《改行表示》122.《ネタバレ》 芳山和子は大林監督の理想の少女だったのだろうか。彼女のきれいな言葉遣いや遠慮がちながらも清く正しいその所作は、旧き佳き時代の日本的美しさを湛えている。同級生である深町君の家で雨宿りする際にも、雨から逃れる性急さの中で出来る範囲で、彼女は靴を入船ではなく出船に揃え、さらには彼の靴までそっと直したりする。その美しさ!80年代とはとても思えない古い町並みの尾道と、そこに閉じ込められたかのような少女、芳山和子。ドタバタ喜劇を中心に描くことが多い大林映画だが、『時をかける少女』では喜劇色は岸部一徳と根岸季衣のネクタイをめぐるコミカルなやりとり程度にとどめられ、一貫して儚げな和子の沈んだそのたたずまいを捉えることに終始する。尾道三部作の中でも本作がどこか異彩を放つ印象なのはそのせいだろう。あまりに作りものめいた星空や、せっかくのクラシックな雰囲気を台無しにせんばかりのタイムリープの特撮、深町君の冗談のような台詞回し、ラストの美しくもかなしい余韻を断ち切るほどの可愛らしいミュージカル的エンディングなど、大林宣彦を大林宣彦たらしめている大林映画ならではの彼のその破壊的こだわりが、『さびしんぼう』の前半部分などと同様に本作の喜劇部分であるとも言えるのだが。そんな子供騙しに凝らした意匠の裏で彼がそれでも真摯に描くのは、未来人が拝借したささやかな傷の記憶が結ばれるはずだった二人の頼りなく幼い恋を引き裂く無情、書き換えられた恋でもその気持ちはうそではなかったと涙する少女の痛み、そして愛したその思い出すらもまるごと消し去られてしまうことの残酷さだ。冒頭のタイトルバックで描かれる障子越しに俯く和子のシルエットは、内気な少女のとまどいやためらいと同時に、指の傷を見つめる彼女の失われた初恋の姿でもある。拙く荒唐無稽な物語世界に潜む、そんな遠い日の痛ましい初恋がたまらなく胸を刺す。芳山和子を演じた原田知世は大ヒット曲である本作の主題歌『時をかける少女』を、今の私の歌ではないとして長い間封印してきたという。彼女がアレンジを変えつつもこの曲を再び歌うようになったのは、映画のラストで描かれる1994年どころか、ごく最近のことである。演じた原田知世までもを四半世紀に渡ってそこに封じ込めてしまうほどに、大林宣彦は忘れがたい少女像をこのフィルムに焼きつけたのだ。 【BOWWOW】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-07-26 17:28:20) (良:6票) |
121.《ネタバレ》 昨日の夜中、突然目が覚めてしまい、どうにも寝付かれなくなったもんだから、こっそり起き出し、TV放送を録画したモノを物色するうち、「ああ年末年始休暇も終わっちゃうよ、時間戻らないかねえ」という気持ちと一致したのか、目にとまったのが本作。夜中暗がりで一人観ていると、あの人形が動くシーンが結構怖かったりする(笑)。それにしても原田知世。当時は周りにも結構、ファンがいたりしたのよね。本作のワンシーンの弓矢を構える姿を、体育祭の応援タテ看板にしてたクラスもあったっけ。今の視線でみりゃあ、キツイものは当然、ある。未来人とやら、あんたエライよ、はるか未来から来ていながら、このダサさに見事に馴染んでるもんね。それにしてもこのなんともいえない懐かしい雰囲気。広島に一時住んでたときには何度も足を運んだ尾道の風景がよい。尾道といえば何かと『東京物語』が引き合いに出されるが、オノミチ指数の高さはもちろん大林作品の方がはるかに上。そしてまたこの、“80年代前半”という、私が中学生だったころの空気。周囲の(一部)の知世ファンも含め、当時のこと、色々と思い出されちゃったりする。ああ、半端な特撮さえ無ければなあ、と思いつつ、これもまた無ければ無いで寂しいよ、きっと(笑)。さて見終わって寝室に戻り、すさまじい寝相で寝入っている子供をエイヤッと布団に引き戻し、隣に私も寝転がる。ついこの間まで一人気ままにプラプラしていたように思える私にも、気づけばこうして子供がいたりするのだなあ、と。ああ、時の流れよ。 【鱗歌】さん [地上波(邦画)] 7点(2008-01-06 16:39:56) (良:5票) |
《改行表示》120.《ネタバレ》 切ないラストシーンのあと、その余韻を打ち破り、あらすじを再度辿りながらヒロインが歌うエンディングは、シュールすぎて公開当時は物笑いの種になっていたようだ。本編では、彼女の愛は悲しい運命の前に引き裂かれる。それがエンディングでは、ヒロインが振り向き際に深町にぶつかり、顔を上げ、自分を見守る深町を見て微笑むシーンで終わる。それは、現実の歴史では実現しなかった夢物語である。本編では幸せになれなかったヒロインに、もう一度やり直すチャンスを与えてくれた大林監督の親心を、私は評価したい。 我々の人生には、やり直しなどない。SFのようにタイムリープなどできないとわかっている。今では変わってしまった竹原の町並みも、あどけない17歳の原田知世も、もう戻っては来ない。だからこそ、NGを出してやり直しを請う原田知世が、たまらなくいとおしい。 「尾道三部作」第2作の本作で大林監督は、古風な竹原の町で、愛した人の記憶を消されてしまう物語を描いた。監督が訴えようとしたのは、失われていくもののいとおしさだったに違いない。第1作「転校生」では、ヒロインがボーイフレンドに別れを告げたあと、振り向いてスキップを踏んで帰るラストシーンを描き、忘れること、思い出にさよならを告げること、それが大人への階段を登ることなんだと訴えた。ところが本作では、二人とも記憶を消されるからたとえ会ってもお互い判らないと言う深町に、ヒロインは「分かるわ、私には」と断言する。そして遠のく意識の中で「さようなら、忘れない、さようなら」と訴えるのである。 過去を失うことは、つまるところ、未来を失うことなのだろう。過去の経験があってはじめて、未来があるからだ。それゆえヒロインは、たとえ傷つくとわかっていても過去の真実と向き合う道を選び、深町もまた、掟に背いてでも彼女の気持ちに応え、全てを告白した。 10年後、大学の廊下で偶然出遭ったヒロインと深町は、デジャブを感じながら互いに振り返る。カメラが後ろにすうっと引いて行き、深町がみるみる遠くなっていく演出には、胸が締め付けられる思いがする。 指の傷は癒えても、傷跡は消えることはない。たとえ愛した人の記憶は消えても、人を愛した記憶は心の片隅に残るものなのだろうか。 「預言はすたれ、知識もすたれる。 だが愛はいつまでも絶えることはない。」(第一コリント13章) 【高橋幸二】さん [地上波(邦画)] 7点(2010-01-24 20:27:50) (良:4票) |
《改行表示》119.《ネタバレ》 テレビ版「セーラー服と機関銃」「ねらわれた学園」でコケた 原田知世を万全の体勢で蘇らせた作品。演技が生硬→初々しい、 合成画面がチャチ→当時としては画期的、すべてのマイナス要素 をプラスに変えてしまったアイドル映画としてはかなりのレベル。深町くんのじいちゃんばあちゃんを演じた上原謙、入江たか子の滋味溢れる演技、「ずーっと、二人っきりなんだろうねー」にも泣けた。「愛の実りは海の~いろ(ララララララ~)、空のため息、星屑が、ヒトデと~(ヒトデ?)出会って~(出会って)億万年!」いまだに原田知世に芳山和子のイメージを重ねて いる30代の野郎は多いはず。 (追記)やっぱりこの映画は満点にします。レビュー内容も何度も変えてすみません。大林監督のデビュー作「ハウス」まで遡って観た今となっては、中途半端な得点だと自分にもこの作品にも不実なような気がするんで。 あくまで自分の中での傑作という事で。「あにやん」さんのレビューがこの映画に対しての最も的を得たご意見だと思います。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 10点(2004-01-28 15:03:23) (良:4票) |
《改行表示》118.《ネタバレ》 当作品の公開時、私は高校生でした。原田知世さんの大ファンだったクラスメートが観に行き「大半の観客は、同時上映の【探偵物語:薬師丸ひろ子さん主演】が目当てで、当作品の上映中は苦笑・失笑ばかりだったけど、俺は応援するような気持ちで観たぞ。内容や雰囲気など作品自体も良かったぞ」と熱く語っていたのを覚えています。 しばらくしてTV放映されたので観たのですが、私も好感を持ちました。全編にわたるノスタルジックな雰囲気をはじめ、それまでの大林監督作品の【ハウス:1977年】や【ねらわれた学園:1981年】などに典型的なギャグ要素(そのセンスに私はついていけなくて…)が皆無の作風に安心しました。若手俳優さん達の演技は、確かにお世辞にも上手いとは言えませんでした。しかし既にそれまでの評判でわかっていましたし、特に【実写映画版・火の鳥:1978年】から知っていた尾美としのりさんの喋り方からは「主演に合わせたのか、それとも作風に合わせたのか、演出で意図的に棒読み調に統一したのかな…」という印象を受けたので、私は気にしませんでした。また、数々の台詞についても【1970年代の青春ドラマ・スポ根ものの台詞や演出を“くさい”とお笑いのネタにする】という当時のTVバラエティーの風潮に懐疑的だった私は、逆に真っすぐな気持ちで受けとめました。 その後も、深夜放送等でたびたび観ていたのですが、今回、某ローカルTV局でノーカット放送していたので録画し、20数年ぶりに再見しました。さて結果は…。 まず、障子に映るシルエットで表現されたオープニングタイトルからして「単なる学園SFものではない」とあらためて思いました。この場面に限らず、光と影を基調とした映像の数々には【当作品公開の数年後、ホームビデオカメラに押され生産中止の危機にあった8ミリフィルムについて、映像表現の媒体としての価値を力説していた大林監督の姿】を思い起こしました。タイムリープの場面には【実写のコマ撮り】や【スチール写真の切り抜き風に演出した人物のアニメーション】を複合させた、言わば【8ミリフィルムカメラの限定的な機能でも可能だった映像表現の再現】のような一面を感じました。そして、主人公をはじめとする若者像や風景描写は、リアルな学生や現実の街並みというより、大人が懐かしさをもって思い出すプライベートなイメージのように思いました。これらのことから【商業(アイドル)映画という体裁で製作した個人映画・自主映画】という印象も受け、大林監督のキャリアがあればこそ実現した贅沢な作品とも言えるかな…と思いました。 なお、ストーリーについては、現在、子供を持つ親となった私には、切なさを通り越してつらいものを感じました。主人公は「普通の女の子に戻りたい」と言っていたのに、未来人との出会いで本来の【幼なじみと結婚し、母となり…】という【普通の営み・人生の喜び・命のつながり】が断ち切られたように思います。このことと、交通事故で息子夫婦や孫の命を奪われた隣の老夫婦の姿とが重なったのです。そして「ひとが、現実よりも、理想の愛を知ったとき、それは、ひとにとって、幸福なのだろうか?不幸なのだろうか?」というオープニングの字幕が、重苦しくのしかかってきました。それだけにエンディングは「これは、フィクションですよ。気楽な気分で現実に戻って下さいね」と感じられ、救われた気持ちになりました。【それまでの雰囲気のぶち壊し】が、私にはプラスになったわけです。 さて、採点ですが…個人的には10点にしたいところですが、当作品を好意的に観られるかどうかは「演技や台詞をとりあえずスルーできるか」「ストーリーを追うよりも雰囲気を味わえるか」「ゆったりした展開を、詩的なものとして受け入れられるか」「タイムリープの場面を、アマチュア的な手作り映像へのオマージュとして好意的に捉えられるか」「エンディングで気持ち良く気分転換できるか」にかかっているかな…と思います。このように、万人受けする作品ではない点を差し引きつつ、それでも大林監督が生んだ名作として9点を献上いたします。 【せんべい】さん [地上波(邦画)] 9点(2017-03-12 14:18:36) (良:3票) |
《改行表示》117.《ネタバレ》 冒頭の場面で原作のオチを軽く蹴飛ばしてしまい、この映画は違うんだと宣言しているかのようだ。違っている点は、原作の登場人物が中学生のため思春期の一時的な心の揺れで済ませられるのに対し、この映画では年齢が高校生まで上がっているので、劇中の出来事がその後の人生を直接左右する恐れがあるということである。果たしてこの映画ではヒロインと、その幼馴染みがとばっちりで人生を狂わされてしまった。こんな理不尽な映画に誰がした、と怒りを覚える。どこが理想の愛だ。だいたい深町が憎たらしい。 しかし、本編終了後のプロモーション映像のような場面になると一転、ヒロインがにこにこしてとにかく可愛いので、見ている方も顔が緩み、テーマ曲に合わせて身体を左右に揺らしてしまう。周囲の登場人物もヒロインを盛り立てようとしているのが嬉しい。この幸福感で本編のいろんなことは全部許してしまい、あーよかったという気分になって映画の評価が確定。終わりよければ全てよしという結末。 ところで、舞台の街が超レトロであり、また一部の特殊効果が超安手なのは、映画自体が古いせいだと思う人がもしかするといるかも知れないが、これはリアルタイムで見てもそのように感じられたと証言しておく。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-12-31 23:49:07) (良:3票) |
116.《ネタバレ》 公開当時は大学生。自分の周囲にバカみたいな原田知世ファンが何人かいて、それに引きずられた感は否めないが、ある時期、いつも仲間内でこの映画のことを話題にしていた。赤いカーディガンがカワイイとか、土曜日のぉ~実験室ぅ~とか…。ホント、みんなバカで若かった。そのことを思い出しただけで、簡単に当時の空気までが脳裏に蘇るから、ある意味貴重な映画でもある。でも、この作品の原田知世は確かに輝いていた。もう超新星レベル。完全なアイドル映画で、芝居もまだまだだけど、それが却って初々しい味わいに思えたのは、大林監督の作家性でしょう。同じ時期の松田聖子の映画とか、酷いものね。この映画はタイムリープ能力を持ってしまった少女の不幸というお話だけど、本当に可哀相なのは尾美としのりのゴローちゃんだ。幼なじみとの美しい思い出を未来から来た表情のない男に乗っ取られ、半永久的なナンバー2を宿命付けられてしまった。本人にその自覚がないことも不憫。ちなみに、尾道は今作でもロケ地に使われているが、黒い瓦屋根が印象に残る町並みは尾道から20キロほど西に位置する竹原という町です。尾道のような坂や海は無いけれど、落ち着いた風情のあるところで、国から町並み保存地区の指定を受けています。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-03-31 05:05:22) (良:3票) |
115.大好きな大林宣彦監督による最初の尾道三部作の真ん中、二作目として撮られたこの映画、十何年ぶりに観ました。以前、見た時は、なんだ!いまひとつだなあ!という風にしか感じなかったのに、何てことだ!やたら面白くて、それでいて、どこか懐かしい。大林宣彦監督の描く世界はいつも懐かしさを感じる。尾道には高校時代に修学旅行で一度しか行ったことがないのに、どういう訳かこの映画、見ていると他の大林宣彦監督の映画同様、もう何年もその場所で自分が生活をしているような感覚になるから不思議だ!大林宣彦監督の故郷、尾道の狭い階段も海が見える丘もその他、学校も何もかもが遠い昔の記憶の中にある懐かしくて、懐かしくて、やたら温かい風情というものを感じてしまい、何かもうそれだけで泣けてきそうだ!主演の原田知世の演技は確かにどう考えても上手くない。いや、むしろ下手くそだが、それが良い具合に作品の雰囲気に合っている。日常の生活の中にふっと起こる非現実的なエピソードがこれまた見事に描かれているのには参った。それにしても、大林宣彦監督はヒロインを美しく描くのが本当に上手い。ずっと前に見た時よりもずっとずっと面白く感じることが出来た。所々映される桜の花やピアノの音、更にはバイオリン、幻想的な映像美、甘いと言えば甘いのたが、その甘さこそ大林宣彦監督の一番の魅力だと思う。そんな甘くて、どこかほろ苦いこの物語とあのラストシーン、私も随分と歳を取ったもんだ!欠点だらけの作品だと思うのに、どういう訳か素直に楽しめたし、また感動してしまったぞ!それしにしてもこの作品の評価が「転校生」や「さびしんぼう」に比べると低すぎる気がしてならない。私は例え甘いと言われようがこの作品も支持します。 【青観】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-06-29 22:57:06) (良:3票) |
114.映画館で感動させるシーンで、まわりの観客たちが失笑していたのを憶えてます。不覚にもそこのシーンで涙腺がゆるんでしまい一所懸命ごまかしました。この映画のあと、ラベンダーの香りがすると気絶するようになりました。うそです。 【omut】さん 7点(2003-09-01 00:10:38) (良:1票)(笑:2票) |
《改行表示》113.《ネタバレ》 棒読みと当時でもありえないセリフ回しが、なぜかこの映画に限っては味があるものに感じてしまう。 いや変なCGも都合のいい設定もすべて。 タイムリープものなんだけれども、大した事件も起きることなく、等身大の女子高生の悩みがテーマとなっている。 そして終盤のなかなかな展開につながっていく。 後味の良いラストもありきたりかもしれないが好きだ。 原田知世さんの可憐さや郷愁を誘う尾道の町並みなどに加えて、数あるアイドル映画の中でも最高傑作であり、続編が作られるなど邦画に影響を与えたということで、やはり映画ファンならば必見レベルだろうと思う。 【たんたかたん】さん [インターネット(字幕)] 8点(2015-09-30 21:13:25) (良:2票) |
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《改行表示》112.《ネタバレ》 この映画は、たぶん、ヒロインの芳山を演じた原田知世の映画。 知世を観るためだけにある映画だと思う。 と同時に、相手役の青年の祖父母のやりとりを観るとき、とても悲しくなる。 「土曜日の実験室」 1983年当時の、いろんな思い出が蘇る映画。 個人的に大好きな映画。 さて、筒井康隆の原作を読むと、映画とは違う印象でした。 この映画は、たぶん、これから五十年もしないうちに価値が大幅に下がる気がします。 でもいいんです。それがアイドル映画というものでしょうから。 【追記】2017年3月12日 エンディングが好きだ。大好きだ。歌と映像が好きだ。 若手俳優の演技は棒だし、映画のクオリティは低いのだろう。 それに、原田知世の写真集を買いたいと思ったこともない。 でも、大好きな映画なのは、同世代だからなのかもしれない。 【激辛カレーライス】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-09-27 15:55:05) (良:2票) |
《改行表示》111.原田さんの出身中学が私の近所ということもあり、デビュー時からのファン。その私にしても、歌も演技も上手じゃないなと思ってしまう。しかし彼女は清純でかわいいだけでなく、初々しく皆から大事にされるところがある。この映画はそういった彼女の良さが前面に出た映画だと思う。 映画はファンタジックで主題歌とよくマッチしている。そして彼女を支える吾朗君がとても良い。ストーリーはいまいちだが何度も繰り返し見た映画である。 ところで、深町君の祖父と祖母を演じた二人、上原謙と入江たか子は戦前の人気スター、ここでお目にかかるとは夢にも思わなかった。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 7点(2011-09-14 06:15:23) (良:2票) |
110.中学生の時にスクリーンで見て、そのあと何度もDVDで見て、こないだ「時かけ映画祭」でまたスクリーンで見てきました。2006年のアニメや2010年版に比べてツッコミどころが多いのは確か。間抜けなセリフやこっぱずかしい歌の入り方、高柳良一の比類なき大根っぷりなど、マイナス点はいっぱい。でもね、この映画には他にはない「せつなさ」がたっぷり入っています。こんなせつない映画、つくろうとしてつくれるもんじゃない。知世と原作と尾道の風景、どれか1つ欠けてもなしえなかった奇跡のような偶然の産物です。見てない人はぜひご覧あれ。 【ケルタ】さん [映画館(邦画)] 10点(2010-03-01 11:21:48) (良:2票) |
《改行表示》109.知世ちゃんの魅力をひたすら味わうべき作品ですね。 はっきり言って、映画そのものの完成度としては、取るに足らないレベルです。 だけど、エンディングで流れる主題歌『時をかける少女』には、何故か心揺さぶられるものがありました。 70年代から80年代にかけての、あの甘酸っぱい独特の雰囲気が、タイムカプセルのように保存されているような気がして、あの曲を聴いた瞬間に、まるで「時をかける」気分になれました。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-10-08 00:22:58) (良:2票) |
108.《ネタバレ》 音楽が素晴らしい。劇中で流れる情緒溢れる旋律が心を捉えます。エンディング『時をかける少女』も名曲。音楽の力がこれほど威力を発揮している映画もめずらしいと思う。印象を2割は良くしていると思います。そして原田知世。よくみれば結構地味な顔立ちです。でも何でこんなにカワイらしいのか。あの弓道着姿、そしてサービスブルマ。ピュアでノーブルな魅力にメロメロでした。彼女の存在で更に好印象です。ストーリーも切なくて好き。“時は過ぎていくものではなく、やってくるもの”。2人の“初めての再会”は必然の奇跡。情感が溢れてきます。モノクロとカラーの使い分けにコマ落し。突如出てくる書割の背景。どれも作品に懐かしくて柔らかな色を与えています。今まで自分が鑑賞したアイドル映画の中では、群を抜く出来栄えでした。とても好きです。ただ手放しで褒められる訳ではありません。ヒロインもその相手役の彼も、演技は芳しくありません。オチの付け方もいささか強引だと思う。深町くんの独白のみでの真相解明では味気ないです。それに和子のタイムリープの法則もよく分からない。長所も沢山あるけど、短所も目立つ。そんな作品でした。でも「色の白いは七難隠す」とは良く言ったものです。この場合の白はもちろん…。2006年のアニメ版しか観ていない方も、是非本作を鑑賞されることをお薦めします。どちらの作品も味わいが増すこと間違い無しです。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-02-06 19:15:18) (良:2票) |
107.大林宣彦監督の尾道三部作のほかの2作はもうだいぶ前に見てたが、この2作目だけ見てなくて長い間ずっと見たいと思ってたけど、ようやく見ることができた。「転校生」と「さびしんぼう」を初めて見た頃から数年が経過していてなおかつ大林作品を見ること自体がかなり久しぶりで自分の感覚と大林監督の作風が合わなくなってるのではないか、またここの平均点から見て角川のアイドル映画以上のものはないのではないかなど見る前は期待よりも不安の方が大きかった。しかし、その思いは映画を見ているうちに吹き飛び、大林作品の味とでも言うのか、そんなものがとても懐かしく、徐々に大林ワールドに引き込まれていった。「転校生」、「さびしんぼう」には及ばないまでも、三作の中でいちばん芸術性が高く、これもまた傑作だと思った。「桃栗三年、柿八年」のうたももちろん印象に残るのだが、上原謙、入江たか子という二人の往年の名優が演じる老夫婦のラスト近くの会話がとても印象に残る。しばらく見ていなかったけど、大林監督の映画にまた興味がわいた。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-08-29 17:09:43) (良:2票) |
106.冒頭、白黒の、描き割りみたいなお星様見上げる芳山和子こと原田知世の映像。ここでノレれば名画、ハズレると失笑の嵐となるビミョーな映画ではあります。私はここで「は~(ポッ)」となってしまったので、すっかりこの世界の虜になっちゃったワケですが。作為的な映像に溢れ、リアリズムから遠く離れたこの世界に、心がわくわくずきずきどきどき感じっ放しだったような状態、夢のようなひとときだったのですが、最後に場内大失笑状態だったのにはもうガッカリでした。あのエンディングこそ、夢から覚めて「A MOVIE」を締めくくる名シーンなのに~。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 9点(2003-12-13 13:41:39) (良:2票) |
《改行表示》105.《ネタバレ》 これは封切り当時観た時は、正直、良さが分からなかった。 変な演出だなくらいしか思わなかった。 が、大林作品を多く観ていくうちに、大林マジックにも慣れ、 40年経って再鑑賞。 驚いた。 こんなに天才ぶりを発揮していた作品だったのか!?と・・ 周りの多くの映画青年が、この映画に影響受けていることも改めて分かった。 自分の凡才ぶりにも気づかされた(笑) でも、何より、この人の天才さを早いうちに気づいて、どんどん その才能を伸ばした業界の人たちの慧眼ぶりに驚いた。 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2023-02-03 08:43:45) (良:1票) |
《改行表示》104.《ネタバレ》 初見、淡々と映画を見て「ふぅぅん。大林監督の、当時の角川アイドル映画だね」と、それ以上広がらない感想を持った。 角川春樹が原田知世に“この映画をプレゼントして芸能界を引退させたい”という想い。大林宣彦の“プライベート・フィルムとして好きにやりたい”という想いが、筒井康隆の原作(未読だからどれだけ弄ったか解らないけど)と、上手い具合にマリアージュしていた…って事は、後から調べて解ったこと。 …こういう話がパンフレットを買わなくても、検索すれば誰でも見られるんだから、便利な世の中だわ。 そのへんを踏まえて再視聴。土曜日の実験室。深町くんが芳山和子の記憶を消して、未来に帰る話をしている。 引退するアイドルのプライベートフィルムとしてみると、芳山くんを角川春樹(&原田知世のファン)。深町くんを引退する原田知世。そこには出てこない吾郎ちゃんを渡辺典子辺り(本来、事務所としてプッシュしなきゃいけないアイドル)として観ると、二人の会話からして、まぁ面白い。 芳山(角川)と吾郎(角川アイドル)が積み重ねてきた記憶(映画の主演ワク)を、訳あって深町(原田)がちょっとお借りして、お互いに好きになってしまった。 時をかける少女は、原田知世主演だから出来た映画。彼女でなければ、このワクは他のアイドルの違う原作の映画になっていただろう。 数年後のある日、偶然に再会する二人。深町(原田=一般人)は相手が芳山(角川=業界人)だと気づくが、芳山は気が付かない。あれ?どこかで…ってなるけど、別々の方向に歩き出す。引退から数年後、角川は原田とこんな再会が出来れば幸せかな?と思ったんだろう。 そこからあの楽しいエンディング。 「あなた わたしのもとから♪」主題歌(の歌詞)もベストマッチ。この映画と原田知世への愛が溢れた素晴らしいエンディング。 こんな映画が撮れるのは、大林監督だけだと思う。 モノクロとカラーの合成、アニメーションと実写の融合、コマ撮り、興味がある斬新な技術はどんどん入れてくる姿勢。大学の映研が楽しんで作った、とても出来の良い自主制作映画みたい。 ハリウッドのSF大作なんてお金無いから作れないけど、大林監督の技法なら頑張れば出来そうだ。 「あれシクラメンぽいけど、ラベンダーって言えばラベンダーに見えるんだ!(※調べたら造花でした)」 どう撮るかは工夫次第。そう思って映画制作を諦めなかった、未来の映画監督のタマゴも多かったんじゃないかな? でも数年後の老夫婦の会話に、そこそこの時間を割いているところとかが、やっぱり素人とプロの違い、本物の監督のハードルの高さを魅せてくれている。素晴らしい監督だ。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-06-05 12:33:08) (良:1票) |
《改行表示》103.《ネタバレ》 何故か当時、私の周りには原田知世ファンが多かったのだが、この映画の大根っぷりが微笑ましく可愛かったからなのか?どうなんだ・・・? ラスト、倒れているとこから『時をかける少女』を唄っちゃうんだもん、凄いよね・・・とても素敵!! 何か、私も原田知世が愛おしく思えたし(白いブルマー姿は、お宝で必見)、確かに君は“時をかける少女”だったんだろう・・・尾道の風景も含めて、好評価の人の気持ちもわかったような気もする。 点数はこんなもんだけど、人間ちっちゃな事で悩んだらアカン・・・って言われたような気がした2014年冬の日、我が家のトイレは消臭元ラベンダーの香りです。 【ぐうたらパパ】さん [インターネット(字幕)] 4点(2014-01-24 16:48:58) (良:1票) |