《改行表示》67.《ネタバレ》 この映画は長年の課題だった。薦められてもう7年近く経とうか。実際に観てみると予想以上の違和感だった。 端的に言うとこの映画はテロリズム容認の映画だ。ここでいうテロリズムとは不合理と思われる理由で人が殺されたり、暴力を振るわれるのを良しとする思想だ。この視点が徹底されているのは、ある意味で筋が通っているが、明らかに間違っているし、これが認められてはかなわないと思う。 上記の問題点(?)が最も分かりやすいのは、真が直樹を警察署に連れて行くシーンと秋彦を殴り倒すシーンだろう。まず、直樹を警察署に連れて行くシーンだが、真の直樹に対する思い入れがすごい。全然彼を責めない。人質経験のあるものはかなりの確率で人殺しになるということが前提になっており、そうなっても仕方が無いかのような映し方だ。真の知り合いの圭子さんも直樹に殺されたというのに。これは最早驚異の世界である。少なくとも僕は自分の知り合いを殺した人に触れたくないし、関わりたくない。死刑になるかならないかに関わらず、早くつかまって欲しいと思う。それ相応の罰を受けて欲しいと思う。 2番目は真の秋彦に対する仕打ちだ。真は秋彦を殴り倒し、バスから降りることを強制する。真の言い分には分かるところも確かにある。しかし、話し合いも無しに、彼は秋彦を殴り倒す。この描き方に価値観はないと人は言うかもしれない。しかし、この映画は明らかに真を好意的に描いていることは誰も否定できまい。彼の間違いは映画内で否定されるべきだし、それが無いのであれば、その行為が肯定されたと見なしてもおかしくは無いだろう。直樹と秋彦のどちらが一般市民に与える害が大きいかを考えると、これは怖ろしいことだ。 要は、私が言いたいのは、この映画は結果的に「暴力」を容認しているということだ。金を取ろうとする親戚は悪いが、純粋な思いで人を殺すのはかまわない。そういう極めて短絡的な心情論が先行した映画なのである。結果ではなく過程を重視しすぎた結果がこれだ。「被害者の癒し」とか「いたわりの眼差し」とかはそんなに重要なことじゃない。人間の責任はまずは結果にあり、そこから必要であれば過程を問うべきだと僕は思う。 最終的に映画が長いとか長くないとかはどうでもよい。「面白くない」わけじゃない。「許せない」から僕は0点をつけるのだ。 【枕流】さん [DVD(邦画)] 0点(2009-03-29 00:12:44) (良:3票) |
66.《ネタバレ》 あらすじを見ていればおそらく見ていなかったと思うが、それにしても自分の中では飛びぬけて最悪の映画だった。あまりのむなしさに吐き気がして死にたくなったほどだ。まず映像が汚い。モノクロだし汚いバスの中など場面場面も見にくい。最後に色がついた時に本当に吐き気がした。次に音楽、ほとんどないと言ってよい。そして後半は咳き込む音ばかり。最悪の音楽に聞こえ気分がまいってくる。次にバスジャック犯の全くやる気のない人の殺し方、あまりにやる気がなさすぎる。生の冒涜もはなはだしい。まあとにかく陰鬱な描写が延々と続く。とにかく長い。部屋の中であかりをつけたり消したりする場面は心情を表しているの?まったく不要。手でゆっくりコンコンと叩くのが会話のつもり?また吐き気がした。連続殺人犯の犯人は誰なの?殺された彼女たちはどうなるのさ?主人公の頭もいかれているんじゃないの。思い出しても吐き気がする。 【ピヤクト】さん 0点(2003-11-28 02:47:59) (笑:3票) |
65.217分という長尺やセピア調のモノクロ映像を鑑みると、作家の方が観客を拒否しているようにしか思えない。映画芸術は作家性と娯楽が融合した時にこそ「傑作」足り得ると考えている私は、逆に勿体ない映画だなぁと思ってしまう。妙な緊張感が映画を支配しているので、私の嫌いな遠景長回しの連続でも決して退屈はしませんが、この内容ならば無理矢理カットしなくとも150分以内に抑えることができた筈。PTSDからの再生の物語にしても中途半端にファンタジックで中途半端にリアル。ということで、ちょっと厳しいかもしれませんが6点献上。 【sayzin】さん 6点(2002-03-17 13:15:24) (良:3票) |
64.こういう思わせぶりな映画、嫌いなんだよね。しょせんメッセージは明白なんだからもっと解りやすくつくりゃいいんだよ。千ウン百円也の木戸銭払って三時間半もインテリゲンチャの独り言に付き合わされた一般大衆の身にもなってくれよ。この映画観て、ガキっぽいとかバカっぽいとかいわれることをおそれなかった黒澤明やチャップリンの偉大さをあらためて再認識。 【じゅんのすけ】さん 3点(2003-07-22 22:32:47) (良:2票) |
《改行表示》63.《ネタバレ》 神は細部に宿るという言葉があります。もとも建築用語だそうですが、自分映画の場合は、登場人物がどれだけ生きた人間として描かれているかどうか、その細かさが肝心である そういう意味の言葉として勝手に解釈しています。 SFやファンタジーなら別ですが(もちろんそれらにおいては作品内の世界観、整合性が重要であることは言うまでもありません)、現実の世界を描いた場合、当然映画内の社会は、我々が住んでいる社会と同じルール、同じ常識で動いていると考えるのが自然であり、もしそれと違うなら当然作品内で説明されるべきです。 実際の社会の常識とはまるでかけ離れたことが、行われている、しかもそれに関して何の説明もされない、その時点で映画は人間を描くものではなく、出てくるのは監督の形而上的な観念で弄ばれる木偶人形に過ぎなくなってしまい、感情移入とか共感の余地は全くなくなります。 何故、親に捨てられた子供が二人で生活して学校へも行かないのを回りは放置しているのか、何故、その子供の家に全く赤の他人が入り込んで生活している事態を警察すら放任しているのか? あげくが全くの赤の他人の子供をバスで連れまわすことが許されるのか?(しかも警察官が認知していて)正直言って従兄をバスから放り出した時点で単純誘拐が成立すると思われ。 これだけ根本的な設定で無理がある人間を、生の人間として受け入れろといわれても。 監督の怠慢というよりは、「自分の描きたいことに関係ない、いや妨げになる、だから説明しない」というような傲慢さすら感じます。 あと、どなたかが言ってたように、全体に流れる暴力容認も気になりますね。 「なぜ、人を殺していけないか」なんて議論の対象にすべきことがらですらないと思いますよ。 それとも青山さんは誰かに腹にナイフを突き刺されて、ぐるぐると回されながら「苦しいだろ、だから人を殺してはいけないんだ」とでも言ってもらわないと納得できない人なんでしょうか? 本来なら、こんな作品、見終わった瞬間、ケースごと窓から飛んでいくんだけれど、それが出来ない女優ヲタの虚しさ、悲しさ、愚かさ。当然5点は全て彼女の可愛さにです。 【rhforever】さん [DVD(邦画)] 5点(2010-10-02 18:02:30) (良:1票) |
《改行表示》62.《ネタバレ》 人と人とは基本的に分かり合えないものだという認識を僕らは否定できない。ただ、彼の人が自分と同じような弱い人間であること。そういった妥当によって、僕らは赦しあい、関係を生きていく原理を掴むことができる。 冒頭に起こるバスジャック事件の犯人(利重剛)が発する狂気。その境遇は全く語られないが、サラリーマン風の出で立ちからも彼が何の変哲もない普通の人間であったことが想像される。彼は普通に社会と関わり、彼自身の物語を生きてきたはずである。そして、飛び越えられた一線。狂気は日常という明るさの中に偏在し、顕在している。人と人との断絶と同じように。 日常の中の狂気が導く些細な殺意。それは事件の被害者である沢井(役所広司)達に執拗に纏わりつく。しかし、彼らがそれらを抱えつつ、それでも人と人との関係の回復を求め、その中で生き続けたいと願った時、彼ら自身、生きる原理を掴むことから始めることが必要だった。人と人との繋がり、その関係性を生きる為の再生の旅である。 この作品の中で「何故、殺してはいけないのか」ということが問われる。それは正に日常の狂気とも言うべき観念であり、少年(宮崎将)の心を侵食し行為に駆り立てたものであるが、沢井はその意味も行為も一身に引き受けることで、まるで全てを抱擁するかのように、問いそのものを包み込み無化しようとする。それがこの映画に込められた最大の「願い」であり、「赦し」だったのではないか。自らの死と引き換えに、生の可能性へと繋がる彼自身の全身全霊を込めた「赦し」だったのではないか。それは僕らの心を確実に動かす。 バスが最後に辿り着いた場所。世界は色彩を取り戻し、その声が蘇る。言葉を失った少女(宮崎あおい)は沢井と同じように全てを受け入れ、生きる可能性を得ることによって、言葉(世界)を取り戻す。それが世界の原理だと分かる。(ユリイカ=見つけた) この映画は「癒し」と「再生」をテーマとしていると言われる。僕にはそれがもっとポジティブな意味において、全てを抱擁し、赦すというイメージとして描かれていると感じる。 断絶された世界、そのことが生み出す狂気や諦念が可視的な様相の中で、この長い物語は、人が人をしてまっとうに生きる原理を丁寧に描き出す。断絶と狂気から始められ、それでも人と人が繋がりを求め、全てを抱擁し、赦しあう物語として。その再生は描かれたのである。 【onomichi】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-11-23 00:58:39) (良:1票) |
61.某(今活躍している)邦画監督特集誌で、第1位作品になっているのを見て、本作を鑑賞..う~ん..ガッカリ..期待ハズレです!..まず、監督の “演出” に、リアリティーを感じない..ストーリー設定、展開が、ぐだぐだ..作品の長さに関係なく、退屈..メッセージ性も極貧.. 私的評価を一言で言うなら、文学、芸術作品を履き違えた “勘違い映画”!!..俗に言う “監督のマ○映画” ... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 2点(2008-06-11 12:57:58) (良:1票) |
60.《ネタバレ》 “ユリイカ=発見。「分かった」を意味するギリシャ語”。思えば発見とは、外的な未知のものとの邂逅による変化ではなく、内的に既存するものへの回顧と再考による進歩のことのような気がする。発見とは決定的な変転の契機であり、変化とはそもそも内面からでしか起こり得ないものなのだから。ラストに思うのは、彼らが遍歴により得た、大きな悟入。既存のもの、内なる傷痕、取り消せないものを享受することと、そこからでしか進めないことを悟ること。それこそが「発見」なのか。受け入れることで姿勢が変わるということ。受容という悟入により、世界が色を変え、拓けて行くということ。景色が彩色され、俯瞰で世界が広がって行く、静かだけれど劇的なラストに「ユリイカ」を見た。 【ひのと】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2006-06-03 11:15:59) (良:1票) |
59.理不尽な暴力を描いた『Helpless/ヘルプレス』に対し、理不尽な暴力がもたらすものが描かれたのが『EUREKA ユリイカ』。九州の田舎町で唐突にして理不尽極まりないバスジャック事件に遭遇した3人は、その後過酷な運命を強いられる。心に深い傷を負った3人に追い討ちをかけるように興味本位で見るまわりの人間たち、そしてどう接していいのか解らない家族たち。本人たちにしか解らない心の葛藤を長すぎるくらいの間をとって丁寧に描き出そうとする。喪失した何かを見つけるために旅に出るというわかりやすい展開へ進み、セピア色がラストでカラーになるというこれまたわかりやすいオチは、シリアスなテーマよりも映画としての構成や時間の表現に拘ったからでしょうか。PTSDや少年犯罪というディープな社会色を前面に出しながらも、やっぱりこの映画の最大の魅力は、こういった「見せ方」にあるような気がします。ラストでカメラは上昇し、主人公たちを支点にぐるぐると廻り出します。『Helpless/ヘルプレス』のオープニングであてもなく空から下の世界を映しながらさまよっていたカメラがようやく何かを発見したかのように感動的に廻ります。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-09-15 14:22:49) (良:1票) |
【もちもちば】さん 3点(2005-01-12 22:56:51) (笑:1票) |
|
57.《ネタバレ》 まず、その「映画的」な映像に心奪われました。さりげないシーン、例えば(連続通り魔事件の犠牲者が出たことを示す)女性の靴が川をツツッと流れてくるシーンや、旅に出発する前に4人が佇む所などが猛烈に印象的で、3時間を超える上映時間が、とても短く感じられました。ストーリーもただ重苦しいだけの話でなく、ある種の爽やかさが感じられました。事件のショックで現実から目を背けていた主人公(役所広司が好演)が、もう一度生き直そうと旅に出、そして、同じく事件のショックから狂気の域に足を踏み入れてしまった少年に対して語りかける、ギリギリの言葉。勝手な想像ですが、この狂った時代にただ流されるのではなく、敢えて踏みとどまろうとする意思と決意のようなものがこの作品に込められていたように思います。<ネタバレありの追記>:僕がこの作品を観た時唯一違和感を感じたのが、連続殺人の犯人があの少年だったという点。「そう思わせておいて実は…」という展開を予想していたというのもあるし、大体いくらフィクションとは言え、悲惨な事件の被害者をあんな描き方して良いのか?という思いがあったので。ただ、最近新聞で読んだのですが、例の北オセチヤの学校占拠事件の元被害者の子供たちの中には鳥の雛を虐めるなど、犯人たちの行動を真似ることによって自分たちの受けた恐怖を克服しようとする兆候があるのだそうです。それと照らし合わせると、あの少年の行動にもリアリティを感じます。でもやっぱ、ていうかだからこそ、子供に辛い思いさせちゃ、だめよ。 【ぐるぐる】さん 9点(2003-12-06 16:15:10) (良:1票) |
56.長くてセピアでシネマスコープで、ちょっとしんどいんじゃないかと観る前には思っていたのだけれど、結局最後まで意識せず観てしまった。最後にスクリーンに現れる『EUREKA』の文字に、この映画のタイトルの意味を思い出して、愕然として息を飲む。はっと気付くと体が固まっていて体の節々が痛くて、そこで微動だにせず映画を見切ってしまったことに気付いた。渋い、派手とは言えない俳優ばかりを選んだキャストの活躍も大きいが、何より各シーンの構図を撮影・田村正毅と共に徹底的に考え抜いた青山監督の執念が、この大作を成功させているのだと思う。この映画のストーリーには多くの穴がある。それは、僕達がこの映画を観る中で足をとられてしまいそうな大きな穴だ。各シーンの俳優の行動、それぞれに完全な説明はなく、そこから読み取れる最小限の情報、それは言葉や表情の小さな動きだったりするのだが、観客はそれからその関係を推測するしか方法はない。特に、登場人物の過去についてはほとんど語られていない。沢井と親友シゲオ、妻弓子、父、兄の間には、何か過去のエピソードを匂わす空気が漂っている。「何かがあった」ということは読み取れるものの、そこから先は完全に闇に閉ざされる。これには観客はヤキモキしてしまう。例えば、秋彦が漏らす「昔、殺されかかった」という過去は同監督の『Helpless』に一本の映画としてまとめられている。それを考えると、それぞれの間に漂う「何かがあった」というようなエピソードは、それぞれで映画が出来るほどのストーリーなのかもしれない。しかし、それも想像だ。僕達は、映画の最小限の情報から、最大限の物を読み取り、考え、構成するという作業を続けていく、そしてその先に青山監督の示すこの映画の意図が見えてくる。青山・田村のアップで「完璧」なシーンを作り、それから引いても「完璧」だと思わせる手腕には唸るしかない。宮崎将・あおい兄妹の熱演や、役所浩司も重要だが、監督の投影とも言える光石研・斉藤陽一郎の脇二人がとても重要な役割を演じている。長い長い映画であるが、是非、二度三度観て欲しい一本だと思う。 【fero】さん 10点(2003-11-04 01:30:06) (良:1票) |
《改行表示》55.《ネタバレ》 凄惨なバスジャック事件の生き残りである兄妹と運転手が、再び立ち直ろうとする物語。 全編ほぼセピア色の画面、驚くような展開はなく劇伴もほとんどないけどなぜか妙に心地いい漢字を受けました。 そして最後、「区切り」をつけてからの画面がカラーになる演出などとても印象深かったです。 長いけど気づいたら終わっている、そんな映画でした。 【クリムゾン・キング】さん [映画館(邦画)] 7点(2023-04-05 22:03:13) |
54.《ネタバレ》 あぁ、あのバス青いラインだったんだ。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-12-21 04:00:19) |
53.《ネタバレ》 90分で描き切れるんじゃないのかと思うくらいに尺の割に展開が少ない。映像もセピア色に色褪せており、風景を楽しむこともできない。最後まで観た自分を褒めてあげたくなります。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-06-25 15:17:23) |
52.《ネタバレ》 偶然とはいえ、製作年に発生した北九州のバスジャック事件を思い起こさせる。そして事件に心に傷を追い、殺人者と化した少年が実在の事件とオーバーラップした。モノクロフィルムをカラーで現像したセピア色の世界が、あやふやに彷徨う当事者の心象風景として映えてくる。同じく重い過去を持つ兄妹の従兄をバスから追い出す運転手の心境は常人には理解できない。どんな人間にも犯罪に手を染めるのには理由や背景がある、と言いたいのだろう。ともすれば、タイトル、映像、演出、全てにおいて娯楽とは対極の本作もまた、観客とは隔絶された世界に向かってしまうわけで。壁ノックが象徴するように、コミュニケーションの不通が本作のテーマだとしたら、寛容か拒絶の二極でしかない現代社会において、それ以外の道を探るこそが【ユリイカ】=【発見】そのものかもしれない。 |
51.《ネタバレ》 はじめの方では期待できたのに、だんだん面白くなくなってきた。時々ハッとするような風景が流れるだけに,いかにも惜しい。悔やまれる。たぶんテーマが定めきれてないのだと思う。それが冗長になった理由でもある。バスジャック犯の凶行に遭遇したことにより、この平凡な日常の亀裂を見せられた運転手や中学生の兄と妹。事件をきっかけに家族のきずなや人の人生が、崩壊すべくして崩壊してしまう。日本社会の日常に潜む亀裂をバスジャック犯は切開して見せた。犯人が最後に運転手に語り掛けた言葉「別の人になりたくなかったですか」。ところがこの修復と再生の大きなテーマが、映画ではいつに間にか事件の当事者たちの心のケアー、トラウマの癒しの問題に横滑りしてしまう。だから後は感傷的、情緒的に進んでしまう。そしてそれを補うかのように、とってつけたような荒っぽい展開になってしまう。惜しい。 【柚】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-05-30 07:44:30) |
|
49.「何で殺しちゃいけないんだ」って、ダメに決まってんだろ、そんなもん。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2013-05-31 01:17:45) |
48.北九州の地方都市で起こったバスジャック事件に巻き込まれて心に傷を負った被害者達(バス運転手と子供の兄妹)のその後を綴った物語。217分という長尺かつほぼ全編がモノクロ(というか色彩がとても薄い感じ)である上、淡々とした場面が延々と続くので最後まで飽きずに観るのが大変だったが、このテーマと向き合うためにはこうしたストイックな作風が必要だったという事なのだろう。センセーショナルな事件そのものや犯人探し・動機あてといった下世話な話題よりも、トラウマを抱えた被害者がどうやって立ち直ってその後の人生を生きていくのか、という問題の方がより切実である事を改めて示した有意義な作品なのは間違いないとは思う。だが、気軽に観る事のできない作風という敷居の高さゆえに、そのスノッブ臭が鼻につく人がいるのは仕方がないのかも。ちなみに本作が三部作の中の一作だという事を後から知ったのだが、通しで観てみればまた違う側面も見えてくるかもしれないので、機会があれば関連作にも目を向けてみたいと思った。 【オルタナ野郎】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-23 00:20:45) |