97.《ネタバレ》 前半すごい共感できたんですよ。心の声が聞こえる演出が。心の中で「今行かないでどうする」と思ってるのにいけないあたりとか、執筆に悩んで寝れないとことか「すごいわかるわー」と思いましたね。このままいったら面白いなーと思ってたら、最後めちゃくちゃな展開になりましたね。「現実は淡々としている」と言ってたチャーリーに、ハリウッド映画のような非現実が起こりました(笑)それにしてもニコラスケイジは大物なのに冴えないおっさんの役うまいですねー。チャーリーは、変わろうと思ってはいるけど変われなくてそんな自分が嫌いになる、の繰り返しをしてます。一方対照的に描かれるのがドナルド。彼は気さくで女にも困らない、けど大して面白いことを言えるわけでもない、まあ凡人なわけです。そして大した理由もなく脚本家になると言い出し、アイデアも陳腐なのにドナルドの方が成功する。大した才能もないのに、女にもモテて脚本も成功して、チャーリーは腹立つんですよ。大したことないくせに何でって。どちらかというと僕はチャーリーよりの人間なんでその気持ちも分かるんです。でもよくよく考えてみると、ドナルドはチャーリーと違って行動派なんですよ。「愛されるより愛するほうが大事だ」=「待つことより自分から行動することのほうが大事」という信念を持ってたんですね。チャーリーは最後にそこに気付いてドナルドのことを尊敬し、アメリアに告白する。彼はついに変わることができた。そして彼は車を走らせた、初めて希望を抱いて…。と書いてみると大したオチもなく淡々としたストーリーでしたけど、本当に現実っぽい映画ですよ。僕の周りもこんな感じです。そこにすごく共感できました。 |
96.脚本って、ほんとに難しいよね。カウフマンさんは「マルコヴィッチの穴」でヒットして、次回作が期待されていたからね。相当プレッシャーあっただろうなぁ。奇想天外な脚本家っていうお墨付きがついちゃったから、次書くのは普通のシナリオだったら落胆させられちゃうし、かといってあんまり荒唐無稽なのも、、、すごいの書こうと思えば思うほど書けないんだよなぁ、あーどうしよ、この苦しみ、誰かわかってくんないかなぁ、あ、そうだ、こう考えてるおいらを主人公にすればいいんだ、そうそう、その設定だけで「ちょっと変わってる話」ていうお墨付きはクリアできるな。そんじゃどうせならハリウッド的な話を皮肉ってみれば、おいらの脚本はより崇高なものとして批評家にとらえられて、うまくいきゃ賞も狙えるかもしれないぞ。しめしめ。そうだ。わざとハリウッド的な流れをつくって、客をあっといわしてやろう。無理矢理な展開にして、わざとつまんないストーリー展開にしていけば、高次的な展開に脱帽して、カウフマンは天才だ!という奴続出だな。ひひひ。客と批評家の驚く顔が目に浮かぶぞ。 【あろえりーな】さん 5点(2004-03-15 00:33:14) (笑:1票) |
95.面白い! 脚本も良いですけど演出も流石。そして、やっぱニコラス・ケイジはこういう役が本当に巧い。幸い私はハゲかけてはいませんが、この主人公にはかなり感情移入してしまった。特にセミナーで「私の人生には語るべき出来事が無い」と質問した件は最高。その通り!、人生なんてつまんないもんです。だから映画を観るんです。しかし、そのつまらない人生からこれだけ面白い映画が出来てしまうんだから、人生自体も捨てたもんじゃありません。自身ではつまらないと思ってても、端から見れば、もしかして私も映画になる位面白い人生を歩んでるのかもしれませんネ、7点献上。 【sayzin】さん 7点(2003-11-30 05:15:17) (良:1票) |
《改行表示》94.《ネタバレ》 シナリオ作りに苦しむ脚本家、と聞くと”バートン・フィンク”を思い出すけど本作は作家のシュールな内面描写だけでなく、れっきとした?事件が起こる。その事件が起きてからが、そんな馬鹿な的な展開になっちゃって目が点になってしまうんだが。 だってさ、寂しい中年編集者のM・ストリープがクスリやってんの見つかって、いきなりニコラスを殺しにかかる、ってそりゃないんじゃないかなあ。ドラマを挿入する苦労云々を語られてきたけれど突飛過ぎる展開もいかがなもんだろう、チャーリー? ともあれ、文句なしに凄いのは性格真逆の双子兄弟を演じたニコラス・ケイジである。相変わらず上手いねえあなたは。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-05-20 00:50:33) |
93.《ネタバレ》 “Adaptation”という言葉には“適応”の他には“脚色”という意味もあり、チャーリー・カウフマンが味わった既存の小説を脚色するという事の苦しみ、いわば脚本家版『81/2』というのがこの映画の醍醐味となるんでしょうね。それをスパイク・ジョーンズと組んで映像化しているのだから一筋縄でゆく訳がないです。この人の頭の中はどうなっているんだと感嘆させられるのは、双子の弟ドナルドはなんと架空の人物なんですよ。ライティング・クレジットに名を連ね、仲良くオスカ-にノミネートまでされた人物が実在していないとはちょっと凄いお話しですよね(アカデミー賞史上、架空の人物がノミネートされたのは後にも先にもこれだけ)。エンド・クレジットに“in loving memory”なんて弔辞まで出されたら、もう完璧に騙されます。 この双子をニコラス・ケイジが熱演というか怪演しており、こうやって観ると「ニコジーはヘンな奴だけど、やっぱ名優だよな」と再認識させて頂きました。性格が正反対の双子をメソッド演技で同一人物が演じる、やってるニコジーは頭がおかしくなりそうだったでしょう。ハゲで引っ込み思案のデブ中年、ハリウッド・スターでこんなキャラを演じられるのは、ニコジー、あなたしかいない! それにしても弟ドナルドが書いた『3』という脚本、なんか面白そうじゃないですか。映画化して欲しいな。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-19 22:53:18) |
92.《ネタバレ》 物書ならば、おそらく誰でも一度は考え付くであろうアイデア。でもほとんどの作家が実際に作品化しないのは、作品にしても面白くないから。寝てみる夢を他人に語ってもつまらないのと同じように、この面白さは当事者でないと理解できない範疇のもの。それに、どうしても独り善がりな表現になりがちです。そういう意味では、本作は作者の体験(脚本家の苦悩)を客観的な娯楽性を担保しながら具現化出来ていたと思われます。及第点以上。夢と現が混在しているのに、それを観客に意識させないのは高等テクニックと言えましょう。もっともその大部分をニコラスの頭髪が担っている気がしないでもありませんが。「志村、うしろ~」と同じノリで、「ケイジ、あたま~」と何度口にしたことか。ニコラス・ケイジの鳥の巣ヘアーに敬意を込めて+1点進呈。自虐的過ぎて、イマイチ笑うに笑えないのがもどかしいところ。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-01-04 17:58:53) |
《改行表示》91.こういう捻りの効いた作品は好きですよ。 ジャンルとしてはコメディというより、パロディなんでしょうね。 ハリウッド映画を小馬鹿にした後半の展開が逆に面白くなっちゃうのがいいです。 名言らしきものがちらほらあって、不覚にも終盤はちょっと泣いてしまいました。 どこまでが実話で、どこからが脚色なのかよくわからないけど、少なくともカウフマンの妄想だけは事実なわけで、よくもまあそんな脚本書けるもんだと感心してしまう。 【もとや】さん [DVD(吹替)] 8点(2013-07-01 16:32:55) |
90.キャスティングが豪華で、その演技演出には大満足。前半のランを絡めた話や脚本家の苦悩なんかはとても興味深くて、後半やオチに向けての期待は大いに高まったんだけど、どうにも叙情的に終わっちゃって消化不良。冒頭のやりたくないんです台詞やマッキー先生のハリウッド的脚本とはという皮肉に対してそれなりのハリウッド的オチをつけて皮肉を効かせたんだろうけど、こっちは1本の映画としてちゃんとした起承転結を期待してるわけで。それができそうな題材、キャストだけに残念!チャーリーの心情には我ながら情けないけど大いに共感できるとこが多くて、どう決着つけるに興味あったんだけど、なおざりにされちゃったなあ。マッキー先生と飲むあたりまでがよかった。前半9点後半5点、トータル7点。 【タッチッチ】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-06-22 14:40:56) |
《改行表示》89.《ネタバレ》 原作:スーザン・オーリアン「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」って… 実際は脚色ってレベルではない程まるきり別もんで、だからこそ「アダプテーション」ってタイトルにしたんだろうけど、スーザンさんはこの映画を観てどう思ったんだろう…。 後半の脚色された退屈な予定調和かつハリウッド映画的展開も含めて面白い。 【eureka】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-05-04 18:14:47) |
88.独特の世界観、ラストまで引き込まれた。脚本がすばらしいと思う。豪華な俳優陣。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-03-06 12:43:45) |
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87.《ネタバレ》 まぁ、驚く展開もあって印象に残る作品にはなりました。けれど、この脚本家キライになりました。シナリオの先生からナレーションで表現するなって言われたのを、ナレーションでやっちゃうあまのじゃくっぷりは評価するけど、それ以外については、どこまでが真実かはさておき、こんなヤツとは付き合いたくない感じ。一番気になるのは、原作本を書いた人がこの映画をどう思ってるかってことです。映画の中で原作本を上から目線でダメ出しされて公開されても、金もらえて宣伝になるから良しとしたのだろうか? 僕が著者本人なら、邦画『ラヂオの時間』よろしく「お願いです、本の通りにやって下さ~い!」って叫びたくなると思う。さて、チャーリー・カウフマンと離れたスパイク・ジョーンズ監督の「かいじゅうたちのいるところ」は吉となりますか・・・。 【だみお】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-12-23 03:16:05) |
86.《ネタバレ》 ○皆さんのレビューにもあるように、皮肉とは言えラストの展開がいまいち。それまでの展開は好きなのだが。○芸達者揃いで見ものの一つ。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-11-29 16:53:57) |
85.「マルコビッチ…」みたいな作品を書いてしまうと、要らぬ力が入ってしまうのか、面白いと思わなかった。脚本が我を張り過ぎていて私は鼻に付きました。こんなことをやってしまうと、ますます次の仕事がやりにくくなるんじゃないのかなぁ…。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-10-26 01:54:29) |
84.奇抜なアイデアなんだけどなぁ~、「マルコヴィッチの穴」もそだけどこういうのは苦手で。ニコラス・ケイジの二人一役の演技はなかなかの見どころだし、メリル・ストリープのなかなか体の張ったのもよかったんだけどやっぱストーリーに馴染めなかったのが一番つらかった。ランの基礎知識があれば・・・よかったんだけど。 |
83.《ネタバレ》 マルコヴィッチに続きこれまた変わったアイディア作品。前半はチャーリーの苦悩が、後半はそれが激しく脚色されてって普通?の映画になってく。おもしろいんだけどこれって観る人だいぶ限定される気がする。 【しっぽり】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-05-04 19:50:50) |
82.脚色に苦悩する自分が自分を描いた映画がこんな映画になっちゃったという痛烈な皮肉の映画。よく作りましたね。 【とと】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-04-05 06:34:07) |
81.《ネタバレ》 現実と虚構を絶妙に織り交ぜた構成・演出は流石。なんといっても実在しない「ドナルド」という容姿はそっくりだが性格は正反対の人物を登場させることによって見事に「adaptation(脚色・適応)」を表現していたと思います。俳優陣も素晴らしくこれは・・・と途中までは最高だったのだが後半のアクション・サスペンスで最強に萎えました。いくら皮肉を込めているとはいえあの展開は腑に落ちませんでしたね。ただそこ以外は共感できるところも多々あったので8点献上。 【すたーちゃいるど】さん [地上波(字幕)] 8点(2009-01-25 11:16:39) |
《改行表示》80.《ネタバレ》 ダメ男をやらせたらニコラス・ケイジの右に出るものはいないと認めます。最初のほうでスタジオの隅に座って、通りがかるスタッフにアピールしている場面、私は感動した。そんなところに感動しても…なのだがとにかく言葉で言えないすばらしさ。いやこの場合は情けなさ全開。 でケイジは全身全霊で情けないし、ドナルドを設定したことで、ドナルドがボケてチャーリーが突っ込むという安定した面白さが出ている。 そうせっかく出ていたのだが、実はカウフマンにとってそれは「くすぐり」でしかなく、ラストのドタバタですべてを台無しにして…「どうだ」と得意がっているんだよなあ。 私はその「くすぐり」がなかったら最後まで見る気がしなかったと思うし、そっちのほうをメインにするべきだとさえ思うのですが、頭の良さをひけらかしたい彼にとってはそれは単に「くすぐり」。 とにかくニコラス・ケイジの情けなさに感動しておこう。せっかくケイジががんばっているのに、花なんかどうでもいいってことを言うためにそんなに尺を使うことはないじゃあないかカウフマンよ。 追:その後何度も見るうちにアメリアとの関係は妄想ではないかと思い始めた。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-01-16 16:56:06) |
79.《ネタバレ》 歯抜けのクリス・クーパーはインパクト大。内容的にはあまり面白いとは言えないが、役者陣が素晴らしく、特にニコラス・ケイジは三枚目どころか四、五枚目をしっかり演じていたと思う。 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-08-23 11:58:33) |
78.《ネタバレ》 ものすごくシニカルなコメディです。蘭に魅せられた男という本をいかに映画の脚本にするかというのがテーマであり、前半の主人公は生命を一本に束ねた描写をするだとか、脚本作りに苦しむ自身を描くとか言っており映画もその通り描かれます。ところが結局脚本が出来ず、後半は自身が冒頭で言っていたこういう映画にはしたくない(花をドラッグにしているとか記者と収集家の恋とか)という内容に思いっきりシフトします。そしてラストは弟にちょっといいことを言わせて死なせ、さらに昔の恋人との切ない関係や主人公が前向きに成長するという姿を描いて気持ちよく幕を閉じる、これでもかと観客へ迎合して脚本をまとめ上げましたという笑いなんですね。そしてその内容をアダプテーション(脚色であり適応)であるとタイトルづけるとは…。明らかにひねくれてますがチャーリーカウフマンの作品は変な魅力に満ち溢れています。 【5454】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-07-03 02:26:13) |