ラブリーボーンのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ラブリーボーン

[ラブリーボーン]
The Lovely Bones
2009年ニュージーランド上映時間:135分
平均点:5.36 / 10(Review 61人) (点数分布表示)
公開開始日(2010-01-29)
公開終了日(2010-07-02)
ドラマサスペンスファンタジー小説の映画化
新規登録(2009-12-19)【マーク・ハント】さん
タイトル情報更新(2023-03-31)【イニシャルK】さん
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監督ピーター・ジャクソン
キャストシアーシャ・ローナン(女優)スージー・サーモン
マーク・ウォールバーグ(男優)スージーの父 ジャック・サーモン
レイチェル・ワイズ(女優)スージーの母 アビゲイル・サーモン
スーザン・サランドン(女優)スージーの祖母 リン
スタンリー・トゥッチ(男優)ジョージ・ハーヴイ
マイケル・インペリオリ(男優)刑事 レン・フェネーマン
アマンダ・ミシャルカ(女優)クラリッサ
トーマス・マッカーシー(男優)校長
ピーター・ジャクソン(男優)薬局の男(ノンクレジット)
早見沙織スージー・サーモン(日本語吹き替え版)
咲野俊介スージーの父 ジャック・サーモン(日本語吹き替え版)
甲斐田裕子スージーの母 アビゲイル・サーモン(日本語吹き替え版)
藤田淑子スージーの祖母 リン(日本語吹き替え版)
岩崎ひろしジョージ・ハーヴイ(日本語吹き替え版)
加藤亮夫(日本語吹き替え版)
藤村歩(日本語吹き替え版)
脚本ピーター・ジャクソン
フィリッパ・ボウエン
フラン・ウォルシュ
音楽ブライアン・イーノ
撮影アンドリュー・レスニー
製作ピーター・ジャクソン
フラン・ウォルシュ
フィリッパ・ボウエン(共同製作)
ドリームワークス
製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ
配給パラマウント・ジャパン
特撮ウェタ・デジタル社(視覚効果)
美術ジュールス・クック(美術監督)
ジョージ・デ・ティッタ・Jr(セット装飾)
衣装ナンシー・スタイナー
その他ギレルモ・デル・トロ(サンクス)
あらすじ
殺された少女が、天国のような、三途の川のような、現実ではない不思議な世界から、家族を見守り、そして犯人を追跡する。主人公が冒頭から死んでいるという奇抜な物語。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
(ネタバレを非表示にする)

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61.《ネタバレ》 14歳の少女は、自分の遺体を発見してもらうことよりも大好きな人とのファーストキスを選んだ。そこにこの映画のすべてが語られているような気がします。どうしようもなくやりきれない気持ちになるシーンでした。現世と向こうの世界のはざまが良く表現されていて良かったです。サスペンス映画ではないので、お間違いなく。
civiさん [映画館(字幕)] 7点(2010-02-15 13:17:20)(良:2票)
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60.《ネタバレ》 度肝を抜かれた。  ”レイが霊とキス”というダジャレに、ではない。   ”誰かが死んだ後、残された関係者が、いかに心の整理をし、前を向いて歩き出すか”  を描いた作品はゴマンとある。  しかし  ”死んだ人が、いかに心の整理をし、前を向いて成仏するか”  を描いた作品は始めてだ。  この誰も発想しなかった物語は「私はスージーサーモン。14歳で殺された」と、毅然かつ冷静な声で自己紹介し、心の変化を語る女の子の、10年あまりをかけた<成長物語>なのである。(見た目は殺された後ぜんぜん成長してないケド)  また、ワキのキャラも過不足なく完璧な構成だ。  いつまでも犯人探しをやめぬ父と、犯人探しより心を切り替え前を向きたい母。 あまりにも分かりやすいシンメがシンプルで心地よい。  娘の死に対し真逆な二人の間に、家事はヘタだが憎めぬ 緩衝材的な存在のオバアチャンは、やもすれば重くなりがちな劇中に投入された”オアシス”的な存在。 彼女がいたからこそ、母の家出後も子供らはまともに成長できたし、彼女がいたからこそ、母が10年ぶり位に帰宅した際、妹が殺人の証拠のアルバムを、デリケートな状態の父母でなくオバアチャン経由で警察に渡せた事も忘れてはならない。  さらにレイは、スージーが天国に行って成仏する為の”最終条件”にして”絶対条件”の存在という、常識で頭がこり固まった者には思いつかないヒネリの効いたオチをつける為に置かれた事は間違いない。  ルースも、スージーとレイを結ぶ重要な存在だ。 スージーが殺された直後に彼女(霊のほう)を見かけ、彼女の死をレイに伝える役割。そして、まさかのイタコとしてスージーに体を貸し、レイと最初で最後の再会を果たしてもらうという役割。 どちらもスージーのために重要なロールである。  しかもルースはただの”人助け人”ではなく、レイに恋心を抱いている。つまりスージーからの略奪愛という側面も持っている。  実際の現実社会でも、本来ずっと付き合うはずのパートナーが、死んで付き合えなくなってしまった場合、第二の選択肢として”その相手に一番縁のある人”と、心を死んだ人に残したまま付きあう事は少なくない。 太平洋戦争でも、戦死した夫のかわりに夫の弟や、夫の戦友と再婚する女性も多かった。  そういう意味で、レイはスージーに心を残しつつ、スージーのことも理解してくれているルースと付き合う事にしたと解釈して正解だろう。  霊スージーは、ルースが彼に近づいているのを「彼の隣にいるのは私だったはずなのに・・・チッ」ってあのガゼボの中から、何も手を出せずに見ていた。 そんな彼女が、最後の最後にルースの体を借りて、レイと再会しキスをしたという名場面は、彼女にとっては  「ルース、あなたは彼を奪ったんだもの、これくらい許してね。霊感強くてちょうどよかった笑」  といったところだろう。(いかにも中学生)  そして「レイ、キスして」と屈託のない笑顔をまっすぐ向けるスージーの、その無邪気で無垢な14歳のままの表情に、私はあふれて涙が止まらなかった。   スージーは死ぬ前、オバアチャンとのガールズトークで「キスの味ってどんなん?ね、どんなん?」と、目を輝かせて話していた。 思春期女子の”大好きな男子との初チュー”へのピュアな夢は、我々のように  「キス?別に。オレはキスよりHのほうがキモチイイし」とか 「舌からませてピチャピチャ音立てらたらもうダメ~」とか  完全にスレちゃって、キスごときにもはや価値を見出せなかったり、キスを精神的だけでなく肉体的な快楽の側面でもとらえる感覚を覚えてしまった 汚れた大人達には、到底分かりえまい。 しかしこの映画を堪能する為には、可能な限り14歳の女の子になったつもりで彼女の気持ちに入りこむ事がカギだ。  いずれにせよ思春期で殺された彼女が  <大好きな男子とのキス>  を、成仏するための最終絶対条件としてチョイスした事は誠に説得力があるのである。  異性の事で頭が一杯な思春期女子に、社会の正義もへったくれもない。キスあるのみ。である。  かくして、初チューをミッションコンプリートしたスージーは心の決着をつけ天国へと旅立つ。 なんともすがすがしく、あまりにもよく出来た、殺された幽霊視点のユニークなストーリーであった。  犯人も、大勢女が殺されてるのに全然捕まえられないボンクラな警察ども(お前らちゃんと仕事しろや)に逮捕されパトカーで移送される場面を見せられるより、ガケから転がり落ちて、左手がヘンな方向に折れた死体を見届けさせてもらった方が、見てるこっちはスッキリできて良かったね笑
フィンセントさん [CS・衛星(字幕)] 10点(2019-03-04 13:12:16)(良:1票)
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59.《ネタバレ》 一番期待してた映像美については俺様ちゃん的にはそこまで凄さを感じなかった。 映像の綺麗さはあるけど、どこか対象物やオブジェのスケール感が合ってない感じがして俺的にはピンと来なかったンだわ。 色彩や解像度が良くても「場」としての有り得る光景というか「臨場感」がないとやはり印象に残る風景になりえないなーと思った。 アレだったら「コンタクト」のほうがよほど風景としては印象深い。 …一方、期待してなかったストーリーというかテーマに関しては、逆に唸らせられるモノがあった。 いわゆるハリウッドらしさ(分かりやすい娯楽という意)がない。 起承転結をハッキリつけ、「目には目を、歯には歯を」って展開じゃないところが良いと個人的に思った。 例えば犯人のサイコ野郎がスージーの遺体の入った金庫を穴に捨てる時、普通のハリウッドな展開の場合は(警察や家族などに)寸前で阻止される、とか。 あと、スージー、もしくはその身内にサイコ野郎が(逮捕も含め)復讐される、とかが考えられる。 しかし、そうではなく「アホに構うと自分もアホになる」じゃないけど、復讐で後ろを向くよりも、愛した人と最後にやり残したことを大事にする。 アレほどの凶悪犯を放置し「家族の愛」や「この世界でやり残し事」など未来や人間同士が繋がりえる愛に繋げてゆく。 復讐という「罰」を与えることなく、サイコ野郎を放置する。 確かに一瞬モヤっとした気持ちになり、爽快感がないと考え勝ちだが、考え方によってはサイコ野郎は「罰」で裁かれずとも「罪」を負ってる訳だ。 そんな魂の腐った奴はこの先幸せになれる訳がないし、そいつの存在を頭から消してしまって、残った者は幸せの連鎖を繋いでゆく。 それこそが(言葉の語弊はあるが)一番の復讐だと思うし、その考えこそが永遠に繰り返す復讐の連鎖を断ち切れると気づかされた。 そこに、この映画の基本的なテーマを感じ、魂の崇高なる立ち振る舞いが現れていて、むしろ東洋的な宗教観を感じた。 以上ハリウッドの枠から離れれば離れるほど、娯楽としての爽快感を欠いてしまう。 けど、映画から生きる指針とかヒントを得ることも正しいとするならば、このようなテーマも十分に意味がある。 とりあえず、俺の心にはちゃんと残る作品として評価させてもらいたい。
映画の奴隷さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-01-29 07:40:15)(良:1票)
58.《ネタバレ》 私はエンドロールを最後まで見ることをポリシーにしています。なんとなく、それが映画に対する礼儀のような気がするから。でも、本作のエンドロールはなんと15分近くあってさすがに嫌気が差しました。エンドロールに難癖を付けることはレビューからは外れますが、15分は非常識でしょう。本編の方は何も伝わって来ないし残らないスカスカな作品でした。最後のキスを除くと、死後に現世にとどまっている意義が見当たりません。あんな手段でキスができるなら、変質者を告発することも容易だったはず。殺された魂が自由を得る条件は、変質者が自由を奪われることのようだったが、その理屈も良く分らない。うじうじと待っているなら、悪霊になって復讐すりゃいいのにと思ってしまう。奴が罰を受けたのは成仏の後だったので、転落死は鑑賞者の溜飲を下げるためだけに挿入されている。何たる安直。彼女が憧れの彼氏とキスするシーンと金庫に入った遺体がゴミ穴に沈んでゆくシーンがカットバックされる構成に、すごくアンバランスな違和感を覚える。遺体が確保されて、それからキスでしょう。遺体が投棄される描写自体も容認したくない。そもそも、彼女が死後にいた世界がすでに天国のように美しく見飽きない。狭間の世界としてはなんとも能天気で、成仏する意義も希薄に感じられる。結局、何を伝えたかったんでしょう? かわいい骨? タイトルも分りません。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(字幕)] 2点(2011-04-04 21:43:45)(良:1票)
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57.《ネタバレ》 あまりにも後味が悪い。連続幼女殺人事件をファンタジーにしてしまうことに違和感が最後までぬぐえなかったし、本当にこれで彼女は、家族は救われたのか?何かしっくり来ない。犯人の反抗の陰惨さにも直視できないし、これがアメリカの現実と言われても、殺人事件は殺人事件。映画化するならきっちり落し前をつけてもらわにゃー観てる方も辛いよ。スピルバーグが絡んでるからこうなっちゃたのか。御願いだからスピルバーグは純粋なファンタジーが奇抜なSFに特化して家族愛の映画は作らんといてーな。 
カボキさん [DVD(字幕)] 3点(2011-01-18 07:57:43)(良:1票)
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56.《ネタバレ》 ピータージャクソンの映像美は満足できるレベルです。本作品の舞台である「あの世」とは現世と天国の境目。つまり少女は三途の川を渡ろうかどうかってところで行ったり来たりしている。こういう不思議な空間をこの監督に与えたらとんでもない映像を作り出せる才能がある。「乙女の祈り」で少女たちが空想で作り上げた第3の世界しかり。「キングコング」のドクロ島しかり。「ロードオブザリング」の魔法の世界しかり。見所は家族愛でもなければサスペンスもない、彼の作り出すイマジネーションあふれる世界観なのです。少女ばかり殺している殺人犯の死に方について。あれはないと思いました。犯人に己の罪に対する罰を自覚させることなく死なせるなんて。これは悔しかった。だけど監督は犯人の罪と罰には興味がなかったのでしょう。彼は無念にも殺されてしまった少女たちを、自分のつくる物語の中で幸せにしたかった、ただそれだけの自己満足のためにこの映画を作ろうと決意した。私はそう信じます。世の中は男女平等と言いながら腐りきった男社会だ。動物界と同じようにしょせん力の強い男が、非力な女性や子供を虐げている。痴漢、レイプ、DV、幼女監禁、いいですか?法律が一度でも女性たちを救ってくれたことがありますか?この世に神などいるはずがない。しかし映画監督は自分のつくる作品のなかでいつだって神になれる。あのラストシーン。犯人が死んだことによって、「あの世」の女性たちはみんな笑顔になる。監督は現実では救えなかった弱者たちを物語のなかで救ったのである。じゃあこれからみんなでそろって天国でも行きましょか。女性たちのそんな会話が聞こえてきそうだ。厳しい弱肉強食の現実とは大きくかけ離れた物語。しかしある意味でこれこそ究極のファンタジー。 
花守湖さん [DVD(字幕)] 7点(2010-08-13 19:20:44)(良:1票)
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55.《ネタバレ》 死んだ自分を家族が振り切って進んでくれたら成仏できるっていう話だととらえました。犯人が捕まって死体が発見されたら振り返っちゃうし。妹にも最後にそんな葛藤が見えました。 あの世とこの世の交信?みたいなのはうまく描ききれていなかった気がする。なぞの女の立ち位置もよく分からないし。 トータルの完成度はあんまり高くないと思うけど,引込み方がむちゃくちゃうまいので面白かったです。 
Yuさん [DVD(字幕)] 6点(2010-07-17 13:51:04)(良:1票)
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54.「はい、どうですこの娘?かわいいでっしゃろ~?ね~」 という監督の声が聞こえる。  そして、わしは答えた。 「いや、そうでもないで」と。
幸志さん [インターネット(字幕)] 3点(2010-04-05 01:51:38)(笑:1票)
53.《ネタバレ》 家族を亡くした半月後なんかに選ぶべき映画ではなかったかもしれません。いや、この映画はそういう人のために作られているようにも思えるのですが、だとするならば非常に無神経で腹立たしい映画としか言い様がなく。スピルバーグ製作の「成仏していない人の映画」(『ポルターガイスト』『キャスパー』)が毎回無神経であるように、これもまた同じく。家族を亡くした人間の心の葛藤、湧き上がって来る様々な感情、それをキリスト教的死生観で安直に信じる者は救われますよ、って方向に導いて結論付けてしまうので、それはないだろう、と。全てが絵空事な映画。『息子の部屋』や去年公開の某映画(ネタバレになってしまうのでタイトル伏せます)と同じ事を描きつつ、これはおふざけが過ぎる気がします。最初に少女が殺されますよ、という事を予め提示して、そこから殺害に至るまでをじわじわこってり見せ趣味の悪いストレスを与えた上で、ストレスの持続と安易な救済描写によってテーマを語る、なんだか酷く悪趣味な映画。こういう素材を扱ってはいけない人々に扱わせてしまった、って感じがしました。
あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 3点(2010-02-15 16:08:38)(良:1票)
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52.《ネタバレ》 素晴らしい作品だと思うが、同時につまらない作品でもある。ジャッジするのはかなりやっかいな作品だ。ただ、ピーター以外には作れないような作品に仕上がっており、独創性は評価したいところ。初見では上手く感じ取れなかったが、何回か見ることがあれば、評価は変わると思われる。 「事件の真相」「殺された少女が幽霊になり、家族にメッセージを送って犯人を暴く」「残された家族が犯人に復讐をする」といった視点からみてしまうと、はっきり言ってつまらない作品としか思えないだろう。本作はそういった視点をメインには描こうとしていない。大人の事情からかサスペンスタッチが前面に出ているテイストとなっているが、ピーターはそういった面はもっとカットしたかったのではないかと思えるほどだ。スタンリー・トゥッチが必要以上に頑張り過ぎてしまったのも誤算だったか。おかげでバランス感が悪くなった点は否定しがたい。 本作は「殺された少女が天国に行くまでの過程」及び「残された家族・関係者が再生していく姿」を描いた作品であると思われる。そういった視点から見てみると、本作の評価はがらりと変わると思う。ピーターにとっては、犯人の存在なんて本当はどうでもよかったのではないかと思われる仕上りだ。 殺された少女の少女らしい想いや、家族の苦しみや悲しみが、ストレートではないものの、時間を掛けてゆっくりと丁寧に描かれている。しかし、本来描きたい部分を何故か真正面から十分なヒカリを当てずに描こうとしており、豪華な俳優を起用しているのも逆に計算外だったか。各キャラクターを活かしきれていないと感じてしまうのは仕方がない。 面白いと感じられる点は、関係者それぞれが“愛”を見出して、スージーの死を受け入れていくところだ。スージーのボーイフレンドや妹は新たなパートナーを見つけて愛を感じたことで、スージーの死を受け入れることができたのではないか。また、娘の死という事態に上手く向き合っていくことができなかった父母も時間の経過とともに悲しみを癒して、それぞれの壊れかけた“愛”を再認識することで娘の死と向き合うことができるというまとめ方はなかなか感動的なところだ。喪失感・無力感から救われていく“希望”のような光が見えたような感じがした。しかし、つまらなさを否定しにくく、アプローチが監督の思惑とはズレていったようなところがあるので、賞賛しにくい映画ではある。
六本木ソルジャーさん [映画館(字幕)] 6点(2010-02-09 23:03:10)(良:1票)
51.《ネタバレ》 ひどい思いをして、その体験の記憶にがんじがらめに縛られたままでいては、新しく前に進み出すことはできないといった話は、カウンセリングやセラピーなどの分野ではよく出てくる話のような気がする。たしかに、いつまでも恨みつらみを引きずって時間が止まったままのように人生を終えてしまうより、視線を新たに切り替えて前へ歩き始める人生の方がいいかもしれない。けれど「復讐だとか罰だとか、そんなことにこだわらなくても、悪いことをした人にはそれなりの罰が自然に下されるものだ」と言いたげな犯人の最期は「与えられた天命のうちに、最期までやりたいことやり続けました」って感じでしかない。後悔の念もなければ、主人公が味わったような恐怖もなく「やったもん勝ち」でしかない。主人公も結局は犯人と同じで、何よりも一番やりたいことは好みの異性とのアレでしかなく、しかも他人の体をスナッチして自分の思いを成し遂げるわけで、ある意味ジコチュー。家族が思いを引きずっても、やっとの思いで犯人を突き止めても「そんなこたぁどうでもいい。あたしゃ、あの男とエッチして、あんたら家族とはサヨナラ」とばかりのジコチュウぶりではないか。原作者はレイプ体験者だということだが、死んではいないから本など書けているわけだ。レイプされて、おまけにその犯人も捕まらなかったら、自分の気持ちを割り切るにはこういう物語を書くしかなかったのかもしれないが、「私も被害者なんだから」と印籠を手にしても、実際にこういうことで殺された人やその遺族の気持ちにたったら、こんな気の抜けた冗談は許せないなと感じる。いくら映画化されるほど本が売れようと、病んでるよ。ジコチューにレイプされてジコチューになっちまっただけじゃないか。人の気持ちをレイプすんな!
だみおさん [映画館(字幕)] 1点(2010-02-01 18:59:56)(笑:1票)
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50.《ネタバレ》 酷評が多いですね。私もビデオ化された当時非常に楽しみにしていた作品でしたが、、鑑賞してみるとイメージと異なっていてチョット落胆した記憶があります。十数年ぶりに再鑑賞してみましたが、落ち着いて見てみるとなかなか奥深くよく考えられた作品だったと思います。もっと世に広く認知されるべき、高評価に値する作品ではないかと考えを改めました。  世間の不評を買っている最大の理由がラストのアレと金庫が沈んでしまう点でしょうか。おそらく私も当時は「有り得ん」と切り捨てた記憶がありますが、10年の時を経て今改めると、誰の視点で物語に入り込むべきなのか?これが最も重要であったことに気付きます。本来、観客は無意識のうちに俯瞰視点になっていて、客観的視点から勧善懲悪の物語を望むものです。でもこの作品は違うのです。オープニングで語られている通り、スージーの視点から見たスージーの物語。彼女がどう考えたのか?彼女がどうしたかったのか?これがこの映画の全てです。 あの年代の無垢な少女というのは、自分の気持ちを支配している脳内全ての事柄がラブリーでキラキラしたものだったハズです。14歳の少女といえばまだまだ子供だし恋愛や綺麗なことが人生の全てだったハズ。そしてそんなスージーが今最も気になっているのが初恋の相手とのファーストキス。彼女にとってはこれが一番素敵な出来事だったハズなのです。そんな理想的な素敵な妄想が叶わなかった無垢なスージー。これがこの映画の全てといっても良いでしょう。  ボトルの帆船が割れる描写、ろうそくの灯が別々に揺らぐ描写、その他多数の不穏な描写の数々が哀れにも素敵すぎました。しかしスージーがとどまっていたあの悪夢のような雰囲気は辛かったです。死んでからあの底冷えがするような不気味な感情を乗り越えて天国に行かねばならないのかと思うと、やはり穏やかに死にたいものです。  ギレルモ・デル・トロも関わっていますし、制作サイドとしてはバッドエンドにしたかったのは明らかです。あくまでモヤモヤしたままで終わらせたかったのでしょう。大人になって見返してみると、金庫が沈むからこそ良かったと思います。観客感情に配慮して”一応”ラストに犯人の転落死の描写を入れてありますが、明らかにアレは蛇足です。遺体は見つからないし犯人も見つからない。だけど家族は前を向いて生きていくしかないし、被害少女たちも昇天するしかないのです。どうにもならないこともあるのです。 成長した妹がノートを見せるか否か一瞬戸惑いますが、あの感情が全てを物語っています。残された最愛の家族の気持ち考えると、今更蒸し返すのが正しいのかどうか。。つまりはスージーは、これで良かったのです。
アラジン2014さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-09-02 12:29:10)
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49.《ネタバレ》 ないわ~これはないわ~ 不慮の事故死、不治の病じゃないんだからさ。だからアン・ハサウェイの「パッセンジャーズ」はすとんと腑に落ちたけどこれはないわ。 まず、スタンリー・トゥッチをキャスティングし、あそこまで描くならきちんと落とし前つけていただきたいです。それをしないのなら初めから出すべき人物ではないと思う。そしてあの最期の生ヌルさに腹が立つ。 遂に落とし前がつくのかと期待したのにスージーの「やり残したこと」てソレ?現実ではスージーの遺体は発見もされてないんですけど。それで成仏できるの?BFのレイも悪いけど全然魅力的じゃないし勘弁してほしい。 現実に子供を理不尽に亡くした親が見たら激怒するんじゃないかと心配になりました、そんな経験のない私がこんだけムカついたもの。 年ごろの娘がもうひとりいるのに母親は家を出て季節労働者とかボランティアみたいなことしてるし。辛いのはあんただけじゃないだろと。スーザン・サランドンが完全に浮いちゃってるし何から何まであり得ないと思いました 連続少女殺人事件の被害者をファンタジーに描くとか神経を疑う。 褒めるとするならシアーシャ・ローナンの存在ですね、神秘的なブルーアイと透明感が素晴らしい。将来はメリル・ストリープクラスの女優になるんじゃないかなんて思う。
envyさん [CS・衛星(字幕)] 2点(2021-02-04 13:55:55)
48.「14歳の少女が殺害される」という設定に不快感を感じながら観ました。連続少女殺人の犠牲者を主人公にする作品を制作ことじたい、ナンセンスだと思いました。ただし、主人公のシアーシャ・ローナンと殺人鬼のスタンリー・トゥッチの演技は素晴らしかったです。スタンリー・トゥッチが最後に死んだのが、せめての救いです。もし、身内で少女殺人の犠牲者を出した方がこの映画を観たら不愉快きわまりないことでしょう。このような題材をファンタジー化してしまうピーター・ジャクソン監督の品位を疑います。。。
みるちゃんさん [DVD(字幕なし「原語」)] 2点(2020-11-09 05:57:49)
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47.《ネタバレ》 ラブリーボーン、というタイトルがずっと疑問のまま未見だった映画をやっと観た。 ラストになって、やっとその意味がわかる。 そして、スージーにとってやらなければならないこととは、犯人に復讐することではなく、憧れだったレイとのキスだった。 殺された直後には犯人を憎んだスージーが、年月を経てそこから離れていく。 スージーの家族も、スージーの死を乗り越えて人生を新たに歩き出す。 犯人に復讐したところで、スージーが生き返るわけじゃない。 魂の平安を得るにはどうすることが必要なのか。 家族の元に戻ってきた母親が、ラブリーボーンとして生きるスージーの姿を伝えているのかな。 釈然としない部分は残るけど、これも一つの解答かな、と感じた。 シアーシャの儚さにも加点。
roadster316さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-07-06 22:18:27)
46.《ネタバレ》 テレビで観ました。なんというかやっぱり明るい映画ではないですね。
珈琲時間さん [地上波(吹替)] 5点(2018-05-13 20:50:40)
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45.《ネタバレ》 観終わった直後は「納得いかない!」って未消化感が確かにあったが、原作者がレイプ被害者と知ってからスルスルっと呑み込めてしまった。…この自分自身の感じ方の変化に戸惑って、しばらく考え込んだ。 ヒロインのスージーは14歳でレイプされ殺されてしまう。物語は、天国と現世の間でさまようスージーと残された家族が、どうやってこの悲劇を乗り越えていくのかを描く。 スージーのいる世界はカラフルで美しく、彼女が苦しみから解き放たれたのが分かる。一方で、家族は事件によって壊れていく・・・というか、だんだん「物語」自体が破綻していく。ママなぜ出ていく?、パパもうちっと考えて行動しろよ、今頃なぜ大活躍なのか妹よ、貴女はどういうポジションなんだグランマ、そしてどこ行っちゃった弟・・・? スージーが好きだった男の子、彼女を「感じ取ってくれる」女の子の扱いもヘン。どっちも影響力が大きそうで、そうでもない(苦笑)。今ひとつ活躍せず、観客が期待する方向に話を運んでくれない。 つまりは、これ、ちっとも「よく出来たオハナシではない」のだ。「事件」と「家族」と「正義」と「愛」という要素の配分、焦点の当て方、描き方が明らかにおかしい。それにも関わらず、最初から最後まで惹きつけられてしまったのは、何かこの作品を貫く“力”があったからだと思わされた。で、その力の正体が冒頭に書いた原作者の姿なのかなぁと。 それはスージーが天国に行く前にしたことに端的に現れている。彼女が「まだ、やり残したことがある」と言って現世に戻った時、観客の誰しもが正義を願ったはずだ。自分の恨みを晴らすと共に、この悲劇の連鎖を止め、更なる犠牲者を出さないようにする、それこそが彼女の使命だろうと。ところが、彼女は自分の個人的な幸せを選んだのだ。社会的な正義を捨てて。私はどっひゃあ~、そっちかよ、と腰がくだけた。ハリウッド映画ってサルにも分かる勧善懲悪がウリじゃないの?なんで、なんで? ・・・でも。これはスージーの物語。もっと言えば原作者(名前も知らないけど)の方の物語なのだろうと。クソッタレな現実に打ちのめされ自尊心を踏みにじられ人生を台無しにされた女の子の物語なのだ。そう考えると、そういう現実を彼女が受け入れて乗り越える為には、あの決着のつけ方しかなかったのだろうと思えた。たとえ復讐を果たしたとしても、或いは犯人に社会的制裁が下ったとしても、彼女に起こった「事実」は変わらないのだから。起きてしまった悲劇を帳消しにすることは誰にもできない。本人がそれを「帳消しにする」と心に決めて忘れるしかない。 第三者には納得いかなくても、当事者であるスージーが救われれば良い。そんな具合に観客を置いてきぼりにして物語は終わる。なんとなく家族も落ち着いていく。忘れた頃に犯人に天罰が下る(偶然の事故とも思えるが)。現実はこんなもんだ。ヒドイ。ヒドイけど、せめてこのクソッタレな現実に打ちのめされ自尊心を踏みにじられ人生を台無しにされた女の子が心の平安を取り戻せれば、それで良いではないか・・・。そんな不思議な着地点に辿り着いて私自身は納得がいったのでした。
ポッシュさん [DVD(字幕)] 7点(2017-07-25 18:50:29)
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44.《ネタバレ》 いろいろと釈然としない映画。不運によって命を奪われた死者に語らせること(しかも生者の想像で)は、死に対して不敬な感じがする。ましてやこの話は女の子に「私は14才で殺された」と言わせる。こんな胸糞悪い思いをさせる以上、この娘の魂が安寧に休まる軌跡を描くべく、制作は全力を注入すべきなのだ。 しかしね、これが「全力で」女の子の死を扱った出来栄えだろうか。そもそも何故成仏(という言葉を使わせてください)しないのか。どんな想いを置き残してきたのか。パパが心配なのか、初デートが果たせなかったことが心残りなのか、少女の想いはどれもうっすらぼんやりと描かれるのはどうして。ここ肝でしょ。 しかもこの子の死後の想いだけでなく、崩壊した家族とその再生ドラマ、さらに殺人犯をいかに挙げるかというサスペンス要素まで盛り込んであるので当然尺が足りない。結果描写は浅くなる。お陰でS・サランドンは奮闘虚しく話から浮いているし、R・ワイズは自分の悲しみを優先して家族を放擲する自己中母さんになっている。ついでながら「天国」の画もありがちなテカテカにキレイなCGで好きではない。 こうも不満が溜まった折りも折、犯人は天罰が当たったようで。これもまあ、あんなぬるいことを、とやんなっちゃった。 あいつはね、レクター博士にでもとっつかまって、ゆっくり食われてゆくぐらいの「天罰」じゃないととてもやり切れないよ私は。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-07-10 00:03:57)
43.《ネタバレ》 さすがピーター・ジャクソン!・・とはならない作品。彼が作った作品と考えるとぶっちゃけ駄作ですね。重い雰囲気だったり軽い雰囲気だったりその場その場で雰囲気がガラっと変わりティストに一貫性がなさすぎてみてる側としては辛い。思わせぶりな霊感のある少女も最後まで絡んでこないし別にいなくてもよかったんじゃね?というぐらい必要のない存在でした。彼氏との再会はもっと違う表現方法の方が絶対よかったです。父親が犯人を推測する部分は観客にはいろいろ情報は提示されてますが、父親には全く提示されてないのに暴走しまくりでおかしい。妹が犯人の証拠を見つけて逃げた後の盛り上がるシーンもなんともグダグダした演出で酷いですね。犯人の結末もなんじゃこりゃ?と誰が納得すんのこれ?悪いところをあげたらきりがないぐらいちょっと酷い。
映画大好きっ子さん [CS・衛星(吹替)] 3点(2017-04-23 15:17:52)
42.観たこと後悔しています。じれったいったらありゃしない内容。殺された彼女たちの恐怖など1%も表現できてやしないじゃないかと思うくらい。見応えはまるでないです。非現実的、スーザン・サランドンの存在意義も不明でした。腹立たしいからもう一本なにか痛快なもの見ないとこの怒りは収まりません。
HRM36さん [DVD(字幕)] 2点(2014-06-01 00:53:35)
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【点数情報】

Review人数 61人
平均点数 5.36点
000.00%
111.64%
246.56%
3711.48%
469.84%
51118.03%
61321.31%
71524.59%
823.28%
911.64%
1011.64%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 4.80点 Review5人
2 ストーリー評価 5.63点 Review11人
3 鑑賞後の後味 4.60点 Review10人
4 音楽評価 5.22点 Review9人
5 感泣評価 4.60点 Review10人
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【アカデミー賞 情報】

2009年 82回
助演男優賞スタンリー・トゥッチ候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2009年 67回
助演男優賞スタンリー・トゥッチ候補(ノミネート) 

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