2.《ネタバレ》 シェイクスピア俳優ケネス・ブラナーがついにシェイクスピア本人を演じる。
現役バリバリじゃなく晩年のシェイクスピアでして、ストラトフォード=アポン=エイヴォンの妻子のいる家に帰るわけです。
しかし、生活費だけ送って20年帰らなかったわけですから、諸手を挙げて帰郷を歓待されるはずもなく。
つまりシェイクスピアの家族問題、家族再生のはなしでした。
作品では人間のあらゆる喜怒哀楽、業とか心理描写に長けていたシェイクスピアも、自分と自分の家族となると
「誰が食わしてやったんだ」に「知らなかったのはお父さんだけ」状態、シェイクスピアならではということではなく、どの時代にも誰にでも当てはまるんじゃないかと思われることなんです。シェイクスピアをこういうテーマで描くケネス・ブラナーに感心してしまいました。
シェイクスピアに特に詳しくなくても戸惑うことなく観られる映画になっていると思います。
とにかく映像がいいんです、室内のろうそくの炎、構図にカメラワーク、陰影、風景、どこをとっても素晴らしい。
美しく芸術的な映像だと思います。