31.《ネタバレ》 話が淡々と進んでいるだけのようであっても、一つ一つのシーンを活かせるための工夫がちゃんと成されている。二度見せることによって二度目をより印象的にしたり、意味の無いシーンを意味のあるシーンにしたり。例えば古本屋での会話、妻が出て行った一度目の会話と妻のおならが聞こえる二度目の会話。会話そのものとは関係のない、妻がいないからいるに変わるシチュエーションがそのまま映画のテーマである「夫婦」を語る。例えば石売りをバカにしていた男の二度目の登場は鳥をバカ高い値で買おうとする。人それぞれの価値観の差異を滑稽に描く。鳥男の登場も二度。サングラスの男も二度。競輪場のあのシーンも二度。そして極めつけは息子の迎えに来る一言。同じ言葉が二度目には感動の言葉に。そして手を繋ぐ親子の後姿を映し出す画面の端っこからスッともう一人の手が。やるじゃん、竹中直人。 【R&A】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-09-25 12:44:09) (良:2票) |
《改行表示》30.打合せ帰りの平日の午後、初めて歩いた通りの小さな映画館で、看板につられて一人でフラッと入って見た1本。そんな気分に実にピッタリの映画でした。キャスティング、演出、照明、アングル、小道具、音楽(全部「ゴンチチ」! これがまたよかった!)すべてよかったです。 どのキャストもよかったですが、子役がイイ味出してるんですよー。私は特につげ義春ファンではないけれど、ファンの人にも納得してもらえる出来ではないかなーと。「鳥師」のエピソードなんかは、マンガで見るとこれをどう映像化するのかって心配になるのではないかと思いますが、私はよかったと思いました。外国の人にこの世界がわかるんかなーと思いましたが、どこかの賞もとりましたよね、確か。何だったか忘れてしまってすまんことですが。単なる川の水の撮り方、美しさにも驚きました。1シーン、1シーンを大切に撮ったんだなーと思います。そういうことはちゃんと海外の審査員にもわかったということではないかしら。原作のつげ氏も顔を出していましたが、周防作品の好きな私は、周防サンやモックンがヒョコッヒョコッと出てたのも、「お、いるいる」と楽しかったナア・・。残念ながら竹中氏はこれ以後、これを越える映画は撮れてないですね。最初のうちは期待して他作品(「119」とか・・)も見ていましたが、正直なところちょっとガッカリでした・・。ま、だからこそこの作品はもっと多くの人に見てもらいたいものです。 【おばちゃん】さん 10点(2003-06-02 12:17:29) (良:2票) |
《改行表示》29.《ネタバレ》 全編うら寂しい感じですが、つげ義春原作をよく生かしつつも、 ユーモアとゴンチチの楽曲でバランスをとり、ラストは家族愛を感じさせる暖かい感じで終わります。 友情出演みたいな感じで結構いろんな人がチョコチョコ顔出してますね。 冬の日差しの感じとか、多摩川の荒涼とした雰囲気など哀愁ただよう映像が心地よく、 世間はまだバブルの薫りの残っていた製作時はなかなか評判になったと記憶しています。 この後も何本も映画をとってますし、やはり映画マニアを自認するだけあってセンスのある監督なんだなと思います。 【クリプトポネ】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-08-04 23:23:23) |
《改行表示》28.《ネタバレ》 つげワールドの独特の空気感。 河原で石売りというのが絶対売れなさそうで、うら寂しさを醸し出す。 売れると大きな期待を寄せた石も、オークションで値をせり上げるのに失敗して自ら買い取るハメになり、結局は漬け物石にされてしまう。 風吹ジュンが生活のくたびれ感をうまく出していた。 無能な男と妻子が手をつないで帰るラストが優しくていい。 ただ、ストーリーとしては淡々とあまりに日本的で、自分が映画に求めるものとは違っていた。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 4点(2013-06-03 01:30:23) |
27.いろいろ小津ごっこをやっていたが、話は成瀬的な侘しさ狙い。後ろ姿が印象に残る作品。顔が見えない家人、表情のうかがえない身内、自分から表情を隠そうとしている妻。侘しさが極まった果てでユーモアに弾ける、ってのを狙ったようだが、別々になってしまった。安易な言葉だけの笑いで済ませてしまったと言うか。個性派の役者を使ったことが裏目に出たよう。甲州への石拾いのあたりが一番良かった。サルマタが干してある縁側の向こうで虚無僧が尺八を吹くあたりは、侘しさと笑いがうまく絡み合った。こういう貧窮作家ものってジャンルが日本文学の伝統にあるよね。節を曲げず妻には苦労をかけ、その侘しさを味わいにしちゃう伝統。ひねくれたオノロケと言うか。東京という街を「侘しさ」で見るのはいいことだ。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-01-16 10:45:34) |
26. 主人公の漫画も売れないでしょうが、この映画自体も売れないだろうなと思いました。私は結構好きですが。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-01-07 17:49:15) |
25.《ネタバレ》 水石という、あんなマニアックな趣味をテーマとして取り上げていたことにちょっとビックリです(自分も水石マニアなので・・・)。映画としては悪くない作品だと思いますが、テンポ感に乏しく、観ていてちょっと退屈でした。でも竹中直人のセンスは素晴らしいと思えるシーンが多々あったので、観て損はない作品だと思います。 【ramo】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-11-15 12:21:58) |
《改行表示》24.つげ義春原作、竹中直人監督、主演映画。 主人公の風変わりなキャラを淡々と描きつつも、家族愛を根幹に描いた作品。 竹中はもう素でやってるような感じだが、痛々しいエピソードの連続ながらも、 ユーモラスな雰囲気がずっと漂っていて、思わずニヤリとしてしまうシーンも。 ラストはオーソドックスな展開ながらも、ほんわかとしていて、 ペーソス溢れた作品にまとめてくれた。独特の間が面白い映画。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-08-21 09:14:08) |
《改行表示》23.原作未読です。無能というより芸術家気質な社会不適合な男と、その家族の静かな物語。退屈といえば、退屈なんですが、なんとなくこのグデっとした感じに巻き込まれて、心地よいゴンチチのBGMとともにボケーっと観てしまいました。案外暖かな映画でした。 竹中直人は、やはりこのぐらい抑えが効いてた方が良い味が出ます。近年のコメディ映画に出まくり、やたら前に出てくる演技に辟易気味だったのですが、ホントはこういう役がやりたいのかな、と思いました。あまり自分を安売りしないでほしいものです。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-07-01 11:38:49) |
22.1週間前に見た。絵も演技もとても良かった。でも内容ほとんど覚えていない。可も無く不可も無く。 【ブラックバッス】さん [地上波(邦画)] 5点(2009-03-01 04:09:25) |
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《改行表示》21.竹中直人は天才だなぁ、と思わされた作品。 それにしても、あの汚らしい“散歩の婦人”を、あの久我美子が演じていたなんてショック。 後から知りました・・・ 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-10-15 11:55:26) |
20.《ネタバレ》 評価に、結構差がありますね。わたしは、かなり前にビデオで観たんだけど、山口美也子の白いパンティーがとてもエロチックだったことだけかなあ。この書き込みをするのも、神戸浩を「たそがれ清兵衛」で久しぶりに見て、ここにたどり着きました。 【ジブラルタの星】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2006-06-20 15:34:56) |
【paraben】さん 8点(2004-10-28 00:29:04) |
《改行表示》18.この映画好きです。まぁはっきりいって流れはよくなかったと思います。カメラワーク、間とかが良い感じでした。竹中直人もいいが、風吹ジュンがとてもよかった。後脇役の山川軽石が 笑える、彼は演技でやっているのかスなのかわからないところもまたいい。 人生逃げていると落ちるところまで落ちてしまう、自分もそうなりかねないかもしれない、そこが怖いところです。それでも家族でささえあって生きていく(良い奥さんだと思った) 【arsha】さん 7点(2004-10-09 21:10:27) |
《改行表示》17.ほのぼのとしたシーンが多いがとても癒されはしない。中途半端な形で終わったような気がしたが悪くない。まじ めな竹中直人ははじめて見た気が…。友情出演の方々がどこで出てたかわからなかった(汗) 【トシ074】さん 4点(2004-05-22 00:05:56) |
16.石売り・・・シュールすぎる。芸能人としてじゃなく映画人竹中直人は天才だと思った。 【モチキチ】さん 8点(2004-04-21 22:37:17) |
《改行表示》15.竹中直人が演じる、つげ義春の世界。 哀愁とナンセンス、不条理だけど何とも言えないリアリティ・・・深い、深く色々と考えさせられるし、逆に、何も考える必要もないない気もする。 なかなか好きな作品です。 【もえたん】さん 7点(2003-12-19 00:55:13) |
14.竹中直人のひとり芝居を映画で観ているような演出ですね。個人的に風吹ジュンが好きなんです(笑)。ああいう生活に疲れた演技を観ていると、なんか寂しくなりますねえ。でもそれが狙いだったりしてね。石を売って生活をするのはアリだと思うんですが、それがいかにもそこらで拾ってきたもの(”なんでも鑑定団”の石鑑定大会に出したら値段が付かないようなもの(笑))を売ろうとするのが凄いですね。 【オオカミ】さん 6点(2003-11-30 23:37:57) |
13.高度成長に取り残された(と言うより、自ら取り残った?)男の姿を通して、バブルがはじけた雰囲気をもっとも早い時期に描いた象徴的な作品。竹中直人のキャラクター抜きには考えられない。 【ノーコメント】さん 8点(2003-11-29 16:06:27) |
12.竹中監督のやさしい視点、好き。つげ義春に対してのリスペクト、それがヒシヒシと伝わってくる。俳優竹中にしても、サディスティックだったりワイルドだったりする最近の傾向よりも、『無能の人』の繊細で哀愁に満ちていてどこかポケタ~ンとした役柄の方がしっくりくるなぁ。 【クー】さん 8点(2003-06-18 02:22:16) |