349.久しぶりに時間を忘れて見入ってしまった、そんな映画。それほどに怖い。責任の所在を自分の外に押し出されるだけで、どんどん理性を失っていく「看守さん」の姿に戦慄を覚えた。いやしかし、ちょっと待ってくれよ。いくら理性を失うようなシチュエーションに誘導されていたからといって、あそこまで露骨に人間変わるか?人間の理性ってそんなに脆いのだろうか?そんな疑問を一緒に鑑賞した友人に投げかけた。すると、興味深い返答を得た。「逆に理性が強い人間ほど、ルールに則ろうとする。この場合のルールとは、徹底して『看守さん』を演じること。だから、豹変した彼は理性的な人間だった」。なるほど一理ある。そこで、疑問の内容を「人間のモラルってそんなに脆いのだろうか?」と言い換えてみると……あー、やっぱ脆いかも知れないね。我々の元に毎日飛び込んでくる異常な犯罪ニュースを聞いていると、そんな気がしてくる。「異常」って言葉を使ったけど、そんな異常な犯罪者は、犯罪を犯すまでは善良な一市民だったケースも多かろう。明日は我が身、何かしらのきっかけで自分のモラルが崩壊する可能性を危惧することは、決して杞憂ではないんじゃないだろうか?「ついカッとなってやった」「ムシャクシャしてやった」「まさか死ぬとは思わなかった」「今は反省している」…そんなありふれた容疑者のコメントが、自分の口から出る日が絶対に来ないと誰が言えるだろう。人間としての人間、動物としての人間。その境界線の位置づけについて深く考えさせられる作品でした。いつか俺が逮捕されたら、このレビューのことを思い出して、笑うなり身震いするなりしてみて下さい。 【コバ香具師】さん 8点(2004-06-22 03:41:23) (良:8票) |
348.高校の時の体育教師Yが何故あれだけ威張って(暴力付き)いたのか、今わかった。彼は実験をさせられていたのだ! 【死亀隆信】さん 8点(2003-01-24 02:28:10) (笑:5票) |
347.まずコレを実話と勘違いしている人が多いのに驚き。実話の設定をヒントにしただけの完全なフィクションだ。ビジネス書等にたまに出てくる題材なので期待してみたがスタートはいいのだが、中盤からおかしくなり、後半はハズレだった。記者潜入→挑発行為で実験としては成り立たず、フィクションくさいなあと思ったが、ここまでひどくなるとは。まず、人間に狂気があるのは認めるが、状況証拠ありまくり、身元バレバレの状態で、残忍な犯罪行為をする事は普通ありえない。もしやるなら関係者全員殺して、証拠隠滅する覚悟でやる。看守達にその覚悟は感じられない。それに看守の方は通勤しており、いつでも辞められるし(通勤しなきゃいい)、極限状態でもなんでもなく、よく戦争なんかで言われる極限状態の狂気というのは全くあてはまらない。(ちなみに戦争は合法的殺人なのでこの実験とは別。戦争殺人は法の問題ではなく倫理の問題。)これは与えられた環境・役割・ルールを守る事による、心理変化の実験のはずだが、そもそも法を守るという社会的ルールの上に実験のルールが来る事は通常ありえない。仮に実験の最中に怨恨が生まれたとしても(人に接すれば気に入らないヤツの1人や2人はどこにでもいる)、犯罪行為が行われた時点で実験は破綻していて、もう普通の刑事事件の範疇。その辺の傷害・殺人事件と同じ。あとはヤクザの抗争以下の報復合戦でしかなく、単なる3流バイオレンスにしかなっていない。 展開が破綻しまくっている映画だ。 |
《改行表示》346.これを親と見てえらい目にあったなあ。 看守役と研究員の一やりとり。 研究員の女性を襲おうとして看守役が吐いたセリフ 看守役「ぐぇへっへっへ、アソコの毛は剃ってるんだな。」(たしかこんな内容) 親をちら見。親もこちらをちら見。 撃沈。 【ノマド】さん 6点(2003-10-30 01:06:03) (笑:4票) |
《改行表示》345.《ネタバレ》 人の人格は一朝一夕では変わることは決してありません。ましてや1週間足らずでここまで劇的に変化はしない。これこそ深層心理の常識ですよ。スタンフォード大学の実験がこのような事故につながった原因は、実験のせいではなくてあれは本当にただの喧嘩だったのです。ようするに、子供が夜中にまくら投げをして はしゃいでいるうちに、だんだんエキサイトしてきて喧嘩になるのと同じレベルでした。だいたい人が大勢集って閉鎖された空間で毎日顔をあわせていれば騒ぎは必然的に起きるものじゃないですか、それもタクシーの運ちゃんなどガラの悪い連中を集めているのだからなおさらです。それを無理やり実験のせいにしてしまうなど言語道断ですよ、本当の刑務所で看守と囚人の関係をみればこの実験が人間心理の真実だとは恥ずかしくて言えないはずです。権力を与えられた者に支配欲が発生することはわかりますが看守役に支配権はなかったと断言します。警棒がそんなに恐ろしいですか?冗談じゃありませんよ、それだけで囚人役をあそこまで奴隷扱いにすることは不可能なのです。実際の事件では支配と被支配の構図は存在しなかった。従ってこれは純粋な喧嘩なのでしょう。連中が酔っ払ってバカ騒ぎの喧嘩を起したというのが真相だと思う。「極限状態が人を変えてしまう」という宣伝文句も失笑ものです。なぜならはじめから最後まで何1つ変わっていないからです。最初から金目当てでやって来ているガラの悪い連中を集めて実験しているのだから、もともと暴力的だったのです(苦笑)そもそも「応募資格:不問」というのが間違っていましたね。以上です。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 1点(2006-08-14 20:31:27) (良:3票) |
344.《ネタバレ》 私たちは社会生活を営んで生きています。それは少なからず何かを演じて生きているということ。ある人はサラリーマンを。ある人は学生を。意識しようとしまいと、“こうあるべき”という役割を演じて生きているのが、社会的動物たる人間です。本作では、心理学の実験として「看守」と「囚人」の役割が被験者に与えられます。当然、被験者は初め役割を演じます。報酬を得られる単なる実験として。しかし教授という神のもと、与えられた役割という大義名分のもと、次第に自己より役の占める割合が増していきます。物事を決めるのは自己ではなく役割。それはとても心地よい状況のはずです。なぜならそこには自己責任が存在しないから。でも、自分に都合の悪い決定だと逆に息苦しく感じることもある。勝手なものです。でもそれは日常生活でもごく普通に行われている心の動き。心の安定に必要な行為です。だからこそ、本作で起こった事象にはリアリティがあります。社会と隔離された密閉された空間。そこでひとつの社会を形成してしまっている状況。思考を停止させるのになんと好条件なことか。役割が自己を食い尽くしていく恐怖があります。普通の人間に潜む狂気が一番恐ろしい。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-08-07 17:58:22) (良:3票) |
《改行表示》343.《ネタバレ》 実際に行なわれた心理学の実験を元にしているだけに、人間の心理がよくわかる。 映画では実験結果が誇張脚色されているが、戦争、権力者による弾圧、虐待、イジメなども原理は同じだろう。 ごく普通の人間が置かれた状況次第で簡単に狂気に走る。 しかも狂気だということを自覚していないので始末が悪い。 性悪説をとりたくなるような人間の負の部分が強調されるので、後味はきわめて悪い。 ワキガやアレルギーなど一番デリケートな部分に触れることで対立する立場の相手にダメージを与える。 屈辱を受けたほうは更なる屈辱を与えて報復することで、どんどんエスカレートしていく様子がリアル。 客観的にみれば虐待でも、当人は秩序の維持などを理由に自己正当化するので罪の意識は起きず抑制がきかない。 集団心理も自浄機能をマヒさせている。 例え良心の呵責に目覚めて異を唱えるものが出てきても、それは裏切り行為として糾弾されてしまう。 コントロール下に収めていると信じていた教授たちでさえ暴走は止められず、思い上がりに過ぎないことが露見した。 主人公の新聞記者が記事のためにあえて緊張状態を作り出したことも騒ぎの沈静化を妨げた。 こうしたメカニズムは、確かに貴重な研究材料となりうるのだろう。 心理学に興味があるなら、見て損はない。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-06-08 00:12:25) (良:2票) |
342.支配・被支配の関係付けによって生まれる人間の醜い姿がありのままに描かれている。辱められる他人の姿を見て優越感に浸る喜び、浸りつづけたいという欲望、そして、エスカレートしていく欲望を抑える事はいつの間にか出来なくなってしまう…。ヒトであるが故の醜い醜い心情が剥き出しにされている。そしてラストシーンの視覚効果。白と黒の服を着ている2人の姿が、スクリーンがぱっと黒くなると同時にそれぞれ逆転して目に映る。支配・被支配の関係を衣服の白・黒に関連付けた何とも皮肉なラストシーン。前から評判は聞いていたがずっと避けてきたこの作品。ほんとに観て良かった。でも二度観たいとは思わない。 【SAEKO】さん 10点(2004-01-20 17:31:33) (良:2票) |
341.《ネタバレ》 看守役が研究者までひっとらえるとこには流石に萎えた。 【わむて】さん 3点(2003-07-16 17:01:33) (良:2票) |
340.人間の本能として誰しも暴力性や狂気性を持っているだろうが、その出現に環境要因が大きく作用すると言う事か。実際、名古屋刑務所での刑務官の暴行致死、など最終的な判決はどうなるかわからないが、身の回りで起きている事実があり、おそらくその刑務官達に暴力性を誰も感じることなく日常生活を送っているのである。 【亜流派 十五郎】さん 3点(2003-06-04 17:39:13) (良:2票) |
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339.「状況で変わってしまう心理」という題材を映画化するのには無理があると思う。観ていて演技なんだ、とさめちまった。オーバーすぎ。 【kaneko】さん 0点(2002-12-09 08:33:40) (良:2票) |
338.《ネタバレ》 まず考えたのは、現実はここまでエスカレートすることはないだろう、ということ。終わった直後は、個人的な悪役として金髪の看守、全体の責任として教授、という印象を持つのだが、振り返って考えると、派手な記事を書きたかった主人公が最大の悪役だったことに気付いたりする。「どうにかして周りを出し抜いて上手い汁を吸いたい」という極々一部の人間の存在が全体に悪い状況をもたらしている、というのは現実社会の縮図のような感じがする。 【マー君】さん [DVD(吹替)] 6点(2015-08-30 12:10:29) (良:1票) |
《改行表示》337.《ネタバレ》 ホラーと違い、身近にコワイ映画。コメディ要素がない。 このドイツ映画、金で雇われた男たちが、シミュレーション的に「権力を持つ側と従う側」にグループ分けされ、両者とも狂ってしまう話。コワイ映画だった。 リーダーに指名されたら、早ければその日の内ににリーダーの顔になる。勤務先の辞令も同じで、昇格すればその顔になるし、降格すればその顔になってしまう(たまに定年退職した元部長が、なぜか会社に来て偉そうに振舞って受付で相手にされないらしいが)。 さてこの映画、アメリカでの実話が元らしいが、ここ『みんなのシネマ』の感想で「日本人なら無事に2週間が終わる」と書いてる人が複数いる。私は、アメリカより酷い結果になると思う。看守と囚人、無作為じゃなく在日と分けたら、初日に実験中止かもと思う(笑)。シャイと陰湿さって裏腹。日本人がやさしいは大嘘だ(こう書くと2ちゃんねるで在日認定する「単純馬鹿」がいて嫌になる)。 「人は猿と全く違う」と思いたい。 でも現実はモチベーションが「猿と全く同じ」。本当に全く同じ。 男の目的は「女と権力」で、女の目的は「男と権力」。得られるなら何でもするし、すぐに裏切る。 そんな悲しい嫌な現実に、なんとなく気付く映画。すごく面白かったが、また観たくはない。 【激辛カレーライス】さん [地上波(吹替)] 10点(2014-07-06 13:18:02) (良:1票) |
336.個人的な意見になるかもしれませんが、こういった映画に脚色や、誇張はあまり必要ないと思います。私としてはより事実に近い形で撮影してほしかったです。アクション映画のようなカメラワークや音楽はいかがなものかと思いました。実験の内容自体は非常に考えさせられるものがあるのですが、演出の方向性に不満が残ります。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-11-25 05:04:25) (良:1票) |
《改行表示》335.実際に行われた実験に基づいているとのことですが、いくらなんでも誇張、脚色されすぎではないでしょうか。実験の責任者の教授が途中で居なくなって以降はついていけませんでした。多少エスカレートすることはあっても(恐らく実際の実験はこの多少の時点で中止されたのでしょう)姓名、職業、住所全て明かされている上で14日後には普通の生活に戻るという状況で、あそこまでの犯罪行為に走ったり、実験の助手への酷い扱いなどもあり得ないでしょう。特に総括も無く、主人公と恋人が海辺で佇むラストもよく分かりませんでした。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 2点(2010-11-21 18:05:23) (良:1票) |
334.プロレスごっこでじゃれてるうちに結局喧嘩になってしまうパターンの ごっつい版 【くまさん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2010-06-02 07:11:46) (笑:1票) |
333.《ネタバレ》 ほんの軽~い気持ちで見始めたのだがグイグイ引きこまれてしまい見終わった後は興奮して寝付けず翌日寝不足になった(汗)この話は以前本でちらっと読んで知っていたが映像で体感すると本当に身震いする。人間は与えられた立場に沿った人格になっていくと言う。一般の会社でも肩書きを与えられると自ずと仕事振りや性格が変化するそうだ。それにしても刑務所内の虐待の描写はアメリカのテロ容疑者に対するそれを連想させる。人間は底知れぬ恐ろしさを秘めている生き物だとつくづく感じた。 【イサオマン】さん [インターネット(字幕)] 7点(2010-02-28 22:34:51) (良:1票) |
332.ゲーム的な気分にしだいに「マジ」が入り込んでくるあたりが見せ場になるはずなのに、主人公が積極的に挑発してしまうので興を削ぐ。特定の誰かが仕掛けることなく、集団そのものの力学で事態が悪化していくべき。屈辱を与えなければならないという発想や、連帯責任の発想といった、人間集団の病理に迫れるところを、後半は既視感のあるB級映画の世界に逃げてしまった。個人の資質と無関係に状況から残虐は生まれてくる、って大事な話なんだけど。閉所恐怖症気味の人間としては、あの箱に閉じ込められるシーンがないといいな、と念じつつ見てたが、やっぱりあった。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 6点(2008-06-26 12:15:26) (良:1票) |
《改行表示》331.最初のほうの密室に入れられて、色んな映像をサブリミナルで見せて実験するシーンで コマ送りにすると、マ○コがドアップで 無修正で映ってました。 びっくりしました。 【STEVE-O】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-17 10:43:38) (良:1票) |
《改行表示》330.《ネタバレ》 怖いです。ちょっとしたホラー映画なんて相手にならないくらい怖いです。この作品、性善説とは無縁ですね。環境により左右されてしまう危うい人格を描いています。権力を持てば、程度や要する時間は違えど、誰でも変化してしまうと思います。それでも被験者が一人ないし二人ずつなら問題は起こらなかったと思います。しかしこの映画の看守役のように、集団になると責任感は分散され、その行為はエスカレートしていくのではないでしょうか。そして何であろうと一度境界線を越えてしまうと、あとは簡単になだれ込んでしまうのです。お化けより怪獣より真に恐ろしきは、人間の中に潜む邪悪さと、どこまでも続く愚かさなり、というところでしょう。 それから皆さんが必要無いとおっしゃっている主人公と女性のエピソード。確かに取って付けたような感じがしましたね。でもあれは観客のために用意された休憩所なのかもしれませんね。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-21 18:17:35) (良:1票) |