11.《ネタバレ》 「ビリギャル 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」というタイトルからすでにネタバレ全開で、しかも予告や宣伝を見ても全く見たいと思わなかった映画だったが、周りでの評判がよかったので騙されたと思って見てみた。いやもうかなり良かった。受験というのは「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」で描かれるような集団競技とは違い、基本的にたった一人での孤独な戦いとなる場。その戦いに圧倒的不利な状態から挑む有村架純演じるさやかの一生懸命頑張る姿はいじらしく愛おしく見ていて応援したくなる。塾の先生である坪田(伊藤淳史)やさやかの母親であるあーちゃん(吉田羊)が決してさやかを見放さないところがよく、本作はさやかが慶應目指して頑張る姿だけでなく、師弟愛や親子愛がきちんと描かれていて、それが本作にドラマとしての深みになっていて、ただ偏差値の低い主人公が猛勉強の末に慶應に合格したというだけの話に終わっていない。坪田がさやかにかける言葉はどれも前向きで、とくにクララの卵のシーンは、人間、自分の可能性を信じることが大切なんだとあらためて教えられた気がした。それに、息子に自分の夢を押し付けている夫(田中哲司)に向かってあーちゃんが言う「私はさやかのことで何度も学校に呼ばれたけど、恥ずかしいと思ったことは一度もありません。むしろさやかといろんな話ができて楽しかった。」という言葉、この言葉は本当に娘のことを信じていないと言えない言葉だと思うし、そのあとの「私は三人の母親です!」という言葉にもあーちゃんの子供たちに対する深い愛情を感じてものすごく感動させられた。このシーンは本当に名シーンだ。ほかにもさやかの友人たちのさやかを思う気持ちもほろりとさせられる。見終わった後に明日も頑張ろうという前向きになれる映画で、すごく元気が出たし、見て本当に良かったと思える映画に久しぶりに出会えたのも良かった。「下妻物語」を見た時もそうだったが、予告や登場人物の雰囲気だけで見る見ないを判断すると良い映画を見逃す場合もあるので気を付けたいなあと思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2016-07-16 18:24:41) (良:4票) |
《改行表示》 10.学年ビリから慶應に合格っていうのは、進学高ならそう珍しい話じゃない。 ましてこの子は中学受験も経験してるわけで、中学受験は誰でも偏差値30から始まるってことを、この子も親も知ってるはず。 また、子供を中学から私立に通わせといて、金が苦しくて母親は深夜のバイトってのは、話に無理がある。 などなど、現実にあった話ということだから、どうしても設定の矛盾が気になってしまう。 ところが、この映画にはその矛盾を跳ね飛ばす脚本のうまさがある。 特に、主人公とその友達や恋愛に話の主軸があると思わせといて、実は家族の話を丁寧に描いているのには「ヤラレタ!」と思った。 なんにしても、頑張る若者と応援する人をキチンと表現できていれば、その時点でもう映画として勝ち組でしょう。 「こういう映画は、それこそ応援するためにも、ちゃんと映画館で見なきゃなー」なんて、ちょっと反省した。 【まかだ】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-11-22 00:23:01) (良:2票) |
9.《ネタバレ》 最初この映画のタイトルを聞いたり、見た時はタイトルからして見る気しなかったのに評判の良さに本当に?自分の目で確かめてみたくなり、見てきたけどあかんわ!あんなにも可愛い有村架純にあんなにも一生懸命頑張る姿を見せ付けられたらもう泣くしかないやろ!可愛い女の子がひたすら頑張る姿は愛しく感じてしまい完全にやられた。またこの映画は母親が素晴らしい。娘を思う母親の姿がこれまた泣ける。何度も学校に呼び出せれてもけして、恥ずかしいとは思わない母親、そんな母親が息子の事だけしか考えてこなかった父親の前で涙ながらに娘の事を言う場面は感動的でというよりは何だか母親の娘への気持ちをよく表していて泣けた。何度も謝りたい気分です。タイトルだけで敬遠するなんて勿体無い映画だ。見て来て本当に良かったと思う。さやかの通ってた塾の先生の台詞、意志のあるところに道は開ける。いやあ、本当にそんな気がしてなりません。 【青観】さん [映画館(邦画)] 9点(2015-05-08 20:55:52) (良:2票) |
《改行表示》 8.《ネタバレ》 あらかじめ結末はわかっているんだけど、観てて気持ちの良い作品。 清楚なイメージ(実態は知らんけど・・・)の有村架純のギャル役はちょいと無理があったかな。 吉田羊の演技力に引き込まれたが、現在放映中のテレビドラマ(妻が小学生になるやつね)の毒親ぶりと好対照なのが面白い。 担任教師はイヤな奴だけど、演じるのが安田顕だからかどこか憎めない。ラストの裸シーンのために起用されたのかね。 【ハリーハウゼン】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-03-01 16:31:36) (良:1票) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 実話ものらしいが映画からは真実味というものはあまり伝わってこない。担任の教師と塾講師が主人公のことで喫茶店で話をするシーン。塾講師が熱く語る傍らには塾の生徒二人が見守っているというあまりに出来過ぎたシチュエーション。家庭においては父の歪んだ愛情は息子にのみ注がれるという極端な環境。母の端から見れば異様に見えるくらいの娘を守ろうとする姿勢。本当にこんなことがあったのかと思わせるところが多く、おそらくいろんな脚色がされているんだろうなという思いで観ていた。 しかし、そういう極端さはこの映画においてはあまりマイナスになっていない。それはこの映画が愚直なまでに何かにのめり込む人たちの物語だからだ。愚直なまでに主人公を信じる母親と塾講師。息子をプロ野球選手に育てるべくその環境を何の迷いもなく用意する父親。そして、主人公のさやかは不良ぶっていて教師に反抗的な態度をとってはいるが、塾に来てからの彼女は素直そのものだ。反抗的な態度をとるのは挫折しそうになった一度だけ。あとは塾講師の言うことに耳を傾け一心不乱に勉強に打ち込む。 こういう作品にひねりの利いた展開やリアルさを追求することは逆に邪魔になるだろう。愚直の何が悪いんだと言わんばかりの真っすぐな展開が逆に気持ち良いくらいだ。塾仲間の野村周平との間に恋愛要素が微塵もないところが良い。 キャストは皆熱演しているが母親の“あーちゃん”を演じた吉田羊が素晴らしい。本当に家族に対しているかのような彼女の演技がこの映画に必要なリアルさを引き出している。受験の話と思わせているが実は家族の再生の話でもある今作においてとても重要な要素だと思う。有村架純はあまりギャルっぽく見えない感じだが素直さがにじみ出るような雰囲気が良い。へそ出しで出てきたときは素直にかわいいと思ってしまった。 ベタな展開は良いのだが終盤の手紙のやり取りは少々くどい。そこまで言葉にしてしまうのかと。テレビ的な作り方をしているとはいえやはり映画ならではの描き方もしてほしかったというのも正直な感想。 【⑨】さん [インターネット(邦画)] 7点(2017-12-06 01:35:37) (良:1票) |
|
6.《ネタバレ》 実話ベース、ということで結末 (合格) はわかっていますが、期待通りに進む展開がただただ心地よく、そして清々しい映画。 全体的に、キャラが魅力的でよかったです。さやかを演じた有村架純さん。偏差値30の金髪ギャル (死語) に完璧に成りきっていました。「そっち系?」← これ、好きでした (笑) ある意味では、一人二役、ですかね、お見事でした。そして、もう一人の主役と言ってもいいだろう、坪田先生 (伊藤淳史)。なんだか、彼を見ていたら「奇跡の人」のサリバン先生を思い出しちゃった。だから、さやかにとって、「合格」ではなく、あなたに出会ったことが本当の奇跡かもしれませんね。 もちろん、映画としてはスポ根の勉強版で「努力」がテーマではありますが、裏テーマとして、コミュニケーションの重要性、を描いたものと思っています。坪田先生とさやか、教師 (たち) とさやかの母、さやかと母。この物語を前進させ、局面を打開していたのは、いつだってこの関係による面談や対話によるものでした。(ネットやケイタイではないところに、大きな意義がある) 反対に、野球狂の父と弟の関係は、一方通行の人間関係 (コミュニケーション不全) であり、つまり後退の象徴ですね。この奇跡の裏側には、個人としての「努力」があり、そして人同士の「対話」があった。 人と人とのつながり、その人間関係がますます希薄な今だからこそ、この物語は人々の心に響いたのではないだろうか。 【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-02-01 22:57:53) (良:1票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 「ヤムチャ死す」並のネタバレタイトルですので プロセスが勝負の映画になりますが、そのプロセスが良かったです。 安易に恋愛要素にはいかず(逆に排除) むしろ家族愛を主眼においているところも良かったですし 主人公がちゃんと努力して成長している部分を描いていて良かったです。 キャスト面だと、必死に子供を支える母ちゃんが良かった訳ですが 生徒たちに真摯に向き合う坪田先生も非常に良かったです。 さらに地味の金髪登場の有村架純が気に入ってたり(後半の方がやっぱり似合ってますが) 全体的にキャスト良かったです。 で、気になった所は親父が最終的に会心したとはいえ 挽回できないほどのクズ親父だったのと E判定からC判定にブレイクスルーの要因が 慶應を直接見た以外にもガツンとくる演出が欲しかった感じです。 とはいえ、こういう努力系の話は好きなんです。 【シネマレビュー管理人】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2017-01-06 10:47:21) (良:1票) |
《改行表示》 4.吉田羊の演技を観て、言葉というのは何を言うかではなくで、誰が言うかが重要だと分かった。 監督が「逃げ恥」を演出した土井監督だと知って納得。わずか2.3分の妄想シーンに エキストラを100人単位で使い、実写の説得力を出してみせた「分かってる」人だ。 人が頑張る姿や子を見守る親の姿はそれだけで魅せられる。 役者が有村架純と吉田羊ならなおさら鉄板だ。 その鉄板にシンプルな題材を絶妙な塩加減で味付けしたのが土井監督というところか。 【michell】さん [地上波(邦画)] 8点(2017-01-04 14:01:00) (良:1票) |
《改行表示》 3.起承転結がしっかり描かれていて、ストーリーに入り込めました。 努力する人はやっぱりカッコいいですね。 後半のウジウジタイムをもう少し短くして、90分程度にまとめてくれていたら、 かなりの良作になったと思います。 あと、もう少し映画的な演出(映画にする理由)も欲しいかなぁ。これだと2時間ドラマ枠でも十分という気もしないでも・・・。 でも、面白く感動できるのは間違いないと思います。 【はりねずみ】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-07-03 17:25:47) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 人が頑張る姿をみるのはやっぱり良いものである。そして、よい師との出会いはその人の人生を大きく変えるものなのだなと思う次第である。ベタだけど良い映画でした。 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-06-23 10:31:29) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 有村架純ってこんなに可愛かったっけ?って。『女子ーズ』や『ストロボ・エッジ』ではそこまでじゃなくって、じゃあ、その2作の撮り方が下手だったのかな?とも思うんですけど、とりあえずこの映画は彼女の可愛さだけで半分勝っちゃってるようなもので。その魅力だけで映画を楽しむ推進力になりますもんね。 物語はダメな女子高生が頑張って慶應大学に合格する話(ここでは省略されちゃってるサブタイトルが付いてますが、その時点でネタバレしてます)、でも、宣伝展開から受けるイメージよりも実際の映画はヘヴィな話で。 主人公には複雑な家庭環境があって、息子だけを偏愛する父親と、二人の娘に愛情をかけ、身を粉にして働く母親と。父親と断絶し、母親の溺愛によってダメっぷりを発揮するヒロインと、父親の期待に押し潰されそうな弟と。バラバラに壊れそうな危うい家族の姿を描いた映画としての側面が強かったりします。 また、ヒロインは学校の教師からはクズ扱いされ、ただ友人達との時間だけが生きがい。 そんなヒロインが進学塾に行き、生徒に理解を示す真面目でひたむきな講師との出会いによって変化してゆく、その講師とのコミュニケーションは軽妙で楽しく、幾つもの対比構造の中で輝きを放つパートとなっています。ここら辺、計算されているなぁ、って感じで。 前記の通り、有村嬢が大きな魅力を放っていたのですが、吉田羊もとても印象に残る母親を演じていて、幾つもの感動を誘います。 講師の言説は理想論に過ぎる感もありますし、いい人なイコン伊藤淳史を起用しているあたりからも、あまりに善悪のイメージを描き分けし過ぎていて、やや鼻白む面が無きにしもあらずですが(このあたり原作本をヨイショし過ぎって感じ?)、ここまでしょーもなく生きてきた私から見たら、大人が子供の可能性を潰しちゃいけないのも、子供が目標を持って頑張るのも、全く正しい事だと思うのでした。 ネタ映画のように思えて、実はとても真っ当な青春映画なのでした。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 8点(2015-05-05 20:57:55) (良:1票) |