《改行表示》67.《ネタバレ》 陽気なジプシーブラスと哀愁漂うチャールダーシュの対比、 歴史的事実に織り込まれた寓話が程よく溶け込んだ、唯一無二の世界観とグルーヴ感は一度見たら絶対に忘れられない。 ユーゴスラビアの歴史をよく知らないと厳しい部分があり、結婚式のシーンはややしんどいので2時間半でまとめられた。 あの世で踊り続ける、今は亡きユーゴスラビアの民への鎮魂歌。 この物語は終わらない。 そして、歴史の中で生き続ける。 昔々、とある国があったことを。 【Cinecdocke】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-09-06 15:23:33) (良:2票) |
《改行表示》66.《ネタバレ》 デジタルリマスター版再上映にて鑑賞。あの音楽を大音量で堪能できるのが素晴らしい。もうノリノリ。 ユーゴスラビアの半世紀余りをコミカルに、寓話的に綴っているが、そこに描かれるのは人間の「したたかさ」。時に騙し、時に嘘をつき、時に暴力をもって、したたかにしたたかに生き延びてゆく人々。たびたび繰り返される饗宴は、理不尽な不幸に押しつぶされず、されどそこから逃げ出さない、ある種の「覚悟」をまとっているようだ。 何よりこの映画全編から伝わってくるのは「辛いことばっかり続いてるように見えるけど、それでも俺達は何とか楽しく生きてるよ」とのメッセージ。2時間51分は観るのに気力体力を使い果たしますが、鑑賞後に残る物は全ての映画の中で随一。一番大好きな映画作品です。 【おはぎ】さん [映画館(字幕)] 10点(2012-04-28 01:26:20) (良:2票) |
65.《ネタバレ》 この映画の味付けはコテコテのどろソース風味ですが、奇想天外なプロットを重厚な悲喜劇として見せてくれて、やはりこの監督クストリツァは天才です。彼の映画に欠かせない祝宴シーンは三十分に一度の割合で出てきますが、ヨヴァンの結婚式で花嫁が空中浮遊する場面は素晴らしかった。そしてラストでひょうたん島のように河辺が流れだすシーンには、内戦の果てに消滅していったユーゴ・スラビアという国への惜別がひしひしと伝わってきます。本作は自分にとって『奇跡の映画』です。 【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2010-01-07 00:02:56) (良:2票) |
64.かつて在った国・ユーゴスラビアの歴史を描いた、パワフルでコミカルで、とてもユニークな作品。戦争の滑稽さ、悲哀、残酷さを描くと同時に、憎めないし切り離せないが素直に愛せない故国への憧憬が描かれていた。 国の想いで1つだった過去、チトー亡き後、混迷し分断され…祖国が失われる哀しみが、ジプシー・ブラス音楽の音色にのって、独特のユーモアと哀愁、痛みで彩られていた、とてもとても力強い作品でした。 【泳ぐたい焼き】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-02-11 10:41:52) (良:2票) |
63.2時間半はアッという間に過ぎ去るのですが、見た後もの凄く疲れる映画。なぜ疲れるかというと、それはこの映画があまりにもパワフルだからです。エゴ剥き出しの描写、戦争による狂気、シニカルな笑いと、もうあらゆる要素が詰まっており、恐らく内容的には4時間モノの映画に匹敵する濃密さ。これを最初から最後まで全力疾走で見せられるのはメチャメチャしんどい。でも、見ている間はそれを感じることなく、見終わった後にグッタリしてしまうのです。また、印象的なシーン、美しい絵になる構図が多く、鮮明に脳裏に焼きつきます。さらにジプシー・ブラス系の音楽も圧巻。もう、この映画を凌ぐ圧倒的なパワーを持った映画に、この先出会うことなんかないんじゃないか、とさえ思わせる、もの凄い映画です。【2011.10.10追加】15年ぶりのリバイバルに馳せ参じたところ、予想に反して大混雑(連休だったからだね、きっと)。小さい劇場とはいえ、なんだか嬉しかった。もちろん、15年ぶりに大画面でまたこの映画を見られたことはもっと嬉しい。何度見ても思うが、見ている最中はゼンゼン長さを感じない。終わった後、心地良い疲れが襲ってくる。そして、何度見ても感動し、面白いと心底思う。こんな映画に、生きている間に出会えたなんて、本当に幸せだと思う。期間限定のリバイバルだけれど、もう一度行っちゃうかも。今度いつスクリーンで見られるか分からないもんね。DVDで見るのとはやっぱり違うんだ。ああ、本当に素晴らしい映画!! 【すねこすり】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-08-08 17:14:50) (良:2票) |
《改行表示》62.《ネタバレ》 旧ユーゴスラビア、今はもう存在しないユーゴスラビアに対する愛情、熱意、祖国に対する監督の情熱みたいな物がひしひしと伝わってくる凄いパワーを感じる。これが映画!これこそ映画の持つ凄さ、素晴らしさを感じることができる。 オープニングとエンディングが同じリズム、同じ曲てのがなるほど。監督の拘りを感じることができる。 この映画、音楽の流れる場面では役者達に喋らせない。殆ど無言で俳優の演技、それも狂気に満ちた世界を表現してる。 結婚式の場面で急に踊り出す人達、地下に閉じ込められてる中で一生懸命に生きようとする人間達の狂気に満ちた演技、時々流れてくる旧ユーゴスラビアのフィルム映像、あのチンパンジーのぶっ飛び具合がこの映画のぶっ飛んだ世界観をよく表している。映画撮影のシーンの面白さ、チンパンジーが生きていたと知った時は何故か泣けてきたし、映画の最後にこの物語に終わりはないてテロップが流れるけど正にその通りで、ユーゴスラビアという国は今は無くてもユーゴスラビアという国の歴史は存在する。あれだけ狂気な世界を描きながら、最後はハッピーエンドで終わるのが素晴らしい。映画の持つ力により、ユーゴスラビアの歴史を狂気と笑いで表現した監督の演出力に終始圧倒させられた。文句なし10点 【青観】さん [映画館(字幕)] 10点(2024-03-01 20:19:08) (良:1票) |
《改行表示》61.《ネタバレ》 第2次大戦から冷戦の時代を経て、製作当時にはまだまだ燻っていた内戦に至るまで、 クストリッツァの祖国の、争いを抜きに語れない悲しき現代史を、登場人物の人生に重ね合わせ一気に見せる叙事詩。 いつの間にやって来たのか、クストリッツァ映画のレギュラーとも言える大勢の人物に紛れ登場する楽団が奏でる賑やかなジプシーブラスは クストリッツァならではの力強い人間描写と共に時に陽気にコミカルに、過酷な中にも日々を懸命に生きる人々を称える人間賛歌でもありますが 時にはその人間模様が狂気じみても見え、時には何とも滑稽にも見えます。人間と戦争を彼らしい描き方で強烈に皮肉り風刺する。 賑やかな音楽と共に彼の映画に欠かせないのが動物ですが、本作ではその動物たちが空襲により傷つき血を流し死んでいく様も描かれます。 登場する人間達が放つ強烈なまでに人間臭さを感じさせる個性、 全てのシーンにみなぎる力強さとスケールの大きさに圧倒される3時間はあっという間に過ぎていく。 クストリッツァらしく賑やかな結婚式のラストですが、賑やかな宴の一団のいる陸地は分断され不安定に漂っているように見える。 祖国ユーゴスラビアもまたいくつにも分断し、今後どうなっていくのだろう? 「この物語に終わりはない」というラストもまた考えさせられる。 「映画の持つチカラ」というものをとても強く感じる作品です。 クストリッツァという人を知るにはやはりこの映画だと思うし、彼の最高傑作であると思います。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 10点(2017-12-27 16:25:15) (良:1票) |
《改行表示》60.エミール・クストリッツア特集上映「Unza!Unza!Kusturica!2017」にて鑑賞。 本当は本邦初公開の”完全版”(5時間14分)を観たかったのだが、悲しいかな私の地域では”通常版”のみの上映だった。 通常版の2時間50分ですら長いのに、そこから2時間半近くも上乗せされているなんてヤバい、狂ってる。でも観てみたい! さて、こっから”通常版”のレビューですが、何というか一言では言い表せない作品だ。 色んな部分で狂気を感じるし、クストリッツァ独特の演出は他の作品と併せて観れば観るほどハマってしまう中毒性がある。 はっきり言って訳がわからない内容なんだけど、鮮烈に印象に残る場面がいくつもある。 特に彼の作品には多くの動物が登場し活き活きと活躍していることも特徴だが、本作では戦争の悲惨さを表す為かやや扱いが酷かった。しかし、そんな中活躍してくれるのがチンパンジーだ。愛らしい表情で和ませてくれるし、時に人間に復讐したりしてなかなか憎い役所だ。彼には演技賞をあげたい。 戦争の悲惨さを時にリアルに描きながらも、寓話的に作られたこの世界では人々は決して悲しみ暮れる事なく、永遠に続くかと思われる宴、いや狂宴に身を投じていくのだった。その宴のテンションは異様で、観る者を圧倒するだろう。ただ、かなり好き嫌いの分かれる作品だと思うので注意は必要。ちなみに、最新作の「オン・ザ・ミルキー・ロード」はこれに似た作品でありながらもかなりマイルドなので、先にそちらを観て気に入ったら本作を観るというやり方もおススメです。 【ヴレア】さん [映画館(字幕)] 9点(2017-10-21 23:43:50) (良:1票) |
《改行表示》59.悲しい。イデオロギーとエゴ、金欲と愛欲にまみれた狂騒のうちに、それぞれの人生は、はかない幻のように終わってしまう。そして気がつけば、彼らの祖国もまた、まるで儚い人生と同じように、夢のように消え去ってしまう。 この映画の悲しみが、祖国愛を強く喚起するためのものだと解釈することはできます。そして、そういう解釈は政治性を帯びずにはいられません。私は、祖国というものは元来、人生と同じようにもろく儚いものなのだろうと思うけど、かりにそう納得したとしても、それはそれで、また逆の意味での政治性を帯びる。 この映画がはらんだ政治的主題を、日本人の自分がどう受け止めるべきかを考えるのは、正直とても難しいけれど、そういったテーマの難しさは措いたとしても、この作品の脚本の見事さと表現の力強さには感嘆せずにいられません。たんにバルカンブラスを聴かせるだけの映画じゃあなかったです。 【まいか】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-10-03 02:37:35) (良:1票) |
58.これは凄い。映画のBGMの半分以上を映画の中を演奏してる映画は今まであっただろうか。今は亡きユーゴスラビアを舞台に50年という間を171分のruntimeに濃縮しまくってるぶっ飛んだストーリーは最初から最後までテンションたけぇ~。そしてみんなハチャメチャしすぎ~(笑)空襲シーンや戦闘シーンの迫力がありすぎで普通にビビったし戦争に巻き込まれた人たちの悲劇なのに見ていて思うのは喜劇なんですねこれが。その辺エミール・クストリッツァの演出といいますか、見事すぎですがその中でもこれはハッピーエンドといってもいいかもしれないクライマックスがまさかの大円陣。みんな同じ所に行ってしまったからこそできるこの終わり方、この映画はやっぱり喜劇かなぁ。 【M・R・サイケデリコン】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-06-06 00:25:30) (良:1票) |
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《改行表示》57. 映像からビシビシ天才が伝わってきて、この変な世界にもっと何時間でも居たくないけど居たいと感じさせるセンスが凄い。 設定や世界観、紛争なども非常に良く作り込まれていて、箱庭的でありながらリアリティがあるという一番難しい見せ方を受け手が気づかないと言う作りには、見終わった後びっくりすると思います。 音楽も秀逸で、完成度も中毒性も高くて世界に引き込まれる。再生ボタンを押す度に勝手に三時間後の未来に飛び込む。それも何度でも。非常に危険な映画だ。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-10-19 18:27:42) (良:1票) |
《改行表示》56.爆発的なメッセージ性と爆発的な娯楽を, ジプシーブラスに乗せてどこまでもいく。 これは最高の人間賛美歌だ!! 親友を裏切り, 家族を殺し, 戦争はどこまでも続き, 愛は果てしなく, ジプシーブラスは永遠になり響く... 【突っ込み】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2007-08-10 17:05:16) (良:1票) |
55.並の映画を30本集めても、この稀代の名作1本に及ばない。笑い・涙・愛・毒・狂気が怒濤の如く押し寄せてくる壮大この上ないスケール。音楽も最高(当然サントラ買った)。ミリャナ・ヤコヴィッチの美貌と巧さも特筆もの。 【丹羽飄逸】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2007-01-02 09:35:31) (良:1票) |
54.映画館でみて、監督・脚本のエミール・クストリッツァの想像力のパワーに圧倒されました。ユーゴスラビアの現代史を、こんなかたちで描く事ができるなんてと驚愕したことを覚えています。ブラックユーモアと政治的なメッセージの絶妙なバランス。ふざけたマルコのキャラと悲惨な戦争や民族分離のコントラスト、そして美しく印象的なラストシーンまで、「映画」の持つ力を見せつけられました。 【ころりさん】さん 10点(2004-03-08 18:06:14) (良:1票) |
53.一本だけ映画を選べと言われたら、僕はこれを選びます。ユーゴの体制とか祖国崩壊とかも分かる、分かるけどあんまり解説をして欲しくない。人間てどこの国にいても変わらない、悲しくも、愛しく、コミカルなもんです、それを感じればいいんです。なんて、ちょい自己陶酔してしまう程、この映画はすごいんです。 【エミール】さん 10点(2003-01-09 07:51:44) (良:1票) |
《改行表示》52.「黒猫・白猫」のハチャメチャさに大いに楽しませて貰えたのですが、同じようなテンションでありながら「もう、いいから、くどい、つまんない」サッパリでした。 「昔ある所に国があった」1941年から1992年迄その国でのマルコ、クロ、ナタリアの喜怒哀楽が描かれていますが、彼等の心の内を考えようとしても馬鹿騒ぎに邪魔されて、長さにグッタリさせられました。 葬儀から窺える巨星チトー大統領亡き後あっという間にバラバラになって殺し合う国々が再び一つになる事は夢の又夢を感じるラストシーンに点数を。 |
《改行表示》51.《ネタバレ》 かつて存在した国家ユーゴスラビアの半世紀を、寓話変換の名手クストリッツァが手がけるとこういう風になるのですね。 地下に長年閉じ込められ、古い情報ばかり与えられて目も耳も塞がれている彼らは共産政権下の人民にも見えるし、その社会の中を上手く泳いで生き延びるマルコやナタリアのような人間もいたのでしょう。 ブカブカと流れる民族音楽は牧歌的で、芸達者な役者らは不思議と悲壮感無くむしろ明るめです。 しかしそれも終幕直前まで。最後までナチと闘っていると思い込んでいるクロが身を投じていたのは実は内戦という悲惨さ。様々な悲痛な思いがほとばしる酷い幕切れを迎えてしまいます。ちょっとぎくっとするほどの急転換です。 しかしこれがユーゴという国が辿った現実。ラストの夢のように幸せな「みんな一つになった」浮島は監督のユーゴスラビアへの哀悼以外の何物でもないでしょう。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-09-26 22:34:46) |
《改行表示》50.「一見不味そうだけど噛み締めると旨味成分がジワジワっと…」みたいな作品でした。 宗教、言葉、民族がバラバラでとりあえずまとまっていた今はなきユーゴ、7つの国への分裂はなるべくしてなったんですね… 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-09-26 16:52:55) |
《改行表示》49.小さい頃から自国で戦争があって 心がグチャグチャになってしまった人が、そのグチャグチャをそのまま映像化した。みたいな印象。 戦争なんて「知らない遠い昔か、遠い海外のもの」である自分には、この映画の本当の意味を理解は出来ないだろうなあと思う。 レビュアー63人中20人が10点を付け、マイベストという方も多数 というのが意外だった。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-09-20 16:38:13) |
《改行表示》48.《ネタバレ》 ~Underground~地下で。ひっそりと。秘密裏に。=物語の舞台の地下での生活、ひっそりと生き延びる指名手配のクロ、秘密裏に武器製造をさせるマルコ。ダブル・ミーニングにもトリプル・ミーニングにも考えられて、色んな意味が込められたであろうタイトルと作品内容。 かつて東欧にあった連合国家ユーゴスラビア。第2次世界対戦中はドイツに支配される側だった。その後ソ連のもと東側諸国として東西冷戦を乗り越え、冷戦終結後は内戦に突入。ボスニアとかコソボとか、東欧の中でも血生臭い印象の地名が属する国だそうだ。 強国の都合に翻弄され、鉄のカーテンのもとで“ひっそりと”分解していった国家・ユーラビア。その首都ベオグラードで激動の時代をたくましく生きた人々をユーモラスに描いた映画…って、随分と説明臭いレビューだけど、ユーゴスラビアって国についてほとんど何も知らなくて。どんな歴史を辿った国かを知っていれば、より深く理解できる映画だと思う。 観る前は、“大戦中、地下に逃げた人たちが、戦争後も避難生活を続ける、時代錯誤なギャップを楽しむほのぼの系ヒューマン・コメディ”だと思っていたけど…とにかく観ると疲れる。なんかグッタリする。何よりOPから流れる音楽“ジプシーブラス”?が、脳裏にこびり着いて離れない。 “太った娼婦の尻に一輪挿し”とかどう観るべきか理解難しいし、動物園の爆撃とか印象的な重たい場面が出てくるし、クロとマルコのやってることがメチャクチャで、笑って良いのか真面目なシーンなのか、感情の置き場所に困ったわ。 実際の空爆後の白黒映像に着色したものや、当時のニュース映像にマルコの顔や姿を合成したり、この映画と歴史を同化させる画は感心する。 戦後、あんな狭い地下で20年も武器製造をしながらの生活。地下から武器を上げる時、左右に分かれて開くテーブル。ガラスの花瓶まで真っ二つに、やっとコント要素も入ってることに気がつく。そういや、電気コードで髪の毛逆立ったり、最初からコント要素あったなって。 幻想的に宙を舞う花嫁の美しさと、滑稽な演出装置。ぐるぐる回り続ける楽団。映画撮影のドイツ兵と不死身のフランツ。 大砲で大穴が空いて、“さぁここから、みんなが地下から出てきて、地上とのギャップに大笑いだぞ”と思ったら、なんかそういう方向でもない。 更に時が過ぎて'90年代。猿がそんなに生きるか?とか思ってる間に、死者が集まる幻想的な結婚式に、ファンタジー要素も入ってるんだと気づく。そういやOPから撃たれても死なない楽団とかファンタジー要素もあったなって。 最後のセリフ「許そう。でも忘れないぞ」は、クロとマルコの話であり、祖国と世界の話であり、国内の民族の話でもある。 陸地から離れてドナウ川に流れていく小島。深い、濃い。そして長い。もう一度見たら理解も深まるだろうけど、またあの音楽が頭の中にこびりついて、グッタリしてる自分の姿が目に浮かぶ。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-09-20 12:47:35) |