3.《ネタバレ》 こういったラブコメ映画において「主人公が結婚式を直前でキャンセルする」という展開が訪れると、大抵は相手方が可哀想になってしまうのですが、本作はそれを感じさせませんでしたね。
何といっても「振られる」形となる婚約者のコリン・ファースが格好良い。
このまま結婚したら君は不幸になる、という理由で潔く身を引いてみせるなど、中々出来る事ではありません。
少し女性主人公側にとって都合の良過ぎる展開ではないか、と思えない事も無いのですが、こういった場合に婚約者側を分かり易い悪役にしてしまう展開よりも、ずっと好感が持てると思います。
とはいえ、中盤において、女性側には婚約者がいるにも拘らず情熱に任せて性交渉を行る主人公カップルなど「おいおい、それで良いの?」と感じてしまう部分が多かったのも事実。
その後に主人公は直ぐに後悔する事となるのですが、ここで少し作中人物に距離を感じてしまったというか、白けた気持ちになってしまったのは残念でした。
ラストに関しては「結婚式を中止させる為の手段として火災報知機を鳴らす」→「消防士である意中の彼が駆け付けてくれて、そのまま二人は結ばれる」という形となっており、綺麗に纏まっているなぁ、と素直に感心。
上述の婚約者を筆頭として「過去に間違いを犯したからこそ、真の伴侶に出会えた」と語る父親など、脇役に魅力を感じさせるキャラクターも多く、最後は安心のハッピーエンド。
観賞中は色々とモヤモヤした気持ちに襲われた一方で、観賞後には「良かった」と感じさせてくれる、そんな一作でありました。