138.ニコラス・ケイジは、パチンコのCMだけ出てればよろしい。 |
137.デ・パルマだから、映像の魔術師だからってついつい大目に見てしまう周囲もイケナイとは思うが、俯瞰で長回しでミラーでスプリット画面、というデ・パルマ得意技の集大成と思えばけっこう笑える作品ではある。目撃者14,000人、容疑者14,000人という大仕掛けのわりにストーリーが5人ぐらいの間でチマチマとまとまっているのが非常に気になるが、要するにどんなに容れ物を大きくしてもこの人に見合ったスケール感というのはこのぐらいがちょうど良いのでしょう。本来「群集」という物の持っている圧倒的なエネルギーがまったく伝わって来ないあたり拍子抜けは避けられないのだが、なんだかデ・パルマだしなぁ、で許せてしまうのは世代的にちょっとデ・パルマに甘すぎるんでしょう。どう考えても意外性もへったくれもないゲイリー・シニーズのいかがわしさとか、良くも悪くも期待を全く裏切らない凡作にすぎないと思うのだが、「いやぁ~。デ・パルマ節健在ナリ」と思わず頭を垂れさせられてしまう問答無用さを評価してあげたい。だってやっぱり、周囲に惑わされずわが道を行く人っていまどき貴重じゃないですか? 【anemone】さん 7点(2003-12-20 14:17:12) (良:1票)(笑:1票) |
136.ニコラス・ケイジとデパルマという名前だけで早速6点は献上。両者共のファンならば墓場まで持ち込むべき珠玉の一品。両者の個性は余るほど出ていると思う。サスペンス、ミステリーなんてこの作品では考えない方がいい。制作者もそれを望んでいないはず。デパルマワールドを堪能できない人にはきついかも。この作品のニコラス・ケイジはホントかっこいい。 【あまぬま】さん 8点(2000-10-16 22:16:14) (良:2票) |
《改行表示》135.《ネタバレ》 表面上のストーリーだけを評価すれば5、6点程度の映画なのかもしれないが、デパルマ監督の卓越した手腕を見せつけられたことにより、個人的な評価が随分上がった。8点はちょっと高すぎかもしれないが、デビットコープの大した事のない脚本を高レベルの映画にきちんと仕上げた点を評価したい(コープ脚本の「パニックルーム」を高レベルの映画に仕立てたフィンチャーと同様)。 ポイントはなんといっても、冒頭ちょっと過ぎからの「長回し」だろう。100分未満の映画にも関わらず10分以上をワンショットで撮ってしまう技量には驚愕する。その他にも分割画面により同時並行にストーリーを進め、緊迫感を高めたり、同じ場面を色々な角度から描いて、全貌を徐々に明らかにしたり、仕切られたホテルの部屋の上からカメラを動かしたりと、デパルマ監督の演出が冴えわたった見事な作品に仕上がっている。 ニコラスケイジも役になりきった演技が好印象だ。決してヒーローでもない安っぽい小悪党役が彼にハマッタ感じがする。金への誘惑などに対する「心」の揺れをタバコの手の揺れで表現しているのもベタであるが、分かりやすくてよかった。決して100万ドルの男ではなくて、血塗られた100ドル程度の男(汚れた安っぽい男)なんだよ、あのニコラスケイジの役は。 シニーズも好演している。彼は部下を見捨てて溺死させた過去によって「命」の重みに対して不感症になってしまったのだろう。数万の命のために数名の命を犠牲にしても厭わない「軍人」と、一人の命のために働くことが本分の「警官」の構図が面白い。また、親友同士の駆け引きも見所の一つになっている。 ラストではシニーズは自害し、ニコラスが親の一人勝ち(スネークアイズ)をしたかのように見えたが、実はそうではなかった。一躍「英雄」に祭り上げられるものの、汚職が次々と明らかになり(高級車に乗り回す)、「別荘(刑務所)」に行く破目になる(刑期を終えて真人間になったらジュリアはまた逢いましょうと言ってキスをする)。結局、親の一人勝ち(スネークアイズ)をしたのは、事件の全貌が闇に葬られ、予定通り建設を進めるパウエルであったと、ラストの宝石(赤毛の女が嵌めていたもの)が告げている。そういうオチにするんだったら、もうちょいパウエルにもスポットを当てても良かったかなとは思うが、真の悪人は捕まらないという一種のメタファーなのかもしれない。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-09-14 21:13:41) (良:1票) |
134.事件の裏に隠された謎とか、もはやどうでもいい。 【TERU】さん [映画館(字幕)] 5点(2024-01-30 20:44:31) |
《改行表示》133.《ネタバレ》 ラストが非常に現実的で、主人公は一度はヒーローに祭り上げられたものの、その結果スポットがあたってしまった事で過去の悪行が次々と暴露され妻子にも逃げられ刑務所送りになるっていうのは、こういう映画にしてはなかなかめずらしいパターンです。 (まぁ巨乳美女が待っててくれるようですが) だいたいこの手の映画では「偶然いい事をしてヒーローになっただけで過去の悪行は全部チャラ」なんて事が多いだけに、そこはなかなかリアルで面白いとこで、褒めていいんじゃないでしょうか。 映画全体としては、とにかく独特の手法が面白く、たとえば過去の回想シーンはその登場人物の主観視点で描くとか(その割に一部人物の回想がまるっきりの嘘っていうのはルール違反な気がしますが)、たとえばホテルの部屋を上から順に撮っていくとか、わりと他で観ないような方法が使われています。 しかし主観視点は微妙に安っぽくて中途半端ですし、部屋にしても天井を抜いたセットをわざわざ作ったんでしょうけど、全体にその撮影が功をそうしてるかというと…そうでもなくて、わりと残念なのがつらいところ。 ストーリー的にはいかにも犯人な人が犯人なのはご愛敬としても、それなりに凝っていて面白い話ですから、撮り方次第ではもっと面白くできたんじゃないか、と思います。 ゲイリー・シニーズはアポロ13あたりの印象が個人的には強いんですが、ここでも軍服姿で登場して、ある意味イメージ通りの役すぎるのがすごいです。その一方で、ボクサーが全然ボクサーに見えないのは残念なところで、もうちょっとキャスティングをなんとかできなったものでしょうか… 【あばれて万歳】さん [地上波(吹替)] 6点(2016-12-12 18:41:10) |
《改行表示》132.《ネタバレ》 目を疑うほどの長回しと、天井から部屋を見て行く漫画的で効果的なセット、一つのシーンを様々な視点から見せるなど面白くも緊張感溢れる映像が一晩の事件をとても深い者にしている。ストーリーはちょっと出来過ぎなのと、あまりミスリードを誘わない直球な展開だけどそれでもやっぱり見せ方が上手いとこちらはとてもドキドキする。 まるでターミネーターのようにホテルを闊歩するゲイリー・シニーズはマジ怖いし、こういう役をやらせるとニコラス・ケイジはやっぱり上手。 それにハッピーエンドではないのもいいんじゃないでしょうか、それでもちょっとケイジの未来は明るいし。 そういえば気付きませんでしたがに音楽は教授だったんですね。 【えすえふ】さん [DVD(吹替)] 6点(2015-10-06 22:33:48) |
《改行表示》131.久しぶりにデパルマ節を味わいたいと思い、金曜ロードショーのビデオで鑑賞した。 そして存分に楽しむことができた。話の筋がどうこういうもんじゃない作品。 これを写したいという揺るぎない意志を感じた。 【溶解人間】さん [ビデオ(吹替)] 10点(2015-10-01 01:32:06) |
130.《ネタバレ》 冒頭のニコラス・ケイジを中心に展開される、超満員のアリーナでの十数分に及ぶ長廻し撮影はさすがに凄い!!ケイジ先生の濃ゆい存在感と相俟って、もうそれだけでハート鷲掴みです。これは傑作になるんじゃないかと思ったら、それ以降は単なる普通のサスペンス……。それでもちゃんと一編の映画として楽しめる作品に仕上がっております。ゲイリー・シニーズも蛇っぽくて良い感じだった。タイトル通り、なんだか全体的に蛇っぽい濃ゆい作品でありました。竜頭蛇尾だしね(笑)。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-04-26 12:57:44) |
《改行表示》129.それぞれの人物の登場シーンは印象的。凝って(デ・パルマらしく)作られていることはわかる・・・けど特別面白くはない。 CSI:NYでお馴染みのゲイリー・シーニーズはハマリ役。チンピラ役のケイジ師匠も悪くない。 【フラミンゴ】さん [インターネット(字幕)] 5点(2012-11-12 19:13:44) |
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《改行表示》128.《ネタバレ》 ニコラス・ケイジのリック・サントロというキャラクターがなければ観たことを忘れてしまいそうなぐらいデ・パルマ映画の中でも印象が薄いんです(個人的にはけっこうデ・パルマは好きなんですけど…)。 外ではハリケーンが荒れ狂っているアリーナという閉じられた空間の中で、色んな種類のカメラに逐一見張られていると言うプロットの肝心のところがあまり生かされていないんじゃないでしょうか。デ・パルマ映画に特有の粗が目立つストーリーは凝った舞台設定が目くらましなければいけないのにね。まあニコジーが好演してくれたので何とか観れました、ラストにかけて転落してゆくところなんか特にいい! ところでいちばん最後に見せてくれるあのオチなんですけど、エンド・ロールは普通カットされる地上波では見せてもらえないんでしょうか? 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-09-27 20:12:02) |
《改行表示》127.《ネタバレ》 『ミッション:インポッシブル』の大成功によってやりたい放題を許されていた当時のデ・パルマが、本当にやりたい放題をやってしまった怪作。6,900万ドルという巨額の予算を投じて大舞台を準備しながら、その実5~6名の登場人物がうろうろするだけの内容に終始するというムダさ加減。その顔を一目見ただけで犯人だとわかってしまうシニーズ。まったく合理性のない暗殺計画(国防長官に接触する前の時点で女を殺していれば済んだ話では?)。暗殺直前に国防長官と接触し、本来ならば超重要参考人であるはずの女が、なぜか中盤まで捜査線上に上がってこないといういい加減な捜査。そしてラスト、絶体絶命の主人公の前に”偶然”突っ込んできて、都合よく事態を収拾してしまう警察車両。サスペンス映画としては完全に破綻しています。これはデ・パルマの技見せ映画だと納得して観るべきなのでしょうが、視覚的なサプライズも思ったほどではありません。壁をすり抜けるカメラやスプリットスクリーン、延々と続く長回しなどは20年以上も前からデ・パルマが使い古してきたテクニックであり、今さらそれを大々的に披露されても感動は薄いのです。。。 以上のように映画全体としては不満だった一方で、主人公リック・サントーロのキャラは非常に素晴らしいと感じました。彼は、ヤクザみたいな派手なシャツを着て街のチンピラから金をむしり取り、妻子持ちであるにも関わらず堂々と愛人を囲っているバリバリの汚職警官。エリート軍人に出世した親友ダンからはその差を見せつけられるものの、「俺はこの街じゃ顔が利くんだぜ!」と虚勢を張り続けます。それは、スピルバーグやルーカスら昔の仲間たちが各々独自の帝国を築いていく中で、いまだ雇われ仕事に甘んじているデ・パルマが、自身の境遇を重ね合わせたキャラクターであるように感じました。そんなサントーロですが、国防長官暗殺事件にあたっては人が変わったかのように真剣に捜査に取り組みます。それは正義や真実のためではなく、手の届かない存在となっていた親友ダンを助けてやれる(=自分がプライドを取り戻す)チャンスが来たことを素直に喜んでいるためです。事件の真相を聞かされた際に「そんな話は聞きたくなかった。親友を救って、自分もヒーローになって、それで終わりたかった」と嘆く様には切実なものがありました。ニコラス・ケイジの演技も良く、この主人公で映画は救われています。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 6点(2012-09-07 22:08:41) |
126.《ネタバレ》 長回しで撮ったからって何か意味がありますか? 映画そのもの以外のメディアで謎解きの補足をさせようとするような作品の在り方も嫌いです。デ・パルマは大作っぽいものをやるとどうも構えが大げさなわりにちっとも面白みがない。『キャリー』『殺しのドレス』が大好きでピノ・ドナジオの音楽と映像のシンクロに心酔したクチなので、日本の坂本龍一がパルマの映像とどんなシンクロを見せてくれるのか期待したのに、それもべつに面白いところはなくガックリ。『フューリー』でカーク・ダグラスを起用し、音楽も大御所ジョン・ウィリアムスで製作したのに、ガックシだった時と同じ。 【だみお】さん [映画館(字幕)] 1点(2012-03-18 21:26:50) |
125.監督の技術でまあまあ見られる映画となっております。 【ダルコダヒルコ】さん [地上波(吹替)] 5点(2011-02-04 00:19:52) |
《改行表示》124.《ネタバレ》 個人的には『ザ・ロック』と双璧をなすニコラス・ケイジの傑作。 当時は『犯人』ではなく(犯人は冒頭死亡)『容疑者』を追いかけるタイプのストーリーが新鮮でした。 部類はサスペンスですが、視聴者が謎を解くタイプではなく、主人公が容疑者を発見し事件の真相を知る過程を楽しむタイプなので注意。でも構成は良くできていると思います。 散々汚職にまみれた主人公(刑事)が『人殺しはできない』と言って親友の誘いを断る、血まみれの札、『ヒーローになりたいのか?スポットライトを浴びた途端熱に耐えられず燃え尽きるだけだ!(注目されれば汚職がバレるという意味ですが例え方が上手)』等、印象的なシーンや台詞が多いのも特徴。 そしてなんといってもケイジさんの演技、冒頭の軽いノリの警官。親友が自分を騙して人殺しをしたことに動揺するシーン。そしてすべてが終わり、親友が言ったように熱に耐えられず燃え尽きた(汚職がバレ、実刑判決)後の哀愁漂うシーン。台詞の演技はわかりませんが表情や仕草の演技は流石一流と言ったところでしょうか。 観て損はしません。ついでにエンディングの『sin city』がメチャメチャ良い曲。当時この曲が入ったCD探し回りました。 ちなみにこの作品は2回観ると面白い(+2回目観る前にこの作品の『謎』の部分を考察してあるサイトを閲覧推奨)です。 【ムラン】さん [地上波(吹替)] 7点(2009-10-22 23:06:17) |
123.《ネタバレ》 うーーーん…実は事前に「予習」をして本作に臨みました。で、、、誰が最後に得を得て「親の総取り」したのか、わかるようなわからないような…何というんですか、こう、意味深な内容でありますねぇ。もう一度観ればわかるのかも知れませんね~(希望) デ・パルマ監督の独特のカメラワーク…冒頭の長回しも含め映像的なこだわり感はかなり感じ取ることはできました。かーなーりテンションが高い(笑)ニコラス・ケイジもある意味見どころであるとオモイマス 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-24 23:11:05) |
122.ニコラス・ケイジ、ゲイリー・シニーズ両者のしつこい風貌が、限られた空間の中でのサスペンスに合っていたなあ、と思いますデス。見た当時まあまあ満足した覚えもあります。なのになぜ6点かといえば、レビューしてなかったということに、今の今まで気づかなかったくらいだから、所詮は記憶に残りにくい作品だったとも思うのですよ。 【おばちゃん】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2008-11-07 22:34:26) |
《改行表示》121.《ネタバレ》 目撃者、容疑者が一万四千人っつーふれこみだったが、最初から容疑者は2,3人しかいない。しかも、犯人を明かすのが早すぎて、あとは惰性に感じました。 ラストのおまけオチみたいなのは好きです。 【すべから】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2008-05-23 18:37:55) |
120.話題の長回しに関しては、後発のトゥモロー・ワールドに比べると興奮度低。謎解きの部分も、ある程度「解説サイト」で予習をし、見終わった後に解釈も色々読みましたが、「で?」って感じでした。凝ったカメラワークやニコラス・ケイジのイキッぷりは堪能しましたが、売りの「長回し」と「謎解き」が期待ほどではありませんでした。 【ヒックス111】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-03-15 05:25:55) |
119.《ネタバレ》 有名な難解作品、あるいはそういう作風の監督だと知っていれば、覚悟して作品に望みます。また、観ている途中、明らかに構成が凝っていると分かると、気を引き締めます。もちろん物語に惹き込まれれば、食い入るように観ます。でもそれ以外の場合は、スッと観てしまう。それ自体は悪いことだとは思いませんが、後から“しまった”と思うことがあります。本作はそのパターン。何となく腑に落ちない部分はあれど、「ちょっとカメラワークの凝った普通のサスペンス」と評価を下すところでした。でもラストカットでそれが間違いであることに気付かされます。本作はそんなに浅いお話じゃない。序盤のカメラワークに感心し、主人公の決断に呑気に感動している場合じゃなかった。「スネークアイズ」の本当の意味。それが分からないと、本作を堪能したことになりません。でも観終わって気付いても後の祭り。皆さんのレビューを拝見して納得しました。映画の楽しみ方と奥の深さをひとつ教えてもらいました。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-02 19:48:15) |