バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

[バードマンアルイハムチガモタラスヨキセヌキセキ]
Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)
2014年カナダ上映時間:120分
平均点:6.35 / 10(Review 80人) (点数分布表示)
公開開始日(2015-04-10)
ドラマコメディ
新規登録(2015-02-09)【DAIMETAL】さん
タイトル情報更新(2019-05-24)【Olias】さん
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監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
キャストマイケル・キートン(男優)リーガン・トムソン
ザック・ガリフィナーキス(男優)ジェイク
エドワード・ノートン(男優)マイク・シャイナー
アンドレア・ライズブロー(女優)ローラ
エイミー・ライアン(女優)シルヴィア
エマ・ストーン(女優)サム
ナオミ・ワッツ(女優)レズリー
リンゼイ・ダンカン(女優)タビサ
クラーク・ミドルトン(男優)シドニー
牛山茂リーガン・トムソン(日本語吹き替え版)
宮本充マイク・シャイナー(日本語吹き替え版)
岡寛恵レズリー(日本語吹き替え版)
定岡小百合(日本語吹き替え版)
脚本アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
撮影エマニュエル・ルベツキ
製作アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
アーノン・ミルチャン
ジェームズ・W・スコッチドポール
配給20世紀フォックス
特殊メイクマイク・エリザルド(ノンクレジット)
美術ケヴィン・トンプソン[美術](プロダクション・デザイン)
ジョージ・デ・ティッタ・Jr(セット装飾)
衣装アルバート・ウォルスキー
編集ダグラス・クライズ
スティーヴン・ミリオン
字幕翻訳稲田嵯裕里
あらすじ
かつて「バードマン」という3本のブロックバスター映画で主役を務めたリーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、現在は落ち目の俳優である。彼はブロードウェイ進出を目指し、レイモンド・カーヴァーの短編小説「愛について語るときに我々の語ること」を舞台向けに脚色、自ら演出と主演を務め起死回生を図る。しかし、リハーサルの最中に怪我で降板した俳優の代役で来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の身勝手な言動に振り回され、自身の抱える問題から自分を嘲る心の声にも悩まされながらプレビュー公演を迎える。
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【クチコミ・感想】

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80.《ネタバレ》 どこまでが「バードマン」(幻想)なのか。語りかけてくるバードマンと宙に浮き物を動かすのは幻想だそれは理解できる。私は前妻も幻想だとしか思えない、都合の良い時に楽屋に来て慰めてくれるからだ。サム(娘)は現実だが、病室のシーンからは全部妄想だ、新聞のトップを飾る絶賛された評論家のコメントも全て妄想、舞台の上ですでに死に、最後に都合の良い妄想を抱いたのだろう、そうでなければサムは空を見上げない。「バードマンあるいは、、、」とはそういう意味だろう。ちょっと「未来世紀ブラジル」を思い出した。
かのっささん [映画館(字幕)] 9点(2015-04-12 00:07:50)(良:6票)
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79.《ネタバレ》 数々の複合的な意味合いが独特な疑似ワンカットとBGMのドラミングと共に内包されている作品なので、各キャラクターやシーンの細かい記述までは出来ませんが、一つ言えることは、作り手はこの傲慢で自己愛が強い主人公を滑稽に醜く描きながらも、親しみを持って描いてもいたのではないかと言うことです。 ハッキリ言って主人公のリーガンは嫌なヤツです。直ぐに弱音を吐き、他人に怒鳴り、身の振り方に悩み、良い歳こいて恋人との将来も考えられていない。リーガンの行動原理はたったこれだけ、「他者から愛されたい、他者から認められたい」という底知れぬ欲求です。その為にリーガンは舞台を成功させようと足掻く。 しかし上述の通り、作り手はこのリーガンを明らかに同情すべき、感情移入すべきキャラクターとしても描いている。特徴的なのは、演劇界の大物評論家のタビサとの対決シーンでしょう。タビサがリーガンに敵意を剥き出しにして「私は映画人というセレブが大嫌いなの。私はあなたの劇を観ることなく酷評して、この劇を殺すわ」とほざきます。それに対して、リーガンは「お前の批評とやらは全てありきたりなラベルを張っている様なものだ。だからお前が知らない物には何ひとつ認めることができない」と反論します。 ここのシーンは監督の呪詛が入り混じった名シーンだと思いました。映画を観た後に偉そうにアレコレ言う評論家という職業、またはタビサの様に作品を観る前から酷評する気の様な見下げた連中、それに対する嫌悪・嫉妬・怒りが複雑に混ざり合った反論です。作り手ならば一度はそのような気持ちになったことがあるのではないでしょうか。それをリーガンが代弁している。 最終的にリーガンは、タビサが(恐らく)悔しがりながら言うところの、「無知がもたらす予期せぬ奇跡」によって新しい演劇の境地を開拓する。そこにはバードマンとして父親の尊厳を取り戻したリーガンの姿と、映画に限らない、全ての芸術作品の新たなる平地が広がっている。あらゆる批評家が選考の末に選ぶ各賞レースで本作が抜群の受賞数を手にし、米アカデミー作品賞を受賞したことは、数多の評論家の見識の広さを示したことに他ならないのだと思います。
民朗さん [映画館(字幕)] 9点(2015-09-24 00:09:34)(良:2票)
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78.“キャスティング”に込められた“巧み”な“悪意”。 このアカデミー賞受賞作品の成功の要因は、先ずそれに尽きると思う。 マイケル・キートンをはじめとする配役の妙が見事で、その配役に応えたキャスト陣がそれぞれ見事だったということだ。  かつてヒーロー映画の主演でドル箱スターとなり一世を風靡した俳優が、十数年の月日を経て、己の俳優としての存在性、そして父親としての存在性に疑問を持ち、満を持して挑んだ舞台作品の初演を前に苦悩する様を描いた物語。 プロットとしては、極めて“ありがち”である。 ただし、先に挙げた「配役」も含めて、「撮影」の手法、ストーリーの「展開」など、描き出し方がとてもユニークで、それ故にオリジナリティに溢れた作品に仕上がっているのだと思う。  まあ何と言っても、主人公の元スター俳優役にマイケル・キートンを選んだことは、この映画が成り立つための必須項目だったように思う。 二十数年前にティム・バートン版「バットマン」で“ブルース・ウェイン”を演じたこのベテラン俳優は、今作の主人公そのものだ。 彼がこの役を引き受け、ベストパフォーマンスをしてみせたからこそ、このコメディ映画は、モキュメンタリー(擬似ドキュメンタリー)の要素も併せ持つ特異な世界観を醸し出すことに成功しているのだと思う。  主人公のリーガン・トムソンは、俳優としての栄光を取り戻すために、畑違いの舞台に挑む。 それを演じるマイケル・キートン自身も、己の俳優人生をある意味自虐的に体現し、自身のキャリアと俳優としての意地をかけた「演技」をしてみせた。 その様には、一人のハリウッドスターの“生き様”がまざまざと表れていて、物語を越えて感動的であった。  主人公は妄想と現実の狭間で終始苦悩をし続ける。 それは即ち「過去」との折り合いをつけるための闘いとも言える。 どんなに「過去」が「現在」にとって邪魔な存在になろうとも、自分の人生である以上、それから完全に決別することなど出来ない。 「現在」と「過去」を等しく見つめ、それぞれに対してどう折り合いをつけるか。人生とはそういうものなのかもしれない。  【過去=バードマン】を病室のトイレに追いやって、主人公が掴んだ【現在=現実】は、果たして何だったのだろう。 如何様にもとらえられるこの映画の結末は、それを目の当たりにした観客それぞれに語りかけてくるようだった。 「飛ぶのか?」「飛ばないのか?」と。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 8点(2015-05-05 22:15:49)(良:2票)
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77.《ネタバレ》  入院して顔の包帯がマスク状態になったリーガンはまるでバードマンのようであり、また、隣りの劇場で上演していた『オペラ座の怪人』のようでもあり。   非常に演劇的な流れを非常に映画的なテクニックで描いた快作。シームレスでどんどんと展開してゆく、まるでナマを捉えたような世界は演劇のようですが、一方でそれを描くのはカメラが自在に被写体を捉えてゆく映画ならではの世界。  つまり、ここに登場する人々はことごとく舞台と映画とで線引きをしたがっているのですが、実際には舞台も映画もそんなに差のあるものではなく、一つのフィールド上に置く事だってできるのですよ、と。そう、この映画そのものがそれを立証するかのように。  そして、現実すらもまた、舞台や映画とどこがどれだけ違うのか?と。  演じる事、生きる事、生なのか、加工されたものなのか、それに優劣を付けようとする、価値の差を見出そうとする、それがそんなに大事か?って。   なので私にはこれが「バードマンで何故悪い?」という話に映ったので、大変に気持ちの良い映画でした。商業主義に対して批判的なように見えつつ、むしろ逆にアメコミ万歳!みたいに感じられて。  飛び出す数々のネタや笑いも含めて、難しい事を考えるよりも単純に楽しんでこそ吉な映画だと思いました。   それにしても相変わらずエマ・ストーン、キレイ。
あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 8点(2015-04-14 23:58:15)(良:2票)
76.《ネタバレ》 ヒーロー映画で大ブレイクするも、その後は鳴かず飛ばずの落ちぶれ俳優で私生活もボロボロ。そんな彼が俳優としての評価を取り戻そうとアートな舞台へ挑戦するが、といったお話ですが、それをかつてバットマンを演じ大当たりするも共演のジャック・ニコルソンに食われ、その後は堅実なもののいまいちパッとしないマイケル・キートンが演じているってのが面白いですね。彼のために書かれたかのような脚本ですが、今回もエドワード・ノートンに食われ気味で笑いました。続編やアメコミが蔓延しているハリウッド映画界や古臭い固定観念を持った閉鎖的なブロードウェイを皮肉り、優れた才能を持ったスター俳優は強欲で強烈なエゴを持ったトラブルメーカーな上にインポという、一芸に秀でただけの最低な男に描いている。そのおかげかアメリカでは業界ウケが良かったんでしょうね。 現実と空想を織り交ぜた物語ですが、最後はそれぞれが望んだ形なのかな?と思いました。リーガンは舞台で秀でた演出と演技を見せながら自殺をし、名声を得てあらゆる呪縛から解き放たれ(ワンカットも)終わり、病室での出来事はヒーローだった親父を見ていた娘や映画を見ている観客へ向けた本当に能力があったというような爽快感を感じるハッピーエンド的。いろんな解釈が出来るようになっていたり、奇抜な撮影スタイルなのはあざとい気もした。まあ観る人を選びそうな内容ですがキートンの起用が良い方向へ作用していてますね。ワンカット長回しで撮影されたかのような手法で撮られドキュメンタリータッチで、実際に劇場や舞台裏にいるかのような臨場感と緊張感に包まれていたおかげで観てて疲れました。
ロカホリさん [映画館(字幕)] 7点(2015-04-11 16:58:11)(良:2票)
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75.《ネタバレ》 長回しによる一発撮りのように見せるとか、やたらカッコいいドラムソロのBGMとか、そのドラマーをストリートミュージシャンとして登場させるとか、楽屋で鏡を正面に捉えながらカメラが映り込まないとか、とにかく凝った作品であることは間違いありません。スコセッシとかジェレミー・レナーとか、メグ・ライアンとか、いろいろ実名が登場するのも笑えます。 個人的にもっとも印象的だったのは、バーで批評家とやり合うシーン。双方の言い分に理があって、つい納得させられます。こういうバックステージ的な本音のぶつかり合いが、いわば〝内輪受け〟してアカデミー賞の一因になったのかもしれません。 で、主人公は都合3度にわたって自殺を図ります。それぞれ状況は異なりますが、突き詰めれば「バードマン」の呪縛から逃れたかったからでしょう。ところが結局死にきれず、むしろ本物のバードマンになってしまった。これは悲劇なのか喜劇なのか。世間の「レッテル」を象徴しているとすれば、前者のような気がします。
眉山さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-01-28 03:39:06)(良:1票)
74.《ネタバレ》 好きな監督の作品であることとオスカー受賞作ということ以外は何も前知識なしに鑑賞した。残念ながら正直期待したほどではなかった反面、作品賞を取った理由もわかる気がした。副題の「無知がもたらす予期せぬ奇跡」はリンゼイ・ダンカン演じる批評家が書いたレビューの一節なのだが、一言でよくこの映画のテーマを言い表しているし、この批評家がバーで主人公をこき下ろす台詞は恐らく多くのハリウッドスターが持つジレンマをそのまま語っている気がした。要するに芸術家対エンターテイナー(ここではセレブリティと言っているが)の話で、ただのセレブは芸術家になれるのだろうか?ということだ。(リー・ストラスバーグのメソッドアクティングがすぐに思い出された。)こうした「業界周りの」人間の本音が選考委員にアピールしたというパターンではないかと思う。ほんの少しだけスコセッシの「キング・オブ・コメディ」を思い出させてくれたのと、マイケル・キートンがよかったので7点にします。
LucyOさん [DVD(字幕)] 7点(2017-02-04 03:14:37)(良:1票)
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73.《ネタバレ》 込められた一つ一つの意味を、一つ一つの悪意で見もしない。 丁寧に設計された薬理を、テレビ番組の非科学が否定するかのような。複雑な機序に織り込まれた医術を嘲るようななんら医学の根拠に基づかないウェブサイトのような。 そう言った批判に疑念をいだく。その、雑誌やテレビでありきたりな、なんのひねりもない借り物の批判は、いろいろな有様をさらけ出していることに気付いているだろうか?  架空の人物を作り出して、描くという作業の難しさを借り物のことばで理解する世界にしか、ただの人は普通は生きられない。 でも、完成品への敬意も忘れてすっかり見下すことに夢中な人たちの目には、苦しさや開放が見えてこないのだろう。分からないなら分からないでいいではないか。なぜ理解できない対象への攻撃性を丸出しにするのか。
黒猫クックさん [映画館(字幕)] 9点(2015-06-08 02:01:10)(良:1票)
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72.《ネタバレ》 観ても共感できない人も多いでしょう。 世界観も雰囲気もご自分と合わない方も多いことと思います。  しかし、私にはとても面白かった。 心の琴線に触れました。 あたかも美術館で一流の絵画や芸術作品を鑑賞したような高揚感に包まれました。 芸術的だし高尚だし、監督と撮影監督の才能に惚れ惚れしました。  現実と幻想についてはこちらでレビューされているとおりだと私も同感です。 この作品で素晴らしいのはその語り口です。 あざといと言われそうなほど人物と近い近いカメラワーク。 ワンカットかと思わせるほど切れ目なく物語が語られて行きます。 息つくところがない、緊張しっぱなしで、さあ付いてきてねという作品です。 そこをなんとか疲れながらも付いて行くと、ある時ふっと画面に惹きつけられ高尚な気分にさせてもらえます。 自分がスクリーンにとても近く感じました。  じゃあそのまま、私の思うとおりに楽しくお話が続くかと思えば、大間違い。 現実と幻想が私の予想に反して、面白いぐらいに奔放に、ああ、こうくるのか!と展開していきます。 私の思ったのとは違う展開もとても魅力的でした。 とんでもない事になっていくのにワクワクしている自分を感じて、そこも意外だし興味深かった。  そんな私はゴダール監督も大好きなのですが、この作品はそこまで解りにくくはない。 でも一筋縄ではいかない面白さと、一般人が理解できる解りやすさと。 そのバランスがとても良い。 絵画に例えれば、抽象的だけど写実もちょっとあるみたいなバランス。 私の今年のベスト映画のひとつになった秀作です。  アカデミー賞を取っただけあるなと思いますし。 賞を取ったから地方でもシネコンで上映されたのだから、とても有難いことだと観られて良かったです。  サムの笑顔がとても良かった。 
たんぽぽさん [映画館(字幕)] 9点(2015-04-12 21:39:25)(良:1票)
71.そりゃ、バットマン演じちゃったらね。
TERUさん [映画館(字幕)] 4点(2024-11-17 15:41:43)
70.マイケル・キートン及びエンタメ業界内輪ネタ作品。あるあるテーマでのありきたりを嫌ったのか知りませんが、有名俳優の名を出すだの妄想だのカメラワークだの、技巧っぷりが策士策におぼれる感があり全くもって退屈でした。劇中劇のつまらなさは悶絶モノ。ヘレン・ミレン演じたコラムニストのクソババアぶりに比べたら本作批評家の可愛い事。決着が舞台上でなかったのがガッカリのダメ押しとなりました。
The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 3点(2024-01-28 19:23:10)
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69.《ネタバレ》 だめだ自分には合わなかった。 結局虚実どっちに持っていきたかったんだ。 空飛んで劇場に向かったにしては周囲の人間がノーリアクションだし、タクシーの運ちゃんが賃料請求に来てるし。 かと言ってラストシーンは如何にも飛んでいきました感出した娘の視線だし。 超能力と思われる現象も結局他人の前では起こってない上に、一人楽屋で暴れまわるシーンを見せることでただ自分が破壊してるだけなこと示唆してるし。 「答えは見た人の感想にお任せします系映画」自体は嫌いではないけどこれは合わなかった。 映画素人とか玄人とか、初心者とか上級者とか抜きにしてポカン置いてけぼりですわ。
悲喜こもごもさん [インターネット(字幕)] 4点(2024-01-04 14:07:06)
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68.《ネタバレ》 個人的には、冒頭からワリとシンプルに(=メタファーでシニカルな部分とか・現実と虚構が入り混じるコトとか、をあまり気にせずに単なる)コメディとして観ていってしまったのですが、まずはその意味にしてもワリと結構面白かった・笑えたと思うのですよね。その「虚構=非現実が混ざり込む」という観点からは、少なくとも近年の欧米の主流な方のコメディと比較してもだいぶエキセントリックな方のヤツだったとは思うのですが、ソッチの方がむしろ日本の現在の大衆的なお笑いの質感には近いかな~とも思いましたし、そもそもその欧米のコメディの「現実と地続きでシニカルでなければならない」みたいなのって本当に必須?とだって(個人的には)常々考えているトコロなのでしてね。でもまあ、中盤までは確かにそーいう「如何にも実在してそーな=真実味を帯びた方の」クセの強い業界人⇒主人公リーガンはモチのロン、親友だァ何だって結局カネのコトしか頭に無いパートナーにせよ、コレもやっぱ観る前からナニ書くか決めてる(何千回地獄に落としても事足りない様な)クソ評論家だとか、後は何より(誰とは言わず全員)劇中劇の肝心の芝居の中では総じてカスみたいな演技をしてるのに・翻って舞台裏でトチ狂って感情迸らせる様子自体は(逆に)実に見事な演技になってたり、とか、そーいう在りそーなトコロが(前述どおり)コメディとしてかなり面白かったなって感覚でしたケドね。  しかし、最後まで観終わるとある種、その隅々まで行き渡って「多面的な見方」が出来るコトとゆーのがそもそも、中々に含蓄深くってかつ真に(コメディとして)面白いポイントだったな…とも思うのですよね。件の撮り方にしても、コレが結構意味的に多面的で面白くって、それはつまりコメディってやっぱ比較的舞台劇的・固定視点的に「つくりもの」の映像として観るコトが多いんじゃねーか…と思ってるトコに、このハンディカムのドキュメンタリチック・POV的な撮り方ってのは(どーしたって必然的に真実性を帯びるコトになるって意味では)コメディとして異質・風変わりだったとも思うのです、が一方で、今作ではそれを妙なワンカット風に全部繋げてるってのはまた(前者に大いに反して)実に虚構的だ…とも思ったのですよね。他にもあとは結論の部分にしたって(結局は)そーいうコトにも見えていて、例えばとどのつまり今作でリーガンが成し遂げたコトって実は彼が目指した「芸術」でもナンでもなくって⇒所謂単なる(ネットを利用しての)「バズり=彼が理解すらしてないコト」でしかなかった様にも見えますし、それに依ってエマ・ストーンとの関係性が(最後には確かに)変わったのだとしても⇒それがあるべき姿のモノに為ったとは到底思えなかったりもしちゃったり、とかですかね。  前述どおり重ねて、そーいった多面的な視点で観れるコト自体をポイントに据えた&実際に内容的に実に多面的で含蓄深い作品、だったとは思うのですが、個人的には結局、その中で「コメディとゆーのが如何に虚構であるか」というトコロこそが、今作から最大に存分に思い知らされたモノだったって感覚がありますね。あくまで個人的には、人生の本質=人生で唯一つ確実に自分にとって真実だと言えるモノは、自身の認識するトコロの苦悩・苦痛以外のナニモノでもない、と思ってますからね。何故なら、人間の感じるコトのできるトコロの微笑ましさ(或いは幸福)とゆーのは、本質的には全て自分ではない他者におけるその感情(或いは他者のその感情を共有するという意味での自分のその感情)でしかない、と思ってるからですね。だからして、それこそそーいったモノが(事も有ろうに)映画に描かれている…なんてのは、本来のその必然的構成要素たる自分&他者の間に、もっともっとナニモノかを媒介に媒介しまくってやっと伝わって来てるモノ、でしかなくって、だから当然「虚構」でしかないんだ、と思ってるってコトでありますかね。
Yuki2Invyさん [インターネット(字幕)] 9点(2023-12-24 17:28:23)
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67.結構,難解(映画とか,演劇の裏話的なものを知らないので)だけど面白かった. マイケル・キートンがかつて演じたバッドマン→バードマンなのね. 凝ったカメラワークと音楽が良かった.
あきぴー@武蔵国さん [DVD(字幕)] 7点(2023-04-28 00:21:06)
66.《ネタバレ》 かつてヒーロー「バードマン」(バットマン風)として人気を博した老いた映画俳優が、ブロードウェー舞台劇に主演兼演出で打って出るというような話です。業界の裏側を見せ、かつ、劇中劇と劇中現実の境界を曖昧にさせるところなどは、「脳内ニューヨーク」の感覚に似てるかなと思いました。なにせ、男女ともに、個性と主張の強い、濃ゆい人だらけで、仕事がらみだけでなく、元妻、元彼女、現彼女、子供までが、関係入り乱れて応酬を交わすので、飽きる暇が無いです。場面が変わるところでも、映像処理で長回し的に繋いだことも、テンポの良さに貢献しています。プレ講演だからとアドリブで暴れまくる人気俳優、そいつが娘にちょっかいを出すなど、主人公から見て、かなりムカつく役をムカつく顔の人が好演(後で調べると、日本語も話せるナイスガイらしい、それだけなりきって好演してたということですね)。「バットマン」の映画を見たこともないし、マイケル・キートンを初めて見ましたが、前知識が皆無でもメチャクチャ楽しめました。随所で笑えます。
camusonさん [DVD(字幕)] 9点(2023-03-08 18:39:05)
65.《ネタバレ》 バードマン≒バットマン、これはもうマイケル・キートンのセルフパロディとしか思えない、もっともバードマンとは違ってキートンは2回しかバットマンを演じてませんけどね。キートンありきで書かれたこの脚本ということは、彼にとってバットマンだったことは黒歴史だったということ何でしょうか。 イニャリトゥなどの最近のメキシコ三羽烏はワンカット風撮影がほんと好きですけど、本作では初めて自分は酔いそうになりました。とくにほとんどの舞台が劇場内の狭い空間なので余計しんどかったです。監督の意図はどうなんだか知らんけど、自分にはこの映画のテーマは映画界=ハリウッドと演劇界=ブロードウェイの、お互いにマウントを獲り合う醜い争いであるような気がしています。別に下北沢に通ったことはないけど、個人的にはとくに日本の演劇界も鼻持ちならない界隈みたいで似たような感じだなと思っています、まあ日本映画界もたいがいですけどね。婆あと言っていい様なおばさん批評家が権力を持っていて、キートンの芝居を観ようともせずに映画スターとハリウッドに対する個人的な反感だけで「明日の記事で酷評して打ち切りにしてやる」と宣う、もうこりゃいじめですやん。面白いところは主役兼脚本のキートンとこのおばさん批評家はどちらもSNSとは無縁のアナログ人種で、おばさんに至ってはメモ帳みたいなものに手書きでせっせと記事を書いている。ところが娘のエマ・ストーンを通じて見せつけられるリアルでは、ブリーフ姿でブロードウェイを彷徨うキートンの動画があっという間に300万再生を超えて不振だったチケットが爆売れしてしまう。つまりハリウッドだブロードウェイだといがみあっていてもどちらもオワコンになりかけてるんだよ、と監督のイニャリトウは皮肉っているんじゃないかな。 一度観ただけでは情報量も多くて深いところまで理解しにくい作品であることは確かです。でもイニャリトゥはやがて“21世紀のフェリーニ”と呼ばれるようになるかもしれません。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-21 22:58:41)
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64.バットマンじゃなくてバードマンにしたのがオシャレ、ドラムをバックに長回しで舞台まで歩くのもオシャレ、役者の生き様を小難しい屁理屈や哲学風に挿げ替えて語るのもオシャレ・・ エドワード・ノートン(マイク)とエマ・ストーン(サム)の絡みもスマートだしその他出演陣も豪華ですが、これは明らかに映画通&業界人向け、そしてマイケル・キートン(主人公)のリアルな当時を知っている大人世代に向けた間口の狭い作品です。どう考えても確信犯的で「一見さんお断り」臭がプンプンしていますが、その反面、映画の内容(ストーリー)自体は割とシンプルで、誰もが陥る可能性がある家族との不和や、どん詰まりに陥った仕事(また、過去の栄光)など、割と当たり前のことが「愛について語る時に我々の語ること」の舞台劇とウマくリンクさせて語られています。  全体的にかなり細部まで考えられており、業界人が一般人に対して訴えたい作品への気持ちなどが、ギリ一般人の頭脳でも判るレベルで表現されています。惜しいのは導入部のマーベル系のヒット作を貶すネタは2022年では既に古くさくなっている点、そしてここで笑える若者には刺さらない映画の内容になっているという大きな矛盾があげられます。 ”大人として”映画を見た後には(無知がもたらす予期せぬ奇跡)が言い得て妙すぎて素晴らしいのですが、普通の一般人(や若者など)にはあまり刺さらず、さほど面白い映画だったとは言い難いのが非常に残念なところです。好きな作風なので甘めの点数ですが正直微妙な作品でした。(レイモンド・カーヴァーの小説は未読)
アラジン2014さん [インターネット(字幕)] 6点(2022-04-14 12:47:13)
63.かなり難しい、というかマニアックな映画かもしれない、あるいは芸術的な脚本なのかもしれない、でも、鑑賞する一人として、面白さを感じることが難しい。
simpleさん [インターネット(字幕)] 4点(2022-01-26 20:17:16)
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62.《ネタバレ》 ワンカット風の撮影なのに超能力演出や鏡に映らないカメラ 時の経過の表現 等 撮り方はすごい工夫されていると思いました。  それぞれに闇を抱えた人たちが一つの演劇場に集う 設定 設定と撮影方法が噛み合っているようで噛み合っていないと思いました。 演劇場という舞台での撮影方法はとてもマッチしているのですが、いい味をもったキャラクターが揃っているにも関わらず ワンカットという撮影のため、リーガン以外の闇を表現しきれない、リーガンの闇は掘り下げすぎ且つ引き込まれない  最初はリーガンは特別な人かと思わせる演出、中盤の部屋破壊で妄想・幻聴を匂わし、終盤で決定づけるのは良い  ドラム・音楽の使い方は最初のタイトル演出でうまいなと思いました。  撮り方・音楽の使い方は非常にいいと思いましたが、それで作品がおもしろいとはならない総合的に見ればイマイチでした。
メメント66さん [インターネット(字幕)] 5点(2021-01-25 03:18:31)
61.かつてバットマンに出ていたマイケル・キートンを使うか、すごいけども。実在の俳優たちの名前など虚実入り交えてドキュメンタリーのように見せているのがはすごいと思ったが、いまいち理解しきれませんでした。
HRM36さん [インターネット(字幕)] 5点(2020-09-27 17:26:36)
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【点数情報】

Review人数 80人
平均点数 6.35点
000.00%
100.00%
200.00%
333.75%
478.75%
51620.00%
61923.75%
71316.25%
81316.25%
9810.00%
1011.25%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.50点 Review4人
2 ストーリー評価 7.16点 Review6人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review6人
4 音楽評価 7.80点 Review5人
5 感泣評価 4.66点 Review3人
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【アカデミー賞 情報】

2014年 87回
作品賞 受賞 
主演男優賞マイケル・キートン候補(ノミネート) 
助演男優賞エドワード・ノートン候補(ノミネート) 
助演女優賞エマ・ストーン候補(ノミネート) 
監督賞アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ受賞 
脚本賞アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ受賞 
撮影賞エマニュエル・ルベツキ受賞 
音響効果賞 候補(ノミネート)(音響編集賞)
音響賞 候補(ノミネート)(音響調整賞)

【ゴールデングローブ賞 情報】

2014年 72回
作品賞(ミュージカル・コメディ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)マイケル・キートン受賞 
助演女優賞エマ・ストーン候補(ノミネート) 
助演男優賞エドワード・ノートン候補(ノミネート) 
監督賞アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ候補(ノミネート) 
脚本賞アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ受賞 
作曲賞 候補(ノミネート) 

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