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息もできない

[イキモデキナイ]
Breathless
(똥파리/Ddongpari/糞蝿)
2008年上映時間:130分
平均点:7.37 / 10(Review 59人) (点数分布表示)
公開開始日(2010-03-20)
ドラマバイオレンス
新規登録(2010-03-04)【Carrot Rope】さん
タイトル情報更新(2010-05-12)【Carrot Rope】さん
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監督ヤン・イクチュン
キャストヤン・イクチュン(男優)サンフン
キム・コッピ(女優)ヨニ
脚本ヤン・イクチュン
製作ヤン・イクチュン
配給ビターズ・エンド
編集ヤン・イクチュン
字幕翻訳根本理恵
あらすじ
高利貸の金を回収するヤクザさんとふとしたことで知り合う高校生を巻き込んで進んでいきます。彼のドツキの早業、乱暴さ、そして、彼の家族への思い、繊細さ、「息もできない」展開で物語は進みます。最後までみて彼の心を考えてあげてください。ありえない結果となり終焉を迎えます。映画をお楽しみください。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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59.《ネタバレ》 主人公サンフンは見知らぬ女を執拗に小突いている男を殴り倒し、うずくまり怯える女の頬を今度は自分が叩きながら「お前は殴られてばかりでいいのか?」と問う。その直後、彼の後頭部めがけて振り下ろされる強烈な一撃。わずか数カットで主人公の生き様を示唆するこの冒頭から以降も、映画は幾度となくこうした「反撃」を繰り返す。反撃とはつまり暴力の連鎖だ。ヒロインたる不敵な少女ヨニとの出会いすら、彼女の勝気な平手打ちへの過剰な反撃として描かれる。だが、ひるむことなくこの暴力男と渡りあうヨニが彼に突きつけ求めるのは、反撃へのさらなる不毛な反撃などではなく、缶ビールの形を借りたささやかな詫びと落とし前だ。石段にならんで座る二人に流れる静謐は、サンフンの凶暴な人生哲学が初めてゆらぐその一瞬でもあっただろう。かつて暴力により家族を奪った父に「反撃」として制裁を加える彼にとって、暴力とは元来憎悪すべきものであったはずだ。殴る男(父)への憎しみから受動的に端を発した彼の暴力が、けれど次第に能動的衝動へと肥大し、かつての父のそれと相似形を描いていく恐ろしさ。その矛先は取り立て屋として訪れた先の債務者や手下の弟分に向かう。制裁を超えた私刑として下される父への「反撃」もまた然りだ。原題が示す「糞にたかる蝿」のように強迫観念にも似た暴力衝動に囚われ、自らこそが怪物となるサンフン。一方そんな彼にとっての菩薩となる、自分自身傷だらけのヨニ。互いの過去を嘆くでもなく胸に秘めたまま、夜の漢江のその畔で、痛々しい膿を搾り出すが如く涙をこぼしあうサンフンとヨニ。だが慟哭するサンフンに膝を貸し嗚咽をこらえるヨニが彼女自身の膿を出し切ることはないのだ。容赦のない連鎖の罰を受けながらも魂を浄化するように息絶えるサンフンと、その亡骸を前にやはり懸命に嗚咽を殺すヨニ。そして膿を吐き出せぬままの彼女が回想する、膿の元凶たる母の死。その余白にちらりと過る男の影がやがてくっきりと焦点を結んだ時、ヨニはサンフンの遺した幸福な光景と、等しく彼の遺した拭い去れぬ糞の痕跡、そのはざまに息を呑んで立ち尽くす。彼らのささくれだった魂がまるで閃光のように強烈に、フィルムにそして私たちの眼に焼きつく。恐るべき傑作だ。
BOWWOWさん [映画館(字幕)] 9点(2010-05-13 17:20:14)(良:3票)
58.《ネタバレ》 ヤン・イクチュン演ずるサンフンが実に素晴らしい・・口から出る言葉は汚い罵り、すぐ殴るしょーもない奴なのに愛すべき一面を垣間見せる顔つきと態度で感情移入しまくりでした。ヒロインのヨニ役のキム・コッピは幼さが残る女の子なのに乱暴なサンフンと堂々とやり合う度胸を持ち合わせていながら、精神的脆さも見え隠れするような絶妙な見せ方に魅了されます。他のキャラクターも適役として言いようがないハマりっぷりでした。映画全体としては暴力シーンが多いのに、基本は静かで地味ともいえる感じに見えますが物語の巧みな展開とキャラクター造形で他の映画にはない独特の魅力を確立していると思います。舞台となる坂の町は平面の町にはない独特の広がりと奥行きを見せて、それだけで味わい深さを感じます。そんな町に生活するサンフンとヨニはお互いの素性や過去を知らないまま交流を続け、家族問題に苛まれるとサンフンはヨニを呼び出して、ヨニも応じ家族のシーンではお互いに見せない穏やかなひと時が淡々と映し出される所は一見、微笑ましいですがヨニの家族の問題はヨニの弟がサンフンの仕事に絡む展開になり深刻化されているので、関係を何も知らないヨニとサンフンの姿に何と言えない切なさがあります。しかし物語を経てサンフンはヨニにすがり号泣しヨニも号泣し、お互いに心を許した事でサンフンに前向きな変化を見て物語は希望的なものに収束するかと思いきや・・サンフンの今までの暴力が取り返しの付かない連鎖に巻き込まれていた事を見せるあの瞬間はすべてを打ち砕き、どうしようもない気持ちにさせられました。しかしサンフンが寝そべる姿のショットが実に美しいのが参りました。そしてそれぞれの家族が何とか悲劇を乗り越え立ち直るかに見せた瞬間のラストシーン・・ヨニは自分の忌まわしき最悪の過去を新たに目撃しその中に弟がいてヨニは呆然と見つめる・・しかもその姿にサンフンの姿が重なり、すべてを悟ってしまった、あのラストシーンは確実に何かに蝕まれ、どんよりしているのに美しさも兼ねていて『うわぁ・・どうすりゃいいのよこの光景?』と困惑してしまい、どう感じたらいいのか分からなくなるくらい衝撃でした。終わっても頭の中では勝手にラストシーンと様々な画面が繰り返され脳内再上映状態になり、しばらくこの映画から離れません。その現象が私にとって『傑作』という証拠です。
まりんさん [映画館(字幕)] 10点(2010-05-02 22:09:44)(良:3票)
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57.《ネタバレ》 監督したのは主演のヤン・イクチュンだということを観賞後に知ったのだが、まずもってそのことが最大級の衝撃だ。言っちゃ悪いが某ヤンキーボクサーそっくりの風貌の持ち主が、こんなに深みのある映画を撮ってしまうとは(いや別に顔で差別してるわけじゃなく、表現するものの高低差に唖然としたのだが)。 【以下もろバレ】 (中略) チンピラの話である。主人公は暴力をふるうことに躊躇しない。時にはコミュニケーションの手段ですらある。なぜそうするのか。彼が暴力の生み出す連環の中にいるからだ。自分の親父の暴力が招いた結果を知っていながら(=知っているからこそ)、その親父を許し難く、暴力をふるわずにはいられない。暴力は暴力を産む。その連環の中で生きる術は暴力の王でありつづけることしかない。だから彼は誰に対しても暴力をふるう。警官相手ですら躊躇しない。そして暴力をためらう女や後輩に対しては、生き残るためにためらうな、と叱責する。 暴力のない普通の世界は彼には受け入れがたい。だから彼は姉が苦手だ。しかし甥と戯れることには積極的である。また、ヨニというなぜだか生のままの自分との応答が可能な女と出会う。それらが徐々に彼を変えていく。 (中略) 漢江のシーンで、主人公はヨニの膝の上で泣く。つられてヨニも泣く。ヨニの涙は過酷な自分の運命を呪う涙だが、主人公の涙は運命を呪い続けることに挫けた涙だ。二人は互いの涙の事情を知らないが、にもかかわらず互いに何かを共感して泣く。さらに言えば、そんな二人の共通の未来が開かれたことを予感し、安堵して泣けた涙でもあると思う(むろんはっきりとした台詞があるわけではないので、すべて私の想像である。こんなことは観るもの各々が勝手に感じ取ればいいのである)。 しかしこのシーンはすばらしい。並の映画3本分ぐらいの価値があると思う。なぜこんなにすばらしいのか、よくわからないところがまたすばらしい。 ラスト、しかしやはり負の連鎖を断ちきることはできませんでしたというという、ヤクザ映画にお約束な終わり方で物語は終わる。これはやはり少々残念だと感じる。暴力の世界の人はそこから決して出られないみたいなことを露骨に暗示してしまっているからだ。むろん物語的にはその辺りに着地するしかないということはわかるが、もうちょっとズラした結論にしてほしかったと私は思う。むろん希望の持てる方向へである。 
アンギラスさん [映画館(字幕)] 8点(2010-05-02 13:22:24)(良:3票)
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56.《ネタバレ》 暴力を振るう者はいつしか必ず暴力を振るわれる側になるのだということを、この映画はタイトルが出る前で既に語り、そして台詞として語り、そして全編を通して語り尽くす。暴力は暴力を生むこと、暴力の連鎖を食い止めることの困難さを示す。暴力を捨てたサンフンに彼が今まで振るい続けた暴力がまとめて返って来るのだし、それは実質的な暴力のみならず、辿り着きたい所に辿り着けなくなるという、暴力より遥かに過酷な罰となり我に返って来る。この映画もやはり暴力を振るった者である場合、愛や家族、そういったものであれど、彼を暴力という柵からは解き放つことは出来ないと示す。 しかしそれはそれであるが、そうであって欲しくはないというのが、希望や許しであり、勿論この映画もそれを描かずにはいられない。 ヨニはサンフンが何故泣くのか理由を知らないのだし、またサンフンもヨニが何故泣くのかを知らない。互いの理由を知らぬふたりが、全く違う理由のようで、根底は実は同じである理由で、共に涙をする姿をワンショットで撮る。つまりワンショットの中には結果のみが集約されているのだが、それと同時に観客のみがそのどちらの理由をも知っているということがこの漢江でのシーンの美しさを際立たせる。 そして焼肉店でのクロースアップ、クロースアップ、クロースアップ・・の連続は、サンフンの視点である。彼の姿形こそそこには存在し得ないのだが、彼の望んだ結末を、彼が望んだ光景を、彼に代わり、我々観客が目の当たりにする。その幸福感を共有した我々は涙を流さずにはいられない。その涙は勿論我々の涙だが、同時にその涙はサンフンの涙となる。この瞬間、映画はスクリーンなどというものを飛び出し、観客と一体化するのだ。傑作。
すぺるまさん [映画館(字幕)] 9点(2010-04-19 23:57:41)(良:3票)
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55.《ネタバレ》 公開当時、見終わった後、普段なら絶対買わないノベライズ本を買って帰りました。何か手元に残したくて。  その後何度か見返してますが、何度見ても胸が詰まります。 サンフンの暴力でしかコミュニケーションが取れない哀れさ。 ヨニの辛い環境でも無くさない自尊心と母性の健気さ。 どちらも、やり場の無い気持ちをもてあまして自分がつぶれそうになってる。  言葉で表現できたり人に伝えられたりできれば、少しは気持ちが軽くなるけど、 二人ともそれができません。 サンフンは言葉を持たず、ヨニは高校生には抱えてるものが大きすぎて、できません。  サンフンの末路は予想できるものだし、ラストにも救いがありません でも、生育環境や生活環境が、いかに子供に大きな影響を与えるかとか、暴力の連鎖や因果応報とか、この作品はそんな教訓めいたことを言ってません。 何も分からせようとか教えようとか、そんな意図が無く、あるがままをぶつけてくるから見てて苦しくなります。  ただ見る者に何かを感じさせ、振り返ったり決意させたりする。 救いが無いからこそ、何とかしないとけいないと思わせてくれる作品だと思います。
nanapinoさん [DVD(字幕)] 8点(2019-02-19 19:25:36)(良:2票)
54.《ネタバレ》 彼は自分のマイホームを売って、この映画を完成させたらしい。そりゃ息もできないだろ。しかも、手ぶれ映像が、あまりにもひどすぎる。むしろ息ができないのは私の方だよ。私はこういう男は許せない。道を歩いていて、こういうチンピラに突然、頭を小突かれたら、どう思う?つまり、暴力を振るわれた人は、どう感じるか?「この男の人は、家族が不幸だから、仕方ないよね、あははははははは」と笑って許すだろうか?笑えるかよ。絶対に許せないだろう。こういう人間は、好きな人間には暴力をふるわず、好きではない人間には暴力をふるう。それだけなのだ。そもそもこの男が、高校生の女の子をいきなりぶん殴って気絶させるシーンはおかしい。殴られた女の子が自分を気絶させた男と、のんびりと会話をしようと思うだろうか?断じてありえない。男は殺された。しかし殺されていなかったらいつかは誰かを殺していたはずだ。だから男は、自分が殺人者になる前に殺されてよかったとおもう。むしろ彼にとって、殺されることは、1つの救いだったのではないか?つまり、ようやく彼は苦しみから解放されたのだ。彼を倒した弟は、単なる悪がきだが、最後によく仕留めてくれた。とどめも、ばっちりさしてくれた。私はようやく安堵した。社会には因果応報は必要なのだ。主人公の境遇には多少同情するが、仕方なかったと思う。どうか安らかに地獄に堕ちてくれ。
花守湖さん [DVD(字幕)] 0点(2012-09-30 09:45:24)(良:2票)
53.《ネタバレ》 漢江での膝枕シーンが素晴らしすぎる…。本当はお互いにもっと自分のことを打ち明けたかったはず、でもそれができない二人が流す涙。苦しくて、切なくて、でも安らぎも感じるこの気持ちは只事ではない。本当に凄い映画だと思った。つらい環境の中でも笑顔を失くさず、ひたむきに生きるヨニが愛らしくて、みんな幸せになってほしいと願ったけど、サンフンの死は因縁になっているのでこの結末ありきの物語。暴力の連鎖をしっかり描いている。
リーム555さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-03-24 21:37:42)(良:2票)
52.子供や女性や老人や自分の愛するひとが、”暴力”によって”破壊される”殺される”脅かされる”ことを”目撃”したりまたは、”自ら手を下す”事は、”人間”にとってはどのような感情を起こさせるのか?身がすくむのか!?恐ろしいのか?!悲しいのか!?やるせないのか!?どうしようもないのか!?これは映画であって現実ではない。しかし、観客全員が当然、周知のとおり、現実世界はこんなに生ぬるくない!!!!もっともっと、恐ろしい世界なのだ!!(というか人間そのものが、恐ろしいものなのですが)現実にはいろんなヒトがいるだろう。暴力とは無縁で生きているしあわせなヒトもいれば、主人公たちみたいなヒトもいるだろう。もっと、もっと悲惨なひとも大勢いるだろう。。。。。。。ハンガン川でのつかのまの膝枕の二人の”愛の時間”は”涙の時間”は、この世に生まれてきたすべての人間が持つ、”生命のかなしみ”にも思えた。すばらしい映画だな!名作!観ている誰もが、途中から、この悲劇の末路を想像し始めただろう。悲劇で終わるのは間違いない!しかし、どのような結末を迎えるのか?イヤーーやってくれた!この監督!!主人公兼務なだけに、まったく”最高カッチョエーー”死に様をつくったなあ。”最後の日”の仕事に向かうあたりからもうゾクゾクしたね!気弱になってて、逆に客からハンマーでやられて、手下からもボコボコにやられて、もう、脳なんかもメチャクチャだろうに、鼻血だして、それでもやっと歩いて”こりゃまずいぞ、学芸会に行かなきゃ!”ってよ、、、、もう、オレも涙ボロボロだぜ。最高にカッチョヨカッタけど、、、もう、、、合掌です!ほんっと!生き残ってほしかった。
男ザンパノさん [映画館(字幕)] 9点(2010-05-11 20:45:49)(良:2票)
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51.《ネタバレ》 お話としてはよくできているが、良くも悪くも韓国映画によく見られるあざとさで、ストーリーの先が見えてしまう。 サンフンは因果応報の殺され方をすると前半でもう予想がついてしまうが、彼女と一緒に歩んでいくためにも今日で仕事を辞めると決めて最後の取り立てに行く時点で、悲劇のフラグがはっきりと。 幸せを掴む直前でぶち壊しにされるのは、あまりにも王道すぎるパターンだから。 そんなわかりきった展開でも退屈しなかったのは、演技が上手いからか。 特に、ヨニ役のキム・コッピが良かった。 サンフン役で監督・脚本も兼ねているヤン・イクチュンも良かったけど、フジモンにそっくりと感じてしまったのがずっと尾を引いて…。 日本でいうなら長渕剛がよくやっていたような役なのに、フジモンが浮かんでは微妙な感じに。  主人公のチンピラに感情移入できれば感動もできたかもしれないが、哀れな奴だとは思えてもまったく同情はできず。 こういう人間は好きになれないし、主人公に惹かれないとどうしても作品の印象は下がる。 不幸な生い立ちなのはわかるが、恨みを晴らすのなら自分を酷い目に遭わせた相手にだけすればいい。 激情的で恨みがましく、八つ当たりのようにだれかれ構わず暴力を振るいまくるさまは、迷惑なクズ以外の何ものでもない。 よくある凶悪犯の弁護で不幸な環境のせいにするのと一緒で、甘ったれるなと反吐が出る。 そんなものは被害者には何の関係もないし、不幸な身の上でも歯を食いしばって真面目に生きている人は山ほどいる。 いい年をした大の男が、いつまでもグレた中学生のようでは情けない。 その点、同じような息もできないほど閉塞的で劣悪な環境にありながら、女子高生の真っ直ぐに澄んだ瞳と健気さが眩しくて、彼女にだけは同情してしまう。 心はボロボロになっているのに、荒みきった男の心を溶かすほどの芯の強い優しさは、聖母のようだ。  そんな心優しき女子高生が呆然と立ち尽くすラストはやりきれない。 ヨニの母に暴力を振るって殺した取立て屋が実はサンフンら一味だと、最後まで気が付かなかったのが救いだろうか。 暴力は新たな暴力を生む。 戦争が止められないのと同じ類の虚しさが、余韻として残る。 同時に、韓国社会や国民情緒の負の一面も感じてしまう。  ※追記 二度目に見ると、フジモン似は気にならなくなって映画の内容に入り込めたので5→7に印象アップ。 サンフンは嫌いだが、やっぱりヨニが健気で良い。
飛鳥さん [DVD(字幕)] 7点(2015-02-07 00:04:31)(良:1票)
50.間違いなくこの映画を見た人はシバラマって韓国語を覚える。
akilaさん [DVD(字幕)] 6点(2011-08-27 16:01:27)(笑:1票)
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49.《ネタバレ》 恐るべし韓国映画。 内容はバイオレンス映画。 そこに絡む、あまりに哀しい人々のドラマ。 久しぶりに興奮できたこの作品に、まず感謝したい。  やはり生い立ちというものが、その後の人生に影を落とすものなのか? 主人公は悲惨な幼少期を経て、ヤクザの世界へ足を踏み入れる。 血のかけらもない暴力を繰り返し、あてもなくその日を暮らす毎日。  だが、彼の心の奥底には、あまりに純粋であまりに脆い、人間への愛が存在していた。 高校生の少女や男の子とのふれあい。 言葉は汚いが、彼の心には確かな優しさを感じた。  ラストの壮絶死は、因果応報としてみれば当然の結末だろう。 しかし、そこに更生という救いはなかったのか? 彼は学芸会という場に参加する資格がなかったんだろうか? そもそも彼は不幸を背負い、空虚に生きてきて、ろくに愛情を受けたこともなかった。 そんな彼を学芸会の場に連れていってあげてほしかった。  壮絶死によるラストの結びは、因果応報的に当然の帰結と頭では分かってはいても、主人公の生い立ちを考え、主人公が内面の奥に持っていた優しさをも考えると、やっぱり学芸会を彼に見せてあげたかった。  それはそうと、あの海辺での膝枕シーン。 あれにはやられた。 完全にやられた。 ノックアウト。 涙腺が緩んだ。 男女の心のふれあい。 人間の温もりと癒し。 近年でも稀にみる名シーンだ。
にじばぶさん [DVD(字幕)] 8点(2011-07-20 01:49:37)(良:1票)
48.いきろ。
michellさん [DVD(字幕)] 9点(2011-03-28 22:46:55)(良:1票)
47.《ネタバレ》 イップンだったかニフンだったかサンプンだったか知らんが、自業自得だ。現状を見る限りではサンフンに対して同情の余地は一切ナイ。こんな男さっさと死ねばいいんだ。シバラマがっ。暴力の塊に街をうろつかれては困るってんだ。シバラマがっ。シバラマ シバラマって テメェ どんだけうるさいんだよ シバラマが! って (でもそれが次第と心地よくなってきちまったじゃぁないかよ!バカタレがっ!) だがしかし、予告編の期待を裏切らなかったその内容にはもう脱帽。そして、後に知ったことなんだが、ヤン・イクチュン この人自体が監督であった事にめちゃ衝撃。よくもこれだけ醜い憎まれ役を自分で演じきったもんだ。というか、逆に自分でやらなきゃ誰も作りきれなかったであろう サンフンという役作り。残念ながら、DVDであっても特典らしきものは特になく、その撮影風景や監督インタビューなどを覗くことは出来なかったんですが、やはり、ヤン・イクチュンというこの人、すごく気になった。 で、速攻にて調べてみました。ヤン・イクチュン‥‥ ああ、なるほど‥。 結果、普通の青年であったことに安心したというか、少々肩透かしを食らってしまったというか、感想としては微妙で、どっちつかずな思いが生じてしまったが。 (自分が確認した画像及び動画では 既に髪も結構伸びてて黒キャップを普通にお行儀良くかぶり、時折笑顔も交えながらのインタビュー対応シーンでした。) そんなわけから、もちろん今後益々のご健闘を期待したいのはヤマヤマなんですが、かなり難しいヤマとなるのじゃないでしょうか この作品を越えるということは。プレッシャーに負けじと頑張ってってほしいもんですね。自分の予測が外れたならば、それこそ幸いなんですが。 最後にヨニ役のキム・コッピ。サンフン相手に啖呵切るとこ すっごい心地エエです。ナイスです。サンフン相手にねちねち口では絶対に負けんとこ 心地エエです。何かといろいろナイスやったです。
3737さん [DVD(字幕)] 9点(2011-01-03 18:23:31)(笑:1票)
46.痛い、痛すぎる。暴力をふるわれる側の肉体的な痛みではなくて、暴力を行使する側の自身も知らない魂の痛みがひしひしと伝わってきてしまう、こんな暴力映画他にあっただろうか。暴力と暴言でしか語る言葉をもたないサンフンのような主人公に感情移入するなんて、普通だったら無理!って感じだし、暗くて救いのない暴力映画なんて観る気分じゃないしもう観ないで返そうかなとも思ったんだけど、本当に観てよかった。いつでもそうなんだけど、間違いなく私の中の名作!って映画に出会ったときって、なんかすごいって思いでいっぱいになってしまって、一体何がすごいのかって言葉にするまでにすごく時間がかかっちゃうんですよね。何度も観て、反芻して、それから感想を口にすべきなんだろうけど、とにかくこれはすごい!ってことをとりあえず言いたくて。
カエル本舗さん [DVD(字幕)] 9点(2010-12-07 16:55:47)(良:1票)
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45.すっっっごい。 いっぱい考えちゃう。  苦しい。   生きるってなに?  そういう運命 って納得すること? 苦しい。苦しい。痛い。痛いよ。。。                   シッバラ~マ~!!!!!!                      これは覚えた。
momomoさん [映画館(字幕)] 9点(2010-06-22 02:23:30)(笑:1票)
44.ぶん殴って気絶させてしまったヨニを少しだけ離れて待つサンフン・・・。この出会いのシーンだけで、私は彼を少しだけ好きになった。束の間の幸福なんて思ってもいないと言わんばかりの甘さのかけらもない市場のシーンにもぐっときた。ラスト、焼肉のシーンで、彼が皆を巡り合わせたことに感動して涙がこぼれた。生きてきた意味あったじゃん、って。ひきずることしかできない人間はつらいな。これを撮りあげることで何かと決別したヤン・イクチュンの力技に脱帽です。
showrioさん [映画館(字幕)] 9点(2010-06-04 01:30:19)(良:1票)
43.《ネタバレ》 なぜだか惹かれていく、チンピラと女子高生。おそらくお互いの不幸の匂いで惹かれたのだと思うが、実はお互いの不幸のことをあんまりわかってはいないという心許ない風情。また、主役のヤン・イクチュンの、とんぼの頃の長渕剛みたいな息苦しさ。それらが魅力の本作なのだとは思うが、しかし。暴力がヒリヒリしすぎで見てられなかったなあ。どうしようもない嫌悪感。切実なものを見ているような気持ちにもなっていましたが、おそらく切実なのは「貧困」だったのだろう。オラは好きじゃない。
なたねさん [DVD(字幕)] 3点(2023-07-29 14:04:48)
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42.《ネタバレ》 膝枕で泣くシーン。 互いに何故泣くかの説明がないのがすごい。  サンフンがどうやって死んだのか、ヨニへの説明もないからすごい! いつも説明できないことばかりなんだ。  ただ、学芸会に行く約束ってのは急に日曜ドラマっぽい。
LOISさん [インターネット(字幕)] 7点(2022-02-12 21:53:23)
41.《ネタバレ》 多部未華子にそっくりなキム・コッピのキャスティングがばっちりはまっている。多部よりも線が太く勝ち気で意志が強く母性も強いヨニの役をしっかりと演じている。暴力シーンがこれでもかというぐらい溢れているが不思議と過剰だとは感じられない。オールドボーイとかの方がむしろ狙った感が透けて見える。設定としてはよくある優等生女子と不良男子の恋愛ものカテゴリーにもみえるが、この映画の独自性は暴力性ではなくむしろ「家族」という人間関係にこだわっている点だと思う。父の虐待により家族が解体し、母も亡くし彼を憎悪し、家族というものを忌避するようになったサンフン。しかし腹違いの姉の息子ヒョンインを不器用な表現でかわいがり、やはり家族を希求しているサンフン。一方ヨニの家族も母は既に亡く、父親は呆けており、兄もグレて金の無心しかしない状態で完全に崩壊している。彼女も孤独であり、家族のぬくもりを求めている。物語が進むうちにサンフン、ヨニ、ヒョンインの3人の疑似家族が醸成されていく。そしてサンフンが変化するのは父親を殺そうとしたのにすでに自殺を試みていた彼を見つけ、必死で救おうと病院に担ぎ込み輸血までする。自分の中にあれだけ遠ざけようとしていた拭い難い家族への愛情をはっきりと確信したのだろう。そして夜河原でサンフンがヨニに膝枕をお願いするシーンは互いの心境の変化と心情の接近が非常に過不足なく甘ったるくもなく抒情的に描かれたいいシーンだと思う。サンフン亡き後のマンシクも含めたヨニ、姉、ヒョンインの疑似家族的な温かい交流シーンが描かれるが、そのあとすぐにそれをを打ち消すかのようなシビアなラストシーンはヨニにとっては救いがない残酷なシーンでこれも監督の甘ったるくしないぞという意思が感じられなかなか良いと思った。そういう意味ではこの作品は人間の残酷さと愛情深さという両極の要素のバランス配合が非常に優れた良い作品だと思う。
エリア加算さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-09-19 00:09:23)
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40.《ネタバレ》 舞台は現代の韓国。幽霊も怪物も超能力も魔法もない世界。 それはつまり日常で、そして暴力男が主人公の映画。  徐々に主人公の男の生い立ちや現状がわかる。 毎日の生活、行動の裏側がわかり同情してしまう。 同情できる面があるように撮られてるから、当然だ。 しかし主人公の男はクズだ。 関わりたくない。  ヒロインの容姿はかわいい。 もしデブでブスの役者が演じたのなら、映画の印象は大きく変わる。 ヒロインに友人は一人もいない。家庭でも学校でも、どこでもいつでもヒロインは孤独だった。 そう見えるのは、そう描かれてるから。 そう描かないと、この映画が成立しないのである。つまりこの映画のヒロインには根本的に矛盾がある。大嘘なのである。誰もが同情してしまう、勝気で、実はとてもやさしくて聡明で薄幸な美少女なんて実在しないから。  さて、ヒロインの弟の視点でこの映画を観ると、印象は大きく変わる。 主人公は殺した方が良い、憎むべきクズ男にしか見えない、かもしれない。  ところで、なぜヒロインはツバ吐きかけられたのに、主人公のおっさんに電話番号を教え、何度も会ったのか。「不良が好きになる女子の心理」か。もし主人公を演じたのが、デブで臭そうでブサイクで暴力ふるうオタク青年っぽい容姿だったら? 成立しない映画かもしれないし、逆に(一部の)オタクに大絶賛される映画になるかもしれない。  高評価の映画だが、もし初めて就職した会社の上司が主人公のような男だったら? 感動のストーリーに作られてるが、実は全然いい話じゃない。大嘘の作り物である。  この映画には金持ちが一人も出てこない。 スーパーヒーローが一人も出てこない。 幽霊も怪物も超能力も魔法も巨大ロボットもない世界。 だが、思いっきりファンタジー映画だ。 しかし、良いファンタジー映画だ。 ということで7点。
激辛カレーライスさん [DVD(字幕)] 7点(2018-12-11 11:37:24)
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【点数情報】

Review人数 59人
平均点数 7.37点
011.69%
100.00%
200.00%
311.69%
423.39%
523.39%
6711.86%
71525.42%
81525.42%
91322.03%
1035.08%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.14点 Review7人
2 ストーリー評価 8.57点 Review7人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review7人
4 音楽評価 8.80点 Review5人
5 感泣評価 8.50点 Review6人
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