44.《ネタバレ》 実話ベースのスポ根ものと聞くと、何となく想像できる内容なのだが、それだけではない。この手の映画のゴールはダメチームが優勝してハッピーエンドというのが定番なのだが、この映画のゴールはそこではなく、高校スポーツで燃え尽きた少年たちが、結局は卒業後に犯罪者やまともな職に就けないという現実を打破することに焦点を置いている。そこが一瞬のハッピーエンドではなく、一生のハッピーエンドという形をこのコーチは目指しており、そのため、ただスポーツ娯楽映画にはなっていないのが面白い。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 8点(2015-09-08 13:17:37) (良:2票) |
43.《ネタバレ》 「プライド 栄光への絆」「僕はラジオ」などのスポ根実話ものを見てきたが、「人間として」評価するならばこのケン・カーター本人こそが最もすばらしい。(映画としてのインパクトは「プライド」が勝るが、そこは監督ピーター・バーグの力量と思う)「プライド」のコーチは「男性性」を教え、「僕はラジオ」のコーチは「社会性(弱者との共存)」を教えたが、カーターはバスケットのコーチなのに、「バスケばっかりやってるんじゃない。勉強しろ」とか言う。「んん?バスケ映画じゃなかったの」そう、これは大変に政治的なテーマを描いた作品なのだった。もっといえば、「階層社会における底辺の若者を啓蒙する」目的があると思われる。もっといえば、「貧乏な黒人の少年よ、這い上がりたければ勉強して大学に行け」なのだった。もっといえば、「お前らのような貧乏人の子供は、犯罪者になりたくなければ、勉強するしか幸福へのキップはないのだぞ」なのだった。ケン・カーターは、おせっかいながら全くもって、まともなことを言っているだけなのだ。それが通用しないリッチモンドの地域社会のほうが当然におかしい。おかしいけど、「正しい」と思って主張しつづけたケン・カーター、その人がすごい。「父性」という意味ではこれ以上のものはないだろう。「バスケが終わったその後の人生全般」を視野に入れているのだ。カーターは、それを教えるために、「マチズモ」でもなく「愛」でもなく「契約(自己責任)」を用いた。「契約」とは「白か黒」。「やる」か「やらないか」。「契約」には「あいまい」などはない。これは「2進法(YES・NO)」であり「一神教」の文化であるから、日本にはもともと無いものだ。高校生のガキに対して強引にそれを用いたところが興味深い。映画としては冗長な部分が多くもっと短くできたと思う。ヒップな音楽は私にはうるさくて不要であった(テーマともあまり関係ないし)。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-02-25 19:14:35) (良:2票) |
《改行表示》42.《ネタバレ》 実話をベースにしたスポーツ系サクセスストーリー。好きなジャンルです。 バスケ部OBのケン・カーターという人物が、母校の落ちこぼれバスケットボールチームのコーチを引き受けます。この流れ。てっきりバスケット中心の物語かと思うじゃないですか。いえいえ。この作品はもっともっと意義のある作品でした。 『チームとしての成長』+『規律』『礼儀』『モラル』『学業』。この作品は教育の本質に迫るドラマです。 カーターは教育者ではありませんが、誰よりも教育者らしい教育者。彼が作ったルール、指導、契約はすべて選手達の未来を見据えたもの。それは一時の勝利の更に先にあるものでした。 『選手』『保護者』、更には味方であるはずの『校長』からさえも支持してもらえない四面楚歌。 それでもゆるがないカーターの信念。そのうちに、一人、また一人とカーターの信念を理解しはじめていく、その展開は本当に見る者の胸を熱くさせてくれます。 そして物語は最高のクライマックスを迎えます。 私にとってのクライマックスは『体育館』。皆が勉強しているときでした。そこからのクルーズの独白。あまりにも臭い演出なのに、もう聞き入っちゃいましたね。ここが最っ高に感動します。個人的にはここで映画が終わっても良かったくらいです。 人は自分が生まれる場所を選べない以上、大人たちが作る地域社会性というものがいかに重要か、この作品を見ると本当によくわかります。そしてそれ以上に、親の姿勢のあり方、これが重要なのだと思います。 貧富の差、境遇は、すぐには良くならないけれど、『考え方』『意識』、そして『生き方』はすぐにでも変えられる。 そう思わせてくれる映画です。実に良い。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 9点(2017-05-29 02:37:15) (良:1票) |
41.《ネタバレ》 弱小不良チームが新コーチの鬼の特訓で強くなってゆく映画。ではなかった。バスケで勝ったからといってもそのときだけ。刑務所に行きたくなければ大学に行けるように勉強しろ。という映画だった。かいつまみすぎだけど。映画の中の学生の親や常勝ムードで盛り上がる地域住民がこの急転に意表をつかれたように、見ているこちらも突如現れる社会派色に意表をつかれる。しかしあまりに簡単に強くなってゆく展開の後だけに心地の良い急転として迎え入れることができる。一気に脇に追いやられるバスケではあるが、映画を盛り上げるうえでも重要な試合のシーンがそれなりの盛り上がりをちゃんと作ってはいる。ただ迫力だけを見せるのではなくゲームの流れを見せているこの試合シーンはなかなかの高評を得ているらしい。でも実は個人的に不満。バスケは点が始終入ってゆくので全体の流れももちろん映さなきゃならないけど、漠然とでもルールがわかりやすくもあるので全体の流れだけに拘る必要もなく、むしろバスケの醍醐味として体力の消耗してゆく様や息の合ったチームプレイや個人テクニックこそをアップやスローモーションを使いながら見せて欲しいとか思っちゃうのだが、そう思ってしまうのは私がバスケをしていたからというよりは漫画「SLAM DUNK 」の影響かもしれない。細かいカットの連続で迫力だけ出しましたみたいなのは論外だけど、ゲームの流れを見せているあいだずっとかかりっぱなしの音楽で高揚を得ているというのもどうかと。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-11-19 15:16:51) (良:1票) |
《改行表示》40.サミュエル・L・ジャクソンはどうも苦手ですが、これと「パルプ・フィクション」は良かったです。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-01-22 14:02:19) (笑:1票) |
39.《ネタバレ》 内容的には説教臭さがあるんだけど、あまり感じない。バスケシーンの出来の良さや、音楽で軽くなってる感じ。コーチの言う事はごもっともなんだけど、自由を愛するこの年ごろの男に理解させるのが一番難しい。ましてや彼等はマイノリティー。一発当てれば大逆転的な考えを、持つなという方が無理だろう。スポーツの世界はいい意味で単純。大好きなバスケをしたいけど出来ない。プレーするにはどうしたらいいか。厳しくシンプルに教えたコーチはもちろんだが、気持ちに答えた生徒達もきっと素晴らしかったんだと思う。 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-08-12 16:44:46) (良:1票) |
38.《ネタバレ》 チームに一人だけいるアジア系が、最初から最後まで、びっくりするくらい無視されている件について。 【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-02-22 21:46:48) (良:1票) |
《改行表示》37.《ネタバレ》 実話もので、予定通りの展開になっていますが、それでも感動できる作品です。ただ、ロックアウト後の話がイマイチ単調だったり、予定通りのエンディングにいくまでのつなぎのようになってしまっているのが残念。ちょっと学生が悪の学校の割に、素直に勉強し過ぎかな~って。 あと、途中の息子の弾けっぷりは、なかなか笑わせてもらいました。普段抑圧されていると、どこの国でも場面でああなっちゃうんですね。 【TINTIN】さん [DVD(吹替)] 7点(2006-08-20 23:03:08) (良:1票) |
36.まず、この映画に登場する選手たちのプレイが本当にクールでカッコイイ。会場の臨場感や興奮感がNBAの試合を見ているような感覚にさせてくれる。それほどこの映画に登場する人たちのバスケのスキルが高い。今までにも多くのバスケの映画を見てきたけれど、この映画ほどバスケの素晴らしいプレイを見せてくれた作品は他にはなかった。役者が形だけのバスケをするのでは絶対に伝わることのない興奮を、この映画はぼくに与えてくれた。またこの映画の見所は彼らのプレイだけでは語れない。やはりストーリーがある程度分厚く、“バスケットボールをする”という条件に適した基盤となる内容がしっかりとしていなければならない。その点、この作品は他に類を見ないほど素晴らしい。弱小チームが強くなっていく、という一種のスタンダードな内容は、有り触れてはいるけれど、観ている側に最も強い興奮と感動、そして共感を与えられる内容は、これが群を抜いていると思う。主人公であるカーターコーチはサミュエル・L・ジャクソンが演じている。頑固だが信念を貫き通し、教えるプレイヤー達を強くさせようと心から思い、願っている。荒れた街の弱小チームはそんなコーチを易々とは受け入れない。街中では、麻薬の売買が当たり前のように行われ、その街の高校生の三人に一人は刑務所に入る。そんな街をも変えようとするコーチは、プレイヤー達にバスケを通して、ルールを守ることの大切さや、自分の将来の輝きは必ず掴めるのだという希望を徹底的に教え込んだ。毎日のように街中で一日に数人の命が銃で奪われる。そんな真っ暗な未来から救いあげ、命と人生の輝ける未来の素晴らしさを教えた。この映画はバスケのかっこよさを全面に押し出しながら、生きること大切さや素晴らしさを教えてくれる最高の映画だった。 【ボビー】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-02-22 22:49:02) (良:1票) |
35.《ネタバレ》 『これは部活動である』というテーマを徹底している点に好感が持てました。スポ根にある『栄光』で話を進めるだけでなく、その背後にある『慢心』をあます所なく描いている。ただの感動映画に収まってなくて非常に良いです。犯罪・貧困・妊娠・進路。粋がっていてもまだ10代の若者が直面する問題に、カーターコーチは助けるのではなく、直接的にまたは間接的に生徒たちが自分で解決するよう、厳しく教育していく様にズシリと感じるものがありました。カーターコーチがエリートビジネスマンであったら、かつて成功した男に過ぎなくなってしまいますが、小さなスポーツ店の店主で収まっているあたり、ジュニアやワームと同じく、優秀な選手でありながら学業の壁に悩んだ人生を送ってきたのを想像させられ、この若者たちを自分と同じような高校プレーヤーで終わらせたくないという厳しさの奥にある優しさを感じます。序盤、「黒人同士で”二ガー”と呼び合うのはクールか!?」と疑問を訴えるカーターコーチがいました。話が進むにつれて、卒業生の8割が刑務所に入所するリッチモンドを、誇りをもって「俺たちの故郷はリッチモンド!」と叫ぶバスケ部員たちこそ、最高にクールです。しかし『腕立て伏せ500回』は恐怖ですね(笑)。 【どんぶり侍・剣道5級】さん [DVD(吹替)] 8点(2005-12-20 18:02:16) (良:1票) |
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《改行表示》34.《ネタバレ》 弱小チームを鍛えて優勝へ導く名コーチのありがち感動スポ根モノとはちょっと違いました。序盤こそ反抗的な荒れる部員と有無を言わせぬ強権的指導者、とステレオタイプでしたけど、S・L・ジャクソン演じるカーターコーチはバスケの技術だけでなく、人生全般をどう生きるかを説くのでした。 「勝ったからって調子に乗るな」「相手に敬意を払え」「奨学金に届く一定水準の成績を取れ」等々と、黒人ラッパーの如き忖度ナシのストレートな物言いでガツガツ来るのです。声も大きい。 まあ文化の違いを感じるというか父兄らにも「教育」の部分が浸透していないため、なんと彼らは「バスケをやらせろ」と猛抗議。やっぱり声が大きくて体もデカい。かの国で生きるには「自己主張」が強くないと押されてぺしゃんこになりそうですな。 お話はめでたくもコーチの熱き教えは部員らにちゃんと通じ、地区優勝は逃すも進学を果たす者もいたりで爽やかです。 にしても黒人である彼らの身体能力ね。ロッカールームでちょっとリズムをとるだけの上半身の動きのキレ、あれを見るだけでアジア人がバスケで敵うことなどとても無理な気持ちになりますね。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-11-23 23:22:44) |
《改行表示》33.《ネタバレ》 校長先生が言う。バスケしか取り柄のない彼らは今が華だと。とても教育者の言葉とは思えませんでした。教育とは勉強やスポーツだけでなく、人生を教える場ではないのかと。カーター氏は彼らに、まだまだ長い先の人生を見据えて、バスケを中止させ、非難を浴びながらも、頑なに学業に専念するよう指導します。こんな人が私の近くにいてくれたらと、そう思わずにはいられません。閉鎖の解かれた体育館に足を踏み入れた時、机を並べ勉強に励む彼らの姿に胸が熱くなりました。本当に良い映画でした。 少しだけ残念な点は、名前と顔が一致するのに時間がかかってしまったのと、校長先生の心変わりが、え!?いつの間に!て感じてしまったこと。それと、前半がややダレ気味なとこですかね。もうちょっとテンポよくてもよかったかも。 |
《改行表示》32.スポーツもの、そして実話に基づく映画、好きジャンルの一つ。 本作品もなかなかの出来で面白い。迫力は普通だが、学業という側面も交え飽きることなく観ることが出来る。 【simple】さん [地上波(吹替)] 7点(2019-08-04 18:26:27) |
31.アフリカ系アメリカ人の生活を絡めた部分は良かった。バスケシーン、レベル的にはとても凄いけどもう少し起伏を感じられる編集だとよかったかな。あとリバウンドとかのシーンがないのも物足りない。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-12-26 21:51:55) |
《改行表示》30.コーチ、ケン・カーターさんの生き様に6点。 映画としてはこの立派な人物をできるだけ過度にならないように、 描ききるだけ、職人に徹してつくりあげるだけ。 映画の題材を殺さずにきっちりとした出来栄えであることに好印象ではあるが、 それ以上、映画としての何か、というポイントが欲しかった。 【病気の犬】さん [DVD(字幕)] 6点(2015-12-15 17:37:46) |
29.実話がベースになっているので主人公の考え方に説得力がありました。なかなか面白い映画でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-23 18:57:34) |
《改行表示》28.1シーズンしか描いていないので、いくつか疑問が浮かびます。このコーチ、独特のマネジメント理論をどこで身につけたのか、今まで未経験なのになぜ自信たっぷりに指導できるのか、なぜ今までオファーがなかったのか、どうして急に強くできたのか、生徒はコーチのどこに惹かれたのか、次シーズン以降どうなったのか等々…。その意味では、雑な映画です。 しかし、「勉強が大事」という唯一最大のメッセージは、他のスポ根映画と明らかに一線を画し、かつ説得力がありました。翻って日本の高校球児とか、大学にスポーツ入学した奴とか、大丈夫なんでしょうか。学校は彼らの将来まで考えているんでしょうか。体育会系で揉まれるから、かえって社会で成功しやすいという説もありますが。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-10 01:12:30) |
【ホットチョコレート】さん [地上波(字幕)] 8点(2012-09-01 19:20:08) |
26.《ネタバレ》 バスケットのシーンは、ほかのバスケ映画、いやほかのスポーツ映画全般を通じてもトップクラスなほど迫力が溢れているのですが、それ以外のところがほとんどすべて予定調和的で、学園スポーツものの定番パターンを順々になぞっていっただけなのが痛い。つまり、この作品で光っている部分の源は、映画の力ではなく、バスケットの力なのです。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-09-01 00:27:16) |
《改行表示》25.《ネタバレ》 まず本物のバスケットボール選手を使っているので試合にリアリティーがある点を評価したい。 やり手の女性校長との丁々発止のやりとりも人生勉強になるが、何と言っても最後のクライマックスでのコーチの言葉が素晴らしい。 サミュエル・ジャクソンがきちんとキャラを演じ切れているところがこの映画の最大の魅力だろう。 一方で、あまりに強権すぎるコーチになぜ選手がついて行ったのか、なぜ弱小チームが急激に強くなったのかについては、リアリティーがなさすぎて疑問符が残る。 それにしても黒人選手が多いためか、ヤクだの殺人だの物騒なシーンが多かったのが印象的。 【mhiro】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-30 18:22:28) |