56.《ネタバレ》 本作「The Good, the Bad and the Ugly 」の主題は善玉、悪玉、卑劣漢。
え?
善玉?
そんな奴この映画にいねーよ。とてもセンスのあるジョークだわ。
「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」の名でも知られる本作。
エンニオ・モリコーネの最高の音楽、前半のスピーディーな展開は前作よりも好きだ。
最初10分、会話がほとんど無いのに見るものを惹きつける面白さ。
主人公ブロンディ(イーストウッド)が捕まる場面だって仲間通しのイザコザという感じで違和感はあまり無い。
前作で味方だったエンジェルが敵として立ちはだかるのも面白い。
相変わらず同じような格好のイーストウッドもまた。
トゥーコ(イーライ・ウォラック)が銃をバラしたり組んだりして試し撃ちをするシーンはマニアをくすぐる面白い場面。
南北戦争時代の銃器のこだわり振り。この時代考証は完璧だね。
とにかくイーライ・ウォラックの悪どいキャラクターが最高だった。
見た目は太めのオッサン、中身がガッチリ凄腕のガンマン。
悪党だと思ったら意外と人に優しかったりする。
最初は金が目的だったが、次第に情が芽生える場面は熱い。
そしてまた逃げられ「バカヤロ~!」素晴らしい腐れ縁。
ただ,中盤の長回しのシーンが長いこと長いこと。
トゥーコが駅馬車を発見しなかったら俺も寝るとこだった(「アラビアのロレンス」もそれで寝そうになった)。
でも、そこからのドラマ展開が面白い。
ブロンディは情報を知っているから殺されない、トゥーコは金が欲しいから殺せない。
二人が南軍や北軍に潜り込んでアレコレ騒ぎを起こす場面は面白かった。
脱線だけど良い脱線。
敵となったり味方となったりするデコボココンビなブロンディとトゥーコのやり取りは見ていて楽しい。
最高だったのが風呂場での銃撃。
「喋ってないで撃たなきゃ」。聞いてるか007の馬鹿な殺し屋ども(それが007の魅力です)。
ラストの決闘がこれまた長い長いなっげー。
モリコーネの音楽が最高すぎて笑ってしまったのは俺だけじゃ無いだろう?・・・多分。