《改行表示》162.映画の中で、臼淵大尉による有名な言葉が語られる。「…敗れて目覚める、それ以外にどうして日本が救われるか。俺たちはその先導になるんだ。日本の新生に先駆けて散る。まさに本望じゃないか。」 …そう、この映画の大和乗員たちは、宣伝文句にあるような「愛する人を、家族を、友を、祖国を守りたかった」から死地へと赴いたのではなく、あくまで「日本の新生」のために、未来のわれわれに<責任>を果たすために死んでいった。侵略戦争に加担した者の末路でも、戦争という「時代=政治」の犠牲者でもない、彼らは“死んでいくことで<責任>を果たした者たち”に他ならない。「日本の新生」を実現するために、未来のわれわれ(とは、もちろん、私でありあなたのことだ)への<責任>をまっとうするために、彼らは死んでいった。少なくとも脚本・監督の佐藤純彌は、大和の乗員たちをはっきりとそう描いている。だからこそこの映画は、これまでにうんざりするほど創られ続けた被害者意識たっぷりの自己弁護的「反戦」映画とも、過去の戦争を賛美・肯定する「反動」映画とも一線を画する、真に「倫理的」な作品たり得たのだと、ぼくは思っている。 もう一度言おう。これは「戦争」という情況下を人々がどう生き・死んでいったかを描いたものでも、右にしろ左にしろ何やら「思想=政治的」なメッセージを垂れ流す類のものでもない。60年前の人々が未来のわれわれに向けていかに<責任>をまっとうし、それをわれわれがどう受け止めるべきなのかを問いかける、そんな「倫理的」な次元で成立した映画だ。そして佐藤監督は、そういう「責任(レスポンシビリティ)」に対して、この映画を創ることで「応答(レスポンス)」した。そして、彼ら死んでいった者たちが果たした<責任>に、今度はわれわれが、私やあなたがどう「応答」するかを静かに問いかけるのだ。…この映画を見た者は、作品的評価とは関係なくその問いを、今を生きる者としての<責任>を、たとえ意識的であれ無意識的であれ否応なしに引き受けることになる。もちろんそれは戦争の是非ではなく、死んでいった彼らにとっての「未来」を生きるわれわれが、では彼らに対してどんな<責任>を果たし得るのか、と。 …技術的な完成度や、芸術的な価値、娯楽性の優劣などを超えた場所で、ただ「倫理的」な問いだけによって創りあげられたこの映画に、ぼくは深く敬意を表したいと思う。 【やましんの巻】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-01-19 13:42:04) (良:5票) |
161.今の時代、最新の技術を使ってのヤマトの本格的な映画化なんて日本以外絶対に作らないと思う。だから日本が作るしかない。で、出来た。それだけでも評価は高い。しかもすんげー迫力。泣けるし。昔の日本は悪くて、悲惨な戦争はもうゴメン、だから今は昔を反省し続けて平和主義で個人主義でがんばろーってメッセージが入った映画は飽きた。映画の中だけでも、あの時代に生きた日本人たちに優しくなれる、そんな映画がたまにはあってもえーんちゃうって思ってたから、これは、そんな映画だったので、新鮮やったわ。この映画を作った人達がどんな気持ちかなんてわからんけど、俺には靖国に行きたくなる映画でした。もっと昔の日本人たちを肯定しまくった映画がでもよかったかな~。そのほうがもっと目新しい。俺ちょっと右翼的になってもーてる?まー別にえーか。あと死二方用意って言葉が出てくるけど、これは結構グッてきた。人はいつか絶対死ぬ。病気だろうが戦争だろうが死んでしまう。ただ、生きてる時に、死ぬときに、誰にも恥じない生き方を出来たか、その事を考え死んでいける人は幸せだ。俺たちは今の時代でもつねに死二方用意で生きなあかんな~ってふと思った。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-04-04 19:53:55) (良:4票) |
160.《ネタバレ》 映画としては散漫で構成が悪く、それぞれのエピソードに流れがきちんと存在していないためにダラリとクライマックスに突入しちゃったな、って感じがします。特撮はまあよく出来てる方だけど、敵戦闘機のヘンにアップになったショットが多用されてるのはなんでかな。戦艦の映画かと思ったら甲板の映画だね、こりゃ、とか。えーと、まあ、そういう映画的なアレコレは書いて問題ナシでしょうが、中身に関してアレコレ書きづらいというか、こういう映画って中身について批判を許さない、みたいな雰囲気が漂ってるのがどうもねぇ。でも、思った事ハッキリ書きましょう。ヒロイズムとセンチメンタリズムでコテコテの、古臭い戦争映画。なんにも進歩してません。今の日本の繁栄は、大戦で犠牲になった人々の歴史の上に成り立っている、それはもうなんの否定もしません。ですが、彼等の死がこんな形で尊いものとして純化されてパッケージされて、それで思考停止しちゃってちゃダメだと思います。少なくともあれだけの犠牲を出さなければ今の日本はなかった、なんて事は決してない筈です。大和や各戦地、空襲や広島や長崎、多くの犠牲者が出たからこそ、今、繁栄してるって訳じゃないでしょう。戦争そのものを見つめないで、戦後から見た、何もかも過ぎ去ったものとしての視点でしか成立してないのが日本の戦争映画なんじゃないでしょうか。なんつーか、結局気持ちをどこにもぶつけられずに自分の胸をどんどん叩くようなものでね。60年経ったって、なーんにも解決なんてしてやしない。 【あにやん🌈】さん [DVD(邦画)] 4点(2006-09-10 01:23:27) (良:4票) |
159.《ネタバレ》 戦争映画というものの「おもしろさ」について考えさせられた作品、戦争と言う究極の「ゲーム」においてエンターテイメントたりえるのはその戦略であり、戦術であると思うのだが、大和最後の出撃に対しては戦略的にも戦術的にも破綻しており、なおかつあまりにも有名な史実であるため、最後のどんでん返しも起こりえない、とするとエンターテイメント作品ではなく、ドキュメンタリーとして戦争の愚かさ、無意味さを戦争の「悲惨さ」をリアルに見せることで、訴える作品なのかと思ったのだが、それにしては乗組員はみな理性的で狂気のかけらも感じないし、長島一茂演ずる臼淵大尉の共感以前に理解不能なトンチンカンな理屈をあきらかに美談として書いているのも謎、そもそも最後の明日香丸の上での敬礼の意味がよくわからない。(まぁ「プライベート・ライアン」というもっと意味不明の作品が存在するが・・・)彼らの想いは美しく純粋だった、そのことに異論は無い、しかし彼らの行動はあきらかに無意味であり、愚かしいものだったのである、まさに臼淵大尉の言う「精神主義」の弊害そのものなのだ、日本人としてそれを認めることは辛いことではあるが、そのことをハッキリと描いた作品がそろそろ出てきてもよいのではないだろうか? 正直、完全なフィクションであり、エンターテイメントであり、空想科学ドラマでもある「ローレライ」のほうが、遥かに「戦争」そして日本という「国」に対して考えさせられたのは皮肉と言えば皮肉である。 余談だが、年齢的に鈴木京香が戦災孤児っていうことはありえないのでは? 【るね】さん [映画館(字幕)] 5点(2005-12-31 00:34:22) (良:3票) |
158.今秋、呉の大和ミュージアムを訪れた時、ある展示物の前で一人の若い女性が落涙で頬を濡らしており、数分後、私も同じ態となる。そこでは艦員達の遺書の美しき直筆の、その字面の向こうにそれぞれの人生と、個人を超越した圧倒的な覚悟の物語が見えました。この映画ではその圧倒的な覚悟が見えない。個々人のそれぞれの物語に治まっており、壮麗壮大な大和の物語が見えない。迫真の戦闘シーンの前に、艦員の静かなる覚悟、ただ黙ってそこにいるだけで個人を突き抜けるといったシーンがない。反町や中村たちはただ己の覚悟を大声でわめいている。おそらくこの映画、全編目をつむっていた方が終わった時の感慨はより強いのではないかと思われる。それだけ言葉と音楽が過剰に悠々としている。 【彦馬】さん [映画館(字幕)] 5点(2005-12-20 13:05:36) (良:3票) |
157.戦艦大和の沖縄出撃は太平洋戦争末期の投げやりな作戦の象徴だと思っています。劇中「一億総特攻のさきがけ」という台詞(これは史実のようです)がありましたが、大本営は本気で一億人を特攻させるつもりだったのか。乗組員の立場から無謀な作戦に対する抗議的な声が少しは挙がっていましたが、長嶋一茂が詭弁で鎮めてしまいました。常々言ってることなんですが、現場で意見を言い合うシーンに力を入れても問題の本質は見えて来ない。軍人は命令に従う以外に道は無いのですから。作戦を立案した方々を描いて欲しいです。戦場の悲惨を見せて反戦気分を煽るより、根源的な誤謬を洗い出して欲しいです。ステレオタイプの表現しか出来ないこの監督にはハードルが高すぎる要求なんですけどね。「宇宙戦艦」の方が圧倒的に馴染みが深い船ですが、アニメでは伝わらないスケール感が実感できたのは収穫でした。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-07-21 14:47:03) (良:2票) |
156.《ネタバレ》 出所した角川春樹の復帰第一作で、「北京原人」のあと、映画の仕事から干されていた佐藤純弥監督にとっても久々の新作となった大作戦争映画。公開当時は佐藤監督の映画を見るのに抵抗があったのと、角川春樹というのにも今さら感があったのだが、「新幹線大爆破」を見たあとなんとなく佐藤監督の映画を見るのに抵抗がなくなったことで、とりあえず見てみた。当初、脚本としてクレジットされていた野上龍雄がトラブルで降板し、脚本も佐藤監督一人によるものだが、脚本に関してトラブルがあったことをあまり感じることはなく、思ったよりはまともな(少なくとも「ローレライ」よりは)映画だった。しかし、レイテ沖海戦のシーンは描写があっさりしすぎており、戦闘シーンも大和乗組員たちの悲壮感があまり感じられず、実物大の大和のセットの迫力ともあいまっていかにも角川春樹らしいなあという思いのほうが先に立ってしまうし、最近の美術さんは「汚し」を知らないのかと思うほどいつまで経ってもセットがキレイなのは違和感がある。(そりゃ、撮影終わったあと、展示するのを考慮してるのかもしれないけど、リアリティーなさ過ぎ。)沈没シーンも東宝の「連合艦隊」のようなドラマチックさはない。生き残った神尾(仲代達矢)の回想形式で進んでいくが、合間合間に入る現代のシーンはけっこうくどく、とくに神尾が心臓発作を起こして倒れている間に若き日の神尾(松山ケンイチ)が戦死した戦友(内野謙太)の母(余貴美子)に会いにいく回想が流れるのは、意図としては分かるのだが、なんだか強引な気がするし、倒れた神尾を真貴子(鈴木京香)が介抱するのも、鈴木京香の見せ場をとりあえず作っておいたという感じしかしない。はっきり言って現代のシーンは最初と最後だけでよかったのではないかと思う。全体的に見て、さっきも書いたようにまともな反戦映画であることは感じられるが、やっぱりそれよりも先に角川春樹の映画だなというのが来てしまい、見終わってあまり残るものはないように感じるし、同じテーマの映画なら「連合艦隊」のほうが好きだな。白石加代子が神尾の母役で出演しているが、この人には金田一シリーズなどで怖いイメージがあり、出ている間もずっとそのイメージが抜けなかった。先週まで「緋牡丹博徒」シリーズを見ていたせいかどうかわからないが、寺島しのぶがお母さんの富司純子にちょっとだけ似て見えた。(富司純子のほうが好きだけど。) 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-08-16 14:05:07) (良:2票) |
《改行表示》155.《ネタバレ》 戦艦大和は不幸のイメージがつきまといます。建造されたとき、山本五十六が「こんな時代遅れなものを作っても仕方がない」というように語ったというエピソードが残っています。時代はすでに空母、戦闘機中心の戦術に変わってしまっていて、敵戦艦と接近して水上戦を行う機会がまずないわけです。 唯一活躍できたのがレイテ沖海戦ですが、そのシーンは短いエピソードとして挿入されているだけでした。(その後の”謎の栗田ターン”なども期待して観ていたのですが、カットされていました) 最後の天一号特攻作戦も、作戦といえないほど稚拙なもので、わざわざ轟沈されにゆくようなものでした。そのあたりの部分はあまり説明されてなかったように思います。日本の被害は、戦艦大和、軽巡洋艦1隻、駆逐艦4隻、戦死3,700名。アメリカの被害は、艦載機損失10機、戦死12名。これだけをみてもいかに無謀な作戦だったかがわかると思います。 片道燃料しか積まなかったというのは伝説で、実際には往復の燃料を積んでいます。 (悲劇的といってもまったく活躍できなかった、同型戦艦、武蔵、信濃よりめぐまれていますが…) さて映画の感想です。邦画にしてはVFXの出来がよく、戦争シーンは迫力がありました。 人間模様もきめこまかく描かれていますね。タイタニックと同じ、回想ものとしたのも、現代に先の戦争の意義を問いかけるものとして成功しています。ただヒロインと芸者さんを広島の被爆で死なせたのはあざとい気がしましたが。戦争で犠牲になったから尊いとか、むだ死にだったとかいうのではなく、戦争そのものが悲劇なわけです。その中でどれだけ人間を描けるかが評価の分かれ目となるわけですが、この映画はまず合格点があげれるでしょう。演技もおおむねよかったですが、若いときの神尾役だけは間が抜けていて、他の人がやったほうがよかったでしょう。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-01-06 10:57:08) (良:2票) |
154.とても面白かった。戦闘シーンは迫力あったし、俳優陣は皆好演してました。でも、なんだか後半になるに連れ虚しくなってる自分がいました。私はまだ20代で戦争のせの字も知らないただの一般人。こういう日本の戦争映画を見る度に虚しくなる。今の腐った日本を守るために、戦死していった故人はこの日本を守るために死んでいったのかと。税金を私欲のために使う政治家、自分は理解されないからと無関係の人を殺す異常者、老人から金を巻き上げるクズ、マナーも知識も何もない若者。60年前に戦死した人たちには今の日本を見せたくありません。 【ライトニングボルト】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-12-03 17:47:40) (良:2票) |
153.長渕剛の音楽がなぜか凄く良かった。これを契機にもっと良く・真実を・悲惨さを・人間味溢れる・本当の戦争映画を・その時代を生きた当事者が生きている内に作り上げて欲しい。アメリカがまさしく「つくる」のではなく、日本人自らの手で。 【あるまーぬ】さん [地上波(邦画)] 7点(2007-07-28 08:03:23) (良:2票) |
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152.《ネタバレ》 久々に邦画で「面白い!」と思った映画だった。ただ、内容から「面白い」と言う表現は適切ではないと思いますが、傑作だと思いました。邦画CG否定派ですが、CG云々よりも、物語がよく出来ていると思い、始めの内は、現代の部分など要らない気持ちででしたが、仲代達也の「なぜ生き残ったのか(生かされたのか)、ようやく解かった」の台詞に感動しました。当時は特攻覚悟の出撃で、生きて帰ってくることは非国民の烙印を押されたのでしょうが、そうじゃない、「生きて帰ってくることも重要な事なのだ」と、また一茂の「負けて気づく、その布石になるのだ」と、今の日本はこのような戦争があったからこそココまで来れたのだろうと痛感した作品でした。 【きままな狐】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-03-04 11:03:50) (良:2票) |
《改行表示》151.《ネタバレ》 あっという間に次々に人が死んでいく。人の命がいかに簡単に消えて行ったか、そういったものを実感させられる映画だと思う。 ただ大和が沈んでいくところ、沈んでから海に投げ出されていくところをもっとじっくり見れればよかったと思う。いかにして沈んだのかがいまいちわかりにくいです。また大和の乗組員達が長時間海の中を彷徨ってたという感じが全くしませんでしたしね。 あと最近の戦争映画の今の俳優が演じることの違和感についてはこの作品に関してはそれをあまり感じなかった。戦争とは全く無縁の世代の俳優ばかりですがみな精一杯できる限りのものは出していたとは思う。 【青陽】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-12-27 01:14:55) (良:2票) |
150.表現の仕方はさておき、英霊たちの尊い御魂を思い、涙が出ました。 【ロウル】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-12-01 22:21:48) (良:2票) |
149.《ネタバレ》 太平洋戦争という日本人であれば誰しもが最も神経を使う題材を扱うにあたって、先ずヤク中の角川春樹&「北京原人」の佐藤純彌という無能コンビを抜擢したのがそもそもの間違い。佐藤純彌という監督、「新幹線大爆破」や「証明シリーズ」の時から一貫して感じるのは、題名から期待する方向には絶対に行かず、あり得ない偶然に頼るだけの行き当たりばったりのストーリーしか描けないということ。今回も才能の無さがあらゆる所で垣間見える。殆どの観客は、現代のシーンなど必要ないと考えるのではないだろうか。それも実に長くてくどい、こういうのを”感動の押し売り”と言うのだ。本当に実力があるのであれば戦時中だけで勝負できる筈、やるとしても「タイタニック」の短さが鉄則だろう。戦時中のストーリーも実に「はい編集しました」みたいなバラバラ感が目立つ。ストーリーに流れが無いのだ、戦争の進行は記録フィルム、決まったセットの上での役者の演技、そして敵がいるように思えない戦闘シーンとブツ切りでまた次のシーンへと移っていくのを繰り返すだけ。そもそも大和が題材なのに、あの艦長の出番の少なさはなんだ。艦長不在で大和、または太平洋戦争を語られても重みなど無い。評価出来るのは最後の戦闘シーン、ハリウッドや韓国映画に触発されてか、ようやく他に出しても恥ずかしくないレベルに達していた。ただ人間がバタバタ倒れていくシーンは良いとしても、戦闘機のCGについてはもう一頑張り欲しかった。結局、近年東宝が創った糞戦争映画と比べ、戦死した方々に対する尊敬の念が感じられるし、真面目に創っているということで評価する。 【まさサイトー】さん [DVD(字幕)] 4点(2006-09-11 20:41:19) (良:2票) |
《改行表示》148.《ネタバレ》 角川春樹が何年も暖めてただけあってよく造ってあり、なかなか豪勢な映画でした。 下手な政治色が無いので反戦映画というより人間ドラマに仕上がってますな。 大和の乗務員やその周りの人それぞれの思いがよく出ていて、それを演技する俳優もすばらしいと思いました。 ベタな泣かせどころが沢山詰め込まれて、それが逆に涙腺緩ませっぱなしでしたね。 まわり初老のカップルだらけだったんですが、みんなわんわん泣いてました。 ただ長時間の映画に耐えられずギブアップして劇場から出て行く人も多数。 トイレが近くて出入りも多数。 なかなかこちらの集中力を削がれます。 それはともかく、 主人公が「生きていてすいませんでした」と親友の母親に土下座するシーンがあるんですが、 狂ってる時代を象徴するようなセリフを聞いてしまったような気がして、 不覚にもなんでだよと思わず呟きながら泣いてしまいました。 現代で鈴木京香が父親の遺骨を大和の眠る海に撒布しに行くのは、 なんでこれなんかなと違和感がありましたけど、 あとでプログラム見たら実話に基づいてるんですね。 これが基本として男たちの大和の話を絡ませて構成したようです。 【ひで太郎】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-02-07 22:03:53) (良:2票) |
《改行表示》147.男の子の母親としてはもう、涙無しにはいられません。 乗組員はもちろん、女優さんたちも素晴らしかった。 邦画でこれだけの迫力が出せるようになったのも嬉しかった。 反町さんと中村さんの組み合わせも、いつもの邦画と違い新鮮でした。 【たんぽぽ】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-01-23 17:28:51) (良:2票) |
146.《ネタバレ》 見始めてスグに「あれ?これってプライベートライアン?」って思いました。ってことでプライベートライアンとタイタニックを足して2で割った話かな・・と。蒼井優ちゃんの演技が際立ってよかったと思いました。どっかで見たことあるなぁって思ったらつい二週間前に機内でみた「星になった少年」でみたんだった。ランディじゃあまり目立たなかったけど、今回は凄く良かったです。松山ケンイチ君もデスノートとは打って変わって、真面目で純粋で背筋のすっと伸びた好青年を上手に演じていました。鈴木京香はすっかり敬礼が似合う女優になっちゃいましたね。戦国自衛隊でも自衛官の役で敬礼しまくってましたね。惜しい点としては、展開が速すぎて誰が誰だか理解できないまま話が進むため、豪華な俳優陣を生かしきれてないことと、個々人の事情に感情移入できないことでしょうか。そう言いながら、何回も涙しました(敬礼!生きにゃあいかんぜよ。) 【ゆみっきぃ♪】さん [DVD(吹替)] 7点(2006-01-14 23:55:21) (良:1票)(笑:1票) |
145.《ネタバレ》 辛口に言うと、映画としての巧拙でいえば決して優れた作品ではないと思います。どこかで見たような演出と奥行きに欠ける世界観、いまいち印象に残らない登場人物たち。キレのない邦画ではありました。戦争の是非や社会背景までも大胆に切り捨てている点も物足りない一因かもしれません。蛇足で説明的なシーンも目立つ。けれども、戦争を知らない世代である私にとって、家族や恋人が戦地に向かっていくことの恐怖や、自ら死地に向かうことへの覚悟といった現代日本では感じることのない想いを想像すると、自然に涙が出てきました。理由はどうあれ、国家間の争いという途方もない力、戦争の時代という荒波にもまれた国民たちは、おのおのが闘うことに対して無理やりではあっても意味を見出していたことに、人間としての尊厳を感じることができました。とくに、大切な人を見送るしかない女性たちの健気な姿には心が熱くなりました。半世紀前、こういう悲劇があったんだと間接的ながらも改めて知ることができました。 役者では反町さん、青井さん、高畑さんの演技がとくに印象的。「大和は沖縄にいくんじゃろ?」と「ぼたもち」はグっときました。 クライマックスの戦闘シーンは頑張ったほうじゃないでしょうか。実物大セットと模型をうまく融合していると思いました。惜しむらくは、甲板上のみを映すシーンが多いために大和が沈没していく過程を把握できない点ですね。引きの画面で集中砲火される様子や、敵機視線での映像があれば素晴らしいものになったと思いますが、予算の関係かな。そのぶん、特殊効果(煙、火、水柱等)は凄い迫力です。サラウンドもフル活用です。演出的には「プライベート・ライアン」の影響が大ですが、血なまぐさいリアルな修羅場が描かれています。でも大和という世界最大の戦艦という舞台があるだけに、その巨艦のダイナミックさと滅んでいくしかなかった姿をシネスコ画面を活かしたロングショットで見たかったです。大和が海原を航行するシーンすら少なかったですから…。 出来自体は並みかもしれませんが、「亡国のイージス」など類作のなかではいちばん見応えのある作品だと思います。戦争は…悲しいですね。自分には彼らのような覚悟を決める自信はありません。 余談ですが、パンフレットの佐藤監督フィルモグラフィーに「北京原人 Who are you」が記載されていないのはあまりに意図的ですね(笑)。 【トト】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-01-13 22:44:07) (良:1票)(笑:1票) |
144.おおむね予想した通りのストーリー展開ではあったが、以外に良かったのが、終始、神尾ら少年兵らの視点に立っているところだ。大局的な戦況説明は省略して、むしろそういった戦況を知らないまま死にゆく一青年にとって、あの戦争は何だったのか、戦艦大和は何だったのかということを観客に問いかけている。死にゆく者と、残される者のいくつかの別れのシーンはお涙頂戴と分かっていても、音楽と演技に泣かされる。反町が演じる森脇がいわゆる「炊事兵」というのも、ある意味リアルで良い。本当に格好いい奴というのは得てしてそういう仕事をしているものだ。現代に生きる青年はこの作品を通して、国の威信をかけて建造した巨大戦艦が、最後は未来ある三千人もの若者の「鉄の棺桶」になったという悲しい歴史を知る。愚かな指導者に率いられてはならないという教訓にするべきであろう。 【田吾作】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-01-11 17:51:11) (良:2票) |
143.なかなか素晴らしい映画です。沈没した大和について、戦死した方々またその方達の親族、友人、無事に生きていても辛い日々を送った方々、色々な情景が描かれていて、非常に考えさせられてしまいます。今、生きている我々はこのような方々の犠牲の下で生きていられるんだと思います。訴えてくる事が、一つ々々重い作品でした。 【みんてん】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-01-09 23:57:42) (良:2票) |