5.《ネタバレ》 自殺の核心にせまる映画ではない。
一人のひきこもり青年が、風俗で知り合った女性に悩み、
結果、自殺したことに、その家の家族の取り乱しぶりが
描かれる。とってもヒューマンな映画だ。
悲劇から始まり、笑いもいれて、とても完成度の高い映画だ。
これは人間は想像を絶する悲しみに遭遇すると、
心が凍り、本当のことを話せなくなるという寓話でもある。
家族全員、嘘をつく。
一番嘘をついていたのは、原日出子で、自分に嘘をついて、
記憶がなくなったとこだ。
映画後半は、涙がとまらなかった。
この涙はなんだろう?
家族の絆がたしかにある家の、最後の踏ん張りのようであったからか?
好きな場面は、岸部一徳の風俗店へのなぐりこみ、そして悪態をつく
風俗店の人がちゃんとイブちゃんの居場所を知らせてくれるという
人間のこころが感じられたところだ。
とても見応えある作品だった。