47.今までこんな映画があったんだ、というぐらいマジで衝撃を受けた。オープニングショットなんてのはあまりの綺麗さに見とれてしまい、風船をもちながら少年パスカルが颯爽と街の中を走る1ショット1ショットが映画を超えて芸術の粋に達したか、と思わせてくれました。どーやって撮影してん!!と言ってしまう意思を持った風船の動きや無邪気すぎる少年の笑顔がたまらなく心に響く。故・水野晴朗さんの「いやー、映画ってほんとに素晴らしいものですね」という言葉はこの映画の為にある、と思います。オスカー脚本賞受賞、納得。 【M・R・サイケデリコン】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-08-11 23:50:18) (良:3票) |
46.《ネタバレ》 ピカピカの大きい風船が灰色の街並みに赤く映える。 犬のようになつくバルーン。先生をおちょくるバルーン。狭い路地で左右の壁にぶつかりながら少年と走るバルーン。 そして無音の中で輝きを失うバルーン。 悪童たちに仕返しするわけでもなく、ただ、少年と空をゆく。 何と優しい。 何とファンタジー。 もしこのラストが、悪童たちの首をくくって空に飛んでゆく画だったら・・・それはそれで面白いが。 【stroheim】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-05-18 01:17:33) (笑:3票) |
45.まずは何と言ってもフランスの美しい街並み、そんな美しい風景をより美しく描いたこの映画、私は大好きです。少年と風船、この描き方が何とも微笑ましくて観ていて本当に癒されます。作品全体を包み込むこの温かさ、それは正しくフランス映画ならではの良きファンタジーと言っても良いそんな素晴らしい映画です。近頃のやたらドンパチ、CGだらけによる映像ばかりのアメリカ映画きり観ている方に特に観て欲しいそんな映画です。こういう映画は心の優しい人間にしか撮ることの出来ない映画だと思います。わずか36分という短い間に色んな意味で素晴らしい体験を出来る貴重な作品! 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-19 21:25:07) (良:3票) |
44.この作品に関しては語る言葉を知らない。ただただ、泣けてしょうがない。特にラストはもう、いたたまれない気持ちになる(嬉しいんだか悲しいんだかわからない。とにかく泣ける)。何が何でも子供に見せたくなったので、4歳の娘と一緒に観る。娘も、喜んだり怖がったり、夢中になっておりましたよ。さらには0歳の息子も巻き込んでみる。うーむ。さすが反応は乏しいが、いやきっと、0歳なりに何かを感じているに違いない(ホンマかいな)。まだ観てない方は、とにかく観てください。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-04-05 22:54:45) (良:2票) |
43.《ネタバレ》 ブルーグレーに統一された世界の中の赤い風船のイメージが絵画のように美しく、青い風船に出会うショットの鮮烈なイメージは感動的ですらあります。あの時代のヨーロッパだからこそ出せた色。とても可愛らしい映画なのですが、一方でその内側に秘めたテーマは結構重く。『白い馬』では悪意は大人の側にありましたが、この映画では同じ子供達の側に存在していて、同じ立場の人間同士が争い、破壊と暴力によって罪無き二人(いや、片っぽは人どころか生きものですらありませんが)が引き裂かれてゆくという展開。ラストは希望に満ちた夢のある終わり、と思う事はできませんでした。あれは、まさしく「天に昇る」姿なワケで。その愛らしさとは裏腹に、深い痛みを内在させた映画でした。 【あにやん🌈】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-04-18 00:03:33) (良:2票) |
42.《ネタバレ》 映画の旧称が活動写真である事を思い起こさせる、動く写真の魔力を実感させられました。ラストは切ないです。少年と風船が穏やかな日々を過ごせる場所は空の彼方しかなかったのでしょうか。 |
《改行表示》41.《ネタバレ》 アルベール・ラモリスによる最高に可愛らしいファンタジー映画。 セリフがほとんどないのにこんなに面白い映画を撮れる。無粋なセリフはいらないのだ。冒頭に出て来た犬のように、少年の目の前に現れる風船はペットのように、人間のように感情豊かな姿を見せる。 ガス灯から風船を“救い出す”シークエンスから始まり、風船は意思があるように自ら浮いたり降りたりする。 乗船拒否されれば、勝手に少年を追うだけだ。 濡れたレンガの路地の上を飛んでいく風船、 尻尾のようになびく紐、 白と赤のコントラスト、 傘から傘へ移って行く少年。 赤い風船は青い風船に惚れ、青い風船も赤い風船に反応する。これが伏線になろうとは・・・。 他の子供達は、赤い風船と少年に“嫉妬”して彼らを追い回す。 階段や路地における追走劇のスリル! 通りすがりの婆さんのオフェンス。 ちょっとしたファンタジーとか短編とか子供向けの映画とナメてかかっていたらコレだ! まさかここまで面白いとは思わなんだ。 子供達は赤い風船を“さらう”。男の子たちに混じって女の子がいない事も不思議だった。まるで一人の女を取り合うように。 綱引きや柵のやり取り、訪れる“死”。 少年の悲しみが起こす風船、風船、風船の奇跡。 空の向こうに消えていく美しいシーンだが、本当に死んだのは果たして・・・。 この映画の後に「白い馬」を見るのが最高なんです。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 01:08:50) (良:1票) |
40.パスカル少年が一応主役だけど、大きな赤い風船もまた彼に劣らぬ主役。動物が主役の映画は数多く見たが、人格を持った風船が主役とはまったく恐れ入った。これをファンタジーと言わなかったら何だろう。いわさきちひろの絵本の世界だろうか。しかしお話をつけたら別のものになるような気もするが・・・。癒されるのはまちがいなし。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-04-26 20:34:10) (良:1票) |
《改行表示》39.《ネタバレ》 冒頭、絡まって身動きが出来ない風船を助けてあげる少年。直後の停留所で、最初は「もう、離してくれよ!」とでも言いたげに右に左に行こうとする風船。 でも、雨が降ってきたら濡れないように傘に入れてあげる。街を行く大人は嫌な顔一つせず風船を傘に入れてあげる。少しずつ少年に心を開いていくかのような風船。「外で待っていろ」と言われれば寂しそうに窓から中を覗き込むかのようです。互いに一目惚れしたかのような赤い風船と青い風船。ここまではとても微笑ましくて優しさを感じます。 しかし悪ガキどもの標的になり、残酷な結末が。石を当てられて傷つき最後は踏みつけられしぼんでしまう。その様は命あるものが息を引き取っていくかのようです。 人間の優しさと残酷さと。フワフワ風に揺られる以外抵抗する術を持たない風船と人間描写はその両面を見ているように感じられましたが観る度に感想が変わりそうな奥深さを感じる映画です。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-10-08 16:22:38) (良:1票) |
38.魂を抜かれるくらいびっくりしました。鮮烈の出逢いです。鮮紅!なカラーを目にした瞬間もう目が釘付けです。素晴らしかったです。赤い風船は自分の大切な何か、守りたい大事なもの、いろいろありますね、誰もが思い当たるもの、あると思いますがいかがでしょうか。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-05-19 00:07:21) (良:1票) |
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37.差し色の赤がとにかく美しい映像。昔この映画の1シーンをポストカードにしたものを持っていた。この作品だったんだと気がついて軽く感動した。今だったら造作もない撮影トリックだろうが、56年の当時にはさぞ世間を驚かせたのではないだろうか。ラストは解釈にやや悩む。一緒に観ていた小学生の子ども達は「ええーっ!」と驚き、不安がっていた。アニメ「フランダースの犬」の最終回が脳裏に浮かび、ニコニコと笑ってはいられない気分になった。 【lady wolf】さん [試写会(字幕)] 8点(2011-02-03 14:04:44) (良:1票) |
《改行表示》36.《ネタバレ》 ものすごく良い映画だと思う。 手を離すと飛んでいってしまう風船が、自分から離れずにいつも一緒にいてくれる。それだけでも胸がいっぱいになる。意地悪だったり優しかったりする赤い風船は、友達だったり彼女未満の大事なガールフレンドみたいな存在になってずっと心に残るかもしれない。 映像のきれいさとか、風景のきれいさはもちろん、生活が垣間見られるたくさん出てくる子供のかわいらしさ小憎らしさとかには、特に隠された意味って無いように感じる。そこを排除して純粋に少年に感情移入することができるからこの映画の良さって引き立つのではないかと思う。 こういう純粋な短編に、簡単に比喩や寓意を乗せてしまうのはあまり上手ではないと思う。だから作り手がくれた世界に素直に甘えて、描写から方々に意味や結論を引き出すよりは風船に乗ってパリの上を飛んでいくという幻想を純粋に楽しむのも大いにありだと思う。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-12-20 23:38:50) (良:1票) |
35.色彩の鮮やかさと、撮り方がうまい。風船は何の象徴なのだろう? 風船に乗った子供はどこへ行くのだろう? 一見ファンタジックな映画ですが、なかなか奥が深そうです。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-06-26 23:13:57) (良:1票) |
34.《ネタバレ》 『あの時助けてくれてありがと、君と出逢えた数日間ボクは本当に楽しかった、君の事は忘れないよ、さよなら、さよなら、さよなら・・・』・・・徐々に空気が抜け萎んでいく赤い風船が、少年にそう言って別れを告げているように僕には確かに聴こえました。大人の硬い頭だと、あの風船紐で引っ張って悪童どもから逃げるより、そのまま抱えて走った方がよっぽど早いんじゃないかってつい思っちゃうんだけど(笑)でもあの少年が風船と逃げる姿自体が、パリ下町裏路地の情趣溢れる風景と相まって、一幅の絵になってるんですよね。確かに勘繰りすれば色々な解釈が出来そうな作品だけれども、自分はこの映画良く出来たひとつの「寓話」として楽しみました。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-12-29 10:37:46) (良:1票) |
33.《ネタバレ》 まるで上質の絵本のような作品です。まず「ここなんて町?」と知りたくなります。パリのモンマルトルと分かるとただ下町の雰囲気や匂いを満喫するのみ。安っぽいアニメーションで作れそうだけど、やめて下さいね。それにしてもなんて可愛くてお茶目な風船なんだ。出会いのシーン、あれは男の子が風船を助けたんじゃなくて、絶対風船が男の子を待ってたんですよ。その後も男の子の気を引こうとすれすれのところで身をかわしたり、隠れてみたり、教室や教会に入り込んで追い出されたり、あの女の子の青い風船とのシーンは40秒しかないのに映画史上屈指の名場面になってます。あんな友達と一緒なら憂鬱な雨降りが楽しくて、思わず雨上がりの町を一緒に駆けていきたくなりますね。大詰めなんて悪ガキ達が極悪人に見えたほど(苦笑)。男の子は手を離したのに風船は彼を心配して遠くへ行けない、その結果当たったパチンコが致命傷でゆっくり地面に落ちていく。子供の世界じゃこんな大変なことが起こっているのに大人から見ればただ風船をめぐって子供が無邪気に遊んでいるようにしか見えないんですね、特に常識ある立派な学校の先生は。そんな先生に対し、風船は仕返しするわけでなし、軽~く頭を小突くだけというところが素敵です。こんな風船はけしからんと捕まえようとする先生から痛快に身をかわし、今度は見ないフリしますが風船は見透かしたように彼の後をついていきます。「こりゃ一体なんだい?」「いや、なんでもないんだ。ではまた。」そんな会話が聞こえてきそうで生真面目先生すら微笑ましく映ってます。風船を殺した悪ガキたちに対しても同じ、仕返しなどしないで、風船の死を悼む男の子の元にだけ大勢で集まり、一体感に包まれながら空へ浮かび上がる。この映画に理屈も台詞も必要ないし、映画に特にラストにどんな解釈をするかは各人の自由です。少なくとも妙に懲りすぎる最近のアニメやファンタジーが持たない素晴らしさがあります。本当に風船に演技させた作家のラモリス監督の手腕と人情味豊かな古き良きモンマルトルが見事に融合していて、子供のうちは勿論、大人になっても手元に置きたいと思わせる絵本です。 【くなくな】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2005-11-15 03:41:56) (良:1票) |
《改行表示》32.ちょっと昔のパリの空撮、風船の色が映えて とっても素敵です。 こんな映画を観ながらうとうとするのも良いもの こんなに叙情溢れる映画って他にあったかなぁという 位自分は好きです。 【leo】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-07-20 11:39:14) (良:1票) |
31.少年と青い風船を持った女の子とのランデブーなんか何度見てもかわいくて好きだな~。風船の赤が鮮やかなカラー画面、雨上がりの石畳をこちらに走ってくる少年のシルエット、狭い路地を走る少年と赤い風船の一体感、逆光に透ける風船に囲まれた少年の表情・・・本当にいいですね~。唯物的であるはずの風船のこれほど豊かな表情は、そのへんの役者の喜怒哀楽に満ちた表情よりどんなにも優しく純粋で心温を感じさせてくれます。「風船のような軽やかな気分に浸ること間違いなし」とアドバルーンをあげておきます。 【彦馬】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2005-06-28 12:59:47) (良:1票) |
30.セリフがほとんど無いのですが、例えば雨の中、風船が濡れないように通りを行き交う人達の傘に入れてもらいながら歩を進める少年と傘に入れてあげるおじさんおばさんたちの会話なんてのは、はっきりと聞こえたような気になります。路面電車で乗車拒否をされたり教室まで追い出されたりといったシーンも然り。何も考えずにぼーっと見ていても様々な声が頭の中で響きます。かわいらしい赤い風船の動きも素晴らしく、またラストのたくさんの風船たちにも感動した。幸せな気分に浸りたい方、おすすめです。 <追記(2008.8.28)> 近所のレンタル屋に置いていたこの作品(ビデオ)がいつのまにか無くなってしまい、今度はいつ観る機会に恵まれることやらと諦め半分に思っていたところに本年デジタルリマスターで蘇った本作が劇場公開された(『白い馬』と共に)。セリフも無く、字幕も無く、映像だけで感動する。この感動こそが「映画」。「映画」だけにしか出来ない感動がここにある。いわさきちひろさんのこの作品を元にした絵本も素敵だが、全然違うんだ。感動が。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-06-16 14:05:56) (良:1票) |
29.《ネタバレ》 もう50年も前だけれど、この映画を観てカラー映画の奇麗さを再認識させられました。それまでの映画のいかにも着色されたような色でなく街裏のどこでも見かける風景の色を表現して、その中で目立たないけれど赤色の風船が黙って見つけられるまで待っている。それが壊れるときが別れと判っていても最後まで挽き付けられる映画でした。「黒い牡牛」の映画と一緒に観た記憶があります。 【たいほう】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-05-14 00:08:44) (良:1票) |
28.《ネタバレ》 素晴らしい映画に巡り会えたもんだ。あの風船は、もう生きているとしか思えない。やんちゃで主人公の子供のことが大好きな風船君。青い風船ちゃんがいるとすぐについて行ってしまう陽気な風船君。僕はたった数十分の間に、この風船君のことが大好きになってしまった。しかし、子供たちの投げた石が彼の頭に直撃する。この石ころがあたってから風船が地におちるまでのシーンは最高の出来栄えだ。あまりに素晴らしい映像と皮肉にも好きになった赤風船の死が完璧に描かれていることで、僕は涙がでそうになった。 もう風船割れません。 【マイアミバイス】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-05-13 22:23:17) (良:1票) |