78.よかったー! 細部までとてもナチュラルでした。たとえば蕎麦を食べるときのナオヤの手つきとか・・。彼の演技の秀逸さは「手」ですね。全然わざとらしくないの! 朝子の、切実さのこもった、アドリブ的に見える演技にも共感しました。なんか、この映画に関しては俳優サンの名前でなく、役の名前で呼びたくなるのです。脇役に至るまで、監督の求めるものによく応えてる感じなんだけど、がんばりすぎてなくて、とにかくナチュラル。だから個人としてみんなちゃんと立っている。『二十才の微熱』と比べると、誰にでも薦められるエンタティメントに昇華されたなー、と思います。ただ、『二十才の微熱』のラストにこめられた、身を削られるほどの切実さはすでにないんですよね。時代も、監督も、大人になった、ということだと思います。プレ・ハッシュ!として、『二十才・・』も、ぜひ多くの人に見て欲しい。 【おばちゃん】さん 9点(2003-05-04 23:17:41) (良:2票) |
77.こんな映画滅多に出会えない。それなのに僕は出会ってしまった。例えていうなら『抽選で100名様にプレゼント』が当たったような感じ。本当に滅多に出会えない。本当に。なのに僕は出会ってしまった。こんなに大きな衝撃と溢れんばかりの感動と涙が出るくらい爽やかな爽快感を受け、たった100名様しか貰えないのに、それを一人で二個も三個も当ててしまったようなラッキーな出会いだ。あぁ、なぜ今なんだ?今出会うべき作品なのか?今の僕には勿体無いほど面白い。二人分の二つのスポイト、井戸に落とした青いインクと唾。二人の男と一人の女。友情、愛情、幸せ、不幸。産まれる事と死ぬ事。多くのテーマと限りないメッセージ。今の僕が受け止めれるのはほんのちょっとで勿体無い。だけど、今出会えてよかった。この映画は最高だ。大好きだ。10点だ。 【ボビー】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2005-11-04 23:30:41) (良:1票) |
《改行表示》76.《ネタバレ》 同性愛のカップルは、ふたりの間に子供を儲けることができない。それは自分の家族を育むことができないということ。 自らが同性愛者であると自覚した時から徐々に、自分の未来にはそうした暗雲が垂れ込めていることに思い至るのだろう。 理解されにくい同性愛という属性を必要に応じて隠しながら、自分の人生を生きる。それが孤独な人生であることは 私にも想像できる。ゲイのカップルに近づく藤倉朝子という女性の生い立ちは、映画の中ではほとんど明かされない。 ただ彼女の言葉や振る舞いから、彼女が満足な家庭で育たなかったことは推し量ることができる。彼女が自分の過去に ついて一言だけ「小さい頃に一回でもいいから誰かに死ぬほど抱きしめられてたら、こんなふうにはなってなかったと思うんだよね」と言った。愛されて生まれてこなかった子供は、一生自分の中に欠落感を持って生きなければならない。そんな生き辛さを抱えた3人が、自分たちの力で支え合って新しい絆を生み出そうとする。求めているのは特別なことじゃなく、ただの小さな幸せ。しかしこの3人にはその小さな幸せがこれまで、とても遠くに感じられていたのだ。 理解を望むわけじゃなく、ただ自分たちの幸せを探したいだけ。甘いかもしれないけど、そんな気持ちに私も共感しました。 【337】さん 8点(2004-01-08 07:47:46) (良:1票) |
75.素晴らしい。笑えて切なくて悲しくて暖かい。渚のシンドバッドでも脱帽したが、さらに超えたね。より無駄なく、より洗練された作品だった。誰だって孤独だし辛い現実を生きている。だからこそ寄り添って、傷つけあいながらも前を向いて生きようとする。橋口の目線はひたすら優しい。優しい映画、というと偽善的な臭いを感じるかもしれないが、そうではない。厳しさをわかった上での優しさだからこそ、観るものを感動させる事ができるのだと思う。それにしても、日本での知名度低すぎ!!!こういう監督が日本映画復興の鍵を握っていると思うんだけどなあ・・・ 【ロビン】さん 10点(2003-12-21 00:01:47) (良:1票) |
74.意外に良く出来た映画だったので驚いた。人間関係の滑稽さや冷酷さを巧く描き出していると思う。悩みつつ、間違いつつ生きていくことの大切さを見た気がする。 【スマイル・ペコ】さん 8点(2003-05-24 21:47:24) (良:1票) |
73.面白い面白い面白いぞー!いやー、エエモン見せてもろたわー。ゲイの監督の撮ったゲイの映画だからか(あんまりそこばかり気にしてもよくないと思うけど)すごく人間関係、というか人と人との距離感を繊細に、丁寧に表現していました。それに主役三人を始めとする出演者の演技、そして話の流れの自然さ。普通、こういうある種特殊な設定の話だと、それを「飛び道具」的に大げさに扱うような気がしますが、ホンット自然。抑えた感じのユーモアもいい感じでした。それにしても、この映画のテーマはある意味革命的、というか挑戦的ですね。ゲイが自分らしく生きていくためには、偏見の目とだけでなく、一夫一婦を当然の前提とした既存の家族制度、そしてそれを基盤に成り立っている社会そのものとも闘わなくてはいけないのでしょう。ゲイでない人も、これからは人間関係というものを根本から見直し、家族や社会といった様々なレヴェルの「共同体」というものを再構築する必要があるのではないでしょうか?(←うおお、なんか俺、インテリみてえ、しかも自分で書いてて意味がよくわかんねえぞ)まあ、とにかくいい映画でした。ここまでいいとこちらも欲が出てしまいます。あの後の、続きが観たい!ぜひ続編(もしくは続編的新作)を!! 【ぐるぐる】さん 10点(2003-03-26 18:24:01) (良:1票) |
72.すべてが作為的です。特にヒロインの造形と描写にそれが顕著です。いかにもはみ出しキャラを作り出そうとして、かえって型にはまりかけています。撮り方としても、長回しが何か所にもわたって登場しますが、それほど機能しておらず、むしろ作品自体の停滞感を醸し出しています。唯一の見どころは、兄嫁役の堅実な存在感と演技だったのですが、誰だろうと思っていたら、秋野暢子ですか! 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2024-07-12 00:51:50) |
《改行表示》71.(2002年 渋谷シネクイントにて鑑賞時のレビュー) 「ゲイのカップル」と「自暴自棄な女性」とが主人公という設定があざといなあ、というのが観る前の正直な気持ちでした。前評判はいいものの、どうだかなあと斜に構えていたが、なかなかいい作品でした。 作中、一貫して感じるヌルさは、ゲイ特有のものでしょうか。ゲイが主人公であるだけじゃなく、監督も? とにかく、そのヌルさが心地よいものでした。 会話の普通っぽさ、何気なさが印象的。ドモったり、モニョモニョ聞き取りにくかったり。それがナマの生活感を演出していました。 【りょうち】さん [映画館(邦画)] 7点(2021-02-06 00:46:18) |
《改行表示》70.《ネタバレ》 人間が生きていく上で、逃れられないもの。生殖機能としての性、出自。それは自分では選ぶ事が出来ず、否応なしに与えられるもの。 自分で選んだものではないにも関わらず、それらを受け入れて生きていく事が当たり前とされていて、そこからはみ出そうとするものが非難され、マイノリティとされる社会。 そんな変えられない事実と必死に戦いながら、そして折り合いをつけようとしながら生きる3人。彼らを取り巻く社会は、何の悪意も悪気もなく“常識”、“普通”という残酷なまでの盲目的な正義を持って接してくる。 それでもそんな社会の中で生きていかなければならないし、自分も変わりながら順応していかなければならない。 スポイトを使って受精させるという一見滑稽で非現実的な発想こそが、社会に順応して生きていこうとする3人の、社会に対する命がけの小さなカウンターに思えた。 【ちゃじじ】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-02-19 14:30:01) |
69.「一人を二人が奪い合う」というのが一般常識としての「三角関係」。こんなアイデアがあったんだ、という感じ。片岡礼子さんは、全然知らなかったのですが、個人的に好みの顔だったので、ダメ女役なのに全然そう見えなかった。 【マー君】さん [DVD(邦画)] 6点(2015-12-06 12:17:59) |
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68.《ネタバレ》 基本的な設定がキツイもんであんまり面白くなかったかな~、なんか登場人物もいろいろわざとらしいし。全体的に、、、唐突な展開についていけませんでしたね、お兄さんいきなり死んじゃうし。こんな特殊な恋愛もありっちゃぁありなんだろうけど、ワタシは普通の(通常の)恋愛がいいですわ。まぁこれは、好みの問題だとは思いますハイ 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 3点(2014-11-11 07:32:45) |
《改行表示》67.邦画不作の魔の90年代を抜けてようやくまともな映画が出て来たのは嬉しいけれど、 意気込みほど面白くはなかった。 |
《改行表示》66.田辺誠一は嫌いな役者だが片岡礼子がとてもよかった。とても感情移入できそうにないストーリーなのだが、見入ってしまった。後味もよかった。掘り出し物。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-09-22 01:16:52) |
《改行表示》65.《ネタバレ》 『渚のシンドバッド』もそうだったが、橋口監督は自身の体験からか同性愛を描く作品がリアル。 ゲイのカップルの痴話げんかはなんだか違和感があって滑稽に見える。 前半はストーリーに起伏が乏しく退屈だったが、後半おもしろくなってくる。 片岡礼子が男っぽいキャラでこれがハマっていた。 ゲイの男二人とその子供が欲しい女一人、この三人に生まれた奇妙な絆が微笑ましい。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-05-24 00:11:58) |
64.前半は淡々としすぎていて辛気くさかったですが、後半持ちかえしました。もう少しカット数を増やして、カメラアングルも考えてほしいです。じゃないと退屈です。 【アフロ】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2012-03-19 17:11:14) |
《改行表示》63.《ネタバレ》 同性愛ものという時点で既に自分にとってNGだし、高橋和也の演技も気色悪いのだが、それでもなお且つ楽しめたのだから不思議だ。 なんというか、世の中のはみ出し者同士が、傷を舐め合うような内容で、どちらかというと弱者を描いている。 そこに傲慢さは感じられず、何だか謙虚で繊細な映画だなぁ、と感じ入った。 人間的な優しさを感じさせる映画である。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-09-11 01:53:17) |
62.恋愛ドラマが映される。その二人がたまたま男と女ではなく男と男であった。という風に。すごく自然だ。でもそれだけじゃ面白いわけない。そこに女という異物が放り込まれる。俄然面白くなる。男と女が抱きしめ合う。そこに恋愛感情はおそらくない。でもその瞬間に何かが変わる。単純に抱きしめること、抱きしめられることという行動そのものの大切さを知るというか・・。二等辺三角形がどんどん正三角形になってゆく心地良さ。しかし単純明快な三角形だけならいいのだが、どうもややこしいドラマが横やりしてくる。社会に適合しない3人が不幸から脱却してゆく様を許せない人間がいる。社会に取り込まれ続けた兄嫁。「嫁」という社会通念からはみ出ないように生きてきた兄嫁。この展開はけして悪くなく、むしろ物語に深みを与え、幸せになるために何かをしようというメッセージを明確に発信もさせている。でも複雑なのよりも単純な三角形のほうが面白いわけで、そこでもっと楽しみたいわけで、この映画、最高に面白そうな三角形なんだけどその時間が短いのよ。 あ、でも135分もあるのか。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-02-03 16:37:37) |
61.ストーリーもキャラクターも、それぞれの表情も良かったと思うのですが、なんとなく展開がもたついてスッキリしなかった感がありました。 【なこちん】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-01-13 05:29:55) |
60.久々に時間を忘れさせる映画だった。特に兄夫婦が乗り込んできてからはすごい。前半の導入からこの映画はテクニカルで、それぞれの生活をテンポ良く描きながらその出会いまでをさらりとつなげる。話はとてもシリアスだが、それを感じさせないコミカルな演出と、画の巧みさ。この家族の形を肯定する必要も否定する意味もないと思うが、親の十分な愛情を受けずに育った三人がそれぞれ家族という形を模索していく姿にこの映画の見所があるのだろう。 【Balrog】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-10-29 23:21:48) |
59.徹底的に緻密に作られた設定・ストーリー・台詞・キャスティング等々本当に「お見事!」というしかありませんが、どうしても「それでいいのか?」という疑問が残ってしまいます。もう少し若い頃(10代、20代)に見ていれば「これでいいのだ」と受け入れることができたとは思いますが・・・・・。なので、この点数となりました(傑作であることは間違いありません。 片岡礼子の演技は本当に素晴らしく満点です。) 【TM】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-07-27 10:52:18) |