42.なんと確信犯的なメロドラマなのであろうか。と思わず感動すらしてしまうほど、ものすごいメロ度に驚いてしまった。21世紀の今日、人類が火星を探索しようというこの時代に、ここまで徹底的にメロドラマをやろうと思った心意気が凄い。ヒロインのアップに覆いかぶさるむせかえるようなBGM、どこを切っても印象派な花とか庭とかレンガとかいった美しすぎるものの数々。もちろん一度ぐらいここまで徹底的に貴婦人なジュリアン・ムーアも見てみたいぞという密かな欲求は腹いっぱい満たされるのであるが、あいにく最近ちょっと骨のある作品に当たってしまっていた私にはいくらなんでも薄べったいぞ。だいたいこれ、男優がシドニー・ポワチエじゃなきゃ成立しないだろう。気持ちはわかるし、かつてたくさんあったこの手の映画は決して嫌いじゃないのだが、悲恋仕立てにするためにわざわざとってつけたような人種差別や解放されない時代のゲイとか女性とか、こういうものを描くんだったら美しさのオブラート以外にもっと価値ある手法はいくらでもあるだろう。オマージュとして、これがやってみたいんだぁ~という強烈な情熱は感じるんだけど、同じやるなら「デスペラード」ぐらいやらないと。笑いが取れるほどではないので残念ながら個人的にはこれはスルー。まあ、ジュリアン・ムーアは映画界の至宝であるという個人的な価値観から3点献上。たぶんもう見ないと思うけど。そういえばジュリアン・ムーアって昼メロ出身よね。現場は案外、げらげら笑いながらやってるんじゃないかという気がちょっぴりした。これってネタでしょ? 勝手ながら邦題マッチング評価と音楽評価は[笑]の10点です。 【anemone】さん 3点(2004-04-18 04:15:59) (良:2票) |
41.舞台はニューイングランドのハートフォードという片田舎。エリートの夫には貞淑な妻であり、子供たちには賢い母親として、何不自由ない暮らしを送る美貌のキャシー。周囲からは憧れの的であり、理想の主婦ともいえる彼女が迎える人生のターニングポイント。これは様々な意味合いを込めて、50年代と言う時代背景を意識した作品だと言える。それはまさに偏見と言うものが、人の生き方をも大きく変えてしまうという哀しい時代。昨日まで仲の良かった親友でさえも、手のひらを返したような排他的な態度。このまやかしの楽園である見せかけの世界に、真の自分というものを失わずに生きていこうとする彼女の姿には、やはり共感せずにはいられない。大メロドラマのスタイルをもったこの作品の魅力は、ストーリー以上に、見事なカメラワークによる色彩の美しさ、この時代の男と女のエレガントさ、女性たちが身に纏うコスチュームの素晴らしさ、そして何よりもヒロインを演ずるJ・ムーアが魅せる眩いほどの美しさ。そう「めぐりあう時間たち」と錯覚するほど、この作品での彼女と酷似しているのは単なる偶然だろうか。そしてこういった役どころは、もはや彼女の独壇場と言っていいかも知れない。夫フランク役のD・クエイドにはこういった役柄はむしろ不似合いな気もする。黒人の庭師レイモンドを演じたD・ヘイスバードは今後の注目株。 【ドラえもん】さん 8点(2003-09-07 16:46:34) (良:2票) |
《改行表示》40.《ネタバレ》 レイモンドとキャシーの悲恋にはドップリ浸ってしまいました。 夫の同性愛問題なんてたいしたことない。結局自分だけの幸せを求め出て行くわがままなヤツだったし。 レイモンドとキャシーの別れのシーン。特に駅での別れはつらいですね。声をかけることすら出来ず、抱き合うことも微笑みあうこともできず、ただ密かに手を振るだけ。お互いに悪いことをしているわけでもないのに。なんて生きにくい時代。 【がんな】さん 9点(2005-02-03 23:14:43) (良:1票) |
《改行表示》39.50年代の雰囲気を楽しむメロドラマ映画というのが事前の知識だったけど、人種差別などアメリカだけでなく、現代の日本にもまだまだ残る「偏見」を扱った映画。 楽しめるかどうかは別として、数多くの賞を得ているのも納得です。 外見にとらわれず本質を見極めることの難しさはいつの時代どの国でも一緒ですね。 「誇り高く生きて欲しい」という彼の言葉は胸に響きました。 【六本木ソルジャー】さん 7点(2004-06-25 15:24:06) (良:1票) |
38.《ネタバレ》 「メロドラマ」と宣伝しているが内容はそんな甘い話ではないので、それを期待していくとがっかりすることになるかもしれない。1957年という時代設定の背景を知れば、この黒人差別が決して誇張されたものではないと分かる。主人公・キャシーが楽園から去る(追われるように)この話にはまるで救いがない。リベラルで正しい彼女にはあまりにも冷たくて暗い描き方で、気持ちは沈み込むかも知れない。それでも素晴らしいと思うのは、J・ムーアや黒人俳優・D・ヘイスバードの抑えた演技が素晴らしいこと、心理劇でもあるこの地味な話に深く考えさせられるものがあること。オープニングから何度も出てくる鮮やかな紅葉は、彼女のいる楽園を象徴するかのようで本当に美しい。それがラストは茶色い街の色彩の中、彼女の車が去っていく。でも上からのカメラが引くと白い花の咲いた枝が映る。(最初と最後の上空俯瞰は神の目のよう)これが唯一、彼女の前途にある一筋の希望の印のように思えた。 【キリコ】さん 8点(2003-10-17 17:47:59) (良:1票) |
37.内容自体は深刻なドロドロした同性愛や、黒人への人種差別を扱ったお話で、1950年代の中流家庭の妻の姿を通して描いていますが、ジュリアン・ムーアの演技もさることなから日本語翻訳担当されました松浦美奈さんの言葉の表現の上品さには感心しました。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-10-21 12:43:49) |
36.人種差別と同性愛を扱った真面目な映画。画面も暗いので楽しい映画ではない。 【山椒の実】さん [地上波(吹替)] 5点(2009-02-03 00:02:25) |
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34.《ネタバレ》 前に見たときは、心理描写の重みがなくて安直な内容だと思っていたのですが、よく見たらなかなか良いではないですか。ジュリアン・ムーアのしっとりとした美しさが最初から最後まで貫かれているのがいい。この作品はその時点で成功です。あとは色彩の丁寧さとエルマー・バーンスタインのやりすぎ音楽にゆったりと浸っていればよいのです。庭師の方はもう少しひねったキャラクターが欲しかった気もするけどね。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-01-19 23:47:40) |
33.コンセプトがしっかりしていて面白かったです。1950年代の映画って、こんな感じなんですね。差別的な内容ですが逆にそこが切なく、メロドラマだなぁ、という感じです。 【色鉛筆】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-12-12 07:47:28) |
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32.《ネタバレ》 夫がゲイでというだけで十分だと思うが、ここに庭師の黒人と妻との関係も絡んで、黒人差別の話まで入ってくる。その為になんだか収拾がつかなくなっているというか、焦点が随分と散ってしまっている印象。常に味方だと言っていた親友が、黒人と妻の関係には冷淡であったりするところに、差別にも種類があり、その根強さは伝わる感じはある。色彩統一した色の演出は無理してる感が出てて、やや微妙。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-07-04 06:13:49) |
31.擬古典主義映画っていうのか。徹底してハリウッド黄金期のスタイルを踏襲する。斜めに書きなぐったようなタイトル。音楽もほとんど伴奏のように流し続ける。旦那が出社するときの音楽なんか、そうそうこういう感じこういう感じ、とニンマリしてしまう。ラストの平行四辺形に組まれたキャストのタイトルに至るまで凝っている。スタイルを踏襲するってのは、すでに完成した形式を利用して、それを外から眺める視点を持つことだろう。差別や偏見のテーマの扱いに、そういう積極的な成果が出ていたかどうかはハテナだ。それよりも、作者はひたすら耽溺の悦びに酔いしれてしまっていた。雑誌の取材で暖炉に手をついて微笑むポーズなんかの時代性、「ときとして違う世界の人間の方が心を許せる」「でも許したらもう違う世界の人じゃないわ」なんて会話の妙、メロドラマに必須の駅頭シーン、そういったもう完成した型を、古来の茶器を撫で回すように改めて愛でている映画と思えばいいのだろう。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-05-23 12:16:25) |
30.《ネタバレ》 意表を突いた映画ですね ところでアメリカではホモ映画の評価が高いような気がしますが、人口の何パーセントぐらいがホモなんでしょうかね? 【マーガレット81】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-08-28 01:31:51) |
29.人間は愚か。人種差別も、同性愛も、戦争も(この映画とは無関係だけど)、その時代に生きた人の多くは、それが正しい、それが正義と信じている。今の世の中もまた数十年後に振り返って、愚かな考えをしていたと、胸が痛くなるのだろう。未来が間違った道に進むより、振り返って「愚かだった」と思える方が幸せなのかもしれないが。 【Miranda】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-08-09 14:29:14) |
28.単純におもしろいもなくつまらなくもなく。。。。ちょうど中間地点のような映画でした。でも、音楽とか衣装、映像のレトロさが雰囲気がよくてその分楽しめました♪♪あとお洋服の色とか!!気分によっても色分けされていたような気がしますね。 【こゆ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2006-09-21 07:27:21) |
《改行表示》27.ベルベットゴールドマインと同じ監督とは信じられなかった。 こちらはわかりやすかった。恋愛モードにつかりたいときは良いかも。 【りえりえ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2005-10-28 02:17:12) |
26.人種問題と同性愛を両方取り入れた割りに同性愛のほうの描かれ方が中途半端だったようなきがした。とはいっても、前情報をほとんど持っていないで見たので、それなりに驚きもあったし、よかった。レイモンドを見ても『ああ大統領』とついつい思ってしまったが、知的なアフリカンアメリカンとしてはぴったりな役だった。 【HK】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-09-18 16:09:43) |
25.《ネタバレ》 ネット配信のGYAOはテレビになるのかな。なんかね、未来に希望が見えない感じ。幸せな終わり方をして欲しかったな~。 【ビアンキ】さん [地上波(字幕)] 6点(2005-09-06 21:00:56) |
24.全編がクリスマス・カラーに彩られた、楽園を追われる異端者達の物語。豊かな明日を信じられた古き良き50年代の、上流フォロワーのアッパー・ミドル社会をメタファー(てか、パロディ?)に、リベラル・異人種・同性愛への差別という、今日のアメリカ社会が抱えた課題を描こうとしている(私は何故か「カラー・オブ・ハート」を思い出した)。本作の一番の問題点は、同性愛がストーリー上、全く棚上げされてしまってること。これなら、その部分は思い切って削った方が良かった。アジア系、ヒスパニック系にも差別はあるでしょうけど、ことインターレイシャルな問題については、白人と黒人の間では、お互いが未だにタブー視してるのがアメリカ社会の特殊性。ここに重点を置いた脚本に仕上げれば、もっと面白くなった筈です、5点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-04-19 00:07:58) |
23.これは一見口当たりの良さそうな50年代風悲恋メロドラマを装いつつ、その実相当辛口な人間ドラマに仕上がってますね。超確信犯的な演出技法や凝りに凝ったセット、衣装を監督の意図を読み取りつつ、楽しめるか楽しめないかによって評価は大きく変わってくると思います。一昔前の典型的なグットアメリカンボーイ、デニス・クエイドを隠れゲイにキャスティングしたのも計算の一つ。僕は自分自身どっちかっていうとマイノリティ側の人間なのでこの作品、サスペンス映画的に愉しんで観る事も出来ました。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-02-08 17:19:52) |