで、極秘作業として編集をやり遂げる…という難産の末に産まれた、まさに彼の愛情がたっぷり注がれたキッド (子供) そのもののよう。 素晴らしいのは、何と言っても孤児院の役人2人 (この2人と、その間に立っているチャップリンとの「伝言ゲーム」の短いギャグ、あのクライマックス直前ということもあって、一層笑えます) と警官を退けて、キッドを奪還して抱きしめるシーン。後年、チャップリンが自ら付けた音楽が、このシークエンスの緊迫感・感動をさらに引き出しているのは、さすがです。音楽を聞いただけでも、冒頭字幕の「一粒の涙」が思わずこぼれてしまいます。 |
107.なんでこんな可愛い子を使うのか、大減点。そりゃ女優の子であれば可愛いかもしれないが、チャップリンともあろう方が子供の可愛さに頼ってどうする。どんな可愛くない子でも可愛く見せるぐらいの力量があるんだから安易なことをして欲しくない。ラストの下らないハッピーエンドも気に入らない。子供との別れにした方がドラマチックで絶対面白かったはずです。 【亜流派 十五郎】さん 0点(2004-03-19 10:34:32) (良:1票) |
《改行表示》106.《ネタバレ》 まさに「ほほえみあって、一粒の涙をそそる映画」でした。 浮浪者が、一生懸命に仕事をし身寄りのない子供を育てると 言う、「愛情」映画ですね。キッド(ジャッキー・クーガン)が孤児院に 連れて行かれるとき、必死に守ろうとするチャップリンの姿は 涙が出ました。一粒・・・以上出ましたね(爆) ※ネタバレ1※ 最後にさしかかる、「夢の国」の話には2番目の妻リタ・グレイ (正式名リリータ・マクマレイ)が登場しています。 当時、12歳だった彼女は老け顔だった為、メイクで17.8歳 に見せたと言われています。 ※ネタバレ2※ただ、映画の撮影期間に当時の妻ミルドレッド の間に子を授かるが、産れて3日で死亡してしまいます。 ショックを受けたチャップリンは、数週間撮影を停止しました。 撮影中は、かなり心身友にショックを受けていたでしょう。 【れんず】さん 9点(2004-02-08 14:38:32) (良:1票) |
105.サイレント時代のチャップリン作品は、どれをとっても素晴らしい。キートンがもはや「人間」を超越した”超現実世界”の住人なら、チャップリンはあくまでこの現実世界に生きる者たちの代弁者であり、そのハートをすくいとる「詩人」だ。中でも本作は、最も純粋で、最も美しいチャップリン映画のひとつでしょう。感動的なシーンは数えきれないけれど、ぼくは、母親と子どもが、お互いを親子だとは気づかないまま街角で出会い、ニッコリと微笑みあうところで、いつも涙ボロボロに…。チャップリンが出演していないこの短い場面は、彼の演出家としての類い稀な才能を実証するものだと思います。まったく、何と言う情感の豊かさ、そしてエドナ・パーヴィアンスの美しさだろう。 【やましんの巻】さん 10点(2003-11-19 15:37:19) (良:1票) |
104. 映画界には「如何なる名優も子役と動物には食われる」という有名なジンクスがあるそうだが、天才映像作家チャップリンをもってしても、このジンクスは覆せなかった。天才子役ジャッキー・クーガンのいじらしさと言ったら…!彼の名演技無くして本作の成功はあり得なかっただろう。私ゃ生憎チャップリンの語る「一粒の涙」は流さなかったけど(^^)。そんな天才子役の成長した姿を見たければ、1982年のシャレブ・デシャネル監督の「マジック・ボーイ」(ライアンの息子にしてテイタムの弟グリフィン・オニール主演!)は必見。嗚呼、歳月は時として残酷だよナァ…(T T)。 【へちょちょ】さん 8点(2002-12-31 18:26:32) (良:1票) |
103.外出予定のある時に観て大丈夫だろうかは杞憂に終わりました。ホロリとさせられる部分と笑える部分、共に今一つインパクトにかけるものでした。「もう、終わり?!」物足りない中にもラストショットでの母親に「お金があるだけでは幸せになれない」を実感させられる見事なエンディングでした。 |
《改行表示》102.上映50分に詰め込んだ父子愛。 子どもが愛くるしすぎる。夢の国は蛇足にしか感じないが、そこは愛嬌ですかね。 100年経ってもそこは変わらない。 |
《改行表示》101.《ネタバレ》 え?この映画ってそんなに面白いの?平均点とかけ離れている点で、かなり相性が悪かったらしい。 仰々しい音楽が終始気に障るのである。思わず途中からミュートにしちゃったぐらい。 子役がかわいいという意見も、まあ言われてみればという感じ。 終わりのほうの夢のシーンは意味不明。 【mhiro】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2021-04-11 20:24:33) |
《改行表示》100.《ネタバレ》 冒頭から「笑わせます! 泣かせます!」みたいな宣言をするあたりに、100年の隔世の感があります。さすがに今は、どんな映画でもこんなことは言いませんから。しかし親子の情愛は今も100年前も、それどころかホメロスやヘロドトスの時代から存在する普遍的なテーマでしょう。だからこそ作品は残るわけで。その意味で、まったく古さを感じずに見ることができました。別にモノクロでも、セリフがなくても、何らハンデにならないところがすごい。 で、最後は「マッチ売りの少女」のように締めるのかと思ったら、予想外のハッピーエンド。「泣かせます!」より「笑わせます!」に舵を切った感じかな。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-02-26 01:29:33) |