52.《ネタバレ》 男の運命を小説家がなぞっているだけなのか、あるいは小説家が男の運命を握っているのか。そこが最重要ポイントと考えます。似ているようで大違い。真相は定かではありませんが、当事者2人の認識は後者で一致している“ように”見えます。それが本作の弱点だと思う。本当はそうじゃないはず。むしろ前者の感覚が強かった気がする。“抗えぬ運命”の存在を感じ取っていたからこそ、2人は悩んだ。でなきゃ狂信的な信者でもない限り、主人公がこの筋書きを甘んじて受け入れる道理がありません。子供を助けて自分も無傷の結末を望むのが当たり前です。小説家にしても、自己の創作欲を満足させるためだけで人一人殺せるはずがない。人でなしの小説家に、悲劇に酔った主人公という図式に見えてしまったのはマズイと思う。ギリギリの線で悲劇の運命を回避した感動も薄くなっています。小説家と主人公の関係性を観客へ的確に伝えなければ、本作は成立しないと思いました。(余談)ちなみに自分が主人公なら、宝くじで億万長者になる筋書きを小説家に要求してみます。当選金は折半で。でもこんな腹黒い事を考える時点で、きっと自分は助かりませんね(苦笑) 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-03-25 18:26:54) (良:2票) |
51.《ネタバレ》 人生で逃れる事のできないもの。それは『死と税金』です(邦題はコレにすればよかったのに)。税金を逃れようとする女と死を逃れようとする男。この2人がくっつく事により、女は合法的に未納税金を回避し、男は運命を受け入れて死を回避する。小説の映画化は失敗すると言われるがそれを逆手に取った構成。その象徴が「ギターを選ぶシーン&神視点の声」でしょう。作家はもちろん神の比喩的存在であり、神の声を聞いた主人公が出会いを通じて生き方を変えて人生が好転していくが、そこには人間いつ死ぬかわからないという不条理があり、その不条理を描けば小説としては傑作となり、運命を知った主人公が死を覚悟で行動する(が、助かる)というのが映画ならではの平凡なオチであり、この辺の小説と映画のギャップや表現差異、そして融合に切り込んだ脚本がとても興味深い。人間誰もが、自分が主人公だと思っているわけで、そこに観客はいない。あとは神の存在を信じるか否か?運命や人生は変えられると思うか否か?結局殆どの人間は何事もなく平凡に生き、平凡に死んでいく。いつか必ず。人は生きたようにしか死ねない。その報いの日が必ず訪れる。それはある日突然かもしれないし、長い闘病生活の末かもしれない。それは誰にもわからない。知る由もない。なら日々の日常に何を感じるのか?そこに意味を見出せるのか?この世は偶然なのか?必然なのか?自由意志はあるのか否か・・・。哲学・宗教・文芸、そして人生とは等々いろいろと考えさせられる作品。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(吹替)] 9点(2015-08-14 13:08:38) (良:1票) |
《改行表示》50.《ネタバレ》 アメリカ映画なのに、アメリカ映画っぽくないところが独特の雰囲気になってます。 ただ個人的には、もっと主人公が明るくて、コメディ色を出した方がもっとおもしろかったかも。 主人公の話をすんなりと受け入れるか、頭のおかしい奴と突っぱねるか。 ダスティン・ホフマン演じる文学教授の存在がキーだったように思います。 話を受け入れたような、受け入れてないような微妙な態度でいたと思ったら、いつの間にか主人公のアドバイザーとして、話を進める役割を自然に演じていたところは見事だと思います。 作家役のエマ・トンプソンの演技も見事でした。スランプに陥っている変な作家っていう雰囲気が出てました。10年作品書いてなかったら、締切とかあるのかな、と脚本の端々で細かいところは気になりました。 話の設定や、全体の雰囲気は悪くないので、脚本をもう少し凝ったらもっと点数高くなったと思う。 【かずろう】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-03-22 14:43:07) (良:1票) |
《改行表示》49.《ネタバレ》 SF小説などで何度かみたテーマ、自由意志の有無で思い悩んでもしょうがない。何を信じるかが全て。その証明としてその疑問を持つ前の君は楽しくやってただろ。 といった内容にするのかと思って鑑賞していると、展開は予想外の方向へ。 わざわざこのアイデアを使ってこの方向でまとめる意味がよくわからない。 アイデアそのものも作家のスランプはキャラクターが抵抗しているからだ、というものだと思ってたら、そういうことでもなくかなり中途半端で曖昧。 自分の作品の登場人物が訪ねてくることで作家自身も自由意志を疑い始め、確かめるべく神に逆らうように今までの自分ならやらないであろう突飛な行動を二人でとるようになる。そして、次第に二人の距離は縮まってその時間を楽しんでいるのを互いに覚り、自由意志なんてどうでもいい。何を信じているかなんだと覚り、二人は恋仲に納まる。 てな感じの文芸作品としてまとめた方がしっくりいくんじゃないでしょうか。 これなら登場人物だと名乗る男の扱いをファンタジーにも、狂人のたわ言にも出来て、曖昧で徹せるし(かなり諸々の設定を変えなきゃならないですが)。 【カラバ侯爵】さん [DVD(吹替)] 4点(2007-12-19 19:12:01) (良:1票) |
48.《ネタバレ》 うーん、ここ数年の中では最も映画館で見た事が失敗って思った作品かも。お金よりも時間が勿体ないや。オープニングからしばし続くCGの合成はステキでした。まあ、それだけ。荒唐無稽な基本設定が存在しながら、哲学的な方向に走るって点では『マルコビッチの穴』みたいですが、タイトルや予告編からはそんなカラーは見えませんでしたからね。単なるコメディだと思ったのに。誰かの声が自分の行動や心理をいちいち解説してみせる、この起点は面白いのですが、主人公の原因追及が心理学から文学研究へと向かうとやたら理屈っぽくなっちゃう。それでも推理ものの如く解明していって、という展開ならばいいのですが、死か文学的価値の破棄かの選択肢を迫られるに至って、何を言ってるんだか、って感じになってしまい。いかにも物書きの思考から生まれた物語って感じです。大体、映画をトレースしただけではとてもではないけれど名作文学になりそうな気がしなかったりするのはどうもねぇ。単なるマクガフィンなんでしょうけどさ。でもでも、私にとってこの映画の最大のマイナスポイントは紹介文を読んだだけで一生絶対に見る事はないと決めていた『モンティ・パイソン 人生狂騒曲』を、ほんの部分だけでも見せられてしまった事ですね。最悪の気分。本当はそれだけでも0点付けたいところなんですけど。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 2点(2007-05-20 21:22:50) (良:1票) |
47.《ネタバレ》 前半は、魅力的な設定(SF的。PKディック的)で、興味にひかれて見られたが、後半からだれる。話の展開にツイストがない。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 6点(2019-01-22 13:59:37) |
46.《ネタバレ》 不思議な感覚になる作品。まぁ、ハッピーエンドで良かった。 【山椒の実】さん [地上波(吹替)] 5点(2013-06-16 20:49:35) |
45.《ネタバレ》 そうか、俺は誰かが書いている小説の主人公かもしれないのか。なるほど、今のところちっちゃな山とちっちゃな谷が少しずつあったくらいで、このままのんびり平和に何事もなく物語が終わることを願ってやみません。 【いっちぃ】さん [地上波(吹替)] 6点(2013-05-24 23:38:07) |
《改行表示》44.序盤、斬新な構成だと思いつつイマイチ面白いと思えなかったんだけど、知る由もなかったの時点でガチッと嵌ったような気がする。 知る由もなかったのに知っちゃったというのがいい。 あとはもう知る由もなかったはずの展開を突き進むのだけど、見え見えでもあのクライマックスはグッと来るものがあった。 僕でもやっぱり同じようにしただろうと思うし、共感できた。 その後のラストの展開は小説同様になんだか生温いオチになってしまったけど、これはこれで良かったのかも知れないね。 名作としての崇高な結末より、このラストの方が微笑ましい。 【もとや】さん [地上波(吹替)] 7点(2013-04-16 17:40:05) |
《改行表示》43.《ネタバレ》 なかなか変わった切り口の映画で最後まで興味深く観ることはできたのですが、映画としての出来は微妙だったと思います。最大の問題点は、主人公が登場する小説の内容が観客に対して説明されていなかったということ。「几帳面な公務員が主人公の悲劇」という情報だけでは不十分で、このために作者と創作物が対話をするという本企画の趣旨が死んでしまっています。さらには、主人公の死によって美しい物語が完成するという構図を観客の頭の中に作り損ねているために、自らの死を受け入れたハロルドや、逆に小説の完成度を犠牲にしてでもハロルドを救ったカレンの決断の意義が薄れてしまっています。その他にも、前半のキーパーソンだったアナが、映画の核心に触れる後半では空気同然の存在感になるなど、構成上の不備がいくつも目に付きます。同様の趣旨を持つ企画だったチャーリー・カウフマン脚本の『アダプテーション』と比較するとアイデアもユーモアも不足しており、本作の脚本はもっと煮詰めるべきだったと思います。。。 マーク・フォースターによる演出も、真面目一辺倒で面白みに欠けました。この題材であればもっと個性を出すべきだったのに、フォースターは基本的に脚本を追いかけるのみ。ストーリーテリングにおいてもビジュアルにおいてもこれといった特徴がなく、凡庸な出来に終わっています。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 4点(2013-04-12 01:18:29) |
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《改行表示》42.《ネタバレ》 面白かった!なんといっても発想がおもしろい。 こういう分かりやすい映画、好きです。 「こう進めばいいのになあ」と思った方へストーリーが進んでいく感じ。 でも、小説のラストは期待させすぎかな。 どうなるんだろうと思わせつつもきちんと幸せに終わらせてくれて、 後味すっきりでした。 【らんまる】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-16 00:24:06) |
41.《ネタバレ》 面白い切り口の作品で、主人公がナレーションに気づくというのは斬新だなー。ウィルフェレルが無感情な税務署のお役人を好演してますね。その他の出演者も意外に豪華で、コーヒー飲みまくり(トイレでも飲んでる!w)の変な教授役のダスティ・ホフマンや10年書けてない小説家役のエマ・トンプソン(+貫禄のラティファさすが)など高レベルな演技が楽しめます。期待してしまうラストへの持って行き方は、期待しすぎたかちょっと残念。まぁ、ぶっちゃけ、いつ死ぬか分かんないから今のうちやりたいことやっとけ~ということでしょ? マギーもかわいかったしハッピーエンドということでヨカッタヨカッタ(それか笑 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-05 09:26:41) |
40.《ネタバレ》 12年間同じルーティンの生活を繰り返してきた男が、ある日聞こえてきたナレーションの声から自分が悲劇の小説の主人公だという事に気付き、自身の死の運命を回避する為に奔走するというコメディ映画。ここでの評価は余り高くない様だが良い映画だと思う。なんか普通に感動してしまった。何と言っても結末で主人公が死ねば傑作となっていた小説を、主人公を生かす為に駄作に書きかえる部分がミソだと思う。深刻ぶった創作の悲劇なんかより何気ない現実の日常の方がずっと尊い、そんな当たり前の事に気付かせてくれる映画である。ともすれば悲壮的な物語の中に逃げ込んで、酔いしれてしまいがちな人達(私も含めてだが)へのアンチテーゼ…と言うほど大袈裟なものではないが、チクリと気の利いた皮肉で上手くやり込められた様な憎めない爽やかな余韻の残る良作である。 【オルタナ野郎】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-22 00:16:45) |
39.《ネタバレ》 ストーリーの設定はよくわからないけど割と面白かったです。死を覚悟した後の主人公は何か毅然としてカッコよく見えました。まあ、日頃から死を常に意識している人は少ないと思うけど確かに誰もがいつかは死ぬんですよね。ダスティン・ホフマンの説得が妙に心に残りました。 【イサオマン】さん [地上波(吹替)] 6点(2012-09-22 18:30:25) |
38.《ネタバレ》 設定は新しくていい。でもそれが面白かったかっていうと別。できれば作者がかえるんじゃなく主人公自体が変えちゃうって方が面白かったかなぁ。 【とま】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-11-13 22:29:36) |
37.《ネタバレ》 神さまエマ・トンプソンは最近スランプに陥っている。自らの創造物であるウィル・フェレルの人生を、どうやって華々しく終わらせようかと試行錯誤の日々である。神のライバルである悪魔クイーン・ラティファは、フェレルの死後の魂が欲しいので、ここはグッとこらえて神さまに協力している。トンプソンとの関係がギクシャクしている天使ダスティン・ホフマンは、フェレルを助けて“神のみ業”を妨害しようとしている。 と、いう様なプロットだと私は思うんですよね、この映画は。ラストで“神のみ業”の出来栄えに恐れ入った天使がフェレルを見捨てちゃうのに、悪魔が逆に情にほだされてハッピー・エンドになるのに力を貸すというところが皮肉になっているんですよね。かなりシュールなお話を、ここまでふつうの出来事みたいに淡々と語るストーリー・テリングは、けっこう新鮮でした。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-11-13 00:33:19) |
《改行表示》36.《ネタバレ》 もしも神さまに会いに行って、僕を長生きさせてくださいと頼むことができたら? なんかそういう発想でできた話ではないのかと。 書いた通りに物事が進むということは、その作者は「神」なのである。 そしてその「神」は、非社交的でスランプで悩んだりチェーンスモーカーだったりする。…神さまにしては、なんかちょっと冴えない。 なんかそういうことかなと思う。 「神」が人の運命を決めるのにいちーち迷ってしまったりするという、なんかそのへんも、「創造神」「絶対神」を念頭に置くと、これは一種の風刺なのかなと、神さまの風刺というのはむこうではあまりしないと思うのだが。 この話自体は、そんなに面白いとは思わない。 さて、不条理…でファンタジー…なのだが、なんというか、この手のものには、観客をとりこにするような俳優が主人公でないと、「もたない」と思うなあ。 とりこにする=ハンサム、ということではなくて、やはり「飽きた」と思わせることのない魅力のある俳優でないと、キツいものがある。ウィル・フェレル、つまらなすぎる。 今回はそういうキャラだからつまらなくしていたのかもしれないが、それを割り引いても根本的にウィル・フェレルはつまらない。この人を、金を払ってまで見たいとは思わないのだなあ。 フェレルがあまりにも薄いために、アクが強すぎて相手を食ってしまうので敬遠されるマギー・ギレンホールが生きてしまったという効果はあった。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-11-13 00:13:22) |
35.《ネタバレ》 藤子・F・不二雄が描きそうなSF(少し不思議)な物語。登場人物がナレーションに気がつくなんて、粋な発想じゃないですか。 【カタログ】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2011-11-08 23:37:00) |
《改行表示》34.《ネタバレ》 大きな感動がある訳でも無いし、コメディとしてもそんなに笑える訳でも無い。意外性の無いおとしドコロとも言える。この小説が評価される事はないでしょう。しかし、温かみのあるいいラブストーリーだったと思うし、彼は小説の中の架空の人物じゃない。大怪我してしまいましたがそれでも生きていることが大切。彼の運命が変わったことを素直に良かったと思いたい結末でした。僕にとって苦手な女優さんだったマギー・ギレンホール。しかし本作の彼女はとてもかわいく素敵に見えました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-09-30 21:11:01) |
33.《ネタバレ》 「007/慰めの報酬」の監督なので、ちょっと期待。脚本は斬新ですんなり物語に入り込めました。初めはなんとも思えなかったマギー・ギレンホールが物語が進むにつれて、魅力的な女性にみえてきましたね。もっと彼女との絡みの話なんかも増やしても良かったかと。ふたを開ければ、たった、少しの行動で未来が変わるという、よくあるソフトSF映画ですが、温かくて安心して見れますよ☆ 【マーク・ハント】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-16 14:08:20) |