52.《ネタバレ》 これ、子供の頃に初めてテレビで観て以来、番組表などで目にする度に必ず観ているタイトルです。何だかニッポン人として嬉しい映画なのね。「ラストサムライ」の何十年も前に、しっかり武士道の精神を表現しようとしたアチラの映画があったことは、今にして思うと奇跡的。技を極めた武士としての三船敏郎の描写に不満はないし、何よりブロンソンやアラン・ドロンに対して存在感で負けていないところが嬉しいのだと思う。先日久しぶりに観て、ブロンソンの奔放さや柔軟な対応力みたいなものを武士道と対照させる狙いがあったことを感じました。どちらが優れているということではない。思想や文化の違いを、それぞれをリスペクトしつつ描こうとしたのだと思います。それは、三船とブロンソンが、道中でお互いを徐々に認め合うストーリーとして心地よく映される。生き残ったブロンソンが、三船の生き様に敬意を払っていたことを感じさせるエンディングには爽やかな風を感じました。 【アンドレ・タカシ】さん [地上波(吹替)] 6点(2010-02-10 22:37:39) (良:2票) |
《改行表示》51.《ネタバレ》 ネームだけで大迫力な面子。重量級の役者を揃えておいて、軽快な活劇に仕上げているのが素晴らしいですね。 三者それぞれがハマった役に収まってるんですよ、これは脚本の当て書きかと思うほどに。ドロンは小ずるい悪党顔だし、ブロンソンのやんちゃぶりに我らが三船の揺るぎ無さ。 外国人の侍観がよく分かる映画でもあります。武骨で己が信条を容易に覆さない。凛として清潔な三船演ずる黒田は外国人のみならず日本人も憧憬を抱くラストサムライでありました。 その黒田にゴーシュ殺害を翻意させるべくちょいちょいブロンソンが仕掛けるのが可笑しい。黒田の気配察知能力の鋭さにブーツ奪還し損ねて「この辺は蚊が多くて寝れやしない」とごまかしたり。剣術の見事さに圧倒され、じゃあ素手で、となっても体術でも容易く引っくり返されるガンマンの図。笑った。こんなに日本人にサービスしてもらえるとは思わなかった。 小競り合いしながら同行してきたリンクと黒田。男の友情がほとばしるラストは胸熱。泣けました。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-02 23:36:34) (良:1票) |
《改行表示》50.三船敏郎が終始堂々としていてカッコイイ! ブロンソンとの男の友情がとてもいい。ロードムービーとしても面白い。 日本人が外国映画に出ると変な描かれ方がされているケースが多いが、三船さんがしっかりサポートされているのが良くわかります。 欧米映画界が三船さんをリスペクトしているのが感じられて嬉しくなる。 アランドロンは引き立て役で損な役回りかな? ちなみにレッドサンって日の丸の意味だったんですね。 【とれびやん】さん [インターネット(吹替)] 7点(2022-09-18 17:54:32) (良:1票) |
《改行表示》49.ストーリーはともかく、やや大げさに言えばこの作品は国際社会の縮図のようにも見えます。合理主義のアメリカと、個人主義のフランスと、武士道の日本。アメリカにとって、日本をパートナーに選ぶことはきわめて好都合でしょう。とにかく嘘はつかない。利益も求めない。いざとなったら「用心棒」にもなる。一方の日本にとって、アメリカはかならずしも最良のパートナーとは言えないかもしれません。しかし荒野に立たされて右も左もわからない状態では、とりあえず水先案内人が必要。だから従うしかないと。それに「取引」にさえ応じていれば、意外にフェアなところもあるので、与しやすい相手でもあります。 そう思って見ていたら、最後にチャールズ・ブロンソンがおいしいところをすべて持っていきました。というか、単純にカッコよかったです。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-12-28 13:21:35) (良:1票) |
48.《ネタバレ》 外国映画における日本の描写というのは極端にデフォルメされているというイメージが強く、本作も西部劇に侍ということで見る前はかなり不安だったが、確かに昔の日本映画の時代劇に比べれば違和感があるものの、比較的まともな描写で演じる三船にも充分存在感があって不満は特にない。日米仏の三大スター共演が最大のウリだと思うが、アラン・ドロンに奪われた宝刀を奪還するために渋々行動を共にすることになった三船とチャールズ・ブロンソンの二人が徐々にお互いを認め合っていくというドラマ展開も面白く、この手のスター共演ものの中ではなかなか楽しめるし、「ラストサムライ」なんかよりこっちのほうが武士道精神を描いた外国映画としてはよく出来ていると思う。外国映画で三船を見るのは「1941」に続いて2本目だが、さっきも書いたように存在感があり、外国映画でも堂々と侍を演じていてカッコイイ。アラン・ドロン悪役なのかと思って見てたらクライマックスの展開で共通の敵を出して三船やブロンソンと共闘させる。これはやはりアラン・ドロンに気を使っているのが見えてしまい、少々強引な感じがする。でも、それを差し引いても文化のそれぞれ違う男と男のドラマとして秀逸な映画だと思うし、ラストは三船に対するブロンソンの思いのようなものが感じ取れて感動的だった。今まで見た日本人がメインで登場する外国映画(そんなに多くは見ていないが。)の中でも傑作の一本だと思う。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-10 16:13:51) (良:1票) |
47.今にして思う奇跡のようなキャスティング。当時ドロン目当ての鑑賞で、三船>ブロンソン>ドロンの役柄であったことの不満が何処かへ行ってしまった、三船とブロンソンの絡みが素晴らしい。これほどまでに孤高で誇り高い侍を描いた外国映画を他に知りません。味わい深いテーマ曲も未だに耳に残っています。 |
46.《ネタバレ》 西部劇にサムライ登場となると色物かと思いますが、きわめてまともな扱いで安心。ブロンソンと三船が対立しつつの珍道中からお色気路線、さらにはコマンチ族との乱戦と、見どころも詰まっていて飽きさせない。最後は国(文化)が異なる者同士の友情に収斂させるところも、なかなか感動的でありました。前半での伏線が効いています。「三大スター競演!」の割にはちょっと小粒ですが、製作にアメリカが噛んでない(=金がない)から仕方がないのかな? 全編アメリカが舞台なのにね。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-27 19:55:38) (良:1票) |
45.三大スター競演とはいえ、実質、三船とブロンソンの魅力を堪能するための映画でげす。「んー、寝てみたい!」とばかりに、宿の女と一戦交えた世界の三船の満足げな表情が、おお!こっぱずかしいぞ!濡れ場が無くて正解正解。んー、見たくない!それにしてもブロンソン、御年50ですぜ!よくもあんな精悍な体つき、身のこなしが維持出来たもんでございます。でも無理して若作りしてるっちゅうわけでもないんですなぁ。人生の中で培われた本物の筋肉!そのへんの役者とは説得力が違いまする。大人が大人であった時代の幸せな作品。合掌! 【モートルの玉】さん 9点(2003-09-07 14:33:22) (良:1票) |
44. 三船が「サムライ」のまま西部劇に出る異色(過ぎる)映画。でもスペインロケじゃマカロニ・ウェスタンそのもののチープさが漂う。ケチらずにアメリカロケしろよ、(プロデューサーの)ドロン!一応テレンス・ヤングが監督してるけど、「暗くなるまで待って」とは大違いのヤッツケ仕事でガッカリ。しかしドロンも「さらば友よ」であれだけ食われてて、今回もブロンソンにオイシイとこ取られまくりとは学習能力に欠けるというものだ。原題は「ソレイユ・ルージュ」…ってまんま仏語なだけジャン! 【へちょちょ】さん 6点(2002-12-26 03:39:36) (笑:1票) |
43.《ネタバレ》 1870年頃の設定のようなので既に明治である。にもかかわらず、使節団が丁髷と羽織袴姿で刀振り回すというのはちょっと変な気もする。また、そういった外見だけではなく、武士道等の精神面もすんなり理解しちゃうブロンソンも、あくまでも現代人感覚であり、当時の人間にはなりきっていないように思える。と、アレコレ変な所があるのは娯楽作品だから仕方ないとしても、女性を登場させてしまったせいで、締りのない冗長な作品になってしまったのは残念。とはいえ、世界のミフネが名優相手に堂々と演技しているという点では貴重な作品ではあるので、そこだけを楽しむ分にはいいのかも。 |
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《改行表示》42. ブロンソン、三船、ドロン3大スター顔合わせの妙味を楽しんだ。ガンマンとサムライの異色の組み合わせが見どころで、ブロンソンと三船の珍道中は武士道と合理主義のせめぎ合いが面白い。ふてぶてしくとぼけたブロンソンがはまり役、いいねえ。儲け役と言えるだろう。ドロンの悪役もハマっている。三船と田中浩はやや硬くよそ行きの芝居という印象。 コマンチの襲撃は旧来の先住民像で蛇足の感だが、武士道への敬意を表すしゃれたラストはいいね。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-04-05 17:18:39) |
41.《ネタバレ》 洋画に出てくる日本人はとかく変テコになりがちだが、格好といい言動といい、また武士道の点でもかなり研究されしっかり描かれていたように思う。黒田は剣術、柔術、合気道のかなりの達人とみえ、睡眠中も気配を察知し、殴りかかられてもすっとかわす身のこなし等、見事としか言いようがない。ただし、それほどの達人が、後ろからこづかれた程度で谷底に落ち、また水浴び中に剣を盗まれるという油断をしでかすのはストーリー上仕方のない失態か。 【チェブ大王】さん [地上波(字幕)] 8点(2019-12-29 10:37:39) |
40.《ネタバレ》 導入部から中盤くらいまで、いろいろな意味でのミスマッチぶりが凄まじい。しかし、ストーリーは案外破綻せずに進んでいく。これってもしかして意外といい?と思っていたら、本来は触媒程度の存在のはずであるコマンチ団が一気に一大敵対勢力になってしまって、これでそれまでの工夫が全部飛んでしまいました。あと、肝心のクリスティーナが全然いい女に見えないのも問題(マリアの方がよっぽど良いし、ペピータでもクリスティーナよりは上だと思うぞ)。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2019-12-11 02:03:36) |
39.《ネタバレ》 まあ、監督から役者までそれなりの方々ですから、それなりの作品にはなりますが、それなりで治まっている感がヒシヒシと伝わって来ました。関係者の名誉のために一応言っておきますが、決して悪くは無いです。それで、このそれなり感は何が原因かというと、まずはキャラクターの設定が失敗です。ブロンソンは寡黙なアウトローに徹し切れていない。ドロンはニヒルな悪役には少しヤワ過ぎる見せ方。三船に至っては、あろうことか、あんた、女を部屋に入れて・・。と、どうも、どっちつかずな、皆さん同じようなキャラになっているのが一つ。そして、西部劇なのかロード・ムービーなのか冒険活劇なのか、これも中途半端な設定。いっその事、何処か一つの町での出来事にして、例えばトゥームストーンとか、だったら軸足の定まった渋い西部劇になっていたかも知れないですよ。氏素性も国籍も性格も違う三人の男たちがある日町にやって来て、悪と正義と意地と義理と人情が交錯した悲劇が起こり、生き残った主役のブロンソンだけが去っていく。こうした王道の西部劇にするべきだったな。いや、悪くは無いのです。 【パセリセージ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-12-07 19:56:19) |
38.西部劇とチャンバラの融合というレア感はあるものの、ストーリーは凡庸かな。必然性がなく、ご都合主義という感じ。特に西部劇なんだからネイティブアメリカン出さなきゃっていうのは、なんとも・・・ 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-12-07 13:33:33) |
《改行表示》37.《ネタバレ》 3大俳優の共演を見るための映画。 内容は王道ゆえにそれなりには楽しめる。 無粋ながらこういう話はあり得るのかを考えてしまうのですが 調べてみたところあり得なくもないものの やはりファンタジーとして見るのが正解のようですね。 【Dry-man】さん [DVD(字幕)] 5点(2018-11-27 01:37:34) |
36.ストーリー云々よりもチャールズ・ブロンソン(声:大塚周夫)、三船敏郎(声:大塚明夫)、アラン・ドロン(声:野沢那智)の共演と言うだけで嬉しい。 【ガブ:ポッシブル】さん [地上波(吹替)] 8点(2017-01-20 12:57:55) |
35.設定がユニークで重みの無いアラン・ドロンも味がある。最後まで銃に刀と手裏剣で応戦するシナリオも評価したいけど、007並にリアリティ無さ過ぎ。いっそコメディ仕立ての方が良かったのでは。 【ProPace】さん [地上波(吹替)] 6点(2017-01-14 22:35:11) |
《改行表示》34.《ネタバレ》 監督テレンスヤング、音楽モーリスジャール、出演がチャールスブロンソン、三船敏郎、アランドロン。侍が出てくる西部劇…なのに欧州製作。 …という設定だけ聞くと「どういう事?」と混乱してしまうとんでも映画。 今回テレ東で放送されていたので35年ぶりくらいにみました。 そもそもなぜこんなとんでも映画ができたかというと、三船からの持ち込み企画がハリウッドでは映画化されず欧州に持っていったら映画化してもらえる事になった。といういきさつがあるからで、ネットのレビューなどで「なぜこんな糞映画に三船が…」なんて感想も読むけれど、そもそもこれ三船からの持ち込み企画だから彼が出ているのは当たり前なのです。 監督の起用も他にペキンパーなどの候補がいる中、三船がテレンスヤングを選んだそうなのですが、ペキンパーだったらどんな感じだったのか非常に興味深いですね。 で、映画の内容ですが、前半はまぁわりといいんです。敵対する2人が共通の敵を追ううちに…というオーソドックスなバディ物ですから。 しかし中盤、何の関係もないコマンチが出てからがいけません。なぜコマンチだした? クライマックスはなぜか(何の関係もない)コマンチとの混沌としたバトルに突入し、もはや元の確執もあやふやに。 コマンチが敵とか冒頭の展開となんの関係もないし必然性もなく、シナリオは迷走していくのです。 この後半のgdgdぶりは本当にひどくて、前半のよさをすっかり台無しにしてしまっています。 まぁそれでも、それなりに観られたので駄作一歩手前で踏みとどまってはいるのですが、後半、謎のコマンチさえいなければもうちょっと面白かったのに…とそれが非常に残念でなりません。 【あばれて万歳】さん [地上波(吹替)] 6点(2017-01-14 11:42:54) |
《改行表示》33.《ネタバレ》 「Soliel Rouge」。 テレンス・ヤングと言えば「007」でおなじみの脳みそ「テレッテレー♪」な監督だが、「暗くなるまで待って」とかまともな作品もあるので油断できない。 だが本作は文句なしにテレンス・ワールド全開の映画だ。 からっ風吹き荒れる荒野にたたずむ日本の武士。 文化の壁を破壊するようなシュールな光景だが、そこに立つ侍の「黒田」には男の魂が宿る。 明治維新の使節団として派遣された黒田たち。 強盗団の襲撃に巻き込まれ、天皇からの授かりものである宝刀、そして同僚の命を奪われる。 上司の密命を受け、命懸けの行動に出る黒田。 移りゆく時代を受け入れようとする黒田と、時代に縛られずに生きる賞金稼ぎのリンク。 軍人とアウトロー。 どこまでもデコボコな二人が、死地をくぐる度に絆を深めていく。 話は突飛な描写や展開も多いが、時代考証は上出来(明治維新以後なら天皇が取り仕切る。でもわざわざ紋付き袴で来なくても・・・)。 テレンス・ヤングの荒っぽさと三船敏郎の知識が融合したような映画だ。 三船敏郎の殺陣、馬術、英語とポテンシャルを遺憾無く発揮。 髭面のブロンソンも悪党のアラン・ドロンも伸び伸びしている(ドロンの声だけ吹替なのが残念)。 ブロンソンの鋼の肉体、三船敏郎の無駄な肉が無い引き締まった体。 とことん男の友情が詰まった「雄」の映画です。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-12-06 15:13:08) |