207.《ネタバレ》 たかがファッション、されどファッション。 またまたアン・ハサウェイが大変身! これと「プリティ・プリンセス」で00年代のジュリア・ロバーツ的だった彼女は華麗に変身するがんばりヒロインとして十分に機能しているけれど、BFや友人はいないと不自然だから入れてるような感じでそれほど重要とも思えず、原作者が自分をモデルにした女の子の業界体験記のようでもあり、見ていて面白いのはメリル・ストリープ、スタンリー・トゥッチ、エミリー・ブラントらが演じる業界人たち。 トゥッチが「バーレスク」でも似た役がきたのは新旧の女を描く同じタイプの映画だからだろうし、引き立て役のブラントはヒロインより印象に残り、助演ながら彼女のキャリアの中で一番光ってるかも。 トンプソンは鼻持ちならない役かもしれないけど、俳優さんのせいか嫌味は少なし。 オニ編集長ミランダを超ワンマンな人物と認識しつつ観客が嫌うことができないのは、ストリープが男性をイメージして演じた役が、仕事には真剣で女の嫌らしさも少ないからか。 口より目がモノをいうミランダのセルリアンに関する弁舌は、「何もわからないアナタに軽口たたいてもらいたくないのよね」が言外にありそうで、でもそこまでは口にしない。 この瞬間はアンディを憎んでたと思うけど、根に持つような人じゃないのが男っぽい。 人に好かれようとしていない彼女が、唯一愛されたい人からは拒絶される皮肉な面も。 終盤の「失望」はそれまでの失望とは意味がちがって、I MISS HER ということ、最後の笑みがいい余韻を残してくれる。 ニューヨーカーやヴァニティ・フェアの記者志望で、(ヴォーグを模した)ランウェイを経て、NYミラー(英デイリー・ミラーのような新聞社?)に新たな場を見いだすアンディの衣装も3パターンに分かれ、最後の服は地味だけどシックで、ブーツのピンヒールがミランダから学んだプロ意識が彼女の中に残っているのを象徴しているよう。 マドンナの「ヴォーグ」は流行って意味なので使われてもおかしくはないけれど、くすぐりも入っていそう、光輝くパリの夜景にはU2の「目もくらむ光の街」、こちらもぴったり♪ 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-02 07:00:01) (良:4票) |
206.《ネタバレ》 ふむ。 思いのほか楽しめました。 アン=ハサウェイは文句ナシにキュートだし、メリル=ストリープはやっぱり凄いなぁと。 「働く女性」の葛藤や喜怒哀楽も上手に表現できてたと思うしね。 ただなー、ストーリーとしてはどうだろう? 非常に散漫な印象。 最大のカタルシスをどこに持っていきたいのか、焦点がボケちゃってる感じ。 「アンディをどうさせたいのか」が希薄なんだよね。 主人公の「立ち位置」が定まっていない。 ファッションセンスを磨いて業界人としてノシ上がっていくとか、あるいは断固として「自分流」を貫いてみせるとか、(映画としての)一貫性を持たせて欲しい。 どっちつかずなんだなー。 彼氏のこともそう。 あそこまでバリバリのキャリアウーマンになったアンディが、「自分の誕生パーティに間に合わないくらいのことでスネるようなショボい男」の元に戻りたいと思うかな? 友達もさ、友情が大切なのはわかるけど、それならば逆にビジネスマンとして成功しつつある友人をもっと応援しません? なんだか「貴方は成功なんかせずに、私達と一緒に『烏合の衆』でいましょう」って足を引っ張ってるみたい。 「変化していくこと」が悪いようなね。 別に人として悪い方に変わっていってるわけでもないのに、これじゃ「いつまでもウダツの上がらない人間」でいる方がいいみたいに見えちゃう。 そこら辺は、恋人や友達との絡みをどう見せるかで随分印象が違うと思うんだけどな。 それと、アンディがあまりにもラッキー過ぎる。 ハリーポッターの新作なんかが簡単に手に入っちゃうのは、なんだかなぁ。。。だし、いきなりナイジェルという素晴らしい才能の持ち主が味方になってくれたのはどうしてなのか。。。。 イヤミだと思ってた先輩も、実は普通に優しかったりするしね(笑) もっと取っ組み合って「戦えよ」って感じ。 なんかラブコメものにありそうな展開で苦笑い(^^; これって結局そっち方向の映画なんでしょうかね? 「色々あったけど、いい経験をたくさん積みましたねー」ってことでまとまっちゃった(笑) なので、きっとコレ、ワンクールくらいの連続ドラマにしたら面白いんだろうな、と思うのでありました(笑) まぁ、面白かったので、大負けに負けて、6点。 しかしさ、10年後に観たら、このファッションってきっと大笑いなんだろうなぁ(笑) 【とっすぃ】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-11-27 23:14:20) (良:4票) |
《改行表示》205.《ネタバレ》 原作は読んでいませんが、映画を見るかぎり『ファウスト』の女性版ではないかと思います。ゲーテが、魂を悪魔に売りわたして全能になろうとする男を描いて文明社会に警鐘を鳴らしたように、この映画は、人間としての魂をファッションに売りわたして全能になろうとする女性たちを描いています。そのことによって大切なものを失うとしても。ちなみに、ここでのスタンリー・トゥッチは、メフィストフェレスの役回りです。 ゲーテが『ファウスト』を書いた後も、科学技術などに自分の魂を売りわたそうとする人々は後を絶たなかったように、この映画を見てもなお、プラダに魂を売り渡そうとする女性は、おそらく後を絶たないはずです。むしろ、この映画自体がそのような「誘惑」に満ち満ちていますし、「お洒落こそが最大のコミュニケーションツールであり、お洒落になりさえすれば女性は全能になれるのだ」というメッセージで観客を啓蒙しているようにさえ見える。 プラダを身に纏って全能な女性になれるなら、魂のひとつやふたつ売り渡したって構わないと思う人のほうがきっと多いでしょう。そのためなら多少のパワハラだって受け入れるという女性さえいるかもしれません。それどころか、すっかりフィクションを真に受けて、メリル・ストリープばりに部下へのパワハラを行使する人や、上司のバカげた無理難題に応えることが仕事の成功なのだと信じる人もいるかもしれません。ゲーテの時代には男性しか全能になれなかったけれど、現代ならば女性でも全能になれるのだから、それはかえって喜ぶべきことじゃないかと考える人もいるでしょう。 一般に、この作品は、ひとりの女性がどんどんお洒落になっていく「シンデレラストーリー」だと理解されていますし、制作側も、そのように受け止められることを織り込み済みのはずです。この物語のなかに、ゲーテのような「批評性」を見出すことは可能なのだけれど、ほとんどの観客にはそんなことは伝わるはずもなく、たんなるエンタテインメントとして消費され、場合によっては「サクセスストーリー」だと誤解されるのです。制作側は、それすらも計算ずくで作っている。その意味では、とてもしたたかな映画だと思います。 「今までのアシスタントで最も失望させられた。そしてアンドレアを雇わなかったら大馬鹿者」 最後にアンドレアが面接へ訪れた出版社に、ミランダが送っていた矛盾に満ちたメッセージです。ミランダは、これを「悪魔」と「人間」の2つの視点で書いています。彼女は、「悪魔」としては大いに失望させられたけれど、「人間」としてはそれが正しいのだと知っている。自分は「悪魔」の道から抜け出せなかったけれど、アンドレアは「人間」の心を取り戻した。そして、アンドレアのような人こそがジャーナリストにふさわしいと言うのです。このメッセージを読み上げた面接官は「最高の言葉だ」と言います。 このシーンを描くことによって、映画自体が、そのようなジャーナリスティックな観点で作られていることを告げています。 【まいか】さん [地上波(字幕)] 6点(2020-10-17 11:54:52) (良:3票) |
《改行表示》204.《ネタバレ》 特に興味のあるジャンルでもない、にもかかわらず、そんな私に飽きさせることなく見せきった。テンポの良さと演技力、そして音楽で否応無く物語りに引き込むパワーがある作品です。素人にはわかりづらいジャンルであるのは間違いないのですが、少しでもわかりやすく見せようというプロ意識を感じます。おかげさまで全然知らない業界の話なのに、9割以上は理解しました。これって何気に凄いことだと思います。 ストーリーは酷評されがちですが、個人的には好き。 ミランダの解任を知って慌てるアンドレア。でもミランダは周りの人間の何枚も上手。家族のことでは一瞬人間的な弱さも見せるが、仕事では一部の隙も見せない。この徹底した強さと冷徹さが良いですね。この役柄を演じきっているメリル・ストリープの貢献度は高いです。そしてこの人の話し方が、また貫禄と気品を備えていてぐっときます。 エミリーやナイジェルといった仕事仲間も、それぞれプライドと信念をもって仕事しているのがかっちょいいです。そのエミリーやナイジェルに残酷なまでの仕打ちをするミランダ。にもかかわらず、ミランダから離れない二人。手放しで賛成はしがたいですが、カリスマってまさにこーゆーことを言うのでしょうね。 ただ、『ミランダが凄い』というのが、説明台詞でばかり伝えられてくるので、その凄さを実感できるようなエピソードがもう少しあると良かったかもしれないですね。権力をかさに好き放題やってるブラック上司の面ばかりを強調しすぎているような気がしないでもないです。 あと、コレ観た後に仕事すると、なんかモチベーション上がってます。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2017-08-16 16:10:53) (良:3票) |
《改行表示》203.《ネタバレ》 この作品の人物たちは、いかなる職種・業務であろうと、自らの仕事に誇りを持っている。世界的デザイナーに多大なる影響力を持つミランダ、彼女に憧れ自らの身を削り仕えるエミリー、有能な片腕であると同時に彼女の駒になる事も厭わないナイジェル。彼らは自分の望んだ道を歩み、最大限の努力をし、成功というゴールに向けてひた走っている(来た)。しかし、努力するだけで成功するほど世の中は甘くない。ミランダは生涯の伴侶(愛)、エミリーは自らの身体(健康)、ナイジェルは才能の開花(独立心)。成功に向けた努力の影には、常に何らかの犠牲がある。 序盤のアンディは、慣れない仕事やミランダのトンデモ要求に奮闘しているように見える。しかしナイジェルは言う。「君は努力をしていない、愚痴を並べているだけだ」と。その『仕事自体を好きになろうとする努力』をしないで、どうして全力を注げる?どうして努力が周囲に伝わる?という、核心を衝いた台詞である。その後アンディは、周囲からも一目置かれるほどの変化を遂げる。彼女は『自分が変われば周りも変わる』を体現したのだ。 しかし、順調な仕事とは裏腹に不調なプライベート。アンディの恋人ネイトは訴える。「自分が愛する人々、自分を愛してくれる人々、大切な人や物を犠牲にし、自分自身を変えてまでする仕事が、君にとってどれほど価値があるのか?」と。それぞれ価値観は違って当然、だからアンディとネイトの考えは、どちらも間違っていない。アンディとは真逆の「ネイト的価値観を持つ層(鑑賞者)」にも共感されるよう、間口を広く取って訴える製作の姿勢には好感を覚える。 最終的にアンディが下した決断は、社会に生きる人々にとっては憧れに近い形だ。好きな仕事をし、大切な人との関係も維持する。しかも、急な去就にもかかわらず上司は部下の実力を認め、活躍に期待を込めている。何て恵まれているのか!しかし、これもまたアンディの努力によって勝ち取った結果なのでしょう。 誰もが皆、表舞台に立つために裏で様々な画策を練っている。仕事をするのが人間同士である以上「人と人との繋がり」で仕事は成り立っている。それが過言ではないことを、この映画は改めて教えてくれた気がする。年齢・立場・環境によって感想が変わっていく作品だと思うので、数年後にまた見直してみたい。 【港のリョーコ横浜横須賀】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-06-16 20:19:00) (良:3票) |
《改行表示》202.《ネタバレ》 かなり独特な意見かもしれませんが、私にとっては「仕事」というものに対する向き合い方や考え方について、非常に考えさせられる映画でした。私には、アンドレアのやっている仕事は、はっきり言って非常にくだらないことに感じられました。台風の最中に飛ぶ飛行機を性格の超悪い上司のために探す。しかも、クソ生意気な彼女の双子の娘のピアノ発表会ごときのために。この任務に成功することによって何の役に立つのか?せいぜい上司の家庭内不和を、ほんの少し緩和する程度のことでしょう。しかし、「仕事は仕事」と割り切ってアンドレアは飛行機を探します。この精神を私は軽蔑しますが、一方どこかでうらやましく思うのも事実です。「与えられたことを一生懸命やる」「他人に負けたくない」。それだけのポリシーで働ける人間ほど強い者はいないからです。 私はファッション業界の仕事自体をくだらないと考えているわけではありません。自分に合った服を探したり、斬新なデザインの服を眺めたりするのは楽しいことです。それを提供してくれるわけですから、「意味のある」仕事だといえるでしょう。しかし、人間的に劣った者のために、骨身を削って働くのは、はっきりいってくだらないことだと考えます。だから、最終的にヒロインの下した決断には非常に納得がいきました。 考えさせられたという意味で6点です。一見の価値はありました。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-07-16 17:02:37) (良:3票) |
201.《ネタバレ》 一流大卒のリベラルのインテリが、ファッション雑誌のアシスタント業務に甘んじるわけがなく、元々腰掛けだし、どのようなオチに持っていくのか?に期待したがイガイとあっさりしていた。が、資本主義の権化であるファッション業界に洗脳され、パワハラにも耐える過程は見応えがあり、逆に洗脳されて承認欲求から追い込まれて働いてしまう事の怖さも感じた(好きな業界だからという理由で過酷な労働条件で働かされるTV業界の下請けADやアニメ製作会社なども同じ構造だろう)。本来の彼女であれば労働組合作って待遇改善を叫ぶところである。嫌なら辞めればいいという問題ではないし、それは彼女が本来目指す所の社会正義でもないだろう。ラストは家庭崩壊をしてても自身の出世や保身のために非情に他人を出し抜き・蹴落とす事よりも、働く仲間や家族を大切にしたいという人情話でキレイに終わったが、この気づきというか転換への描き方がやや弱かったような。結局後任はパワハラで苦しんでいるだけだし。サラリーマン社会では前者が生き残り後者は駆逐されるという厳しい現実の中で、視聴者に「あなたはどっち?」という問い掛けをしているようにも思える。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-09-29 16:07:23) (良:2票) |
《改行表示》200.《ネタバレ》 大変良くできたシナリオの映画だったと思います。私が一番近いと思ったのは『千と千尋の神隠し』です。つまり女の子が無縁の世界に飛び込み、地獄巡りのように苦労を重ねて自身の価値観を見つめ直すという話、ということ。 この映画は主人公アンディの世界を内と外にハッキリと分けている。その境界線を引くのに使われている小道具は"食べ物"です。アンディの外の世界、即ちファッション業界では食べ物が非常に粗末に描写されている。食べる筈だったコーンチャウダーをゴミ箱に投げ捨てるナイジェル、急に会長との食事が入ったからミランダから頼まれていたステーキを捨てるアンディ。逆にアンディの内の世界、彼氏のネイトは料理人で美味しい食事を作っているし、友達と会う場面は食事シーンが多い。 そしてその様に分けられた外の世界は私生活が徹底的に犠牲となる世界です。ナイジェルは「昇進したら私生活なんて無くなる」と言い、エミリーは挫けそうな時「I love my job, i love my job」と自分に言い聞かせ、それはボスのミランダさえ例外では無く彼女は数度目の離婚の危機に悩んでいる。 アンディはそこで一度は頑張ってみるものの、全てを犠牲にした上司を見て"私の世界はここじゃない"と察して仕事を辞める。そして真に自分の力が発揮できる職場に自分の能力により入る。初めはファッション業界を足掛け程度に思っていた鼻持ちならない主人公が。非常に単純なストーリーと言ってしまえばそうですが、そういうストーリーの流れを言外で描写しているのが上手いと思いました。だから主人公が成長していないと勘違いする人が多いのも当たり前だとは思います。 それでもファッションについて、「ここぞという時にオシャレをしていれば良いんじゃないの?」と普段から思っている身としては序盤から中盤にかけてはかなり物語に乗り難かったです。別にセーターでもアンディ可愛いだろと思ってしまったしなぁ。逆に大人になってまで外見を気にして、外見で人を判断して正直滑稽に見えます。そんな個人的な理由によりやや減点してしまいました。 それから映画の話なのでどうでもいいけど、上司の傲慢さにも限度がありますよね。あれだけプライベートなことを部下にさせると、有能でも部下が付いてこないと思うんですがね。それともファッション業界はホントにあんな理不尽が服着て歩いている人だらけでも成り立つんだろうか。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-01-14 17:21:17) (良:2票) |
199.《ネタバレ》 アンは健気だしエミリーのテンパってる先輩ぶりも好きなんですが、鬼上司たるM・ストリープの人間像が描き足りなく感じます。上に立つ者としての度量の広さなり器の大きさなりが伝わらなくて魅力に欠ける。要求は理不尽なうえ、コートもバッグも人の机の上にどさっと投げ出してゆく。こんなみっともない振る舞いはたとえ王様であっても許されない、と思う私は絶対に勤まらないな。もっとも、観てる側のこういう鬱屈をアン・ハサウェイが華やかなファッションをとっかえひっかえして散らしてみせてくれるわけですが。あのお金はどこから?あ 映画だからそこはどうでもいいですね。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-03 16:39:27) (良:2票) |
《改行表示》198.《ネタバレ》 カタルシスはアンが成功一歩手前で意に沿わない職を放棄し、本来の自分に戻るところ。サクセスストーリーではなく、成長物語。アンはファッションの奥深さを学び、ファッションセンスを磨き、仕事も先読みでき、上司から認められる。しかし望んでいない世界で、上司のような犠牲の多い生き方は出来ないと悟る。二人はお互いを認め合いながら別れます。それに恋愛を絡める。意図は良いですが、デフォルメしすぎたためか、ふに落ちない点が多いのが欠点。 ①就職面接に行くのにニンニク入りのハンバーグを食べながら行く。行儀が悪すぎ。 ②ジャーナリスト希望だったら最初からミラー紙の面接を受ければいい。軟派作家に書いたものを送ったのにも関わらず、編集者を紹介してもらうのは断った。 ③どうしてジャーナリスト志望なのか、何をしたいのかの説明が無い。 ④アンは父に「このファッション出版社に就職したのは腰かけに過ぎず、一年も経てばパリで人脈が出来、ジャーナリストとして有利であるため」と説明。上司に似て元来が打算的人物。一方で彼女は雑誌名やファッション界のカリスマ編集者ミランダの名前さえ知らなかった。矛盾してます。 ⑤上司は時間外労働を強要し、嵐の中を飛行機を飛ばせとか、出版前の本を手に入れろとか、要求が度を越えている。しかもそれは仕事ではなく「私ごと」。真に仕事のできる人のやることではない。 ⑥恋のパートがあやふや。最初から同棲している設定が間違い。アンと男とは恋人未満だったが、最後にはお互いの自分の本当にやりたい道を見つけ、恋人同士になる展開にすればすっきりした。最後二人はニューヨークとボストンにそれぞれ就職が決まる。別れるのか、元さやか。「考えてみる」という返事はダメ。軟派作家と寝るのは言語同断。それをやっちゃおしまいよ。単なる尻軽女。 ⑦社会人の男性が誕生日を友人たちと祝う?同棲している恋人が誕生会に来れなくなるとあんなにスネる?アンの頑張っている姿を見てるのに。 ⑧コートやハンドバッグを投げ出したりして乱暴。 ⑨上司の子供が若すぎる。高齢出産?又子供を甘やかしすぎる。 ⑩コーディネートをしてもらっていたけど、あのブランド服を全部買ってたの? ⑪アンのファッションセンスがよくなってゆくのは「仕事と心の成長」を意味していると思ったが、最後に全否定された。アンは何を学んだのか? 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-06-12 06:35:00) (良:2票) |
|
《改行表示》197.今作の主演で、14回目のアカデミー賞ノミネートを果たしたメリル・ストリープ(2010年現在では更に伸ばして16回!)。 ぱっと見ラブコメ的な雰囲気満載な今作でのノミネートは、流石に疑問を感じてしまっていたが、鑑賞してみて納得。巧すぎる。 絶対君主的なキャリアウーマンを、ある部分においては神々しささえ感じてしまう程にクールに表現していて、冒頭の登場シーン時点で脱帽してしまった。 作品自体も、決して安直なラブコメなどではなく、ファッション業界のトップ・オブ・トップを舞台に、女性の仕事に対する真摯な姿をテンポ良く描いた良作だと思う。 ファッションに無関心な新人社員が、持ち前の気概と隠れ持った(実は全然隠れてはないけれど)美貌を徐々に発揮していくことで、頭角をあらわす様には、とてもファッショナブルなエンターテイメント性と、スポ根的な要素が混じり、ユニークだった。 そして、節々には、女性が現代社会において仕事に従事することに対して未だ残る難しさと、可能性を示し、娯楽性から一転して社会性を見せる映画でもあった。 タイトルとパッケージが伝えるものよりも、遥かに深いテーマ性が存在する作品だと思う。 アン・ハサウェイもかわゆい。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-09 23:52:00) (良:2票) |
196.《ネタバレ》 自分はファッションに興味がありません。ミランダほど強烈な上司の下に付いたこともありません。でも琴線がうずくのです。社会人1年生の頃を思い出します。今から考えると信じられないくらいに青かったと思います。使えない、本当にダメダメな新人でした。でもプライドだけは一人前だったりするです。だから仕事はつまらないし、辛いし、頭にくるのです。最初の頃のアンディと同じ。とくに彼女の場合は、ファッション業界に興味が無かったから尚更でしょう。自分の価値観の範疇の外。角界に例えると分かり易い(かな?)。例えばアメリカ人の新弟子。「OH!フンドシなんてナンセンス。」「チョンマゲカッコ悪いネ。」「股割りナンテ痛いだけヨ。」こんな事を言ったら、多分とっても“カワイがられる”でしょう。でもどちらに非があるかは一目瞭然です。世の中には理不尽な事がいっぱいあります。腑に落ちない事だらけ。でも観方を変えると、受け取り方も変わるのです。もしかしたら、自分が知らないだけで、意味があるのかもしれないのに。よしんば、本当に無駄な仕事だったとしても、一生懸命やれば充実感はあるでしょう。個々のマイナスを避けるよりも、トータルでプラスになればOK。それが生まれ変わった主人公の姿だった気がします。ただ、彼女は気付いてしまいました。大成する素質はあったのに、横綱の生き方に魅力を感じなくなってしまいました。大横綱も理事長になったら、あの体たらく(失礼)。寂しい。虚しい。自分には違う生き方が合っていると気付いてしまいました。どちらが良いか、悪いかの話ではありません。彼女は彼女の選んだ道を歩いていくのです。ちなみに関取になれずに廃業した元力士は、どんな業種でも潰しが効くそうです。“忍耐”“努力”なんて最近では流行らない言葉。でも大切なことは、いつの世も変わりません。頑張った人には、頑張っただけの報いがあると信じたいです。最後はちょっと泣けました。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-13 18:09:57) (良:2票) |
195.《ネタバレ》 うん、どっかで見たことあるというか今まで何度も使われてきた御馴染みのプロット「鬼上司と戦い、頑張り、夢を見る普通の女の子」のお話。アンディの存在位置が曖昧な感じはあるけど女性観客には変身願望と共にひと時のファッション雑誌業界を仮想体験できる楽しい物語となっていると思います。メリル・ストリープは徹底的なワンマンやり手編集長を演じていてそのストレートさが気持ちいいですね。深みのある人物ではないけどさっぱりしてて(言動を)飾らない人柄が見事に表現されていて脱帽です。同僚は「実は良い人」でデキる人だらけなのに、アンディの友人や彼氏は器のチッコイ人ばかりなのはちょっと残念。これって作者の実体験を皮肉っているのかな?パリコレやN.Y.の街並みも堪能でき、各種スーパーブランドの作品や小物が出てくるのでこういうのが好きな人には飽きずに楽しめるでしょう。音楽・展開もスピーディーです。 余談。百貨店勤めしてたことありますけどミランダのような人、マジいます。怖いです。リアルすぎて。映画では笑ってみてられますけどリアルで関わるのは相当な体力が必要なので見ながら苦笑いでした(笑)。 【トト】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-12-23 00:15:48) (良:2票) |
《改行表示》194.《ネタバレ》 素晴らしい傑作だ。女性はもちろん、男性にも観て欲しいと思った作品だ。ファッションに興味のない人には苦しい部分はあるが、本題は「仕事に対する姿勢」なのでその辺りは無視しても影響はない。 ミランダは一見「悪魔」のように見えるかもしれない。無理難題を課し、わがまま放題にもみえるが、自分はミランダをとても尊敬できる人と感じた。自分の仕事に対してプライドと自信を持ち、妥協を許さず全身全霊をこめて取り組む。水色のダサいセーターにしても「おばあちゃんのお古でしょ」と揶揄するのではなく、そのバックグラウンドを彼女は理解している。深い知識を得るための努力や勉強の賜物ではないか。 「娘の発表会のために飛べない飛行機を飛ばせ」「未発売のハリーポッターを手に入れろ」という難題をアンディに課したようにみえるが、果たして本当に無茶な話だろうか?これが撮影のために必要な服を翌日までに空輸しなければならないというシチュエーションだったら「無理でした」では済まされない。ハリーポッターの件はこの業界で必要な人脈を築けたのかということをテストしたに過ぎない。 アンディも彼女の仕事に対する姿勢をある意味で尊敬していたと思う。 一番の違いは、仕事にために家族や親しい友人を犠牲にできるかという点だろう。ミランダも人間である以上愛する人を失えば傷つく。だけど、何度失っても仕事と家族の二者択一を迫られれば仕事を選ぶ人間だろう。アンディも仕事を選んだために一度愛する人を失った。しかし、親しい友人の成功を犠牲にしたり、愛する人と過ごす時間を失ってまでも仕事を選ぶような人間になりたくないという想いを強くしたのではないか。家族と仕事の二者択一を迫られれば家族を選びたいというアンディの道とミランダの歩む道が分岐したときの彼女たちの姿はとても美しかった。 ファッション通の人には特に楽しめる内容になっている。ヴァレンティノガラバーニ御大の姿も見られるし、カールラガーフェルド(現シャネルデザイナー)の電話を取れなかったためアシスタントが首になったり、トムフォード(元グッチ・YSLデザイナー)のコレクションに対してミランダが唯一微笑んだというエピソードや、ドナテッラヴェルサーチの席次を悩むエピソードは面白い。マークジェイコブス(現LVデザイナー)のバッグをミランダが気に入らないといってアンディの友達に渡すところは皮肉も感じられる。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-11-20 21:01:10) (良:2票) |
【TERU】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2023-07-11 21:57:31) (良:1票) |
192.《ネタバレ》 見る前は、ヒステリック上司とどんくさい部下の苛々するやりとりが展開されるのかと危惧していたのですが、さすがはやはりメリル・ストリープ、そういうことにはならないわけですね。口調は穏やか、会話は理性的、しかし一つ一つの発言に一切の迷いがなく、そして言っている中身は滅茶苦茶。ただ、仕事に対する誠実性や情熱というものはベースとしてあるので、周りにいたら嫌だけど、画面で見ている分には不快ではない。この役作りができる人に主役を振った時点で、レベルは保証されるようなものです。ストーリー自体は定番そのもので、確実にヒットを狙いにいき、かつ、実践している。まあ、ファッションの点を除けば、「ワーキング・ガール」と何が違うのか、と言われれば難しいけど。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-10-11 01:02:25) (良:1票) |
《改行表示》191.《ネタバレ》 へぇ~けっこう評価高いんですね、意外でした。 印象に強いところでは「ワーキングガール」とか80年代~90年代にかけて女の立身出世モノをよく観た記憶があって、なんか懐かしさと共になんでまたコレなの?とちょっと面喰ってしまいました。アメリカも就職難だったの? 鬼上司ミランダについて感心したことはただひとつ「空色」についての歴史をサラっと語ったところです、非常に勉強になりました。 それ以外はミランダの人物像がほとんど描かれてないので何か物足りなく、映画全体が薄い。就活マニュアル映画のようでもありました ファッション界はアンディにとって足掛かりで、大物と言われる人物のお墨付きを得て、いよいよ望みを叶えるべく切符を手に入れたっていうのはわかりますが、この映画を観て真に受けたり勘違いしてしまう女が増えるかもしれないと、そっちが気になってしまったのでした。アン・ハサウェイは最初まわりから太っていてダサイ女と言われまくってたけど、あのルックスですし全く太ってもいなければダサくもないんですよね。 ところでなんでプラダなんだろ? パリコレのシーンで唯一でてきたデザイナーはプラダじゃなくてヴァレンチノ・ガラヴァーニだったし、どっちもイタリアなんだけどNYはイタリアブランドの方が人気なのかな? マドンナの「ヴォーグ」にはニヤリ。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-07-16 21:10:33) (良:1票) |
190.《ネタバレ》 ミランダはいつでも一瞬のうちに、アンディの足の先から指の先までを完璧にチェックし、彼女の着こなしをよく観察していました。ファッションなどには疎い私は、ミランダのその表情から、彼女の着こなしがこの業界に相応しく洗練されていく成長を何とか確認していた次第です。エミリーに着目すると、パリコレの夢を果たすためにと絶食に近い生活を強いられ、車に跳ねられ、あげくにはそのポジションをアンディに取って代わられる。ほとんどブラックコメディのようであったが、彼女を通してこの夢のように華やかな業界の狂信的な求心力を垣間見た気がします。アンディの成長の過程には、出世や成功とともに失うものも描かれており、仕事においてキャリアを目指す女性には感じることの多い映画でもあると思います。もちろん、男の私にとっても見応えのある映画でしたが、やはりアンディは冒頭とラストの等身大の着こなしが一番よく似合い、最も素敵でした。 【タケノコ】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-02-14 14:35:47) (良:1票) |
《改行表示》189.《ネタバレ》 ファッションを極めていくとアートになる。工業製品のデザインも同様。 そうかも知れないと思いつつ、でも、流行なんて一過性じゃない?。 この映画を男目線で観ていると「アン・ハサウェイ、何着てようが超かわいい…。 服なんて、どうでも良いよ」と思う自分を再認識。良くも悪くも人間、中身。 冒頭、朝の身支度シーンは、多分「ダサい女とイケてる女の対比」だったと思うけど、 正直、違いが分からなかった。どっちもステキなんですが…?。 彼氏が不思議だ。仕事で忙しそう、誕生日に会えなかった…それくらいの事で、 「別れよう」だと???!!!。そんなバカな!。アン・ハサウェイだよ?。 まだ、たかが数ヶ月の出来事なのに。私だったら、出勤前の買い出しを一緒に手伝うよ。 【じょるる】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-10 02:18:03) (笑:1票) |
《改行表示》188.《ネタバレ》 鬼上司ミランダのふるまいに、自然とアンドレアに肩入れしてしまう。 ミランダもプライベートでは思わぬ人間らしい弱さを垣間見せて面白い。 アンが変わっていくにつれて、彼氏など今までの人間関係もギクシャクしていく様子がうまく描かれている。 夢のために人を冷酷に切り捨てていくミランダの生き方を、アンは最終的には選ばなかった。 ミランダは見込んだ相手に去られて、ダメージも大きかっただろう。 それなのに、アンの生き方を認めて再就職を陰でサポートしていたのが粋でよかった。 脚本がよくできていて、テンポと起伏があって最後まで一気に見せてしまう。 ただ、うまくまとめているものの、予想の範囲内ではあるのであまり後には残らないかも。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-01-16 22:12:32) (良:1票) |