3.《ネタバレ》 脱獄をテーマにした映画でないことは原題で分かる。
直訳すれば、性根の曲がった男がいた。根っからのクズ。だろうか。
邦題をつけるなら伊達眼鏡のほうがよかった。
冒頭から馬の蹄に布を被せる用意周到さ、仲間が撃たれても応戦しない、
女を抱いて捕まる、ところから始まる。ものの10分でどんな男かは説明しているはずなのに
そんな男でもカーク・ダグラスが演じると何かしらの粋を感じるのは役者と眼鏡の作用だろう。
対照的にヘンリー・フォンダが演じる元保安官は正義漢で生一本な男ながら、
紙煙草ひとつうまく作れない不器用さが世間との生き辛さを暗示している。
だもんで、結末は安易に予想できる。もともと大味なはずの題材を監督の小技と役者の力で
佳作にまで押し上げた作品。