56.《ネタバレ》 500円DVDでの鑑賞。1回目は何の事は無く普通に「終戦の年の映画にしてはそれを感じさせないテーマやな」といった感想。しかし3回、5回、10回と観てみるとワイルダー監督のお遊びというか細かい気配りというか、練りに練った脚本である事がわかり、もっと堀下げて観る、、、記念の1本になりました。しかしこれを観ると「あ~、こんな人でも立ち直れるんや」と安易に飲み過ぎてしまうのがたまにキズ。ちなみに個人的な好みとして、ラストは、”数年後”のキャプションが入り、とある本屋であの兄貴が弟の書いた山積みの本を見つけて”寛大な兄にささげる”のあとがきを観た所で映画が終わる、、、ではいかがと思っています。 |
《改行表示》55.《ネタバレ》 一番良かったのはヘレンが「私の恋敵はアルコールね」という洒落た台詞、なかなか言えませんよ。ワイルダーはこういうところが上手いんです。台詞に面白味が有るから、重いストーリーでも全く嫌になりません。 しかし、アルコール依存症って怖いですね。身内の献身的な思いやりもなかなか実を結びません。しかし、最後はヘレンの粘り勝ち。酒飲みドンは亡くなり作家としてのドンは息を吹き返した。 【おはようジングル】さん 7点(2004-02-08 17:55:18) (良:1票) |
54.《ネタバレ》 ワイルダーにしては重いストーリーで、ところどころに使われているテルミンの音が、ホラー映画的な味わいを添えています。映画史に残る名作だとは思いますが、現代の視点で見ると私的感想では不満が残ります。あらすじは「主人公は30代で無収入でアル中の自称作家。アル中から立ち直らせようと手をさしのべる兄や恋人の好意をさんざん無にし、酒を飲むための小銭を手に入れるためには、人をだましたり、泥棒まがいのことを平気でする。出先で階段から落ち、アル中の病院に収容されるが脱走し、自宅で拳銃自殺しようとするが、それを察知した恋人にとめられ、ついに立ち直る決意をする」というもの。主人公の自分勝手さが見ていてとても不愉快でした。アル中は性格の問題ではなく、依存症なので病気だということですが、依存症から立ち直らせようとする人々を拒否し続けるのは、どうしても自分勝手としか思えません。また、ちょっと見かけがよくてユーモアがあるだけで、そのほかには何一つ取り柄のないロクデナシの男に恋人がいて、その恋人が美人で、タイム誌に勤める才媛で、主人公に裏切られても、どんなにみじめな姿を見ても、決して見放さず、立ち直るよう説得し続ける、というのがなんとも虫のいい設定に思えます。世の中にはアル中で周囲から見放された人も多いはずです。主人公には、養ってくれる兄もいれば、決して見捨てない美人の才媛恋人もいる。安易な設定だと思います。どうせなら、誰からも気にされないアル中が立ち直るストーリーを見たかった。または、この恋人もかつてアル中で地獄を見た身で、主人公を同じ地獄からはいあがらせようとしている、というひねりでもあれば、納得して見られたと思います。主人公は自分でも何度か立ち直ろうとしてはだめだったので、ラストで立ち直る決心をした部分も、それまでの決意となんら変わらないように思え、どうせまた酒におぼれるんでしょ、と冷たい目で見ました。 【チョコレクター】さん 6点(2004-01-10 18:43:03) (良:1票) |
《改行表示》53.アルコール依存症の男が、“酒”を求めて彷徨い歩く。詰まるところ、ただそれだけの映画ではある。 がしかし、そこには「依存性」の恐ろしさを初めて映画全編に表し、描ききった映画史的な価値と、男が“酒を飲めるか、飲めないか”という至極シンプルな焦点のみで、サスペンスとして成立させてみせた巨匠ビリー・ワイルダーの手腕が冴え渡っている。 今でこそ、「アルコール依存症」という言葉自体があまりにも一般的な言葉となり、数多の映画の中においても、キャラクター造形のありふれた要素として描かれているが、あらゆる表現が「ヘイズ・コード」によって自主規制されていたこの時代のハリウッドにおいて、「依存性」の本質を描き出すこと自体が非常にチャレンジングだったようだ。 必然的に各方面からの“圧力”も大きかったようだが、それらをかわし、れっきとした娯楽映画として撮り上げ、その年のアカデミー賞の主要部門を総なめしてしまっているのだから、ビリー・ワイルダーという映画人の底知れぬ力量を時代を超えて感じずにはいられない。 物語の序盤は、甲斐甲斐しく気にかけてくれる恋人や兄の監視の目をくぐり抜けてなんとか酒にありつこうとする主人公の様をユーモラスに見ていられる。 だが、時間が経過するにつれ、徐々にアルコール依存症の男が抱える本質的な“心の闇”が、彼の表情や言動に如実に表れてくる。 コメディ要素の強かった作品の空気感が、つまびらかになる主人公の正体と共に、怖いサスペンスに転じていく。 赤ワインを傍らに鑑賞を始め、だんだんと他人事ではない戒めに神妙な面持ちを携えた或る週末の夜だった。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-09-04 22:23:12) |
52.《ネタバレ》 いや~お酒は怖いですなぁ~。美味しい飲み物なんだけど度を超したらというか、このレベルになると立派な病気ですな。そんなアルコールの怖さを描いた直球な映画。それが今から70年(!)以上前に制作されてるからスゴイ。若干シナリオの展開に物足りなさは感じつつもなかなかでした。いやーー気をつけようっと(苦笑) 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-05-19 20:04:36) |
51.《ネタバレ》 ○アルコール依存症をテーマにした初めての映画らしいが、そこにしか価値を見出せなかった。○レイ・ミランドは今作にてオスカー獲得したが、主人公に魅力がなさ過ぎる。ただの酒飲みで、治す気もない。また、ヘレンはこんなダメ男と3年も付き合っている。やっと気付いたって今更過ぎる。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-04-30 21:02:19) |
《改行表示》50.きっと、公開当時は、こういったシチュエーションのドラマは初めてだったんでしょう。 でなきゃ、こんなに多くの賞を獲れるはずがありません。 今観ると、韓流レベル以下のメロドラマです。 ビリーワイルダーの映画を観ていて、いつも納得いかないのが、出会ってすぐ恋に落ちてしまうところです。 どうして、こんなアル中のオヤジに金持ちのお嬢様が恋するのでしょうか? ビリーワイルダーの最大の弱点だと思います。 ストーリーは、酒に落ちぶれた主人公が、ただ延々描かれているだけで、何の振幅もありません。 最後に「失われた週末」は本当に失われたものだったのか?というのがオチなんですが、それだけ観るのに、1時間40分は、私にとって、とても長く感じました。 この映画が評価できないのは、私が以前水商売をやっていて、酒癖悪い客を沢山見てきたからかもしれません。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-01-20 20:56:47) |
49.この映画を観るまで、アルコール依存症をこういう映画にできるなんて知らなかった。斬新だったろうが、良くまとまったのと、レイ・ミランドも演技がよかった。 【min】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-08-15 20:14:03) |
《改行表示》48.ビリー・ワイルダー監督のアカデミー受賞作品。 これでハードルが上がってしまい、ちょっと拍子抜け。 自らコントロールできないアルコール依存症の苦悩はよく描かれている。 が、何か物足りない。 大変だなぁ…とは思うが、それ以上に心を動かされるには至らない。 評判のレストランにコース料理を食べに行って、「え? それだけ?」って終わってしまった感じ。 当時はアルコール依存症を真正面から描いた初めての作品ということでインパクトを持ち、加算評価されたような気がする。 そういうことを抜きに内容だけで評価すると、今となっては色褪せてみえる。 【飛鳥】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-12-08 00:11:34) |
47.「酒とバラの日々」も強烈だったけど、この映画も決して負けていないし、レイ・ミランドの迫真に迫る演技はさすがアカデミー主演男優賞。どうしようもないアル中だけど、周りは決して冷ややかでないし、決してあきらめないヘレンには頭が下がる。この映画で笑えたのは唯一オペラシーンだけ。開幕早々「乾杯の歌」で始まる「椿姫」とはなんたる皮肉。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-12-02 21:16:18) |
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46.《ネタバレ》 都会にいながら渇きに苦しむアル中男。リアルに表現されたアル中症状。再生を予感させる結末。酒のために様々な悪知恵を働かせるアル中男、滑稽でどこか憎めません。母性本能をくすぐられた寛大で忍耐強いヒロイン、男を見る目はないですね。意外なアカデミー作品賞受賞作。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-08-26 23:36:05) |
《改行表示》45.《ネタバレ》 私は酒が飲めないので、そういう観点から客観的に見ましたが、こちらを引き込むシナリオや演出はさすが。悲惨な話のはずなのにかなり楽しめました。本作の場合、周囲がいい人ばかりなので救われていますが、現実は必ずしも甘くないはず。ラストも含め、映画としてはよくできていると思いますが、アルコール依存症に対する警鐘を鳴らすのであれば、物足りないでしょう。それとも病気は単なる道具立てで、何かに追い詰められた人間心理を描くのが目的だったのか。その点では大変よくできていると思います。いずれにせよ、終わりが弱いことに変わりはありませんが。 ちなみに、ミクロス・ローザの音楽がテルミンを使っていて『白い恐怖』に似ていると思ったら、なんと同じ年の製作でした。しかもあちらはオスカー受賞。この年ローザは『楽聖ショパン』でもアカデミー賞にノミネートされています。さすがにテルミンはないでしょうが。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-26 20:46:11) |
44.《ネタバレ》 アルコールへの渇望がじわじわと確実に進行していき、まるで蟻地獄のようにシリアスな状況に陥る、その症状が酷くなるにつれ、画面はホラーのような様相を帯びる。アルコールに溺れる切欠が、作家としての己なら、それを救うのもまた作家としての己。小綺麗にまとまっている。 |
43.《ネタバレ》 サスペンスには何も殺人が必要なのではなかった。人殺しなしでも作れるサスペンス映画の傑作。とりわけ前半は「アルコール依存症はいかにして酒を得ようとするか」というモチーフだけで、グイグイ見せていく。冒頭の窓辺に吊り下がった酒瓶だけでもう観客の心をつかむ。回想の中でのオペラシーンも傑作。ほかの観衆は「乾杯の歌」に聴き入っているのに、主人公だけはステージ上の乾杯の酒そのものに魅入られている。そしてステージ上のコーラスたちの揺れ動く姿が、外套の中に忍ばせていたラム酒を強く喚起していく幻想。セリフなしで彼の心中の動きが伝わってくる。ピークは酒場で隣席の客のバッグを盗むあたりから、タイプライターを質入れしようと街を彷徨するあたりまでのシークエンス。酒の代金を盗めてホッとしたあとトイレから室内に戻ってくるときのほかの客たちの視線で、ジワジワと発覚を知らせてくる緊張の高めかた、惨めさのどん底の室内でライトの上の酒瓶が神の顕現のように(あるいは悪魔の魔法のように)光っているとこ、シャンと立ち直ろうとする気持ちがどんどん崩れていく怖さが圧巻である。田代まさしもこんな心理的体験してたんだろうな、としみじみ思う。おそらく監督はサスペンス映画を作る楽しみで前半突っ走り、原作がどうなっているのかは知らないが、最後で映画の啓蒙性に考慮したような落着をとりあえず付け加えた。尻すぼみにはなってるが、映画にはそういう社会的使命も当時あったのだろう。看護士が依存症の幻覚について「ピンクの象は出ないが…」と言っていた。あちらでは過度に酔うとピンクの象が見えてくるという言い回しがあったんだな。ダンボが酔っ払ったときの幻想シーンがピンクの象から始まるのは、その通言に乗っかってたんだと、いまさら納得した。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-03-20 12:29:30) |
42.《ネタバレ》 怖いのね、アルコール依存症って。 友達が集まったときくらいしか飲まないアタシは、アルコール依存症って大酒飲みってこと??くらいにしか思ってなかったけど…これは完全に精神疾患ね。 不安の要因をどうにかしないと完治はしないだろうから、ドンがちゃんと本を書き上げて、なおかつそれが大ヒットすることを祈るわ…。 ってことで…希望は感じさせるけど、そうハッピーエンドでもない気がするのはアタシだけ? ところでこの映画を現代版にリメイクするなら主人公はやっぱり麻薬中毒患者になるのかしらね? アルコール→大麻→覚醒剤→コカイン…なんだか依存の対象がどんどんヘビーになってる気がするわ…。 何かに縋らなくてもいい平穏な生活が送りたいわね。 【梅桃】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-13 15:28:48) |
《改行表示》41.《ネタバレ》 前半は酒が欲しくなり、後半は酒を飲むのが怖くなる映画。 最初のうちは、主人公ドンの手を変え品を変えながら酒にありつこうとする様を見て、よくこんなことやるなぁとか思いながら半分笑って見ていたのですが、そのうち必死に酒を求めるドンの姿を見ていると笑ってもいられなくなり、手の施しようがないのが分かるだけに見ていて辛くなってきてしまいました。 ドンがカウンターで飲んだくれている時に飲んだ量をテーブルにできた輪の数で表現したところは上手い表現だなぁと思いながらこの辺までは楽しく飲んでいた感じで、タイプを質に出そうと彷徨うくらいから深刻さがジワジワと出てきたような雰囲気がします。 まぁ、アル中患者にしてみれば、酒は精神安定剤なわけで。 “薬”が切れると極度の不安感や恐怖心に駆られ、あらゆる手段を使ってでも酒を欲するので、ドンのように犯罪紛いの行為に走るケースも多々あるらしい。酒が大好きだからという理由ではなく、酒を絶たれると恐怖で身が持たなくなるから周囲の忠告を受け入れてたら発狂してしまう。(現在は病院で治療出来ますが。) まぁ、余り丁寧にドンを弁護し過ぎると、もっつぁれらはアル中らしいとか思われそうだからこの辺でやめます(笑)。 それと、回想シーンで椿姫を観ている時のドンの表情は、ひょっとしたらクレショフの実験と同じかも。 もし酒を飲みながらこの映画を観ていたとしたら、顔だけの演技で酒が飲みたくてたまらないという心情がとても良く伝わってきました、なんて書いてしまいそうですね。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-12-29 23:44:50) |
《改行表示》40.アルコール依存症を題材にしたドラマ。 物語が進むにつれ、この病気の恐ろしさをひしひしと感じてしまうのだが、 主人公役の俳優さんが熱演を見せ、ちょっと重苦しいが、緊張感溢れる作品に仕上がっている。 演出も悪くない。ただしドラマとしてのシナリオの出来は今イチ。 物語としての大きな展開がなく、ラストに関してはかなり安直さを感じてしまう。 ずいぶんとたくさんの賞を取った作品のようだが、社会性のあるテーマと、 俳優さんの演技による部分が大きかったのではないかと思う。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-08-15 08:11:11) |
39.同じようにアル中患者を扱った「酒とバラの日々」よりもひどくはないがリアルさは負けてないレイ・ミランドの演技は素晴らしい。ビリー・ワイルダーと言えばマリリン・モンローやジャック・レモンとかと組んだコメディ映画が有名だけどシリアル系やサスペンス系の映画も結構いいの、撮ってるんですよねぇ。今回はシリアス系で深刻な話なんだけどもどうも終わり方が・・・。ハッピーエンドと言わんばりの助け合えば乗り越えられるというのはちと軽くないかぃ?「酒と~」と正反対すぎて異質な感じがした。 |
38.アル中という深刻で暗くなりがちな重いテーマを、緊迫感は保ったまま、わりとさらりと無難にまとめているワイルダーの手腕はさすがだと思った。 【きーとん】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2010-07-18 09:55:38) |
《改行表示》37.アル中の緊迫感がよく伝わってきて、目が離せなかった。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-07-06 13:31:40) |