120.非難の嵐は覚悟の上で率直に言ってしまいますが、私はこのトシになってもやっぱり、ゴダールとキューブリックは裸の王様だと思います。確かにある種の人々にとって、ゴダールやキューブリックを語ることは知性の現われであるとみなされたりします。こういうモノが理解できる自分って知性派、というムードに酔える作品であることは私のような愚か者でもなんとなく想像はできます。でも私は無知で無教養なので、わかんないものはわかんないと正直に発言してしまい、時には同情されたり、露骨にバカにされたりします。この映画の価値がわからない私は、ある意味同情に値する惨めな存在であることを強く否定はしません。正直、この映画は眠かったです。眠くて辛くてどうしようもなかった映画を、他人から頭良いと誤解されたいがために「いやーやっぱりゴダールっていいワ」なんて言うことは、子供の頃の親の躾に逆らうことになるのでやっぱりできません。ごめんなさい。どうしても私には、この映画は長くて眠くて辛かったです。 【anemone】さん 0点(2003-12-11 23:26:44) (良:5票) |
《改行表示》119.《ネタバレ》 主人公ミシェルはおしゃべりな男だ。盗んだ車を運転しながら、彼はくだらない独り言をのべつまくなし語り続ける。時に確信犯的カメラ目線さえこちらに向け語られる空疎で冗長なその戯言。やがて彼が美しいパトリシアと出会い、独白が対話となってもそれは変わらない。気怠い昼下がり、陽光差し込むホテルの一室でとりとめなく垂れ流される二人の美しいフランス語は、対話のようで、しかし対話ではない。饒舌に言葉を用いる彼らは、抜け殻のような独り言を、ただそれぞれに実りなく発しているに過ぎない。そんな彼らの意思が疎通することは決してない。二人が虚空に放つ過剰な言語がまるきり有用な意味をなさぬまま、じわじわと彼らの溝=空洞=孤独を拡げていくさまを、映画監督ジャン=リュック・ゴダールは冷徹にカメラに捉え続ける。この退屈な映画に素直に退屈するのは、ある意味とても正しい。ゴダールがここに描いているのはまさに救いようのない不毛な退屈、それそのものだからだ。退屈と孤独、そしてその不毛。「“二人で眠る”と言うけれど眠っているときは一人よ」というパトリシアの後の台詞が示すように、彼らは二人でありながら、けれどどこまでも一人だ。彼らが孤独でないこと、二人でいること、その実感がもしそこに存在するのだとすれば、それはパトリシアのスカートをめくり尻を撫でるミシェルの手のひらの感触と、彼のその不作法に平手打ちを食らわすパトリシアの手のひらの感触、ただそれだけだろう。つまりは言語など用いぬ肉体的接触だけが、不毛な言語では決して他者と結びつき得ぬ孤独な彼らをかろうじて媒介できる。だがそうした接触をパトリシアは冷淡に拒み続ける。彼女があっけなく密告という裏切りに転じ、ミシェルと“二人でいること”を気まぐれに終えるのは、その意味で至極当然の成り行きと言える。あなたを裏切ったのだから私はあなたを愛していないと饒舌なパトリシアは言う。だがそれは詭弁だ。彼女はただ、愛していないから彼を裏切った、それだけのことだ。そしてその詭弁が再び、彼らのかわし続けてきた言語の不毛を炙り出す。ミシェルは舗道に横たわり自らの指でまぶたを閉じる。そうしてその瞳から愛していたはずの女の姿を自らの意志で永遠に遮断する。不毛な言語はそれでも時に真実を言い当てる。パトリシアの言った通り、人は眠る時“も”やはり一人だ。それは確かに 最低だ。 【BOWWOW】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-08 20:16:51) (良:2票) |
《改行表示》118.ああ、やっぱり私ゴダールはダメです、なんじゃこの退屈な映画は。 これははっきりいってゴダールの完璧なイメージ、願望の世界だと思う。しかもそれをダラダラと延々と続けれてはね・・・私はそれに付き合っていられません。ほんとに勝手にしてくれですわ。 流れるジャズは最高にいいけど、この場合映像といっしょになるとこれがわざとらしいことこの上ないと感じてしまった次第です。 「かっこいいと思うやつだけ、わかるやつだけ観てくれればいい」こういう感覚だけはビンビン伝わりました、商業的な映画は低俗とする生粋のフランス人らしくていいんじゃないでしょうか、私も面白くないものは面白くないとはっきり言えていいです 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 1点(2010-08-04 01:23:31) (良:2票) |
117.おいおいおいおいおい、カッコイイぜ~。世の中にいる、誰もが憧れる様な男と女が恋愛のゲームを尽くして至る会話のオンパレード。しかし、所詮はゲーム。恋は愛にならず破綻する。フランス人特有のムードある会話。「虚無と傷心どちらを選ぶ?」。男は「虚無」女は「傷心」という。しかし、会話はホントにお互いが話したい事を話しているだけ。男は自堕落で、寝ることばかり。女は詩的な言葉や先鋭的な感性や生き方を求めながらも、優しさや愛の追求が欠けていることに気づいていない。途中、男の方が気づく。(なんと男の方が気づくんだよ。普通は逆なのに!)「お互いに自分のことしか話していない。もっと優しくなれたはずなのに。」この映画の中で一番ダサくて、一番真実の言葉。あ~やっちゃうよね。カッコつけた恋愛ってこういう失敗しちゃうよねぇ。そして、最後、男は「傷心」を選び、女は男の死に対して得たのは「虚無」だった。ホントに洒落てる連中が追求している恋愛遊びや失敗を我々に見せてくれますなぁ。クラブに行ってモテモテになる位お洒落になって会話術を得てる連中はもっとヘビーなんだろか。タバコを吸って、その眼差しで男も女も落とせるような色気を追求する入門作品。ひゃっほう!みんないいオトコ、いいオンナになろうぜっ!! しかし先ずはやっぱりいい恋しようぜっ!! 【夢の中】さん 10点(2004-02-22 14:48:41) (良:2票) |
116. 所謂「ヌーヴェル・ヴァーグ」の嚆矢となったジャン・リュック・ゴダールの長編第1作。それまでの仏映画の文法を敢えて意図的に逸脱させまくった斬新な映像&ストーリーは今なお新鮮。アメリカン・ニューシネマへの影響も大いに感じさせるインパクト。と、マァその歴史的意義は充分評価しますが、個人的にどうもゴダールは…正直苦手なモンで。コレと次作「気狂いピエロ」までは何とか観たんですが…。このヒト、自分が撮りたいという欲望に忠実過ぎて、観客に見せられるクオリティに仕上げるプロ意識ってヤツを余り感じられず、その後は何か敬遠気味ですね。相性が悪いのかも…。 【へちょちょ】さん 7点(2002-12-31 15:52:05) (良:2票) |
《改行表示》115.《ネタバレ》 ~À bout de souffle~息が続かない、息切れ。内容と結びつきにくいタイトルだ。 車を盗んで白バイに追われ、警官を撃ってしまうミシェル。セフレから金を盗み、元カノの部屋に勝手に入ってイチャイチャ。 何とも場当たり的でいい加減な主人公だ。でもこういう男はモテる。…まぁ映画を見てない女性にミシェルのマネをしても、ウザがられるだけだろうけど。 仕事に勉強に頑張ってるインテリっぽいパトリシアと、ヤりたい感アリアリな、ちょっと幼稚なミシェル。会話も噛み合ってるんだかズレてるんだか。 パトリシアとのイチャラブが延々と続き、見ていてなんかもう勝手にしろよ…って気持ちを邦題にしたんだろうか? だけどカメラワークや音楽の入り方は印象的で美しく、ミシェルの見せ方は格好良く、パトリシアの仕草は可愛いのだ。 パトリシアがエスカレーターに乗るシーンがやけに心に残ってる。何でかはわからないけど。 そうそう、灰皿あるんだから、使えよ。 タイトルは知っていた。ヌーベルバーグも何となく知っていたが、作品自体観るのは今回初めて。どんなレビューを書けば良いのか難しい作品だった。 映画を料理に例えると、この映画は料理全体の完成度より、使われた調味料の新しさが話題になったのかもしれない。 胡椒、ターメリック、マヨネーズ、パクチー…後年どの家庭にもある調味料。 今ではもう当たり前に口にしている味なので衝撃は受けないけど、最初に世の中に登場した時は凄かったんだろうな…なんて。 そんな感じで観たけど、万が一こういうのが映画の主流になっていたら、私は映画について行かなかったかも。 イメージビデオっぽくもあって、間接照明の部屋とかで垂れ流してたらお洒落そう。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-03-06 23:58:55) (良:1票) |
《改行表示》114.多分ヌーヴェル・ヴァーグの旗手とか巨匠ゴダールの長編第1作とか、鑑賞前に色々と尾ひれがついてる作品を、しかも製作から50年を経過してから観ているので、当時とは全然印象を持つのは仕方ないとして。 冒頭の警官を殺してから逃げるまでのジャンプカット、インタビューのシーンでサングラスを外すパトリシアへの寄り、縦横無尽に街をゆく登場人物へのカメラワーク、そしてあの映画の終わり方は強烈な印象を残しました。当時はさぞかし斬新だったのでしょう、今観てもオシャレだと思うシーンが何箇所もあります。 ただ…、肝心のシナリオがあんまり面白くないですよね。ミシェルとパトリシアのやりとりも冗長な感じもします。女々しいミシェルにイラっとくる部分もあったり。物語の起伏の少なさも特徴かもしれませんが、87分という決して長くない作品なのに結構疲れるのは、そこにも要因があるかもしれません。 確かに「ゴダールってなんだか敷居が高そう」というイメージを払拭するには最適な入門編の1本ですし、衣装や街並み、登場人物のスタイリッシュさに惹かれる意味でも貴重な作品だと思います。但し娯楽映画として観た場合、エネルギッシュではあるものの、これゴダールが本当に観客に向けて発信してる作品なのかな?という疑問符はありました。上手く書けないのですがスクリーンの中で完結してしまっているというか、別の世界の話って感じで、結局何が言いたかったんだろうみたいな…。そう感じてしまうのも冒頭に書いたように、半世紀前の作品ゆえ仕方ない部分なのでしょうかね…。 蛇足ですがこの作品の4年前に作られたキューブリックの「非情の罠」にも本作に似た演出が多々観られました。双方とも類稀なる映像作家としてのセンスを持ち合わせていたんだなーと感慨深く観ました。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-11-18 11:03:18) (良:1票) |
113.《ネタバレ》 大したストーリーではないのに結構引き込まれた。ニューシネマに影響を与えたという雰囲気と言い、ラストと言い、非常に洒落ていてカッコいい。自分が欲しいものを求めても、今の自分に気付いていないため上手くいかない。青春モノの良さが上手く表現されており、主演の二人も素晴らしい演技を見せている。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-03-22 12:05:10) (良:1票) |
112.ヌーベルバーグ?うっ?何それ?私はどちらかというとハンバーグの方が好きなのですが、この作品、思っていた以上に楽しめた記憶があります。何だか最初は堅苦しい映画なのかと思ったけど、いやいや、どうして、ちっともそんな事はなくて、解り易いし、主人公のバカっぷりとヒロインの可愛いけれど、男を弄ぶ態度などは腹は立つものの、男も男でアホやし、要するにこの映画は私のようなアホにでも結構、楽しめる作品として評価したいと思います。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-06 22:06:00) (笑:1票) |
111.本当に微妙な映画ですね。チンプンカンプンという言葉がもっとも似合う映画ですね。「へ~、ヌーベルバーグってこんな感じなんだ~、眠いね」友達の感想です。僕もそう思いました。会話はおしゃれで面白いが、ストーリーがないので、パトリシアの部屋での会話のシークエンスは楽しめたけど、警察に追われるところに迫力がなく退屈でした。既存の手法を無視した編集は最初の方は楽しめたが、慣れてしまえば新鮮さがなくなり、効果は少ないように思います。革新的な映画を作ったつもりなのでしょうが、つまらないものはつまらないですね。ていうかこの映画を作ったゴダールはあえて評価の分かれる映画を作ったのでは?頭でっかちの評論家が純粋に映画の面白さを評価しないから、いくら手法が革新的でも退屈な映画を作り、どのような評価をするか面白がったのではないでしょうか?そう思うと僕も0点をつけるのがスジなのでつけさせてもらおうと思うのですが、踊る大走査線2と一緒の点数にするほどひどい映画ではないし、かといって3点以下をつけるほどつまらなくもなかったので4点をつけさせてもらいます。 【ジャザガダ~ン】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2005-11-08 17:36:52) (良:1票) |
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《改行表示》110.ジャンジャンジャジャンジャン=ポール・ベンベンベベンベンべべルモンド。。。 はぁぁぁジャン=ポール・ベルモンドの事を考えるだけでトロ~ンとしてしまいます。。。やばいやばいやばい><恋しちまいました。SEXYSEXYSEXY!!!みしぇるぅ~ くちびる賞あげちゃう('ー')ノ□愛してますぅベルモンド様~~~ 【クロエ】さん 8点(2005-01-05 13:25:26) (笑:1票) |
109.本作で監督は頻繁にカットつなぎを入れます。とにかく画面を切る。それも変な切り方です。男がエレベーターに入ったり、女がベッドに倒れたり、という説明に必要な場面を省略する。男が女の頬を挟む瞬間、その直前の零コンマ何秒かを切る。構図はそっくり同じまま、ずっと後頭部を映してるのに、4回も5回も画面を切る。結局これは何なんだというと、リズムでしょうね。作家が意図的に変な改行をするように、観賞する側のリズムをコントロールしているのです。本作でゴダールは「既存の映画文法を解体した」と言われるのですが、彼はちゃんと彼なりの新しい文法で再構築しているのです。軸になっているのはリズム。BGMのモダンジャズが象徴的なように、新しいリズム感には新しい音楽、新しい文法が必要だったのでしょう。ファッションは垢抜けてて、セリフはとっ散らかってるが意味深で、その辺りを掘り下げていったらいくらでも発見が出てきそうです。まあ好きな作品かと言われればそうでもないので、点は低めなんですが・・・。最後に。冒頭の警官に追われて、白バイ隊員を撃ち殺すシーンは凄い。たとえ理屈で考えてても、いくら何でもこんなふうには作れるものじゃありません。 【円盤人】さん 5点(2004-09-08 00:08:44) (良:1票) |
108.《ネタバレ》 学生の時『ボルサリーノ』でジャン・ポール・ベルモンドをかっこいいと思い、ただ彼が出ているというだけで借りて観たのが最初。普通に楽しめた。印象に残るのはやはりベルモンドのかっこ良さとセバーグの可愛らしさ。そしてラストシーン。男が死んだあとの女の素に戻ったような表情がなんともいえない余韻として印象に残る。その後フランス映画をちょっとだけかじり、今作がゴダールと知りなんとなく”らしい”なと思ったりもした。女をとことん可愛らしく、そしてとことん理解し難い生き物として描いてるような..。「厄介だが惚れてしまった」うんうん「美人なら他にいるがダメなんだ」うんうん。しかしボガートに憧れる男がニューヨーク娘に惚れるというどこか薄っぺらな恋愛感。女もそれに乗っかるが薄っぺらさを拭いきれない。若者の恋愛感をリアルに描いていると思う。そして今作は役者を街中を歩かせ手持ちカメラで撮影しているのだが、そのせいで、みんな役者を見るわ見るわ。こんな描写も当時は斬新と感じたのかも。撃たれたあとフラフラと歩き倒れる。通りすがりの人達は酔っぱらいと思ったらしい。それはそれでリアルなのかも。 【R&A】さん 7点(2004-03-25 13:04:00) (良:1票) |
【k】さん 9点(2004-02-04 11:57:07) (良:1票) |
106.うちのおふくろはこの題名を勝手に「ダーティーハリー」シリーズの中の邦題(二作目あたり)だと思い込んでいた。 【セクシー】さん 10点(2003-02-11 02:15:38) (良:1票) |
105.ホントに「映画らしい映画」だと思う。脚本も映像もキャスティングも全て完璧。映画全体の疾走する感じがサイコーに格好良い。パンクです。退屈だと言う意見のあるベッドでのシーンですが、あれがまたフランス映画の醍醐味なワケで私はたまらなく好きです。 【黒猫クロマティ】さん 10点(2002-10-30 16:15:50) (良:1票) |
《改行表示》104.要するにヌーベルバーグというのは、「雑に撮りました」ってことですかね。配管むき出しやコンクリート打ちっぱなしの建物がかえってカッコいいみたいな。 ヒロインが魅力的だったのでずっと見続けましたが、ストーリーがどうのこうのより、撮影すること自体を楽しんでいる感じ。実験は実験室だけで完結してほしかったという気がしないでもありません。 そして何より、時代が違うとはいえ、チェーンスモーカーぶりがひどい。まるでこちらの周囲まで煙たくなりそう。もしかすると、それも実験の一部だったのかな。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-10-05 01:50:28) |
103.会話と雰囲気を楽しむ映画なのだろうが、実験国家としてある意味似たもの同士である米仏の近親憎悪的関係を理解していないと、2人のやりとりがよくわからないのかもしれない。 |
102.《ネタバレ》 英題"Breathless"が邦題と全然違うので、一度観たのに間違えてprime videoで買ってしまった。ベルモンドがスカートめくるシーンで気づいた。映画史上最もアホなBGMを使った作品ではないだろうか。全てが滑稽。アメリカ女がハリウッドのメタファーで、ベルモンドがフランス映画のメタファーで、「映画は自由であるべき」ということを表現したかったのだろうか。こんな映画は他に無い。 【なす】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-02-21 10:48:20) |
101.《ネタバレ》 歴史的作品。と理解はできるのだが、今見ると、ちょっと退屈。特に、音楽の使い方が。ピエロの方は、そうでもなかったのだが。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-04-25 14:56:22) |