72.むかしむかしあるところに… ヘブライ人という人々が住んでいました…。とお話を始めるのが本来なら適当かと思います。本作品はエジプトナイル川のほとりで「ファラオ(王)がわたし達ヘブライ人の男の子を皆殺しにする命令を出したけれどこの子だけは。。。」と母と娘が生まれたばかりの男の子(後のモーゼ)をバスケットに入れて川に流すシーンから始まります。ヘブライ人(ユダヤ人)はナイル川の恩恵で生産性が上がったエジプトに労働力として移住してきたようですが、この民族は他民族と異なり、原始多神教ではなく唯一絶対神を信仰し、後年世界宗教となるキリスト教とイスラム教の間接的な始祖、ひいては法律や科学の基礎を築く民族になるのです。さて、お話しはほとんど終盤までユル・ブリンナー演じるファラオがこれでもかこれでもか、と言わんばかりにモーゼとヘブライ人を弾圧する内容に終始しますが、その過程でモーゼの杖が毒蛇に変わったり、モーゼが神の声に導かれたり等々、それはモーゼとヘブライ人達が「そうだ。われわれは神に選ばれている。われわれは世界の創造者たる唯一絶対神を敬う民なのだ!」と民族の自覚を獲得していく過程なのです。そして最後近くで神からの十ヶ条の戒めを与えられたモーゼが「規則なくして自由はない!」と宣言しますが、これこそ現在、宗教を問わず国家の基本となっている法治主義の起源なのです。数々の奇跡のスペクタクルが目を楽しませてくれる作品ですが、現在先進国に住むわたし達が当然と受け取っている考え方の源流を探ってみると面白いです。 【かわまり】さん [DVD(字幕)] 8点(2020-03-29 01:17:12) (良:2票) |
71.僕にとってこの作品は特別な意味合いがあります。まだ幼稚園に上がるか上がらないかというときに初めてこの映画を見たのですが、この映画は僕に映画の持つ壮大さ、面白さ、そして素晴らしさをこれでもかというほど教えてくれました。年齢のせいもあってか、そのころは難しい事もわからず、それでもヘブライ人がモーゼと共にエジプトを出る場面や、ファラオの軍勢が迫る中紅海を渡る彼らの姿に手に汗握りましたが、今こうして見返してみると、こうしたスペクタクル場面以上に、この映画は愛、希望、そして自由をテーマにしているということに気付きました。ビシアがモーゼを想う深い愛に共感し、実の母であるヨシャベルの心の内に涙し、またヘブライ人が何故虐げられねばならないのかという(モーゼの)同胞の言葉に心を打たれ、遂に彼らが奴隷という身分から開放され、世界に初めて“自由”が誕生した場面では、彼らと共に喜びを分かち合いました。勿論僕は無神論者であり、ユダヤ教の選民思想やキリスト教の絶対主義などは好きではありませんが。しかしながら、彼らは「こうした苦役からいつか主は救ってくださる。我々は選ばれた民であり、主は我々を試されておられるのだ」と“信じる”ことにより、明日を生きる“希望”を得ていた、と考えれば、それをすべて否定することは僕には出来ません。宗教的な意味合いが深く、難解な部分も多い映画ですが、それでも僕にとってこの映画はマイ・ベストであり、何よりも自分の原点であるので、点数は言うまでもなく満点を差し上げたいです。 |
70.●過去、テレビで何度か目にしたはずなんですが、海が割れる場面、十戒が書かれる場面を断片的に記憶しているだけでした。今回、旧約聖書の基礎を勉強してから通して鑑賞すると、3時間超えを忘れるほど面白く感じました。なるほど、あの記述を映像化したらこうなるんだと。●ユル・ブリンナーは今作では悪役で、最後の方は気の毒なほどですが、男前ですね!●登場人物中、モーゼの次に信念が強いのは、何度も奇跡を目の当たりにしながら隙あらば「エジプトに帰って奴隷に戻ろう!」と言い放つデイサンでしょうね・・・。 【次郎丸三郎】さん [DVD(字幕)] 10点(2020-03-18 19:21:47) (良:1票) |
《改行表示》69.まあ、自分が宗教嫌いのせいもあるんでしょうが、支離滅裂な理不尽のかたまりの映画に感じました。 もともとは旧約聖書の神=ユダヤ教の神を、一応は同一の存在とはされてるんですがかなり性質の違う新約聖書の神= キリスト教の神とごっちゃにして、そこに現代アメリカ式の自由を無理矢理くっつけようとしたから破茶滅茶ですわ。 我々の神に従えって、一方的に命令されるファラオ、カワイソスw この映画のラストシーンで自由、自由と叫んでるユダヤ人ご一行様が、その後何をやるかと言うと、 先住民の大虐殺ですからね。 まあ、この映画のいい加減さ、独善ぶりを推して知るべしです。 ただ、女優は全般に綺麗だったなあ。 特にアン・バクスター、他の映画も観たくなりました。 【rhforever】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-10-02 18:11:05) (良:1票) |
68.モーゼの髪とヒゲが突然伸びてから ありえへん話になっていった。それまでは良かったんだけど・・・。 【ケンジ】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-09-13 16:48:26) (良:1票) |
67.《ネタバレ》 今から50年以上前の作品なのに、CG(海が割れる場面や石板に十戒が刻まれる場面のCG)の出来が良く驚きました。内容はバリバリの宗教映画で、「キリスト教の神は他のどんな宗教の神にも優るのだ」といった考えが前面に出たもの。宗教に詳しい人は別の観点から楽しく観ることができるのではないでしょうか? 【まいった】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-05-05 23:40:53) (笑:1票) |
《改行表示》66.《ネタバレ》 CGも無い時代にこれだけの壮大で迫力満点なスペクタルを描けるなんて圧巻です。単調な展開で少し辛い点もありますが、休憩時間も入るし絶対に見て損はしない最高傑作です。 【憲玉】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-08-08 23:36:31) (良:1票) |
65.壮大なテーマの映画は、しょせん「映画」という枠から出られないために、人間の頭が想像する壮大さを超えられないのが常だと思います。原作が映画化されても原作は超えられないというヤツです。もちろん例外もありまして、本作もそのひとつだと思っています。本作の特撮は果たして陳腐でしょうか。安っぽいCGよりよっぽどリアリティがあるとは思いませんか。宗教がテーマだから入り込みにくいでしょうか。モーゼという純真な男の一大冒険叙事詩とは捉えられませんか。彼の葛藤と成長がよく表現されていると思います。ということで、私は「ベン・ハー」よりこっちが好きです。オススメ! 【えいざっく】さん [地上波(吹替)] 8点(2004-10-02 09:09:29) (良:1票) |
64. セシル・B・デミルという監督はサイレント時代からの巨匠として実に数多くの作品を発表してきたが、どうも個人的には何よりも話題性を第一に「これが娯楽だぁーーーーっっ!!」とでも言わんばかりのド派手なギミックに頼ったカントクという感が深い。本作は1923年にデミル自身が監督したサイレント版「十誡」(主演:シオドア・ロバーツ)のセルフ・リメイクである。旧約聖書の「出エジプト記」で有名なモーゼの生涯ををスペクタクル満載で描くコトに関しては新旧共通だが、23年版には”古代篇”に加えて”現代篇”なる後半部が存在するのが大きな違い。作品自体のクオリティで言えば、デミルの野心が強烈にアピールする23年版の方が若干優れているようにも思うが、オスカー特殊効果賞をゲットした本作もまぁ、結構見応えはある…かな。しかし、紅海が真っ二つに割れる最も有名なシーンにせよ、エホバの神の怒りが破戒の群衆を滅ぼす場面にせよ、オリジナル(23年版)の存在あればこそのド迫力であって、本作のみで傑出したオリジナリティを発揮した訳ではないので当然割り引き。あと、ヘストン扮するモーゼが若者から壮年になるあたりまでは押し出しも強く悪くないが、シナイ山で十戒を授かる老境の彼は(一応、白髪にヒゲぼうぼうではあるが)若々し過ぎて些か興醒めである。弟のアーロン役を演じたジョン・キャラダインと比較すれば一目瞭然。最後にもう一点、ヤッパ非キリスト教徒には3時間48分はチト長いってか余りに冗長(因みに23年版は2時間10分)だ~!!ま、良くも悪くも古きハリウッドを象徴する”見世物”映画ってコトで…取り敢えず6点。 【へちょちょ】さん 6点(2003-07-14 02:02:55) (良:1票) |
《改行表示》63.《ネタバレ》 ものすごく壮大かつ長尺ではありますが、そのわりに主要登場人物が少なく、しかも単純なストーリーなので、なんとなく最後まで楽しめました。要するにエジプトの神とヘブライの神の代理戦争ということで。いくら旧約聖書の物語とはいえ、ここまでコケにされたエジプト側は面白くないと思いますが、どう折り合いをつけているんでしょうか。 主人公2人がかっこいいのは当然ですが、もっとも人間味あふれるのはダタンですかね。さまざまな物語に登場する小悪人の原型のような感じ。モーセやラムセスは身近にいませんが、ダタンならどんな組織にも何人かいそうです。 と思っていたら、「約束の地」でリアル戦争が始まりそうな様相。やっぱり「神は死んだ」のか? 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-10-10 02:37:27) |
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《改行表示》62.《ネタバレ》 宗教映画だし超長いから一生見ることは無いと思っていましたが、何の因果かTV放送が録画されていたので見ることにしました。あんまり好きじゃありませんがやっぱユル・ブリンナーの存在感はピカイチでした。もちろんチャールトン・ヘストン(モーゼ)も安心して見ていられますし、全体的に出演者はかなり豪華で安定感のある作品だったと思います。 前半は全体的にまどろっこしい感じでゆったり流れますが、見方を変えれば丁寧で好感触でした。逆にインターミッション後の流れは少々強引で突飛な感じですが、まあ宗教映画といえばこんなもんでしょうか。ユダヤ民族が特別だと思いあがる価値観はやっぱり傲慢だよなぁと感じます。現代でもエジプトを挟んで地図の上側は先進化したのに下側は今も争いが絶えないというのは、、何だか意味深だなと妙に感じ入ってしまいました。 弱肉強食というのは生命の根本でもありますので、人間のようになまじ頭脳(心)が出来てしまったが故の争いが見られました。理性ができてしまうと使う側と使われる側(持つ者と持たざる者)に分かれるのは必然なのである意味し方のない争いでしょうか。皆が等しく他人に優しくすれば世界は平和になりますが、、まあそれは無理でしょうね。一番の罪人はやっぱり神様かなぁと。。 個人的には先日見たアラビアのロレンスよりずっと楽しめたので少々甘めの点数です。 【アラジン2014】さん [地上波(字幕)] 7点(2023-09-18 13:37:27) |
《改行表示》61.前半の色彩豊かな神殿内での愛憎劇、普通に楽しめました。 後半は・・・宗教色一色で何だかなぁ。 それはそうとユル・ブリンナー、鋭い眼光に太い声、筋骨隆々の体、カッコいいです。 アン・バクスターも非常に美しく魅力的でした! 【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2020-08-27 20:29:37) |
《改行表示》60.《ネタバレ》 旧約聖書の話なのに、無駄な恋愛シーンが多い。こういうのは省いて、もっと全体に短くして欲しかった。それにしても、現在まで続くユダヤ人の困難は民族に課せられた宿命としか思えない。 ※ 大昔なのに、王様はずいぶんモーゼに甘いではないか。現代でも、お隣の「北」では、こうはいかない? |
59.一神教の胡散臭いドラマですがファンタジーだと思えば我慢できます。壮大なスケールと相まって、語り継がれてきた神話の重みも伝わってきます。神の御加護には勝てっこないのに性懲りもなくモーゼに挑むラメシスが往生際悪過ぎでした。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-01-24 23:26:32) |
58.全般的に話に起伏がなく進行が単調。そのため特に前半は飽きてきます。モーゼとネフレテリの関係もメロドラマ風で、気宇壮大な本筋とは合っていないと思います。やはり見どころは特撮で、後半モーゼが奇跡を行うあたりから面白くなってきますが、話としてはやはり単調なので、それほど面白さは感じられません。聖書は何度か読もうとしてみましたが、いつも早々に挫折してしまいます。結局「お話として面白くない」のだということを、改めて実感します。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-03-26 11:40:16) |
57.《ネタバレ》 まぁとにかく壮大。莫大な人数がとにかく迫力満点。画面に映ってる人数がとにかく多いよね(ほんとスゴイ)。漠然とした知識しかなかったのでモーゼのことがよくわかり勉強になりました。この内容ならこの時間も納得(仕方ないとはおもいつつ正直長いw)でもちょいと宗教色が強かったかな? モーゼ役にドンピシャなチャールトン・ヘストンのナイスキャスティングに7点 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-05-23 20:13:01) |
【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-06-25 05:38:24) |
55.《ネタバレ》 私は宗教に関しては標準的なニッポン人(初詣は神道、葬式は仏教、オシャレな結婚式はキリスト教)なので良く分からんのですが、アチラの方は本作を旧約聖書を映像化した「ありがたい宗教映画」として見たのだろうか? それとも、優れた特撮に彩られた「スペクタクル映画」? モーゼの戒律として見せられるユダヤ教の教えに霊験を覚えない(多神教にして偶像崇拝しまくりのニッポン人な)ので、出エジプトはずっと後の中東問題の原因になったとしか映りませんでした。なんだか、一民族に都合の良い歴史を見せられたような、欺瞞さえ覚えてしまいました。たぶん、長尺な割りに言ってることは多くなくて、意義は別にして、面白くなかったからでしょう。まっ、スタンダードなニッポン人的宗教観を持つヤローの個人的感想ってことで…。ちなみに、期待した<失われた聖櫃>は見せて貰えませんでした。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-03-25 02:35:11) |
54.人種がヒトを隔てる理不尽さを見せつける、モーゼがエジプトを追われるまでは見応えがありましたが、それ以降は苦痛に耐えての鑑賞でした。やられたらやり返す、正当防衛と言わんばかりに殺してしまう。そんな神さんが起こす奇跡に崇高さは感じられずオカルトチックなご都合主義に萎えました。老若男女、アヒル、羊、牛等の大移動のド迫力の映像とエドワード・G・ロビンソンのお姿を拝めたところに加点。 |
《改行表示》53.《ネタバレ》 導入部は単調なやりとりでかったるいと感じていたのですが、モーゼが宮廷を追放されてからがやっとこさ始まり始まりですね。とりあえず、出エジプト記の内容が整理して理解できたのは、ためになりました。あと、セフォラとかリリアは、結構魅力的なキャラクターだと思っていたのですが、最後の方はほったらかされ気味だったのがちょっと残念でした。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-08-05 02:11:02) |