2.《ネタバレ》 過度な演出(プロの俳優を使用しない/ストーリーの盛り上がり)を排除し、
最小限の映像表現で世界中の映画ファンから注目されてきた監督ブレッソン。
私も好きな監督の一人として、この度初の劇場公開となる
(特集という形での単回上映・ソフト化は過去に実施済)この機会に鑑賞。
ただ率直に言うと、彼の諸作品(例えば「バルタザールどこへ行く(’66)」「ラルジャン(’83)」)
と同等のレベルを期待してしまうとちょっと肩透かし、って感じ。
私は彼の作品のテーマとして(キリスト教の教義における)「罪と罰」という点が
個人的に重要なのではないかな、と思っているのですが、遵守すべき「中世の騎士道精神」
という概念が日本人にはわかりづらいし、何より(「演じる」事を排除した結果とは思うが)
登場人物が甲冑を着ている事で表情が窺えない分、スクリーンの人物に感情移入しづらい。
そういった点で彼の作歴上、ある意味失敗作なのではないかな、と。
但この点数にしているのは映画館で鑑賞した分、甘くなってるのですが
①画面の使い方(特に足元を映し出したクロースアップの多用がインパクト有り)
⓶最大の功労ポイントは、「音」。
ブレッソン中級者向けの一本ですがどうぞこの機会に映画館で。