14.この映画、何でこんなに評価高いんだ?! 全く以って相変わらずの押井作品。分かる奴だけ観ろ、好きな奴だけ観りゃイイんだ、と言わんばかり。押井守は明らかにエンターテインメントという物をはき違えている。画が緻密とか描写が細かいとか、そんなことは二の次なんだよ。分かる奴、好きな奴にしか分からない映画など、それは好事家の馴れ合い、制作者の自己満足にしか過ぎない。 この映画に関して言えば、終盤にようやく状況や設定の説明が出てくるが、それまでは何が何だか分からんままに、何の盛り上がりも無く淡々と話が進む。前知識無しで観た者には苦痛でしかない退屈な時間が長すぎる。“再生”とかってのもよく分からんしなぁ。おまけにパイロットたちが「僕は子供だ」と言うが、タバコ吸って酒呑んで、車やバイクで走り回って、娼館で女抱いて……。まっっっったく子供にゃ見えんっつーの! 声も谷原とか加瀬とか有名俳優使うなよ…、顔が浮かんで登場人物のキャラなど消し飛んじまう。もーね、マニアの馴れ合いも大概にしなさい。 【TERRA】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2010-05-19 18:15:11) (良:6票) |
《改行表示》 13.《ネタバレ》 押井作品に関しては、『天使のたまご』は見ているものの『ビューティフル・ドリーマー』は見ていないという中途半端なフォローしかしていませんので、この作品にコメントをするのもおこがましいとは思うのですが、あくまで「この作品を見た限りにおいて感じたこと」として、レビューをさせてもらいたいと思います。 まず個人的な感想として、「明らかにこれまでの押井作品と比べて、前進しようとする『意志』は強く感じられる」と思いました。誰しも「日々の生活の『ループ感』」と言うのは、程度の大小こそあれ感じることだとは思うのですが、「それを耐えられるようになってこそ大人なんだ」という風にばっさりと切り捨てるのではなく、ドン・キホーテ的な無益さを承知の上で「そうではない」とはっきり言っているところに、押井監督の「真剣さ」といったものを感じました。この点に関しては、僕は何も言うつもりはありませんし、無条件で敬意を表したいと思います。 しかし僕が気になるのは、そういう「ループ感」に捉われている人々の描写と言うのが、あまりにも「その状況に耽溺しすぎている」という風に見えてしまい、それがまた劇中BGMの切なさも相まって何とも甘美に感じられてしまう点です。具体的に言うなら、前~中盤のそういう「状況に捉われた」描写が、「結局は何をやっても負け戦になる」という前提になっているように見えてしまい、それゆえに終盤のあの展開に否応なく「敗者の美学」みたいな、何か危険な「甘さ」のようなものが付いて回るように見えてしまうのです。 ここからは完全に(未経験な若輩者である)僕のわがままになってしまうのですが、せめて映画の中では(と言うより現実をはるかに飛び越える可能性もある映画の中だからこそ)、そういう「甘美さ」を抜きにして、「敗者になること」を前提とした勝ち目の無いものではなく、せめて拮抗しているか、あるいはそういう「勝ち負け」をポンと飛び越した状況を経た上で、「人間性の勝利」みたいなものが垣間見える瞬間を見てみたいのです・・・と言うより、今現在の僕の個人的な嗜好として、製作者自身も「何とかそういう方向を手放さずに格闘する」ような作品をより多く見てみたいと思います。 (とは言え、こういう種類の「甘さ」と言うのは、僕が見てきた数少ない押井作品の数々(とりわけ『天使のたまご』)の中からも感じられた、言ってみれば「押井作品の持ち味」と言っても良いものなのかもしれませんが・・・) そういう意味では、この作品は僕にとって「決して駄作ではないが、かといって無条件に礼賛するのも危険な作品である」という位置づけになります。 しかしそうは言いながらもこういう「甘美さ」には、個人的に抗いがたい魅力を感じますし、また最後まで見てみれば、この作品が決してそういう風に「耽溺する」つもりで終わっているわけではない事も窺えます。従って僕自身は、この映画に備わる「甘美さ」に関しては、ごくたまに味わう高級なお酒みたいなものとして捉える事にし、ラストに存在する「前進する意志」だけを、極力心に留めておきたいと思いました。 そういう「前進する意志」という意味において、ラストでスイトが煙草を吸わなかったシーンが大変力強く印象に残ります。それまでの「日々のルーティン」から意識的に抜け出し「煙草を吸わなくなった」上司として、この後新たにカンナミの後任に就いた人物に対して、彼女が一体何を言おうとするのか、想像したくなります。 【マーチェンカ】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2010-08-17 00:30:53) (良:3票) |
《改行表示》 12.《ネタバレ》 兎に角、声を担当している役者達を如何にかして欲しいと思いました。意図的にやっているとはどうしても思えないほど、感情の起伏の表現が下手です。菊地凛子と加勢亮の二人がその中でも郡を抜いて酷い。役者を起用する方も、演じる方ももう少し考えて映画を作って欲しいと切に思いました。 昔ながらの戦闘機を用いた空中戦の迫力は一見の価値ありです。逆に言えばそれ以外は別に面白いと感じませんでした。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 4点(2008-08-20 01:28:30) (良:2票) |
《改行表示》 11. (原作は未読です)★驚いた。あいかわらず説明はまったくないが、それでも今までの押井作品と比べると圧倒的にわかりやすい。物語の背景とか簡単に想像付くし。 ★特に、「イノセンス」みたいにごちょごちょ引用を使ってしゃべりまくるキャラがひとりもいなくてよかった。(だいたい活字ならどんだけ小難しい御託を並べてもかまわない。それこそディックの「ヴァリス」みたくわけわからん小説だって、好きなだけ時間使って反芻し、想像しながら読めるから。けど映画はそうはいかない。追いつけないのだ。ぼくは頭も耳も悪いんで・・・) ★しかしながら、精神的に閉じた世界、いつまでも終わることなく、ほんのちょっとだけ形を変えて繰り返される日常(戦争だけど)、それを打開しようとあがく主人公・・・昔のうる星(ビューティフルドリーマー)とやってることはいっしょっぽいな。 ★あと、精緻なCGと平板なキャラデザインは違和感最後まで消えなかった。こういうところは多少アナログでも、ジブリのバランス感覚のほうが好み。音楽は二重丸。 ★それとぼくは日常を虚無のうちに過ごす現代の若者達、なんてのにはあまり心を動かされないが、中盤の草薙の長台詞にちょっとどきっとするものがあった。もし今もチベットや中東や、グルジアなんかで不幸な目にあってる人たちが、みんなカメラに向かって、「おまえらがのうのうと平和に贅沢をむさぼってられるのは、俺達が犠牲になって死んでるからだ」って叫びだしたら、どうなるんだろうか。すいません、ポイント違いますよね。 ★でも、SFってよく現実のメタファーって言われるけど、そろそろ現実ってこんな映画を追い越してる部分があるんじゃないかなあ、と考えてみたりして。こういう白昼夢な世界、決してきらいじゃないんだけど・・・ PS, すごい瑣末なことなんだけど、どうして英語でちゃんと「すかいくろーらーず」って書いてあるのに、タイトルはスカイ・「クロラ」なの?なんか気になる。ネイティブに発音すると「くろら」なのかなあ。あとcrawlersって直訳すると「這い回るもの達」。キャタピラ運搬車、イモムシ、赤ちゃんの這い這い、水泳のクロール、WEBの検索ロボット・・・「大空を自由に飛びまわる者」じゃないんだ。いいねこのネーミング。 【wagasi】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-08-15 23:32:19) (良:2票) |
《改行表示》 10.プラモかと思うような安っぽいCG(特撮かよ)、毎度おなじみ彩度の低い絵柄(太陽光が当たってても、ね)、コケシみたいなキャラデザ、草薙ナントカって、攻殻ひきずってる信者のためのサービスか?言い出せばキリがない。 タルコフスキーとかトリュフォーとかに言及するなら、見終わった後に心に刺さるような映像を1ショットでも入れてみせてほしい。スタイルの引用にしかすぎない。 あれだけ金かけて宣伝してコケた「イノセント」で懲りなかったんでしょうか……。 【せい】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 2点(2012-05-15 02:18:05) (笑:1票) |
9.話が単調で退屈なのは当たり前で、単調で退屈な毎日を送っている子供たちを描いているからだ。しかもそれが戦争という非日常を怠惰なものにしてしまうほどの単調さであるからなおさらだ。その単調さからどう抜け出すか、が問題になるわけだが、これはまるでビューティフルドリーマーのテーマそのもので、押井がずっと持ち続けていた問題意識でもある。ビューティフルドリーマーでは、閉じた循環をぶち壊すわけだが、本作は循環を意識的に少し変えてみる、という手法が採られている。普段通っている道でも景色は同じではない、というセリフが象徴的だが、タバコを吸おうとしてやめるスイトも何かを変えようとしているのは間違いない。それによって着任の挨拶に対するスイトの返事が「早かったのね」から「あなたを待っていた」に変わることこそ、この映画の本質である。 【Balrog】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-09-11 13:07:22) (良:1票) |
8.初っ端から、声優の声が聞き取りづらいと思ってたら案の定、芸能人声優だった。声優にも不満だったが、キャラやストーリーもイマイチ。後、空に上がると英語で会話しだす意味が分かんない。 【真尋】さん [DVD(邦画)] 3点(2009-11-23 03:58:51) (良:1票) |
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7.《ネタバレ》 私が今ここに存在しているということ自体の苦しみ。「永遠」への恐怖。私は随分昔に気づいてしまった。私たち人間はみな、逃れることのできない仕組の中に生きていることを。私たちもまたキルドレである。終わりなく戦い続け、苦悶し続ける存在だ。ようやく忘れかけていたことをまた思い出させられた。観たくなかった。 【よーちー】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-10-20 18:16:29) (笑:1票) |
《改行表示》 6.いやー、つまらない。 絵は綺麗なんだけど、ストーリーが駄目で、キャラクターに魅力がなく、鑑賞中に眠気が襲ってきました。 避けるが吉。 【ぬーとん】さん [DVD(邦画)] 4点(2009-10-12 23:35:46) (良:1票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 SFながらも現代の若者を描写した名作だと思う。無気力で生命力が感じられない。 惰性感。 ところが、それでも生きていかなければならないという。 なにかがおかしい、どうにかしなくてはならない。人によっては「ソレ」 に気付くものもいる。いるがどうしようもできない。待ってるのはまた同じ日常の 繰り返し。表面はのんびりしてるが彼らは相当ストレスを受けもがき苦しんでる。 それすら気付かない、いや、気付いても気付かないふりをしてるのだ。 意識してしまえば、おかしくなってしまうから。 通り魔事件やらなにやら、あの種の犯人たちは気付いてしまった人たちなのかもしれない。 しかし、気付かなくても、気付かないふりをしても、 その反動は必ずひとそれぞれなにか形を持ってあらわれる。 この作品、日本禁煙学会から抗議されてるようだが(笑) なぜあんなに煙草を吸うのか。輪廻転生の伏線だけではない。 それがわからない人はこの作品のせつなさなんか理解できないかもしれない。 自分はもう若者とはいえないが、彼らの思いが痛いほどわかる。ものすごくせつない映画だ。 「キルドレには戦死によってしか死ぬことができない。」それはある意味残酷なウソだった。 戦死でも「自分という存在は」転生していく。 最後主人公はなにかを買えようと、いわば特攻していくが・・・ 帰らぬ主人公にちょっとはみんな悲しむが・・・・ やはりなにも変わらない。世の中も。そして「自分も」なにもかも! これは地獄のようなもんです。 ところが。押井監督の手法は・・・肝心の若者には伝わらないんじゃないだろうかと危惧しています。ストレートな手法じゃないゆえに。 むしろ中年以降の人がみるとぐっとくるかもしれないです。 【うさぎ】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2009-03-06 10:14:39) (良:1票) |
《改行表示》 4.芸能人声優は本当にいい加減にして欲しい。 話自体はそこそこ面白いのに…。 声優はプロにさせて下さい。 素人レベルです…榊原良子さんは流石ベテランと思いました。 個人的にはもう少し戦闘シーンがもうちょっと欲しかったな。 【ふくちゃん】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-02-27 22:39:21) (良:1票) |
3.山之辺マサトは孤独な神となり、リューズには永遠の苦しみをもたらした「不老不死」も考えて見れば「忘れる」ことさえ出来ればどうってことのない「日常」なのかもしれない、私自身40年以上生きているが、実感があるのは「今」だけで、昨日も去年も10年前も「記憶」という「知識」でしかない(私だけかも知れませんが・・・)そして「忘れることが出来なかった」のが草薙であり、そこにはやはり手塚治虫やら松本零士がかつて描いたのと同様の「悲劇」が存在した、って解釈で正しいのかな?(ちょっと自信が無いw)まぁそのあたりはいいとしてこの作品の欠点を上げるとしたらそれはズバリ「絵」だと思う、「宮さんを凌ぐ」と豪語した空中戦も超リアルなプラモデルにしか見えず、浮遊感やらスピード感を全く感じさせない、ナウシカや豚やらの足元にも及ばない、それどころか押井本人の演出であるマッハ軒のハリアーにも及んでいないと思うのだが・・・ 【るね】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-08-31 00:15:31) (笑:1票) |
2.《ネタバレ》 原作は未読。ただ、時代背景など設定やストーリーはチェックしてました。全ては語られずに終わって行く内容でしたが、予備知識のお陰で(本筋もしっかりしてたし)足りない部分はすんなりと、自分なりの解釈をしつつ見れました。与えられる情報だけに納得するのではなく(過去の押井作品では、小難しい世界観に自分は追い付けなかったです…画だけ楽しんでたかも?)、“考える”ことのできる作品でした。必然と各人最後に残る思いも強く、そして様々かと。個人的には「草薙」「ジンロウ」「人形」「オルゴール」「バセットハウンド」…、たまたまでしょうが押井カラーが散りばめてあったような?川井音楽ももはやしっくり、すばらしい。声優陣は、加瀬亮はとっても良かったと思います、無表情な感じが。あと榊原良子さん、貫禄ですね。(南雲隊長が懐かしい) そして、特筆すべきドッグファイト。映像は圧巻。冒頭では、キルドレと言う存在は抜きに、残酷な戦争のほんの一瞬でも、痛烈に描けていたと思う。そして“それ”だけじゃなくて良かった。「ショーとしての戦争」は、自分には共感できなかったです。請負企業があっての、あくまで“ショー”でしょ?と言う感じにしか受け止められなかった。モニターの中の出来レースを見て、自分のポジション、つまり“平和”とか“安全”を改めて確認できるのかな?と。(自分の身に降りかかることが無いと分かっての戦争(ですよね?)があって、人が死んでいると言う事実だけでいいの?)せめて、平和に浸っている世界の日常が欲しかった。キルドレが何の為に戦って、不条理に生を繰り返しその意義に葛藤をしているのか?その存在がもっと、悲しいけどこの世界には必要なんだって言う、比較対象があればなと…。監督は(「言ってしまった…」と言う表現をされていたが)「若者に伝えたいことがある」と仰ってたましたね。この現実で、薄らいだ“命”の重さについて、でしょうか?映画が終わって退館する際、同じ回を見た大学生位の方でしょうか?10名程が盛り上がってました。「帰ってエースコンバット(ゲーム)しようぜ!」だって。色んな受け取り方があって当然、悪いことじゃない、と思う。けどさ…、そんな見方はね…。この映画にはもったいない。 【乳時雨】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-08-19 18:22:19) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 最近禁煙したんですけど、タバコって時間を区切ってゆくアイテムみたいな感じなんです。朝起きて、1つ何かを始める前に、1つ何かが終わった後に、寝る前、って。で、タバコをやめてどんな感じがしたか? 時間がずーっと区切りなく続いてゆくカンジがするの。寝てる時も起きてる時もずーっと同じ時間がだらーっと、って。さて、押井守って人の、独自のタッチだと思ってたモノが、実は単にヘタだったんじゃないかなぁ、なんて思い始めたり。映像音痴みたいな。だって、この人の作品って、伝えようとする力がどうも空回りしてるような、クドいくらいに伝えちゃってる部分と、説明不足な部分とに分かれてて、受け手側が懸命に組み立てたり、深読みし過ぎたり、勘違いしたりしてるような感じがしますもん。アタマの中に浮かんだモノをポポイっとカタチにする、でも、そこに整合性が欠落してるようで、なのでCGのシーンなんぞもバラバラ。実写風とアニメ背景風と、ってテクスチャーがカットによってまちまちだったり、セル画風ペイントとの融合はあえて無視状態だったり。立体感たっぷりなフルカラーの3Dの中に看板みたいなベタ塗り2Dが存在するのもアリなのでしょうけれど、それは勝手に作られたお約束であって決して親切ではないかと。で、物語としても観客に考察して貰えばいい部分と、ちゃんと説明しなくちゃいけない部分とがあんまりちゃんと区別されていなくて、これ、なんの知識もなく映画を見ただけでは物語の世界、背景、何が起きているのかが判らない状態。少なくともそこに関しては「判らなくてもいいモノ」ではないハズ。さて、そんなですが、イイんですよね。生と死とが酷く曖昧な世界で、未来なんかなくって、延々とすぐに忘却の彼方へと過ぎ去ってゆく刹那の現在があるだけで、そしてそんな世界で生きる者が、少しだけ未来というモノを目指してみようとしているような。そこには全く明るい未来が見えてはいないけれども。あえて悲劇をがーっと盛り上げずに終わる点においては、全く正しいと思います。で、冒頭に戻って、アニメ史上最も喫煙シーンが多いであろうアニメ、時の実感=生の感覚がタバコくらいにしか存在しないとか?みたいに思ったのでした。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-08-03 22:13:31) (良:1票) |