150.《ネタバレ》 序盤の指詰めシーンに小学生が工作で使うようなカッターを持ってきて、「これで詰めろこのヤロー!」「こんなもんで出来るかバカヤロー!」「なんだ手前!出来ねえのかこのヤロー!」「やってやるよ、バカヤロー!」などと、長州と橋本のコラコラ問答を思わせる言い合いからして面白く、常にニヤニヤしてしまいましたね。歯の治療をしている村瀬に、誰でも嫌な顔をするあの「チュイーン」と歯を削る機具で攻めるというエグイ事をし客を引かせつつ、その後には顔中に矯正具のような物で固定された村瀬を見せ、実はそこでは会食が開かれているというたたみ掛ける流れは、痛々しいシーンを笑いに昇華させており巧いなぁと思いましたね。恐怖と笑いは紙一重と言いますが、似たようなモンでしょう。でも死に様や痛いシーンが多く、バリエーションも豊富なだけに苦手な人も多いかな。 たけしは年々滑舌が悪くなっており老いが来てるなぁと思わせましたが、上手く世渡りできない古風で愚直なヤクザを貫禄充分に演じていたし、主要キャストは全員「わたし悪ですが何か?」という雰囲気を漂わせていて見応えありました。イケイケで仕事ができそうな森永健司が存在感ばっちりに脇を固めていて良いですね。漫画の『代紋TAKE2』で言うと政岡だな。 むかし気質の武闘派ヤクザの水野を演じた椎名と、今の時代に合せて生き、自分以外は馬鹿と思っているインテリヤクザの石原を演じた加瀬も対照的で良かったですね。 「全員悪」とは言いますが、武骨で生き方が下手な人間は長生き出来ない世界なのは一般社会と一緒だなと思いました。まぁでも狡猾で世渡りの上手な人間が天下を獲りましたが、結局彼らも下剋上されていく運命にあるんだろうな。 【ロカホリ】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-06-13 21:39:15) (良:6票) |
《改行表示》149.タランティーノばりに馬鹿馬鹿しい映画だなと思った。勿論褒めている。 ヤクザが雁首付き合って罵り合い、殺し合い、血みどろになる。ただそれだけの映画だと言って良い。 それだけで面白いのだから良いのだと、映画作品そのものが堂々と居直っているように見えた。 “タランティーノばり”と言ったが、この映画が彼の映画を模倣しているという意味ではもちろんない。 それはむしろ逆で、映画オタクであるクエンティン・タランティーノが愛し憧れた日本映画の姿が、この映画に久方ぶりに現れたと言った方が正しい。 つまりは、世界中の映画ファンが“観たい日本映画”とは、体裁ばかりに無駄に大金を投じて中身がスカスカの恋愛映画やSF映画などではなく、“切った張った”の血みどろ映画であるということに他ならない。 この映画は、「ヤクザ映画」というかつて日本の娯楽映画のメインストリームに確かに存在し、日本が世界に対して、アニメ映画と怪獣映画以外で勝負し得た確固たるエンターテイメントの“再構築”だと思う。 「全員悪人」というか、「全員愚か者」と断言できるキャラクターを、そうそうたる俳優陣がそれぞれ抜群の存在感をもって演じている。 彼らのパフォーマンスは皆過剰なまでに仰々しく、決して今の時代において「リアル」なんてことは言えない。 ただその演出は間違いなく正しく、非現実感も含めこれこそが「ヤクザ映画」におけるエンターテイメントだということを高らかに宣言しているようだった。 そういう明確な意志を持って、総愚か者を演じたキャスト全員が素晴らしかったと思う。 また鈴木慶一によるスタイリッシュだがどこか冷酷なまでの軽薄さを感じる音楽も良かった。 それらすべてを導き出した北野武という映画監督は、やはり映画に愛されているのだなと感じた。昨今、ありとあらゆるお笑い芸人がこぞって映画監督に“腰掛けている”が、彼らとは映画に対するスタンスから何から総てにおいて明らかに次元が違うということを改めて思い知った。 “こういう映画”として殆ど文句のつけようは無い。が、敢えて言わせてもらうならば、 椎名桔平の最期酷過ぎるよ、バカヤロー!コノヤロー!続編も期待大だよ、コノヤロー! 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-04-30 23:13:13) (良:5票) |
148.《ネタバレ》 監督の処女作『その男、凶暴につき』への原点回帰とも言える超バイオレンス映画を想像していたのですが、予想は大きく外れました。ブラックユーモアなんて生易しいものではなく、完全なるコメディでした。THE・ヤクザコント。口を開けば「バカヤローこのヤロー」って、お前ら荒井注か!って、何度ツッコんだことやら。今どき居るはずもないステレオタイプな旧式ヤクザを、オールスターキャストがノリノリで演じています。よくもこれだけ味わい深い顔の役者を揃えたものだと感心します。(何故寺島進ちゃんがいない?きっと出たかったでしょうに。)殺したり殺されたり(椎名の殺され方のみちょっとエグいので×ですが)みんな本当に楽しそう。大いに笑わせてもらいました。『みんな~やってるか!』より遥かに完成度の高い“笑い”があったと考えます。キャッチコピー『全員悪人』は勿論ブラフ。本当は『全員馬鹿』が正しい(あるいは『全員荒井注』)。これほどまでに、ヤクザを格好悪く描いた映画を自分は知りません。何なら、教育映画として不良高校生たちに見せたらいいと思います。自分達がいかに滑稽か気付く事でしょう。こんな変化球を投げてくるとは、さすが北野監督。素晴らし過ぎます。続編を作る気になったのも頷ける快作でありました。この出来なら大御所から人気俳優まで続編のキャスティングに困る事は無さそうですが、個人的には死んだはずのキャストを再度起用して欲しいです。それがコントの流儀。石橋蓮司のヘンテコマスクと國村隼のベロチョンパは天丼でお願いしたい。以上、皮肉でも冗談でもない、マジ感想でした。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-02-09 19:28:22) (良:5票) |
《改行表示》147.《ネタバレ》 どこらへんが最高傑作なんじゃ。褒めるところがねーじゃねーか。ナメてんのかこら。 一昔前の堅気が想像するヤクザの世界をそのまま実写化した感じ。何がボッタクリバーだ何が英語をしゃべるインテリだ。テレビ並みに形式化して、事実上見せるのは暴力だけ。何が楽しいんじゃおどれらは。 今ならITヤクザを題材にせんかい。そして闇の世界の背景ににある、さらに巨大な闇を見事に絵に描いて見せんかい。それが可能な立場じゃねーか。TKO負けしてすかしてんじゃねーぞこの野郎。 今更これを作った動機を理解しかねる。以下略 【アンギラス】さん [映画館(邦画)] 4点(2010-06-25 11:18:12) (良:4票) |
《改行表示》146.《ネタバレ》 黒塗りの車が幾台も通り過ぎていく。少し間隔を空けて2台の黒塗りの車がやってくる。カメラは徐々にバンクしながらクレーンダウンして行き、丁度車がカメラに対しての真俯瞰の位置に来た時、流れていた映像がストップモーションとなり、北野映画初となったシネマスコープサイズのスクリーンいっぱいが車一台で埋め尽くされ、タイトル「OUTRAGE」が刻み込まれる。そして映像は再び流れ出し、2台の車が走り抜けて行く後姿を映す。その背景には、樹々が生い茂っているのだが、更にその奥には都心部のビル群が建ち並んでいる。この映画でこれから起こる抗争の舞台となる「都会」だ。このワンショットを観ればこの映画が傑作であり、これが北野映画の上手さだと誰もが直ぐにわかる。 この映画の畳み掛ける台詞と暴力の応酬は、物語など殆ど宙吊りにし、途轍もない速さで映画を展開していく。しかし物語を忘れているわけではなく、物語は物語として成立している。つまり物語を引っ張っていく映像なのだ。映像が物語を形成するという、映画として最も正しい形をこの映画は導き出す。 そして顔だ。常に笑みを浮かび続ける椎名桔平、それと対照的に色眼鏡を掛け笑みを見せない加瀬亮、北村総一朗にひっ叩かれたとき絶妙の表情をみせる三浦友和、そしていかにもずるさが滲み出ている北村総一朗と國村隼、喜劇役者と化した石橋蓮司、成功を夢見るも決して成功を得られそうにない杉本哲太、また真逆に成功を得るために生きていくかのような小日向文世、など主要キャストのみならず映画に登場するすべての役者、彼らの顔がクロースアップのワンショットとして幾度となく繰り返されるが、そのどの顔もすべて完璧であり、彼らはその為に最高の芝居をしている。 北野武久々のやくざ映画「アウトレイジ」は、北野映画が日本映画の中でも間違いなく最高峰であり、そして賢く、そして何より上手く、更には無駄な意味など持たせずともただ単純に面白い映画を作れるのだという証明である。 「会長、オレには?」「バカヤロウ」ストップモーション、最高の終幕である。 【すぺるま】さん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-14 00:47:52) (良:4票) |
145.北野武監督って本当にヤクザ映画が大好きなんだなあ!というのが、感想です。出てくる人物がどれもこれも、悪人としての怖さを十分に見せてくれている。面白いか?好きか?と聞かれると面白い事は面白いけど、好きか?というとそんなに好きにはなれない。デビュー作で見せた静けさの中に有る危険性、危うさとでも言うか?そういう物が今作品ではあまり感じられない。飛び交う台詞の多さによる悪役の多さよりも、映像としての怖さ、台詞に頼る事しなくても人間の怖さ、危険性等を見せる事が北野武監督なら絶対に出来る筈です。そう思うと不満のが多い。武作品としてはメジャーな作品、万人受けしやすく、解りやすい作品かもしれないけど北野武監督にはこの監督にしか撮れない作品を期待したいし、撮ってほしい。 【青観】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-11-08 20:13:30) (良:3票) |
144.「全員悪人」と謳われているとおり本当に全員がワルで、またそれぞれが個性的に描かれていて面白かった。出演者がたけし以外は全員、北野武監督の映画に出演するのは初めてというのも異色。登場人物が次々殺されていく映画をというところから企画が始まったらしく、とくに後半は殺人のオンパレードで、普通なら目を背けたくなるようなシーンの連続なのになぜか安心して見ていられるから不思議。ヤクザを演じる俳優陣は國村準、石橋蓮司といった強面はもちろん、あまりこういう役をやる印象のない加瀬亮や三浦友和といった面々まで好演している。とくに三浦友和がなかなかいい。逆に山王会会長を演じた北村総一朗は確かにうまいけれども「踊る大捜査線」でのとぼけた署長役の印象が強すぎて(ほとんどあの役しか見たことがないのもあるが。)どんなに凄んでも笑えてしまう。たけしの最近の監督作を見るのは「座頭市」以来だったが、全体的に「座頭市」と同じく娯楽に徹している感じで見やすくなっているが、つい最近「その男、凶暴につき」や「3-4X10月」を見たばかりなので、それらと比べるとセリフの量が増えて見せ場が派手になり、初期の映画にあったどこか冷徹な雰囲気もあまり感じられなくなっているのは少々残念。「座頭市」や本作のような娯楽に徹した作風も面白いし、嫌いではないが、個人的には初期の監督作品のような独特の静けさの中に狂気を感じさせる映画のほうが映画監督としてのたけしらしさを感じられて好きだな。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-06-23 13:33:20) (良:3票) |
《改行表示》143.《ネタバレ》 面白い。おかわりもう一杯の勢いで二度目を観てしまった。そして今晩寝る前もう一度見直すんだ☆ 何度目であろうが楽しみなんだ~☆ら☆り☆ほ♪☆ しかし、なんてったって今回の面白さのMVPは國村隼以外に考えられんの。この人今回とことんおもろい。 目玉ぎょろぎょろしてるわ、首から上がゆさゆさしていてるわ、なんやかんやでとにかくおもろい。 セリフだってぼそぼそぼそぼそ なんて言ってんのだかさっぱり聞き取りにくいんだが。 いやあ、それでも許せちゃうんだよな~ やっぱ自分的にはこの人MVPなんだよな~ (貫禄勝ちの芝居だった椎名桔平さん許してゴメン。三浦友和さんだってゴメン。ついでに、重力ピエロの親子役だった御二人さん達に対してもごめんゴメン。あんた達二人も今回、奇をてらったなりにも良かったんだが、なんせ國村が。)で、その國村隼=池元だめだめ組長のナイスショットベストシーンなんですが、実は多々あって1シーンに決めてしまう事って自分的には相当難しいんですが、あえて決めてしまうのならば、やっぱりタケシとの絡みのシーンだったかなあ。2枚舌3枚舌の漫談シーンに至っては大いに笑わせてもらった。挙げ句、あれであれなわけでげしょ‥‥ ああ、おかし。なんて哀れなジ・エンドがお似合いのひとなんだ 素敵なおもろさだったよ。國村隼さま。。。 でも、あれだ。ホント、全員が気合入りまくりでしたね。特に椎名桔平の不敵さがよかった。三浦友和の色黒さが イコール腹黒さって感じでよかった。小日向さんのマル暴だってよかった。ボビーもどきの日本語へたくそ黒人だってあれはあれでよかった。つまり、キャスト全員がMVPだった。 【3737】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-02-03 23:58:16) (良:3票) |
《改行表示》142.《ネタバレ》 1作目からすべて監督作品を観ているが、またヤクザ映画かと正直少しウンザリしてしまう。監督は「俺の映画は痛さがある」とよく言っているが、一番生理的に目を背けたくなるところを逃げているような気がする。リアルティを感じない。 それは死への恐怖があまり描かれていないからだと思う。例えば今まで平気で人を惨殺していた人間が立場が逆になった時、そこから逃げまとうところを、コメディアンのセンスで滑稽に面白おかしくなおかつ恐ろしく撮ることができると思う。まだヤクザになりたてのペイペイが人が死ぬところを見てビビリまくるところもあってほしかった。 死への恐怖があって初めて本当の痛さを感じるのだと思う。 それから、たけしが自分の部下に逃げるように言うが、そこは最後自分が危なくなったら部下を裏切ってほしかった、それでも逃げられなくなり仕方なく警察に逃げ込む方が面白いと思う。 コピーに「全員悪人」とあるのにそれでは、「一人少しいい人」となってしまう。 【こねこねこ】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-12-29 13:37:58) (良:1票)(笑:2票) |
141.《ネタバレ》 こんな映画を待っていた。『HANA-BI』や『BROTHER』のニヒリズムを一切排し、地べたを這いずりながら頂上を目指す外道たちの下克上を、飛び交う怒号と溢れるバイオレンス描写で活写した、たけし会心の一作。大杉蓮や寺島進といった北野組の常連を外し、北村総一朗や小日向文世、加瀬亮といった、やくざ映画とは無縁そうな役者を違和感なく作品に溶け込ませるキャスティングの妙。過激な暴力の間に挟まれる絶妙の笑い。中野の指詰めを巡る押し問答はほとんどコメディと言っても良い。また、椎名桔平の殺され方は凄まじく、数ある暴力描写の中でも特に印象に残った。『仁義なき戦い』以来の傑作と言っても過言ではないだろう。もう一度観たい。 【フライボーイ】さん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-24 14:10:39) (良:3票) |
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140.《ネタバレ》 なんだよ。面白いじゃねえかバカヤロー。カンヌの気取ったガイジンどもにゃ、このテのハナシが理解できねえだけなんじゃねえかコノヤロー。何でヤクザ映画なのにこんなに笑えるんだって思いながら関内と加藤のやり取りを観てると、時々ゾクッとするほどかっこええ水野まで出てきちゃうんだからすげえだろ。加えて、しょうもねえ池元と村瀬のキャラとか、笑うしかねえよ。確かに凄みの利き方が足りねえシーンもあったけど、こりゃもはや「コメディバイオレンス」っていう新たなジャンルの地平を切り開いてるんだよクソヤロー。暴力の連鎖が不毛だとか当たり前のことを当たり前にタラタラ抜かしてる奴らの隣で、タケシさんは淡々とすんげえもん作っちまってるじゃねえか。暴力の不条理さを笑いながらも、その美学への礼儀を欠かさねえタケシさんのスタンスには恐れ入るしかねえだろこのボケが。日本の「パルプ・フィクション」って言ったら褒め過ぎかも分かんねえけど、こいつらの会話とか間とかキャラとかがいちいちこっちのツボに入ってくるんだからしょうがねえじゃねえか。この面白みを理解できる日本人で良かったって感謝するのは久しぶりだよ。最高。 【枕流】さん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-19 18:15:36) (良:3票) |
《改行表示》139.面白いじゃねーかコノヤロー!! 本作「アウトレイジ」は、北野武監督が今まで得意としていた表現、芸術的、叙情的なものを一切排除し、暴力による暴力のためのバイオレンスエンターテイメント映画であり、 それ以上でも以下でもないのである。 だから、感情移入出来ないとか、中身がないだとかそんな批判をするまでもなく、 こういう映画嫌いな人は、「嫌い!」とか「つまらん!」とか「低俗!! 」とか一言で片付けてしまえば十分であると思う。 痛々しいシーンも多いし、笑えるところも意外とある。 監督が得意とする「静」すらも放り投げ、常に誰かが殴ってるか怒鳴っていて、 ひたすら「動」で攻める攻める。北野映画で最もテンポが良いだろう。 伏線や、細かい部分も凝っているようで、確かにもう一回見たい気になる。 どっかの映画祭で絶賛と言うより、タランティーノ絶賛タイプ、 北野武版「仁義なき戦い」とも言えよう。 バイオレンス好きの肉食野郎どもは直ちに映画館へ直行すべし! 【すべから】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-06-13 12:22:25) (良:3票) |
《改行表示》138.《ネタバレ》 過激といえば過激だが、凡庸といえば凡庸。 2時間飽きずに見せる映画だがこの映画から得られるものは北野映画に求めているものとはちょっと違う。 ゴッドファーザーの安っぽい引用(パクリ?)はいただけない。 おとなしい登場人物が最後に生き残るのは「その男、凶暴につき」の2番煎じ。 「TAKESHIS'」から「アキレスと亀」の三部作での不評、不入りがこたえたのか みんなが期待する北野武を演じてるような気がしてならない。 「これが欲しいんだろう?」って感じ。 役者ビートたけしとしても椎名桔平に食われている。 いつもなら他を圧倒する存在感があるたけしがにこんな事ほんとに珍しい。 別に酷い映画ではないけど、この映画はたけしじゃ無くてもよかったかな。 劇中の「落ち目のヤクザだろ?」ってセリフがもろ現在の北野武監督を指している。 たけし映画を見てこんな感想は初めてだな。残念。 【仏向】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-12-27 22:43:18) (良:2票) |
《改行表示》137.《ネタバレ》 間違いなく、北野武の最高傑作といえる作品。ヤクザの世界が舞台になっていますが、人間の持つ本能の愚かさ、哀しさ、そしておかしさをドライでスタイリッシュに描ききった快作です。 非常に陰惨な物語を、コントのような間や表現を利用し、ドロドロとした心理描写を極限まで削り、観客に受け入れやすくしてしまうテクニックは、さすが日本のお笑いのトップを走ってきた北野監督ならではと感じましたね。観賞後、爽快感さえ感じさせてしまう技量は本当に危険ですね(褒め言葉です)。 ヤクザ映画だと思って敬遠すると損をする映画ですね。これは21世紀の「しとやかな獣」です。 【TM】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-10-26 18:29:26) (良:2票) |
《改行表示》136.北野武監督作品の中では、『座頭市』と並ぶ完成度の高い娯楽作品。 現在の日本人監督の中で、単純に楽しめる作品を撮らせたら、最近の北野武監督に勝る者はいないのではないか、というくらい良くできている。 ストーリーの顛末よし、音楽よし、映像よし。 特に、ヤクザものを撮らせたら、間違いなく現在においてはナンバー1の監督だろう。 北野武が、ただ撮りたいものを撮っていた初期の頃と比べて、“職人監督”と呼ぶべきに相応しい、監督しての巧さを感じさせる。 ただし、それが良いか悪いか。 個人的には、少し残念だと感ずる。 初期の頃に感じた、心に深く突き刺さるものが感じられない。 何か、角がとれて丸くなった印象。 監督としての総合的技量は、年数を経るにつれ、格段にアップしていると感じるが、逆に初期作品の頃に感じられた、鋭利なナイフのような切れ味がなくなっている気がする。 だが、それは北野武の計算なのかもしれない。 何故なら、比較的最近でも、『TAKESHIS’』の様な、自分の撮りたいものを好き勝手に撮っただけの作品も、撮ってはいるから。 商業的な作品と、自分の取りたい好き勝手作品とを、器用に撮り分ける北野武。 それはそれで凄い。 でもできれば、娯楽性が低く世間一般の評判は低くとも、初期の頃の様な作品や、最近で言えば『TAKESHIS’』の様な自分勝手な作品を、もっと撮って欲しい。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-01-26 01:00:36) (良:2票) |
135.《ネタバレ》 本作は劇場でも観たが、メイキングが観たくてDVD【スペシャルエディション】を購入した。メイキングを観ると改めてこの映画のすごさが分かる。俳優陣が「北野監督は演技について多くを語らない」と言って戸惑いをみせていたが、その通りだった(笑)。メイキングはほんの一部だとは思うが、ホント監督の俳優への指導はあっさりしてる。そして早い。失礼だが、「まぁ、いっか」みたいな感じ。それにして、それぞれのキャラクターにあれだけの個性を持たせるのだから恐れ入る。俳優の力はその通りだが、北野監督の感性と信頼がなし得たものだろう。椎名桔平、加瀬亮、三浦友和などそれぞれの俳優が新たな魅力をみせているが、自分は特にも北村総一朗を押したい。メイキングを観ると、スタンバイ中は穏やかでニコニコとしたいつもの笑顔を見せている北村だが、カメラが回りだすと笑顔が消え一気に恐怖の会長に変わる。あの鋭い目。歩き方や構え方。プロの役者とはこのことかと鳥肌がたった。どこかの署長役とは全く別人。暴力描写の部分が大きく話題になっている本作だが、ストーリーも十分面白い。ヤクザの世界を描いているとはいえ、「結局自分のことしか考えていない」「都合が悪くなれば人に任せて知らんぷり」「やばくなったら逃げる」といったプロットや登場人物たちは現代社会へのメタファーだ。上司を思い出して腹がたった。エンターテイメントに徹したという監督の意気込みは見事に成功したと思う。ただ、おしいと思う点は…あのエンディングのスローモーション。あそこはスコセッシばりの不意打ちで、ズバン!ズバン!と畳み掛けるようにやってほしかった。そして、小日向演じる片岡刑事の相棒。あの相棒が最後片岡を裏切ると思っていたが…読みが外れた…。。ラスト近くのカフェのシーンで、大友と片岡の会話を意味深に見つめるアップがあったから…。とにかく、みんな悪い奴らだった。メイキングの話ばかりですいません。 【テンパーる】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-12-08 00:10:27) (良:2票) |
134.《ネタバレ》 2度目観賞。兄弟・親子分の間で血で血を拭うヤクザの抗争劇。組織間の上下関係が明解で、下克上を目指して野心に溺れていく裏社会のドロドロ感がよく再現されていたと思います。「~、コノヤロー」「~、バカヤロー」のセリフがB級漫才みたいでオモシロすぎ。今年度を代表する傑作です。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-07-02 23:53:13) (良:2票) |
133.《ネタバレ》 ただのヤクザ映画。困った事に、ここに出てくる連中の誰一人として魅力を感じられませんでした。バカな連中が勝手にバカやって死んでゆく、でも、そこにシンパシー抱ける場合もある訳ですが、この映画は完全に閉じちゃってるんですね。終始自分達だけの世界だけで物語が進んでゆく感じ。それは自分達の世界だけで映画作ってる、ってのとイコールな気がしちゃって。勝手にやってくれ、って思いがヤクザの話と映画製作とでダブってそこにあるみたいな。各役者さん達の演技もバラバラで、ヤクザってものの表層しか描かないって姿勢では奥行きも生まれず、それはまるで東映ヤクザ映画、Vシネマの出涸らしみたいなもんで、何も新しいものを得られる感じがなくて、まるっきり自分には無価値な映画。だから0点でもいいんですけど、一応ちゃんと映画になってはいるので。北野監督って元々引き出し少なくて『ソナチネ』までで才能枯れたんでないの?って思ってる人間なので、本当はもう見ないに限るんですけどね。これでもかつてフライデー事件後のEASTでの復帰ライブに行ったくらいのファンなんですよ。でも、映画監督北野武はちっとも好きになれなくて。もうとっくにネタなんてないのに誉められたくて映画ってオモチャをいつまでも手放せないような感じがしちゃって。日本にも北野監督より映画を撮って欲しい人はいっぱいいるんだけどな。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 3点(2010-06-16 16:38:44) (良:2票) |
132.《ネタバレ》 冒頭のボッタクリバーに引っかかるサラリーマンが秀逸。すべての発端は彼から始まったのだ。このやり取りがリアルなおかげで次に仕掛ける罠に私は完全に引っかかってしまった。痛い映画という表現が良く使われるが、この映画はそれが主ではない。殺しの部分をリストラやいじめに置き換えると社会のあちこちの縮図に見えてしまう。学校や職場やクラブやPTAなど集団社会で少なからず起こりうる展開だ。北野作品初出演の豪華な俳優陣の細かい芝居も見ごたえアリ。見る人によってそれぞれの役作りが楽しめる。特に北村総一朗に頭をはたかれた後の三浦友和の表情と顔色の悪さが好きだ。頭をはたかれるシーンは2度あるが、2回目の表情が感慨深い。1回目のカチンときた表情が見事に消えているのだ。これはその後の展開を示唆する重要な表情だ。さらに顔色メイクも素晴らしい。明らかに酒で肝臓を患っている土気色。よほどの酒量を示す割に三浦の飲酒シーンがほとんどない。北村総一郎の前では従順な態度。それはあくまで表向きであるということ表しているのだ。三浦友和一人ピックアップしてもネタは尽きない。それにしても、この映画は観るたびにいろいろな発見がある作品。北野武監督に限らず、何度でも楽しめる作品は久々だ。はやくDVDでチェックしたい。 【やしき】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-06-13 00:43:58) (良:2票) |
《改行表示》131.ヤクザなんてダサいし、すぐ死ぬし、馬鹿らしいというのがよくわかる映画。 なんか色んな派手な死に方が見れて楽しいです。SAW(ソウ)シリーズを観ている感じに似てる。 ちょっとした油断ですぐ殺されるのでこっちの方が生き残るのが難しい気がする。 また、バイオレンスの合間にたけしらしいギャグが散りばめられていて面白い。 【ヴレア】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-09-09 21:19:32) (良:1票) |