《改行表示》31.《ネタバレ》 報復とは同じ思いを味あわせる事。 クライドの10年越しの怨念は犯人、司法、市政に向けられた常軌を逸したもので、奥歯を噛み締めた面持ちが正気と狂気の狭間にある不気味さを感じさせ、「どこまでやってしまうのか」力が入りました。しかし、トンネルに脱力させられ、ニックのクライドに対する「報復」に醒めきってしまいました。クライドは甘んじて罰を受けたのに対して、ニックは「正義の鉄槌を下しました」気取り。唾棄すべき「ご都合主義の正義」が極まれる作品でした。 |
《改行表示》30.《ネタバレ》 燃えたぎる「復讐心」を描いた映画は多々あるけれど、この映画ほどその行為に“歯止め”がないストーリー展開は見たことがない。 本来「善人」であるはずの復讐者の領域を完全に越えてしまっているので、感情移入出来るレベルではなく、正直主人公の人物描写に拒否感を覚える人も多いだろうと思う。 ただ僕は、そういう一線を越えてしまっている部分こそ、この映画の素晴らしいオリジナリティーだと思った。 「司法制度の脆さ」という明確なテーマ性を土台に敷き、妻娘を失った男の問答無用に残虐な復讐行為を、強烈なショッキング性と娯楽性に富んだサスペンスで彩った秀作だと思う。 もはや「完全」すぎて何でもありになってくる復讐行為の数々は、時に非現実的で強引とも思えなくはないが、資産力のあるエンジニアというそもそものキャラクター設定と、演じるジェラード・バトラーの有無を言わせない熱たぎる存在感によって、諸々の難癖を蹴散らし、まかり通している。 競演するジェイミー・フォックスも、自身の価値観の中で揺れ動く敏腕検事を好演していた。 良い意味でも悪い意味でも思い切りの良い映画なので、好き嫌いははっきりと分かれるのかもしれないが、描きたい映画世界を、真正面から堂々と映し出していることが、もっとも評価すべきことだと思う。 自身の罪を受け入れ、ナパームの業火に包まれる復讐者の最期の様が印象的だった。 そして、ジェラード・バトラーは今もっとも炎を背負う様が似合う俳優だということを思い知った。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-08-14 23:18:29) (良:1票)(笑:1票) |
《改行表示》29.《ネタバレ》 いわゆる、一般的な復讐劇とは大分毛色が違う。 普通の復讐モノは、法を犯しても復讐者は善人の線を超えない。しかし、本作のクライドさんは、そこ超えちゃ誰も同情してくれないでしょ!ってところを軽々と飛び越えて、やりたい放題。この男、怒りの矛先が法そのものという強大なものに向かってしまうが故か、ぶっ壊れてしまっているのだ。 その壊れっぷりが面白いと言えば面白いのだが、なんかどうも乗れない。 アンタ、何者なの!?っていうくらい何でもアリな報復行為を行いすぎなせいか、なんだか冷めてしまった。 テンポの良い前半は、緊張感もあって面白かったが、中途半端にサスペンスに向かってしまったのは残念。話が進むにつれ、「ちょっと、それ違うんじゃない?」っていう部分が多くなってしまった。 サスペンスにするんだったら、もっと腰を落ち着けた心理戦、頭脳戦がなくちゃあな。 【すべから】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-02-13 11:51:22) (良:2票) |
28.《ネタバレ》 鑑賞前は、「法の問題点を突きながら」「サスペンスとアクションで映画を盛り上げ」「2大スターがぶつかり合う」のを楽しみにしていました。法の問題点に課題を投げかけるだろうという期待は、ジェラルド・バトラーが残忍な殺人を犯し始めたところで消えてしまいます。サスペンスとアクションも、バトラーが刑務所の中からある方法で爆破を仕掛けて人を殺し、ジェイミー・フォックスはそれに右往左往させられるだけで物足りない。肝心の2人の対決も、工夫なく終わってしまいます。主演2人は魅力的な俳優さんなので飽きることはないのですが、ここが良かったと思える点に乏しい映画でした。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 4点(2011-01-31 13:51:11) (良:1票)(笑:1票) |
27.《ネタバレ》 クライドが妻子を殺されて司法関係者に復讐を決意する。ベタな動機だがそれでいい。クライドに共感して感情移入する。そして次々と関係者を殺害していく。最高にワクワクする。ニックがうろたえ焦る様子が小気味良い。殺害方法も残忍な爆殺など極めてスカッとするやり方だ。さてラストはどうなるのか…え、これがラスト?おいおいニック様のご家庭だけ円満でハッピーエンドかい。かなりシラケた。もっとバイオレンスにニヒリズムあふれるラストにして欲しかった。 【イサオマン】さん [地上波(吹替)] 5点(2024-08-14 16:57:27) (良:1票) |
《改行表示》26.《ネタバレ》 司法制度への疑問を提示してはいるが、ドラマとしては粗が多くて入り込めない。 妻子を惨殺された夫の復讐劇なら普通はその夫に感情移入するものだけど、イカれた犯罪者にしか見えないので無理。 そうかといって検事にもまったく共感できず、ラストの返り討ちも疑問で後味の悪さだけが残る。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 3点(2013-08-26 22:55:33) (良:1票) |
《改行表示》25.《ネタバレ》 先ほど観終りました。 非常に残念な映画です。 勧善懲悪に拘って、相当の傑作を最後の最後で台無しにしてしまっている。 確かにクライドは凶悪な殺人者ですが 同時に不完全なアメリカ司法制度の被害者です。 私はニックが罰を受けなかったという所がどうしても納得が行かない。 彼は本当にクライドに学んだのでしょうか? みなさん言っていますが完全な報復には程遠い 不完全な報復、そしてとんでもなく片手落ちな正義です。 10年という月日を費やして 冷徹で頭脳明晰なクライドが計画した完全犯罪(結局露見しましたが)に比べ ニックの最後のやり口は非常ズサンで場当たり的で傲慢 臨時とはいえ、地方検事という立場から考えれば、正に恥知らずと言うしかない。 イライラついでに言ってしまえば、プロットにもスザンな所が多数有る。 普通あれだけの事をした囚人の独房には、監視カメラぐらい付けるのが普通です。 その他、クライドが購入した土地が終盤、アッサリ割れてしまう辺りもそうですが 地下を掘って刑務所にあれだけの用意周到な仕掛けを施していれば そのアジトにはカメラやセンサーぐらい付けてるでしょ。 それもこれも本当は些細な事で、映画自体の出来は本当に素晴らしいのです。 私は終盤に入るまでは非常にドキドキしながら見ていました。 それなのに全く、なんであんなラストへ強引に持って行かなければ成らなかったのか。 まあ、ココまでにしましょう。非常に不愉快だ。 ラストが煮え切ってキッチリ落ちていれば8点以上でしたが 今回は負けを悟り、潔く死んだクライドの鎮魂を意味を込めて 3点を献上します。 【一般人】さん [DVD(字幕)] 3点(2012-04-01 17:32:21) (良:1票) |
《改行表示》24.《ネタバレ》 題材は非常にいいと思う。告発の行方と同じで、どんな職業でも成果主義で判断されるアメリカでは、検事と言う職業も「勝った、負けた」のスポーツ感覚に支配されて、傷つけられた被害者の気持ちとかなおざりにされがちなことが理解できたし、それに対する問題提起もされた思う。 ただ、キャラクター設定やストーリーが少し残念。特に検事。他の方も指摘されてるように、成果主義的な面もあれば、主人公に少し同情を持ったりの面もあり、最初から非常にわかりづらいので、変化もわかりづらい。 それと最初から独房に穴あけておいて、出入り自由って(唖然)、普通、独房の中から囚人の姿が何時間もいなくなれば気づくって。 で、特にラストがなあ。犯人にああいう処置を行った検事の動機が分からない。復讐というほどの激しい憎しみを感じ取ることはできなかったし、じゃあ個人的な正義の執行?だったら犯人と同レベルでしょ。ところが、検事には自分自身が法を犯しているという意識は全くないし、その責任をとるつもりもないし、現にとってない。唖然としました。 最近、アメリカ映画に多いんですよね。法を守るべき人物がが私刑(リンチ)で犯人を殺してハッピーエンドってパターン。 この点では憎むべき犯人を、住民たちの私刑から守り通すのが当たり前だった昔の西部劇の保安官たちよりずいぶん道徳レベル、倫理レベルが退化してるような。 【rhforever】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-03-17 12:07:29) (良:1票) |
23.《ネタバレ》 クリント・イーストウッドの「ザ・シークレット」を思い出した。悪役が完全に主人公の能力を上回っている。あの映画もマルコビッチが最後までイーストウッドを圧倒していた。この手の映画はある種、一見勝ち目がない悪人をどう追い詰めるか?出し抜くかが爽快感へとつながるのだが、ときどき出し抜けないまま犯人自ら死を選んで決着させてしまう作品がある。本作もその要素が強い。それほどジェラルド・バトラーの存在感が大きい。ただ、少し趣が違うのは犯人にそれなりの理由があって復讐していること。妻子を殺された上に司法取引で釈放されてしまう殺人犯そして司法関係者を復讐するのは被害者としてわずかながらも映画的には同情の余地がある。覚悟し牢獄での爆発寸前に子供の遺品を手にするカットもそれを強調している。その意味からも勧善懲悪ものではなくアメリカの司法制度の危うさを下敷きにしている点がこの映画の魅力だ。ところが、ラストはみなさんのご指摘通り「?」である。子供を優しい眼差しで見つめる主人公では何も解決していないのだ。殺人犯を野放しにした責任は家族といる時でさえ脳裏にこびりついてこそ納得できるのではないだろうか。少なくともラストシーンまではそう描いていたのだから。 【やしき】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-03-15 01:22:20) (良:1票) |
22.《ネタバレ》 ジェラルド・バトラーの映画で初めて「面白い」と思える作品でした。ただ、なんだか惜しいなと思うのは、ジェイミー・フォックスの人物設定。「裁判で負ければ無罪放免で釈放されてたかもしれなんだぞ」という立場は、あそこまで執拗に追い込むほど憎むべき対象として見れない。だから主人公のやり過ぎに見えるし、ラストも「それでいいんじゃない・・・」な浅い気持ちで観終わってしまう。いっそ、ジェイミーをもっと悪いやつにして、主人公が完全なる報復を遂げる話にしてほしかった。そうでないなら、もっとジェイミーを応援したくなるような話の流れを作るべきではなかろうか? そして対決終了後のジェイミーはもっと心に重いものを引きずるような描写が必要だと思う。娘の発表会をちゃんと見に行くようになったというエピローグだけじゃ軽すぎる。原題は、不本意ながらも自らの持論により自らを裁く結果となった主人公への皮肉が利いているのに、変えられた邦題は『不完全なる報復』ではないか! 邦題考える奴、最近低能化著しい。 【だみお】さん [DVD(吹替)] 6点(2012-01-04 03:32:59) (良:1票) |
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21.《ネタバレ》 うむむむむむ・・・これ『完全なる報復』っつうより、どう考えても『理不尽なる報復』でしょ!!今回製作者としても名を連ねている、相変わらずのガタイ自慢バトラー氏ですが、この一見『魅力的な悪役』を演じたくて仕方なかったんでしょうね、きっと。早い段階で、このバトラー氏あっけなく捕縛されるので、正々堂々法廷の場でフォックス検事と、「司法とは?正義とは?」っていう、丁々発止の熱いやり取りが繰り広げられるのかと思いきや・・・、全く違う方向へ向かってしまったので唖然呆然(笑)ところどころでショック演出を加えつつ、とにかく全編荒技力技でグイグイと押しまくられるので、最後まで飽きさせません。躊躇なくしかも手際良く殺戮を繰り返すバトラー氏に、途中で「実はお前、妻子殺される前からこういう「裏仕事人稼業」もともとやってたんちゃうん?」って、つい穿った見方をしてしまい。「フィラデルフィア」という街を舞台にしたのも、この映画に相応しいと思いましたが、ラストのフォックス検事の措置はどうなんだろう?あそこだけ、映画を最後まで観て来た上で、彼のキャラクターには「そぐわない」行動だと思ったんだけどなあ・・・。いいのか?あれで。人間って、過去に自分が犯した過ちを反省する事で成長する生き物なんですよね。それにしても、アメリカ人家庭って、どこもセキュリテー無防備かつ危険意識低すぎ!待ちかねたDVDやら宅配ピザ届いたとしても、玄関開ける前にせめて一旦はチェーンくらいしようや!(←それやっちゃったら映画自体も始まらない?) 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-01-29 10:26:15) (良:1票) |
《改行表示》20.これは面白い。全然宣伝されていないけど、もっと注目されてもいい映画です。 同監督作品の「交渉人」も傑作だったので期待していたのですか、全く裏切られませんでした。 サスペンスとしての面白さを備えながら、テーマも明確です。 司法制度の在り方と、「全ての行動には責任がある」ということ。 2人の主人公がともにこの台詞を言いますが、その後に起こる結果を考えると結構深い。 ジェラルド・バトラーの演技の上手さもさることながら、あの「握手」のシーンは上手い。 ただ、この作品は少々・・というかかなり設定に無理があります。特に終盤。 ラストも納得できない人が多いのかもしれません。 R15+指定だけあってエグい描写もありますが、それが苦手でない面白いサスペンス映画が観たい人におすすめします。いやほんとラストは納得できないと思うけど。 【ヒナタカ】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-01-23 10:36:49) (良:1票) |
19.原題は『LAW ABIDING CITIZEN』だし、前半までは司法モノだという認識で見ていて、こりゃあヒドイ邦題だなあと思っていたら、後半は単なるバイオレンスに。結局、原題よりも邦題の方が正しかったということになるんだろうか?そもそもCIAの殺人マシーンが簡単に強盗に入られて妻子殺されちゃうってのがねえ。てっきり、事件後に鍛錬して復讐の鬼になったのかと思ったよ。 |
《改行表示》18.《ネタバレ》 最初から強盗犯と弁護士に復讐するまでは面白いのですが 警察に逮捕されてからの展開は無理がありすぎる 【草のつるぎ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-12-05 18:16:00) |
《改行表示》17.《ネタバレ》 最初の5分で完全に感情移入。妻子を殺され、それでも司法の手にその裁きを委ねるクライド。そんなクライドを裏切り、『有罪率』のためだけに安易に司法取引にふみきるニック。腐った法曹の象徴。クライドの怒りと悲しみはもっともです。 彼が凶行に及んだ原因はすべて犯罪者と法曹にあります。ほぼすべての関係者が、大事なものを失ったクライドから制裁を受けていきます。一人、また一人とそのツケを払わされていくたびに、見ているこちらも溜飲を下げていきます。 負のオーラが強ければ強いほど、そこから生まれるエネルギーが強大で凶悪なものとなっていく。これぞ復讐映画の醍醐味。この映画は今まで見た復讐映画の中でもトップクラスの面白さ。 猟奇的な殺人から、スタイリッシュな犯行まで、その制裁の仕方は千差万別。そしてすべての制裁に意味がある。 正直この作品が最後まで『完全なる報復』で終われば9点~10点。ですがニックが普通に生き残っているうえに何のお咎めもなしってのは腑に落ちない。 『ラスト、ニックがクライドを射殺。しかし実際は爆弾など仕掛けられてはいなかった。囚人を勝手に射殺したことでニックは殺人の罪に。資格、権利、地位、家族、すべてを失ったニックが監獄にいれられ全ての報復が完了。』くらいのことを想像していたので、何とももやもやしたものが残る結末でした。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2020-09-20 20:33:12) |
《改行表示》16.最後まで、緊張感をもって観ることができました。 みなさん、さすが映画ツウな感想を残しておられますが、単純に上質な映画だと思いますよ。 【プラネット】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-11-19 22:04:10) |
《改行表示》15.《ネタバレ》 『リベリオン』で中学生感覚溢れるフレッシュな感性を炸裂させたカート・ウィマーによる脚本作品ですが、当初監督に予定されていたフランク・ダラボンが手を加えたり、サスペンスアクションの分野で高名なデヴィッド・エアーが手直しをしたりと一流脚本家達による品質チェックを受けたことで、従来のウィマー作品とは毛色の違う大人の社会派サスペンスとしての体裁が整えられています。観客の先読みのさらに上を行く意外性ある展開で楽しませてくれるし、司法取引により正義の執行が妨げられているのではないかという問題提起にも深みがあり、娯楽性と社会性が絶妙なバランスでブレンドされた良作と言えます。あくまで前半部分に限った話ですが。 後半部分に入ると、一転していつものウィアー節に戻るのでガッカリさせられます。具体的にはシェルトンが独房に入って以降の展開なのですが、ロボットによる銃乱射+とどめのロケットランチャー炸裂や、検事達が乗車する車両の一斉爆破など見せ場はやりすぎの領域に到達し、さらには「シェルトンは政府の汚れ仕事の請負業者であり、良い仕事をすることで知られた暗殺者だった」というB級アクションならば燃えるのだが、社会派サスペンスでやられると笑ってしまうような中学生感覚溢れる設定が追加され、前半とはまるでテンションの違う作品へと変貌するのです。原題”Law Abiding Citizen(法を守る市民)”からの逸脱は甚だしく、さらには司法取引に係る問題提起もここで完全に途切れてしまい、これは一体何の映画だったのかが分からなくなってしまいます。一応は社会派サスペンスなのだから、観客がリアリティを感じられる領域に物語を留めておく必要はあったと思います。 ミステリーとして見てもイマイチで、中盤にて「シェルトンには外部協力者がいる」というネタふりがあるのだから、観客も一緒にその外部協力者を探すよう仕向ける演出をすべきだったのに、この点を軽く扱ったがために「シェルトンは夜な夜な刑務所の外へ出てテロの仕込みをしていた」という大オチが観客にとってのサプライズとして機能しておらず、それどころか「さすがにムリがありすぎて説得力がない」と作品の弱点にすらなっています。だいたい、暗殺の請負業者だったシェルトンがおかしくなって収監されたとなれば政府は彼を24時間の監視下に置くはずだし、あれだけの死者を出せば外部協力者への連絡手段があることを疑われて独房内の捜索を受けることも容易に想定されます。そんな前提条件があるにも関わらず、一度でも独房を調べられればアウトという計画を実行に移したシェルトンは、切れ者の暗殺者どころか運任せの愚か者にしか見えません。 また、シェルトンの人物造形も不安定です。観客に同情心を持って見て欲しい悪人なのか、完全にぶっ飛んだ異常者なのかが定まっておらず、観客としてはこの人物をどういう目で見ればいいのかが分からないのです。少なくとも前半部分では前者の性格を持つキャラクターとして描かれていたのですが、自身の計画遂行のため同じ房にいた囚人(さほど悪そうには見えない)を殺したあたりから、”やむにやまれぬ事情で悪に手を染めた人”ではなくなっていきます。中盤以降に彼がターゲットとした人物達は家族の不幸との関係性がかなり薄く、この人たちがなぜ殺されたのかが心情的にピンとこないことからも、目の前のドラマに感情が寄り添えなくなりました。 【ザ・チャンバラ】さん [インターネット(字幕)] 4点(2016-09-23 18:25:57) |
《改行表示》14.前半から中盤にかけては結構面白い。でも後半は皆さんと同意見です。後半もう少しきちんとストーリーを練ってくれていたら意外と完成度の高い映画になったかもしれません。というか、真面目な話、もう少しちゃんと作ってくださいよって感じです。何となくレビューも投げやりになりがちなほど、ちょっとこれは酷い作品でした。 いや、前半部分はとても良いんですよ。前半部分はね。 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 2点(2015-04-11 21:09:13) |
13.アメリカの司法制度に不満を持った主人公が関係者を抹殺していく作品ですが、被害者にとってはある意味共感できる部分もあると思いますが、映画の中だけにしておきましょうとゆうシリアスな作品でした。 【SAT】さん [地上波(吹替)] 6点(2013-11-16 21:56:59) |
《改行表示》12.《ネタバレ》 『妻子を殺した殺人犯が司法取引で罪を軽くされ、唯一生き残っていた旦那が復讐鬼となり刑務所の中から当時事件にかかわった人間(主に旦那の弁護士)を殺していく』 弁護士の追いつめ方は中々恐怖を感じるし、犯行のトリックも旦那(犯人)が行動を起こすのに何故10年待ったか等の理由を考えればあり。 ただし終盤がお粗末過ぎ、事件解明のきっかけも悪くはないが、それまでの犯人の神懸かり的な先読み能力を考えれば十分考慮すべき内容だし、それを意図的に伝えようとしていたわけでもない、また最後の犯行は爆弾を使った内容なのだが、『一度セットした後動かそうとすると起爆する』と言った結構ベタなトラップを仕掛けていなかったり、個人的に応援していた犯人がドンドン馬鹿になっていく感じがして嫌だった。 弁護士の方も、犯人の目的である『殺人犯と取引しない』と言う信念も持つにいたったまでは良いが、だからと言って法の裁きを下さず殺しちゃうのがダメダメ。最後は犯人を法で罰し死刑にするとかの方が良かった。 そして何より、犯人の行動によって明確に変わった結果が何一つ映さないのもダメ。 【ムラン】さん [DVD(吹替)] 5点(2012-12-31 18:42:05) |