259.《ネタバレ》 「現実はおかしい?そんなの当たり前でしょ。それより、あなたはここ(精神病院の中)と外(現実の世界)とどっちがいいの?どっちも狂っているけど、ここより外が良いと思うなら、出られる努力をしなさい」…と看護士のウーピー・ゴールドバーグは言いたかったのだと思うし、それがこの映画のテーマなのだと思う。精神病の話に見えて、誰もが思春期に持つ「現実への幻滅・現実逃避」という悩みを取り上げているのだ。病院の中の少女達は、「彼女たちのほとんどは70年代になると病院を出た」という台詞からわかるように、いわゆる精神病患者ではない。皆、現実から逃げて病院に引きこもっているだけのだ。特に思春期に陥りがちな問題を取り上げ、「前向きな努力」という回答を与えているという点で、原タイトル「Girl,Interrupted……中断された少女(時代)?」」を「17歳のカルテ」に変えたセンスは素晴らしい。でも「現実は嫌」「だけど努力しなきゃ」と思うのは何歳になっても変わらないだろう。だから、全ての人に、特にいま現実で辛い想いをしている人に、この映画をお勧めしたい。 【IKEKO】さん 8点(2004-01-16 23:00:25) (良:5票) |
258.Girl,Interruptedって題名すごく好きだな。私も今考えるとなんでか分からないけど生きてるのが面倒くさくて、毎日が憂鬱、死にたいって思った時期が1年程続きました。特に理由もないのに、始終悲しくて、物事が手につかないで、部屋の中をグルグル回って、突然泣き出す。不安定な時期だったのか。そういう歳だから、いつも明るいクラスメートも私みたいに死にたいって思うのか?って思って、カミング・アウトして聞いてみたら思わないって言われて、自分がおかしいのか、周りがおかしいのか分からなくて、なんで皆がそんなに生きたいのかわからなくて悲しかった。物事を悲観的にしか考えられない時期でした。今思うと中断されてたなーって感じ。主人公は精神病院にいた期間の事を言ってるみたいだけど、私は親のレールにしかされた学校に行ってた期間が中断されたな。私の不安定の根本はそこにあるんだろうな。だからこの映画は見て安心したし、病院での生活がうらやましかった。原作も読んだが映画同様によかった。 【クロエ】さん 10点(2002-10-19 14:37:00) (良:4票) |
257.ゆうは精神病院に入院していました。閉鎖病棟です。ゆうもスザンナと同じ人格障害です。ゆうも自殺未遂をして入りました。リサはゆうと同じ病棟にいた子そっくりでした。少し困った子でしたが魅力的な子でした。今の方が医療は進んでいるはずなのに何故今の日本の精神病院に入院してゆうは完治しないのでしょう?ゆうの主治医はゆうを人格障害とだけ診断して治してはくれませんでした。そしてまた世に送り返しました。だからゆうはいまだに自分が分かりません。病院は閉じ込められていて自由はないけれどその代わり安全を保障してくれます。居過ぎると出られなくなります。ゆうは居過ぎたのでしょうか?病院に帰りたいです。でもこの作品はゆうにも希望があるんじゃないかと思わせてくれました。病院にいたゆうがみてもいい作品でした。ゆうもいつかきっと生きて自由になりたいです。この感想、問題ありますか?ごめんなさい。それでも一言言いたいから投稿させてください。…削除対象かな、、 【ゆう2】さん 9点(2003-02-07 23:35:30) (良:2票) |
《改行表示》256.《ネタバレ》 何が正常で何が異常なのか・・。当時の時代背景を元に考えさせられる一見重い映画だが、爽やかで鑑賞後はスッキリする。 劇中、主人公が正常のように描かれている為に観衆を引き込む演出になっているが、実は未公開シーンで幻覚を見たりという異常行動がDVDに収録されていた。 演出上カットして大正解だと思った。 【Sway N Lin】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-01-12 12:25:16) (良:1票) |
255.《ネタバレ》 主人公は境界性人格障害。あとから調べて分かったのですが、彼女の症状はその典型です。邦題の17歳という年齢もズバリそこから来ている。引きこもり、反体制志向、幻覚、自殺計画にカジュアルセックス。自殺と幻覚はヤバイと思いますが、それ以外はさほど問題とは思えませんでした。事実、病院でのスザンナやリサは、まともに見えました。いけ好かない教授夫人をやり込めたり、友達のために無茶してみたり。今どきの若者と変わらない。むしろイイ奴です。人格障害は“性格に難あり”ということ。本作の設定は60年代のアメリカ。当時の価値観・倫理観からすれば問題アリでも、今ならそうでもない。個性の範囲。自殺の危険性が去れば、もう退院してもいいんじゃないの?そう思っていました。主人公の考えと同じ。しかしその見方は後半覆ります。個性とか、自由とか、そんな言葉で逃げてはいけない。自分自身の弱い部分と向き合わないと、一人で立つことは出来ません。緊急避難はあっていい。でも逃げ回ってばかりではダメ。基本は立ち向かうこと。でないとちょっと押されただけでよろけてしまう。最悪のケースが死です。それを自覚できたか否かが、スザンナとリサの差。病院のベッドに縛られるか、社会に戻れるかの差です。「私は生きている」と言ったリサ。彼女もようやくスタートラインに立とうとしています。アンジーの演技には圧倒されました。別人に変わる。病の現実を見事に表現しています。それに比べると、W・ライダーの方は変わらない。でもそれもまた真実。病んでいるかどうかは紙一重。誰もがそのボーダーラインの上に立っているのだと思います。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-28 04:39:23) (良:1票) |
254.A.ジョリーは良くも悪くもアクの強い女優だと思う。画面に現れるだけで周囲のバランスを崩しかねない程の存在感を感じる。時にはセクシー過ぎて、時にはエキセントリック過ぎて、ドラマにリアリティーを感じられなくなる女優なのだ。しかしこの映画ではリサという役柄自身のアクの強さと実にマッチしていた。一世一代の当り役だと思う。リサは、家庭、学校、社会、精神病院、どんな場所でも存在するだけで周囲のバランスを崩してしまう。それは反社会的と称され、それゆえ絶対的な孤独とカリスマ性が生まれてしまう。リサはA.ジョリーが演じたからこそリアルなのだろう。スザンナの目線で語られているけれど、リサの笑顔、暴言、苦悩、悲しみ全てが、他の入院患者たちにも映画を観ている我々にもカタルシスを与えている。楽しい内容では無いけれど、充実感の有る作品です。 【たまねぎ君】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-27 15:29:05) (良:1票) |
【.】さん [DVD(字幕)] 5点(2004-07-14 15:56:11) (良:1票) |
252.その人間が正常か異常かを判断するのは所詮人間。いくら診断結果が正常でも"悪"な人間もいるし、異常と診断されても心は澄んでる人だっている。異常と診断される人というのは、自分を騙す能力がなくて剥き出しにしてしまっているだけなんだと思う。リサのカリスマ性というのも、「自分は正直なんだ!」とリサが自分を騙し思い込ませ形成された、「悪役」という性格から成り立っている。自分に正直であることは立派だし潔いし魅力的なんだけど、社会との関係を保つには自分を騙して自分を演じて自分を作り上げる能力が必要になってくる。そう考えると、どうも腑に落ちない世の中なんだけど、まぁそんなに悪いことばかりでもない。騙し合い(自分、他人含めて)を楽しんじゃったもんが勝ちだ。 【VNTS】さん 6点(2004-06-20 20:47:54) (良:1票) |
《改行表示》251.A・ジョリーの演技が賞賛されるが、確かにジョリーは見事にあの役をこなしており 文句は無いがリサという役自体「もうけ役」である事は確かだ。 一方、主役のスザンナ役は物語の語り部役でもあり押さえた演技が必要な「損な役」でW・ライダーの繊細な演技はもっと評価されるべきと思う。 他の女優さん達は皆適材適所で素晴らしい。 日本でイメージする精神病院とあまりに違うのでとまどうがアメリカではこういう物なのか。又、邦題の「17歳」はどこから来たのか?17歳とは全然関係ないはずだが 【ハナちゃん】さん 7点(2004-06-16 14:02:40) (良:1票) |
250.《ネタバレ》 見るたびにジワジワとおもしろくなっていく作品です。アンジェリーナとブリタニーの存在感が凄い。デイジーの自殺シーンが強烈に印象に残ります。リピートして流れてくる"The End Of The World"が切なさを強調しています。デイジーの亡骸を見て泣き崩れるスーザンとアパートから出て行くリサを同時に見せた映像が二人の人物の違いをよく表していたように思います。この作品の未公開シーンはイイ出来のものが多いので全部本編に追加したほうが良かったかも。 【ギニュー】さん 9点(2004-05-17 23:03:50) (良:1票) |
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249.精神病院の若い女性群像を主人公の眼から描いた実話で、精神世界に興味ある人はすごく面白いし、そうでない人には限りなく退屈であろう映画。W・ライダーの純真、A・ジョリーを始めとする同僚患者の凄まじいまでの狂気、治療する側のW・ゴールドバーグ、V・レッドグレーブの抑えた情感。そして、ラスト近くでウーピーが言うセリフ、「溜めていないで全部吐き出しなさい」などなど、なかなかのものであった。 【きりひと】さん 8点(2004-02-29 18:52:41) (良:1票) |
248.精神病に興味がある人には知識欲をそそられる作品なのかも。社会に馴染めず、変わり者と呼ばれながらも、肉体的暴力性の無い人。似た者同士出会うと、居場所を見つけた様に安心するものですよね。しかし次第に社会に馴染めなかった互いの理由が互いを圧迫し始め、違和感を感じてくる。何故自分が普通の人と異なるのか、仲間に自分を投影して初めてわかってくる。ある日、まるで夢から覚めた様に、以前の自分が奇妙な考えや妄想していたのかがわからなくなる日が来る。丁度、学生時代の夢が終わり社会人になったときの様に。意外やコレって誰にでもあることなのです。精神病院には、社会で生活出来ない人が、ほんの少し、一般的な思考に歩み寄れる練習するところに過ぎないらしいですね。「17歳のカルテ」の主人公は、時間は無駄にしてしまったかもしれないけれど、自分自身に気づけるきっかけを得たことは非常にラッキーなコトかと思います。ついで、ジョリー、地で演技していますな(笑)。 【夢の中】さん 5点(2003-11-22 03:03:27) (良:1票) |
247.後半になって、急にリサを悪者にして価値観を普通の世界のそれへ戻してしまうのはちょっと興ざめですね。軽ーい精神病(ほとんど健常者)の主人公が精神病院へ行って友達つくって、観察日記つけました、病院はまるで監獄みたいでした、でも自覚して自分を見つめなおすことが出来たら退院できました、重ーい症状のリサやポリーは後で退院できたらしいよ、あーあ皆救われたね、良かったね。説得力ないなぁ。外の世界でまっとうな生き方をするのが正義なの、人格障害は病気なの、貴方は生きているとはいえないのとリサを打ちのめすシーンが訴えたかった事の1つならば精神病患者への寛容さを訴えている部分と矛盾しているのでは(後半でベットに縛られた惨めったらしいリサと主人公を対比表現しているのも同じ)。精神病についてはもっとデリケートに扱う必要がありそうなのに、乱暴に「逃げないで前向きに生きなさい」という分かり易いメッセージで容易に解決できるかのような描き方に健常者のおごりのようなものを感じました。Aジョリーはとても素敵でしたわで1点。 【KT】さん 1点(2002-01-21 17:52:10) (良:1票) |
246.『カッコーの巣の上で』のようなエグイ話を期待すると肩透かしと感じますが、若者が仲間との葛藤を通して成長する話として見たら感動します。俳優さんたちの演技も良いですしね。 【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 7点(2021-05-17 22:11:06) |
245.《ネタバレ》 原作者による女性精神病棟での実体験に基づいたドラマ。瞳のおっきなウィノナと唇のぶっといアンジョリ、特異な面のお二人が競演。本能のままに生きて規則を一切守らねえ、異彩を放つ怪演のアンジョリが米アカデミー助演女優賞ゲット。煙草をスパスパ、病めるオンナたちの社会。個性的な仲間と徐々に馴染んじゃうアタシ。痛みを分かち合う。爽快な退院。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 6点(2020-04-19 04:36:20) |
244.始まりは面白い予感がしたが、ダラダラと長いだけだったなー。見終わってから、リサがアンジェリーナ・ジョリーだったと知った。まー、リサはちょっと別格だったかな?まー可もなく不可もなくでした。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 5点(2018-12-29 19:23:30) |
243.《ネタバレ》 危なげなアンジェリーナ・ジョリー演じる少女が異彩を放っています。 【ゆっきー】さん [DVD(字幕)] 6点(2018-05-01 13:21:38) |
242.《ネタバレ》 自殺未遂をして精神病院に入院した少女が回復して社会復帰を果たす物語。硝子の心を持つ少女スザンナは、昔気質の両親になじめず、家に居づらい。複数の男性と体を重ねるが愛情はない。高校卒業後して無為に過ごすが、幻覚を見、時間感覚があやふやとなり、猛烈な不安に駆られて自殺を図る。精神病院に入院させられるが、自覚症状はない。監視、薬、規則で患者を管理しようとする病院に反発を覚え、医者に食ってかかり、看護婦に悪口を吐く。そんな中、他の患者達と連帯感が生まれ、友情も芽生える。特に主導者的存在のリサに惹かれていく。彼女は、本音で語り、医者を無能呼ばわりし、薬も飲まず、夜中に診察室に忍び込んで診療録を見るなど、自由奔放に振る舞っていた。ある日、リサの誘いで病院を脱出し、退院したデイジーの共同住宅に泊る。リサはデイジーが近親相姦していることを見抜き、容赦なくなじる。翌朝デイジーが自殺する。リサに疑問を持ったスザンナは病院に戻る。自分と向き合い、今まで治療努力をしてこなかったことを後悔し、前向きに取り組むようになる。リサが戻り、スザンナの日記の同僚批評を非難するが、スザンナはリサの心が空っぽであることを見抜いており、「あなたは既に死んでいる」と痛烈な言葉を浴びせる。退院する前にリサを見舞うと、リサは「私は死んでいない」と答え、二人は歩み寄る。スザンナが無気力に陥り、自立できなかったのは、自分と向き合わなかったからだ。自分の人生がうまくいかないのを、家族や友人や社会や時代の所為にして目をそむけてきた。病院で友達が出来たことで心に余裕が生まれたのが上昇の契機とある。リサを尊敬していたが、彼女の心が空虚であることを知り、彼女の行動のほとんどは虚勢であり、オズの魔法使いの正体と同じだと悟る。リサの中に自分の姿を見て、反面教師としたのだ。閉じこもっていては駄目で、世間を折り合いをつけて生きていくために、成長し、強くならねばならない。映画化が困難な精神病を題材にした点は評価できる。原作者の体験談なので真実味があるが、全ての人に当てはまるわけではない。前半、時間軸を交差させたり、リサと対決した地下の場面を冒頭部に持って来たりと、技巧を凝らしている。映画では自殺未遂は高卒後のことだが、原作では17歳。なので邦題の「17歳のカルテ」は正しい。スザンナとリサを演じる女優が十代に見えないのが難。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-02-07 20:45:08) |
241.これほど思春期の女性心理を赤裸々に描いた映画は少ないと思うし、何が正常で何が異常かを問うたものも少ないと思う。「カッコーの巣の上で」と比べればもう少しかなとも思うが自叙伝として心に深く残る映画だ。「Downtown」など音楽もすばらしかったけど、個人的にはデイジーの自殺場面で繰り返し流れていた「The End of the World」がすごく印象に残った。 【ESPERANZA】さん [DVD(吹替)] 8点(2014-12-29 22:39:41) |
240.《ネタバレ》 女性映画の秀作。映画の終わりのほうで気がついた。あぁ、これは「草原の輝き」なんだ、と。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2014-09-30 04:22:03) |