1.昔は漠然とアメリカへの憧れがあったものですが、アメリカの現実を見せられると軟弱な日本人(若者)には耐えられないほど厳しい世界であることが理解できます。BTTF等でも描かれていますが、今も昔もアメリカといえば=ジャイアン系の理不尽がまかり通る弱肉強食の世界なのです。(そういえば日本でも30年も昔にボンタン狩り、皮ジャン狩り、ナイキ盗難などが流行りましたよね)
この作品は「ムーンライト」や「ウォールフラワー」系譜の作品だと思いますが、それらよりは大分見やすく作られています。アメリカのティーンの現状、特にブラック系は圧倒的「力」の世界なわけですが、その中で弱い人間なりにいかに自分のプライドとアイデンティティを維持するかがよく描かれています。主人公の心情が宇宙飛行士として表現されていて、ブラックじゃない人間にも彼の気持ちが理解できるよう判り易く作られていた点も高評価&情緒的で素晴らしかったと思います。(その他ちょっとした描写や風景の数々も情緒的でとても素晴らしく、監督の力量が高いことが伺えます)
ラスト、結局、街は何も変わっていないのも良かったですし、冷静に考えたら主人公自身かなりのクズなのも感慨深いです。コレ系(ブラック寄り)の音楽はあまり好きではありませんが、アクターの皆さんも素晴らしくマイナー系(ミニシアター系)の作品の中ではかなり良質な映画ではないでしょうか!アメリカのアフリカ系とか中高生の日常ってこんな感じなんだろうなというのが垣間見れます。