122.《ネタバレ》 あぁ、この映画のレビューを書いていませんでした。
いいと思っててもレビュー書いてない映画はたくさんあるよな、と思いつつ…とりあえず書きます。
前作の「28日後」(これもレビュー書いてませんがw)は個人的にがっかりの映画でした。
前半はなかなかいいんですが、後半の「ほんとに怖いのはおかしくなった人間だ」の展開を面白いとは思えなくて、正直がっかりしたのを覚えています。
点数をつければ6点というところでしょうか。
その続編と言う事で実はあまり期待してなかったのですが、その期待はいい意味で裏切られました。
まず冒頭のスピーディで絶望的な展開がイイ!
状況がわからないままグイグイ引き込まれるあの導入部は傑作だと思います。
冒頭で妻を裏切って逃げた男が、懺悔のために立場を利用して拘束されている妻に立場を利用して再会。
そして謝罪しながら妻とキスするわけですが…あの状況で自分を見捨てた旦那のキスを妻が受け入れるのか?と疑問に持つ人も多いんじゃないでしょうか。
で、妻は自分がキャリアだという事は知ってるわけで、その事実を告げずにキスを受け入れたのは旦那への一種の復讐なんでしょうね。そう考えれば納得できるシーンです。
まぁ結果として酷い殺されかたをするわけですが。
そして一家族の身勝手な行動から始まるロンドン大崩壊の連鎖。
いやぁこれですよ、これ。
こういう映画はこれくらい派手でないと。
軍の対応ですが、あの状況じゃ皆殺しするしかなくなりますよね。あの判断はしょうがないと思います。
そしてそこに(ありがちですが)現れる「俺には殺せない」的デルタフォースの男。
どっかで見た顔だな、と思ったら「ヘンゼル&グレーテル」の主演の方でした。
その彼が英雄的行動で皆を助け続け、最後は、いかにも英雄にふさわしいフラグな展開で火炎放射器で焼かれてしまうシーンは、ポセイドンアドベンチャーのジーンハックマン並みに印象深いシーンでした。
そして凡百のB級ホラーであれば「ありがちありがち」くらいにしか思わないそのシーンで、僕は文字通り手に汗握って魅入ってしまっていたわけです。これをビバ!と呼ばずになんとしましょう。
さて、このシーンもそうですし冒頭や途中の派手な銃撃シーンもそうですが、全体に活気に欠けカタルシスも乏しかった前作と比べて、今作は随所に派手で印象的な殺戮シーンが見られます。
たとえばヘリのローターでゾンビをぶしゃぶしゃやっつけるシーン。
ローターってそんな丈夫なのか?と思わなくもないですが、ああいう印象的なシーンが映画のあちこちに見られるんですよね。
まさに正しい娯楽映画です。
そして個人的にフアンだった素敵な少佐まで殴り殺されてしまい(しょうがないとはいえ個人的には彼女は助かってほしいところでした)、最後はあんな展開に。
皮肉な事に、映画中の英雄的な行動や優しさや善意は、結果として人類を滅亡方向に大きく転がしてしまっているという事実。
よかれと思って命がけで行動した英雄的な人たちがいなければ災厄はイギリスに封じ込められていただろうに…という自身の映画の内容を全否定する実に皮肉なラストなんですが、しかしこのシニカルさこそがこの映画の真の魅力でもあるわけです。
次回作の「28月後」が楽しみです。(残念ながらいつのまにか噂を聞かなくなりましたが…)