バベルのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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バベル

[バベル]
Babel
2006年メキシコ上映時間:143分
平均点:5.41 / 10(Review 191人) (点数分布表示)
公開開始日(2007-04-28)
ドラマ
新規登録(2006-09-27)【TRUST NO ONE】さん
タイトル情報更新(2019-07-13)【イニシャルK】さん
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監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
キャストブラッド・ピット(男優)リチャード
ケイト・ブランシェット(女優)スーザン
ガエル・ガルシア・ベルナル(男優)サンチャゴ
役所広司(男優)ヤスジロー
菊地凛子(女優)チエコ
アドリアナ・バラザ(女優)アメリア
エル・ファニング(女優)デビー
クリフトン・コリンズ・Jr(男優)国境警備員
マイケル・ペーニャ(男優)ジョン(国境パトロール員)
二階堂智(男優)ケンジ
小木茂光(男優)歯科医
ネイサン・ギャンブル(男優)マイク
松本保典リチャード(日本語吹き替え版)
塩田朋子スーザン(日本語吹き替え版)
小森創介サンチャゴ(日本語吹き替え版)
磯辺万沙子アメリア(日本語吹き替え版)
川田妙子デビー(日本語吹き替え版)
木村良平(日本語吹き替え版)
原作ギジェルモ・アリアガ(原案)
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(原案)
脚本ギジェルモ・アリアガ
音楽グスターボ・サンタオラヤ
撮影ロドリゴ・プリエト
マサノブ・タカヤナギ(高柳雅暢)(カメラ・オペレーター:東京ロケ)
製作アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
スティーヴ・ゴリン
ジョン・キリク
配給ギャガ・コミュニケーションズ
特殊メイクグレッグ・キャノン(ノンクレジット)
美術ブリジット・ブロシュ(プロダクション・デザイン)
衣装マイケル・ウィルキンソン
編集スティーヴン・ミリオン
ダグラス・クライズ
字幕翻訳松浦美奈
その他ブラッド・グレイ(サンクス)
ショーン・ペン(スペシャル・サンクス)
ナオミ・ワッツ(スペシャル・サンクス)
ギレルモ・デル・トロ(スペシャル・サンクス)
アルフォンソ・キュアロン(スペシャル・サンクス)
奈良橋陽子(キャスティング)
あらすじ
モロッコの砂漠地帯。山羊飼いの少年が試し打ちで発射したライフル銃の弾が観光バスの中のアメリカ人女性を直撃し、事件は国際社会に思わぬ波紋を投げかける。「モロッコに反米テロ組織があるのでは?」「使用されたライフル銃の出所は?」等々が取りざたされ、肝心の被害者とその夫は砂漠地帯からの救出の遅延にいらつく。事件に遠くつらなる東京の父子家庭、そして狙撃された女性とその夫の留守を守るメキシコ人ベビーシッターなどがそれぞれに抱えるドラマが展開され、国際問題とはかけ離れた人間模様が明らかになっていく。
ネタバレは禁止していませんので
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191.《ネタバレ》 頭を絞って、一生懸命この映画が言いたい事を考えました。バベルの塔だから 神に近づくような高層ビルに住む狩猟が趣味のおじさんがあげた銃が原因で 田舎で平和に暮らす村民の生活が壊れ別の家族が迷惑を受け別の女性の安定した暮らしが パーになる・・・・・・?? ここで他の方達のレビューを読んで、ずばり「コミュニケーション」! そうだったのかあ、あのおじさんの娘はコミュニケーションの言葉さえもがれ それでもコミュニケーションしていく・・・・・それで・・・・・と掘り下げようにも やっぱり力尽きました。 大体、ここでパッとみただけでも5人に1人も良く解ってないですよね?? そんな難解な映画を創っても、人に伝わらなければ無意味ではないですか。 IQ高い人だけ解ればいいんですか?映画だってコミュニケーションの手段でしょう。 映像ある分有利だし。言いたい事もろくに伝えられない映画は意味はあるのか? コミュニケーションについて言いたい映画がコミュニケーション力不足って皮肉ですね。 
梅干御飯さん [DVD(字幕なし「原語」)] 2点(2009-04-03 18:02:15)(良:4票)
190.《ネタバレ》 テーマは、人間の愚かさ、なのでしょう。そしてその愚かさを、悲しく抱きしめつつ、人は家族の絆を確かめることになる。役所は娘の手を握り、ベビーシッターは息子と抱き合う。・・・・・[モロッコ]//バスに向けて打ったりしなければ・・・///兄弟は言い争い、関係のない姉のことも暴露してしまう///弟は警官に向けて発砲などしなければ兄が死ぬことなどなかった。[ブラピ夫婦]母は、ずっと子どもの世話を殆どベビーシッター任せ、そうして夫婦は仲違いしている・・・観光客とは無意味なつかみ合い、その結果、バスは発車。[ベビーシッターと親戚の男]息子の披露宴で、昔の恋人と、、、//あわてて帰ろうとして、酒気帯びで国境越え//検問所を強行に突破//ライトを消してじっとしていれば良いものを、ライトをつけて逃走をはかり、あげくは砂漠の中に女子どもを置き去り//置き去りにされてじっとしていればよいものを、歩きまくって体力を消耗、あげくは子どもを置き去り・・・・最後は不法入国で強制送還されて米国での全てを失う・・・・・[役所]そして発端のライフルは、役所が善意で送ったものではなく、妻の自殺の道具を自分で処分できずに放棄したものであった。・・・・・全ての人が善意なのだけど、あまりに愚か。そしてバベルの塔の崩壊の後、人の言葉は多様になっても、その愚かさは地球をまわって連鎖している。[菊地]彼女は現代文明でのdiscommunicationの象徴なのでしょう。動物化が進むポストモダンでは、人は理性的な言葉で意思の疎通を果たせず、体でコミュニケーションするしかないわけです。・・・・・・・というようなことが美しい映像と、巧みな展開、映像とマッチした音楽によって紡がれていました。最後に家族の絆を持ってきて、息子たちへの言葉を記すところが、チョー気にくわないところですが、素晴らしい映画でした。
王の七つの森さん [DVD(字幕)] 10点(2007-12-12 09:50:43)(良:4票)
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189.《ネタバレ》 この映画を観た聾唖者の人たちはどんな気持ちなんだろう。私は障害者ではないが、この映画に対してかなり不快に感じた。 愛情表現の方法は他にあったにもかかわらず敢えて低俗な方法を選択し、聾唖者をあそこまで惨めに撮ったこの監督を心から軽蔑する。言葉で気持ちを伝えることの出来ない人の愛情表現がこれである、とも受け取れよう。ハッキリ言って聾唖者を馬鹿にしているとしか思えない。 また、人間の隠すべき部分をわざわざ撮って映画をキタナイものにしているところにも言及しなければならない。 人が生きていく上で、排泄という行為は絶対に避けられない行為である。しかし、排泄というものはキレイなものではない。どちらかと言えば、キタナイもの、見たくないものであり、その行為を積極的に見たいと感じるものではないと思う。 考えてもみて欲しい。排泄行為をストーリーに組み込み、劇場で不特定多数の観客に見せることに一体どのような意味があるのだろうか。 他にもこの監督は、自慰やのぞきのような低俗なものまでも映画の中に組み込んでいるのだが、有能な監督ならば絶対にそのようなシーンは撮るはずもなく、そういう監督というのは、良く言えば、省くのが上手いのである(ここは私の「ショーシャンクの空に」レビュー参照)。 百歩譲って“排泄と同時にキス”というシーンを撮りたかったのかもしれない、と考えてみよう。もし仮にそうだとしてもやはりセンスに欠けていると感じるのが一般的な尺度だろう。アブノーマルすぎる。 このようなシーンの数々は、この映画の主題からフォーカスが遠ざかるという次元を超え、作品を壊すというくらいの次元にまで迫っているように思える。 また全体のストーリー構成を見ても、3つの場所で進んでいるそれぞれのストーリーの結びつきが非常に甘い。この類のオムニバス形式のストーリーが面白くなるためには、それぞれの登場人物全員が一つの場所に集結し、一つの物語を描いていかなければならない。または、モロッコ・メキシコ・日本の3つが全て繋がっていればまだ評価できたが、実際は、モロッコとメキシコ、モロッコと日本の2点でしか繋がっておらず、メキシコと日本では何の繋がりもないため、全体的なストーリーにおいても評価すべきポイントというのは、特にない。
もっつぁれらさん [映画館(字幕)] 3点(2007-05-06 21:54:20)(良:4票)
188.《ネタバレ》 アカデミー賞にいろいろノミネートされたので、良い作品なのだろうと思って観てみましたが、時間を無駄にした気分です。作品を見終わったあとに、監督さんが「21グラム」の人だと分かり「この人は映画で何がしたいのだろう?」と思いました。それまで何の接点もなかった人が事故によって接点を持ち、それによって何らかの変化が生じるというのはよくあることで「一発の銃弾が・・・」といった感じのキャッチに期待するほどの面白い展開はどこにもありませんでした。冒頭は何が起きるのかハラハラしましたが、それだけ。子供に平気で銃を持たせる父親を愚かに思い、車を狙って試し撃ちする子供も愚かに思い、やたら脱いだり誘ったりする日本少女は喋れないハンデを考慮してもバカバカしくしか見えず、アメリカ人夫婦の夫は二人きりになって関係修復する為になぜモロッコを選んだのか「はぁ?」という感じ。それ以外なぁ~んにも感じられない、くだらない作品でした。それぞれの人々が健気に思慮深く生きながらも起きた事件なら、見た後の思いももっと違うかもしれませんが、馬鹿みたいな行動選択の羅列で、事故が起きて当然。アカデミー賞の関係者の感性を疑いたくなりました。 【2011-6-8追記】機会あってここでの高評価レビューをいくつか読み、それらにはフムフムと思ったけれど、やっぱり「だから何?」と思う。世に悲しく愚かな出来事は伍萬と満ちあふれるし、この物語以上のことがニュースにもなる。『コミュニケーション』がキーワードっぽいが、この物語の事件それぞれはコミュニケーションだの環境・境遇以前に『人としてまともか』という問題が極めて大きすぎる。どぎつく下品な性描写をどうしても見せなきゃならない必然性も感じないし、それらは監督が人を小馬鹿にしている精神の表れにしか感じない。わざわざ金払って3文ニュース以下の澱みを観たいと思わないし、難解なのは自分のせいではなく監督が表現者として低能で下品なんだという気持ちは変わらない。絶対センスない! そしてこういうのをノミネートするアカデミーもすっかり格がなくなったとあらためて思う。
だみおさん [DVD(字幕)] 2点(2009-06-20 19:58:05)(良:3票)
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187.《ネタバレ》 1丁の銃が人々の不幸を招いたという見方もできるし、1丁の銃が人々の切れた絆を元に戻す役目を果たしたという見方もできる。皮肉なことに残酷な「銃」が、バベルな人々を再生させるきっかけになっています。「聾唖」は、コミニケーション不全の社会のメタファーだと考えるのが適当だと思いますので、聾唖者(又は日本人)が悪く描かれているという見方をすると、この作品の本質を見失う可能性もあります。つまりこの少女はバベルの塔をつくり、神からコミニケーションを奪われた罪深い人間の象徴として描かれているのです。この映画の本当の主人公でしょう。彼女はコミニケーションに飢えており、奇怪な行動を繰り返すようになる。しかし喋ることができる私たちでしたら、コミニケーションは正常に機能しているのでしょうか?神話の時代に言葉を「分断」されてしまった私たち人間は、今では言葉が通じ合う人たちに対しても、コミニケーション不全に陥ってしまいました。お互いを理解できないモロッコの兄弟や、アメリカの夫婦、日本の父娘をみて、まずそのことに気がつかされます。すべての登場人物たちが、同じ言葉を持つ人たちと意思疎通ができていません。彼らは「銃」をきっかけに、自分の罪を自覚し、一番大切なことに気がつきはじめる。たとえばアメリカの夫婦。妻にもっと努力しろと言っていた夫は、妻が凶弾に倒れ瀕死の状態になったときに、はじめて自分と向き合い、妻に懺悔する。罪の自覚がなかったモロッコの弟は、兄が銃殺されたことによって、死の恐怖を超越するほど強烈な罪の意識が芽生え、銃を持った警察の前に進み出て激しく懺悔する。また、善人であるはずのメキシコの家政婦は、子供に「あなたは悪い人じゃないの?」と言われて「私は悪い人間ではない。ただ愚かなだけなの」と弱々しく言い放つ。誰もが罪を背負って生きているという強烈なメッセージ。彼らは「銃」によって傷つき、そして自分たちの弱さを自覚する。こんな世の中で一番大切なことはまず自分の愚かさに気がつくことなんです。自分の罪を自覚したときにはじめて同じ罪を持った他人を理解できるようになる。バベルの塔を連想させる超高層ビルで抱き合う父娘のラストシーンについて。神から言葉を分断されても、また言葉すら失っても、人間はさまざまな手段でお互いを理解しようと試みる─。コミニケーションの重要性を訴えかけた素晴らしい作品でした。 
花守湖さん [DVD(字幕)] 9点(2008-02-12 20:21:43)(良:3票)
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186.《ネタバレ》 観る前から玄人映画の匂いはしてたんです。私は大衆映画好みの素人映画ファンなんで、ちょっと悩んだのです。でも菊池さんの演技を観たいっていう好奇心で観ました。そして、かなり後悔した。  なぜかっていうと、全体的に意味がわからない。理解不能。何が言いたいの? 際どいシーンもグロテスクなシーンもなんで必要なのか全然わからない。人の欲や本性をさらけ出したかったのか。だから見てて気分が悪いのかもしれない。  でも、それを通して何を伝えたかったのかいまいち伝わってこない。人間の愚かさか?それとも無難に家族愛ですか?  ただ銃がたくさんの人を不幸にしてるっていうのは分かった。母親が銃で自殺した日本の家族も、殺人未遂事件を起こしたモロッコの家族も、死にそうになったアメリカの家族も、みんな銃のせい。 でも、それの発端である銃がなんで日本のものなんだろうか。銃社会を批判したいならアメリカの銃にすればいいんじゃないだろうか。日本である設定の理由を問いたい。しかも日本の描写に違和感があって、映画館でなければ映画を見続けることは出来なかったと思う。  
うらわっこさん [映画館(字幕)] 2点(2007-05-02 23:52:10)(良:3票)
185.《ネタバレ》 アメリカ、モロッコ、メキシコ、日本の4つの世界が「つながり」を持っているということよりも、そこに存在する「断絶」のほうが印象的でした。アメリカ人夫婦のためには政府が動き、メディアが動き、(多少遅れてブラピが焦ったとしても)ヘリが飛ぶ。日本の女子高生がいくら暴走しても「君は悪くない」と言ってくれる人がいる。でもアメリカの子どもの親代わりを真面目に勤めてきたメキシコ人のメイドは、自分の息子の結婚式に出たかったばっかりに仕事と住む場所を失い、モロッコの子どものちょっとしたいたずら心が、家族の破滅を招く。因果応報とはいいますが、小さな過ちから立ち直るチャンスを与えてもらえるのかどうか、それが私たちが生きる世界の「不平等」なのだと痛感しました。
ころりさんさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-08-30 15:21:27)(良:2票)
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184.《ネタバレ》 ある日録画した。 「録画したから見なければ」と出だしの2~3分でげんなりしてやめる。 「見なければ」とさらに次の5分も行かないうちに力尽きる。 「あああいつをナントカしなければ」と悶々としつつ数日が過ぎる。 新しい録画はどんどん消化して消去していくのに、これだけがいつまでも残っている。 さあどうしよう。…というほど、私にとっては重いイニャリトウが。 これほど先に進めない映画とは。重い。重すぎる。 最近の私はハーベイ・カイテル「ブルー・イン・ザ・フェイス」のような映画こそ優れていると思うようになったため、シリアス度が高いからいいなどとはこれぽっちも思わなくなったのだった。 なぜなら、人は誰も死ぬ順番を待っているのだし、この世は不公平だし、そのためある程度生きると人は笑いが必要になるものだと気がついたので。なのでドシリアスなものにはリアリティを感じなくなる。 で、イニャリトウですが、彼の世界はシリアスだけで回っています。うっとうしいです。「そんなわけないだろ」と突っ込みたいです。 ひとつの銃で物語を回そうとしすぎて設定に無理が出すぎてしまい、とんでもないことになっています。日本の都会に住むリーマンのおじさんは、猟銃を買って自宅に保管したりしません絶対に。なので、その銃で妻が自殺することは有りえません。なおかつ、日本のお父さんは、モロッコまで行って鹿を撃ったりすることも一生ありません。ないといったらない。だいたい、猟銃を持って飛行機に乗れないし、モロッコの税関も通れるわけはない。もっというなら、娘のバレーボールを見にも行かないし、車で連れて帰ったりもしないし、ベランダで素っ裸になっている娘を発見してそっと手をつないだりもしない。 いいですか、これは、アメリカのお父さんを役所がやっているだけなんです。ワールドワイドな話にしたいばっかりに、間違って日本を巻き込んでしまった作り手こそ「愚か」です。 また、鍋での放尿シーンだとかノーパンで歯科医を誘惑する女子高生だとか、ショッキングなシーンで印象を強めようなどとは志が低いの一言。 ということで、ラストのベランダシーンにもなんの感動も感心もなく、げんなりしっぱなしでした。チエコ役は、「フルに脱げるか否か」という基準で採用されたのだと確信しました。 ちなみに、どうやって我慢して最後まで見たかというと、誕生日だからというドサクサでした。
パブロン中毒さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-02-21 20:53:34)(良:2票)
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183.《ネタバレ》 モロッコの親子、狙撃されたアメリカ人、そのアメリカ人の子を預かる乳母、そして日本の4つのストーリーが一つの銃撃事件に濃密に絡まり、徐々に複雑なストーリーが明らかになっていくサスペンス…と思いきや、そこはイニャリトゥ、ごくシンプルな話をほとんど話を絡めずに場面ばかり変えて淡々と垂れ流すだけ。日本のシーンは全く不要じゃないですか。菊池凛子が無駄に脱ぎまくったただのエロパート扱いで役所さんは端役…。何か薄っぺらい。 乳母の話もとってつけたよう。長時間の暗い小さい話を無理やり大袈裟に広げて、散漫すぎる話にうんざり。伝えたいメッセージがあるなら、ダラダラとしたエピソード集にしないで、もっとコンパクトに丁寧に描いたらいいじゃないか。ストーリーとしても登場人物が皆間抜けすぎて現実感ないし。もうイニャさんにはこりごりです。
すべからさん [DVD(字幕)] 3点(2008-10-13 16:54:13)(良:2票)
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182.《ネタバレ》 特にサプライズな展開や事実解明につながらないので、時系列をわざわざずらす意味がない気がします。 自分本位、自分勝手な行動は人間が本来持つ性(さが)なのかもしれませんが、この映画の登場人物達の行動は突飛すぎ。自分勝手を通りこして、理解不能です。結果的に、この映画が何を言いたいのかも理解不能。理解出来ない人物を通して、映画のメッセージやテーマを受け取ることは出来ません。
月ひつじさん [CS・衛星(字幕)] 2点(2008-04-06 23:29:47)(良:2票)
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181.《ネタバレ》 やはり元になる旧約聖書の「バベルの塔」が頭に入っていないと、理解できない映画。 元はひとつの言語を話し、一緒に暮らしていた人類が神に挑戦した末に、言語を分けられバラバラの文化・生活を地上でおくる様になる。 しかし人々の持つ「共通の部分」がよく描かれていると思います。神が分けた文化・言語の壁によって「伝えたいが、伝わらない」が「元の部分は同じであるはずなのに・・」というもどかしさが全般を通じて伝わる作品。 盲学校の女子高生は同じ国の中で、自分が属する聾唖文化と大多数を占める健常文化との壁の前でもがき、 家族同然のメキシコ人シッターは、国境・国籍・就労・主従・貧富の差の前に苦しむ。 しかし同文化のはずの観光バスの同乗者たちに見捨てられるアメリカ人夫妻が見つける別文化の中の「同じ部分」。 「現代社会に汚染されていない」とファンタジーを持って観光される砂漠の家族の中にもある「家族の秘密」。 ワクワクして観る娯楽映画ではないけれど、観る価値のある映画。
グレースさん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-06 08:14:59)(良:2票)
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180.魂揺さぶられる映画でした。一発の銃弾から紡ぎ出される世界各地の物語を時間と場所を巧みに組み合わせ構成した脚本は見事と言うほかありません。 この物語は特殊なようでいて、実はこの世界の営みを象徴しているように感じました。 この世は不条理と人は嘆くけれども、それは愚かで浅はかな人間同士の出会いやすれ違い、偶然の連鎖が絡み合って絡み合ったその集大成、その混沌は自らが生み出したものなのだということを。 それでも世界はまわり、人々はその中で生きていく。そんなわずかな希望の光をのこして物語は終わります。 それを見つめる監督の目線は冷めているようで暖かい。この点は「21グラム」と同じ空気を感じました。 本作では菊池凛子のアカデミーノミネートが話題になりましたが、彼女だけでなく、どのキャストも素晴らしい存在感でした。 彼らが俳優であり、キャメラの前で演技しているのだと言うことをしばし忘れました。 誰もがスクリーンの向こうの世界で生々しく生きていました。 特にメキシコ人家政婦、アメリア役のアドリアナ・バラッザは素晴らしい。
ロイ・ニアリーさん [映画館(字幕)] 10点(2007-07-04 08:56:38)(良:2票)
179.疲労感と共に“ものすごい映画を見てしまった”と鑑賞後は思いました。ただスクリーンの前に数時間いただけですが、映画を見るという作業だけなのに、ものすごく疲れました。ハラハラするし、痛いし、微笑ましかったりもするし、陽気にもなるし、でも最後の方はやっぱり終始心がチクチク痛くて痛くて、見終わった後も数日間ずっと余韻が残っていて。でもそれがなんだかだんだん心地よくなってきて、私は人間臭いこの映画大好きです。文化がまったく違う3つの場面で繰り広げられるドラマは本当に良く描かれているなと思いました。登場人物の奥に隠されたものをこの短時間で描くというのはすごいテクですよ。他の作品も見ましたが、この監督は天才なんじゃないですかね。音楽も編集も全部良かった。ひとりで見て良かった。はー、疲れた。
未歩さん [DVD(字幕)] 9点(2007-07-04 08:14:48)(良:2票)
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178.《ネタバレ》 言語の壁、民族の壁、宗教の壁。「ことば」の伝わらぬ虚しさと「ことば」がなくても繋がる人間の絆。 一発の銃弾から始まる4つのストーリー展開は非常に強引ではあるが、それを微妙な時間軸のズレによって描写し、随所に「壁と絆」を織り込んでいます。イデオロギーの戦いから宗教戦争へと変遷した21世紀の世界紛争の火種とかすかな解決への希望を暗示しているような気がします。それは家族愛であり、民族を超えた人を慈しむ心なのでしょうか。パニック状態のスーザンにモロッコ人通訳の母親が、鎮静剤がわりに煙草(大麻)を吸わせるシーンは強烈な希望の光です。 我々が観賞後に感じる一種の不快感は、いわゆる無宗教の頽廃した平和日本人の尺度では、現代の世界標準の現実を直視できないもどかしさからか?これも一種の「壁」(だからあえて東京が舞台に選ばれた?)なのでしょうね。 エンドロールのギターの咽びが、なぜか無性に心に染み渡りました。
つむじ風さん [映画館(字幕)] 8点(2007-05-09 03:10:46)(良:2票)
177.私が観たいのは、現実では起こりそうにない不幸であって、現実に起こりうる不幸を現実そのままに描いたものではない。現実の不幸をそのままに描くことの困難と安易を、この監督ははき違え、それで良しとするのみならず、悦に浸る監督のにやにや笑いに反吐が出る。ニュース番組で事足りる何かを映画館で観させられる観客こそ不幸である。
まぶぜたろうさん [映画館(字幕)] 0点(2007-05-04 23:57:25)(良:2票)
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176.こういう作品がノミネートされるアカデミーに万歳。 後ろの席は中学生が5人くらいで観に来てたがR15指定にすべき。
12timesさん [映画館(字幕)] 0点(2007-05-02 23:18:22)(良:2票)
175.《ネタバレ》 4つの物語の共通事項は、主要人物たちが、突然思いもかけぬ絶望の淵に立たされること。バベルの塔は、建設中にいきなり人々の言語が分かれて意思疎通ができなくなり、工事が中断された忌まわしきオブジェだ。元々人々は同じ言葉を話す同一文化人だったが、突然予期せぬ災難に遭い、世界各国へと放浪を余儀なくされる。聖書のこのエピソードを考えたとき、この作品のタイトルの巧みさに舌を巻いた。幸せを求めて挫折し、孤独な魂を抱えて放浪せざるを得ないという人間の性は、正しくバベルそのものだ。また、4つの国をまたいでグローバルな視点をうながすことも、安易にインターネットを用いていないのが気に入った。国と国とが連携するとき否応なく時間がかかること、インフラの整っていない地での絶望的な医療や、見はるかす大自然の脅威などで、地球という惑星の大きさをずっしりと重く感じることができた。
tonyさん [DVD(字幕)] 10点(2011-02-18 23:35:21)(良:1票)
174.《ネタバレ》 四つの話が、密接に繋がってないところがミソで、そうなるとどこか作って「お話」的になってしまう。ほんの少し掠る程度で、繋がっていることで、四つの話を一つの話に入れる契機としているだけ。この監督は、「不可避的、運命的出来事に押しつぶされる人間とそこからの再生の可能性」を歌っている。テーマを一般化するために、四つの話を並べているだけである。「バベル」というタイトルを付けたのも、言語は違うけど、人間同じなんだ、という人間の性を一般化したい監督の意図が伺える。最後のうまさは、見ている人は、「女の子」死ぬんだと思わせて(彼女は死に場所死に方を探していたのでしょう。その前に、アレを、ってことですね、最後に分かります)、実は、「救いの手」を差し伸べた点、ある意味、どんでん返し。監督の人間性を信じる姿を感じる。メキシコのおばさんが救われないのもワザとらしくなくていい。むしろ、ラストのどんでん返しの布石になっている。刑事さんの手紙は、きっと「私、死ぬのを辞めます」だったはずだ。
K-Youngさん [DVD(字幕)] 8点(2011-01-02 19:58:59)(良:1票)
173.繋がりがあるようでないような小話の連作。すべてがどうでもいいような映画にするほどでもない話なので、それらの間から何か深いものを読み取るような気力もおきない。
ぷろぐれめたるさん [映画館(字幕)] 3点(2010-12-26 17:55:32)(良:1票)
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172.《ネタバレ》 この監督の他の作品は「21グラム」しか観てないから偉そうなことは言えないけど、時系列なんかをバラバラにしてそれほど難しくないモノを難しいモノのように仕上げるのが好きみたいだと感じた。こういう人は私にとってはとても面倒臭い人になります。 本作は群像劇のカタチをとって難しくもないテーマを難しくしてますね。 ところで私、外国人が描く日本と日本人というものにわりと寛大なほうだと思ってるんですが、これは酷い! 都会の高層マンションに住む傍目には恵まれているようで、実は機能していない家族っていうのはわかる。しかし日本は猟銃を所持している人はいても普通の主婦が拳銃自殺なんてしませんし、いくら言葉でコミュニケーションがとれないからって、素っ裸になってベランダで立っている娘を見て通じあえたなんて思う親はいませんから。 ひょっとしてこの監督は日本のAVを結構観てる人なんじゃないかとも思った、歯医者のシーンとかありそうでしょ。 個人所有のひとつのライフルがもとで大騒動になるっていうのはわかるんですけど、そのライフルの出所が日本人ビジネスマンっていうのはどう考えても無理がありすぎです、どういうつもりでこんな設定にしたんだろ???確かに猟銃を使った事件があるにはあるけど、この監督さんにとってはそれが凄く特別なことなのかしら。 モロッコのエピソードはいいとしてベビーシッターのはどうなのかなあ、これもちょっと無理やりぽかったです。タイトルを知った時点で宗教的な教訓を感じるはなしかと思ったけど、そこまで感慨深いものはなかったです。 メキシコのおばさんだけじゃなく登場人物はみんな愚かといっていいんじゃないかな、その巻き添えをくった幼い兄妹がかわいそうでした。何もモロッコくんだりまで行かず、近場にすりゃよかったものを・・・とにかく無事に保護されてよかったです。 40代後半の監督さん、もうそろそろそれなりの品性を感じる表現を身につけてもいいと思いました
envyさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-10-12 11:31:53)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 191人
平均点数 5.41点
021.05%
121.05%
2115.76%
32211.52%
42110.99%
54020.94%
63819.90%
72412.57%
8199.95%
984.19%
1042.09%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.33点 Review21人
2 ストーリー評価 5.09点 Review31人
3 鑑賞後の後味 4.90点 Review31人
4 音楽評価 6.00点 Review31人
5 感泣評価 4.59点 Review27人
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【アカデミー賞 情報】

2006年 79回
作品賞 候補(ノミネート) 
助演女優賞菊地凛子候補(ノミネート) 
助演女優賞アドリアナ・バラザ候補(ノミネート) 
監督賞アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ候補(ノミネート) 
脚本賞ギジェルモ・アリアガ候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)グスターボ・サンタオラヤ受賞 
編集賞スティーヴン・ミリオン候補(ノミネート) 
編集賞ダグラス・クライズ候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2006年 64回
作品賞(ドラマ部門) 受賞 
助演女優賞菊地凛子候補(ノミネート) 
助演女優賞アドリアナ・バラザ候補(ノミネート) 
助演男優賞ブラッド・ピット候補(ノミネート) 
監督賞アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ候補(ノミネート) 
脚本賞ギジェルモ・アリアガ候補(ノミネート) 
作曲賞グスターボ・サンタオラヤ候補(ノミネート) 

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