125.《ネタバレ》 対象年齢がよくわからない作品。周囲は親子連れが多かったが子供達は途中で飽きたようでざわめいていた。
どうも女性視点からするとオイオイと突っ込みたくなる点がいくつかある。
つわりが来てから妊娠判明したということは妊娠6週目を越えていて2~3ヶ月か。
安定期に入る前に妊婦を街中で振り回すなよ流れちゃうよ!とうっかりハラハラ。
雪も雨も幼児期に予防接種もワクチンも受けてない、もちろん狂犬病予防接種も。
あんな田舎で育てるならフィラリアの薬くらいは飲ませようよ~…
あんだけ本読んで勉強しておいてなんでそういうところ無頓着なんだろう
あーそりゃーおおかみ絶滅もするわなーと観ていて思いました。
雪と雨の子供らしい描写は素晴らしかったです、自分には姪と甥がいますが
まさしくあのまんま、元気なお姉ちゃんに引っ込み思案の弟といった感じで観ていてほのぼの。
そうした観察描写は上手いのに、肝心の花に共感できないのが自分でも不思議。
夫が亡くなった時にあそこでへたり込んでしまうのがよくわからない。
監督はサマウォ製作時期にお母様を亡くしてるようだが偶然にも私は同時期に父親が亡くなっている。
これ以外にも何度か夫側の葬式に立ち会ったことがあるのだが出棺等最後の別れの瞬間に
妻の情念の深さというか禍々しさにも近い激情がほとばしる瞬間を何度か目にしている。
私の母も等しくもれずそうだったのだが、そうしたシーンが欠如している辺り
「死」に対して真正面から向き合おうとせず煙に巻かれた気がしてならない。
雪(♀)が人間の道を選び、雨(♂)がおおかみの道を選んで人間のコミュニティから脱していく経緯は
どちらかというとおおかみというより猿の生態に近いような気もした。
総合的にみれば綺麗にいい作品としてまとまっているのだが
花への共感部分が少ないだけに、ラストにカタルシスを感じられないのが残念。