《改行表示》7.最初の方こそ、バンデラスがストーカーみたいな存在で、サスペンス映画っぽい雰囲気があるけれど、しかもその行動はエスカレートしていくのだけど、彼の純粋さみたいなものが滲み出てきて、何となくファンタジーみたいになっていく、不思議な作品。 映像も色彩的で、特に強い赤系統の色合いが、目を引きます。これをスペインらしいと言ってよいのかどうかワカランけれどそれでも、ああ、スペイン映画を見たなあ、という気にさせてくれるのです。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-01-23 21:54:18) |
6.オレンジとブルーのへんてこりんな色の組み合わされる世界。そのようにへんてこりんに進んでハッピーエンドになるってのがすごい。『コレクター』のように主人公の不気味さを見せ付けるのではなく、作者は主人公の夢を完成させてやるの。ヒロインの恐怖には関心がなく、主人公の愛の情熱に加担していく。彼の夢は「家庭を作りたい」が第一で、「女がほしい」じゃないんだよね。良き父親になりたいの。処方箋を書いてもらうとこで、子どもをあやしたりする。彼、孤独なんだけど「おれは孤独なんだっ」ってたぐいの自己憐憫がまったく感じられない。「おれは今一人だ、だから家庭を作ろう、そうだ、あの女優がいい」と論理的に・しかしあくまで一次方程式の単純さでつながっていく。縛らなくたっていいとおもうんだけど、情熱を表現したいのかな。歩く人の中をツーッと滑っていく人がいる、あの奇妙な感じ、けっこうこの監督のタッチと合っている。姉の歌とバックコーラスもいい。「この主人公、愛することに不器用で」ってんじゃなく、「愛ってこういうもんでしょ」と作者は確信しているみたい。困ったものである。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-12-14 09:59:24) |
5.《ネタバレ》 バンデラス演じる男の、生い立ちの悲しさを最初にもっと描いてくれたら、あとの女優の気持ちの変化にも感動できたのに。それに最初に女優を好きになった場面も描いてほしかった、と思うのは野暮?女優のスタジオでの場面はあんなにいらないから。ストーリーは嫌いじゃない。バンデラスがなぜか憎めない男をうまく演じているので、ストーカーじみた設定でもそこそこ観られる映画になったと思う。でも最後がうまくまとまりすぎな感じはする。 【ちいぼう】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-02-23 14:24:59) |
4.女性がストーカーを惚れちゃうところを、もう少し丁寧というか、そこにもっとすんなり感情移入できるようだと、より良かったと思う。 |
3.アルモドバル作品の常連だったアントニオ・バンデラスが世界的に飛躍する切っ掛けとなった作品。この映画では意識的に精神病院に入退院を繰り返すという不思議な主人公を演じている。愛するあまりに女性を監禁してしまうことでしか、相手に愛を伝えられない、不器用な(というより危険な?)男を好演。ストーカーものとして普通なら重くなりそうな題材をお伽話風の物語に仕上げたアルモドバル監督の手腕は凄い。原色系の色を多用した映像も、モリコーネの音楽も印象に残る。こういう映画を“理詰め”で見ても面白くも何ともないので注意。 |
2.私は最近の作品しか知りませんが、ペドロ・アルモドバル監督はずっと「倒錯した性愛」をテーマにしてる様ですね。本作には「私をしばって!」等という副題が付いてるもんですから、SMモノを想像してたんですけど、中身はストーカーとストーカーに監禁される女とのロマンス。女を監禁する部屋の美術や、ビクトリア・アブリルとアントニオ・バンデラスの匂い立つ様な色気は雰囲気抜群でしたけど、変態の私も話には納得しかねます。しかも【ぐるぐる】さんもお書きの通り、ハッピーエンドと言うには余りにも能天気すぎるラストの会話には着いていけません。確かに「倒錯」してるとは思いますけど、倒錯に付き物の「危うさ」みたいなものが全く無いゾ。このあっけらかんとした感じがスパニッシュ・スタイルなんでしょうか…、5点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-05-13 00:09:32) |
1.《ネタバレ》 【sayzin】さん、お先に失礼致します。さてさて、最近観た「真夜中の弥次さん喜多さん」の台詞を真似て言うと「オイラ、オンナゴコロがとんと分からねえ」って感じっす。後半、バンデラス演じる青年に愛情を感じ始めたポルノ女優が、部屋を出て行こうとするバンデラスに「待って・・・(自分のことを)縛って」と声を掛ける。それがこの作品のタイトルの由来(「アタメ」とは「縛って」という意味、らしい)なのだが、うーむ。その心境が、分かる気もするんだけどやっぱ良く分からん。正に隔靴掻痒(かくかそうよう=靴を履いたまま、かゆい足を掻くような、もどかしい感じ)。んー、つまり「自分はあなたのことを愛し始めている。でもひょっとしてひょっとすると逃げ出したくなるかもしれない。だから自分があなたから逃げ出さないよう縛って」ってことなのか。つまりは「しっかり抱きしめて、離さないで」って事なのか。てゆーか、こーゆーのは頭で考えても意味は無いのか。よく女の人が「子宮でものを考える」とか言うけど、そーゆー事なのか。しかし、持ってないし、子宮。そもそもあの女優が、なぜバンデラスを愛し始めたのかも、良く分からん。怪我をして帰ってきて、可哀想だったから?彼の心が無垢だと感じたから?それともバンデラスだったから?あれが例えば出川哲郎とかだと、この話は成立しないのか?むー。んでも一番びっくりしたのが、これがハッピーエンドで終わっているという事。ペドロ・アルモドバルという監督さんは数々の問題作と呼ばれる作品を発表する、いわば「鬼才」的な人のイメージがあるのだけれど、こういうアブノーマルな設定の話をノーマルな形でサラッと終わらせる事で「こーゆーのも、アリなんじゃないの?」と提示しているのだろうか。んー、考えさせられる。この作品を観た女性の方の意見が聞きたいです。 【ぐるぐる】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-05-03 16:03:10) |