57.《ネタバレ》 デッカードがレプリカントで4年の寿命だとすると、早く死ぬロイ(ハウアー)よりも新型って事ですよね。しかも抹殺専用に開発されてるから、あらゆるレプリカントの機能を体力・知力で凌駕してるはず。それなのにまともに自力で倒せたのは女性2体だけで「慰安用カワイコちゃんタイプ」にすら悪戦苦闘する有様。当時ヒットしなかった要因であろう「デッカードの弱さ」は、個人的にはいかにも人間ぽくていいな…とか思って観てたんですが。それどころか元々はタイレル博士ですらレプリカントという設定もあったそうな。ガラスのピラミッドの頂上に安置されるタイレル博士の遺体をロイが発見するシーンなどもシド・ミード氏によりデザインされていたそう。(さぞや美しいシーンになってたでしょう。)これはこれで「最後に世界がひっくり返る」という魅力的なオチですが・・。しかしこれだと、新たな肉体を用意して記憶を移植すればロイ達も延命できたという事に。抗う事の出来ない死に対峙してもがきながら全力で生き続けた…といったレプリカントに感情移入できる要素が大きく削がれてしまいます。単に「タイレルに騙された可哀そうな人」って話になってしまう。デッカードを助けた理由も、単に「仲間だと気付いたから」という解釈で片付いてしまいそう。その他諸々の点でデッカード=レプリカント設定は、劇場版にあったの多くの本作の本質的な魅力を犠牲にしてしまうようで個人的に嫌です。監督に軌道修正させてあの「劇場版」を完成させた会社や投資者側の人達に逆に拍手を送りたいくらい。当時の「投資者の口出し」というのも、単純に儲けのためだけでなく、それなりに真剣に作品の本質を熟慮した上での事だったんでしょうかね…。 【番茶】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-02-05 13:52:31) (良:2票) |
《改行表示》56.《ネタバレ》 リドリースコット監督は、ディカードを「レプリカント」として描きたかったのかもしれない。しかし、個人的にはディカードを「人間」と捉えた方が面白い解釈ができるのではないかと思う。というのも、本作では「人間」と「レプリカント」とが実に『対比』的に描かれていると思う。 「自己及び愛する者の命」のともし火がまさに消えようとしているレプリカントは必死になって、「命」を延長しようとする方法を探っている。この世界では、「命の重さ」を知っているのは、人間ではなくレプリカントではないか。「人間」は与えられた命の重さも考えずに、「目的」もなくただただ漠然と生きているだけである(ディカードのような)。そんな「人間」であるディカードに対して、「命の重さ」を教えてくれたのがレプリカントのロイではないだろうか。ディカードとロイの最後の追いかけっこは、「死にたくない」とディカードに必死にさせることにより、「命の重さ」をディカードに知らしめようとしている。まさにレプリカントが体験している「寿命(時間)」との追いかけっこを、「人間」であるディカードに体験させているのではないか。ディカードを「レプリカント」と捉えるとこのような見方ができなくなるので勿体無いと思う。 そして、「人間」であるディカードはレプリカントから教わるだけではない。レプリカントのレイチェルに対して、「感情の表わし方」を教えている。感情を上手くコントロールできず、表現できないレイチェルに対して、「愛情の示し方」を教えたのはディカードだろう。やがて「愛情」は「生きる希望」に繋がり、レイチェルもまた「命の重さ」を実感できるはずだ。 「人間」が「レプリカント」に教えられることがあるのと共に、「レプリカント」に対して教えることもある。これこそ人間とレプリカントの「共生」(最後のディカードとレイチェルの逃避行)に繋がるのではないか。「レプリカント」は、過酷な労働を強制するために創られた道具でも、狩られる対象でもなく、近未来では「人間」と共に生きる「パートナー」となるというメッセージが込められているのではないか。また、ディカードがレプリカントだとすると、最後のロイの独白が意味をなさなくなってしまう。過酷な生き方をしたロイがレプリカントにそんな話をしても、ただの内輪話であるだけで意味をなさない。あれは「人間」に対して語られなくてはいけない内容である。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-08-30 23:07:18) (良:2票) |
《改行表示》55.《ネタバレ》 オリジナルを何度も映画館で、レンタルビデオで観倒した後、これを観に行ってちょっとがっかりした思い出があります。そもそもオリジナルが監督にとって不本意なものだったというのがショックでもありました。 このバージョンの肝は夢に出てくるユニコーン=今まで人間として見ていたデッカードをレプリカントとして見なければならない。それがこの時どうしてもできなくて、あんなに好きだったブレードランナーが自分のそばから離れていった瞬間でした。 【HAMEO】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-11-09 17:24:04) (良:1票) |
54.劇場公開版ではなく、こちらを先に見ていたらどうだったろうか?ボギー風のナレーションや楽観的な結末、美しいビスタは姿を消し、タイトに絞られたBR。そのかわりにデッカードの身上を仄めかすユニコーンが視界を駆け抜ける。H・フォードのモノローグは確かに洗練とは程遠いが、既にインプリントされた声を頭から消し去るのは難しい。あれを嫌っていた人間も情報だけはしっかり頂いているのだし。ラストの印象も全く違うので好みが分かれるところ。複雑な経緯があって世に出たコンクルージョンだが、自分にはBRヴァリエの一つでしかない。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-02-19 18:21:54) (良:1票) |
《改行表示》53.《ネタバレ》 ~『ブレードランナー』の続き~ 「(同じ作品のレビューは)2つで充分ですよ~解って下さいよ~」ってことで、最近DVDで買ったのが〈最終盤〉と書いてました。 良く解らない『フォークト=カンプフ検査』。裏返しの亀とか茹でた犬とか突然のインパクトある言葉から、人間でも絶句してしまうけど、レプリはそれ以外の反応が出るんだろうな。何度観ても良く解らない。 今さらながら“赤目”に気がついた。レプリは角度によって目が赤目現象になるのね。きっと撮影の時、赤目になる照明に視線の角度を合わせて撮っただろうから、偶然の産物ではなく、故意に赤目にしてたんだろう。 「(俺じゃない)誰かが追うだろう」ってセリフの時にデッカードも赤目になる。こっちは偶然だったろうけど、ここからデッカードもレプリって後付(ウラ)設定も出来たんだろうな。原作も読んだけど、ネットが普及するまで、そんな設定思いも付かなかったわ。 非武装のゾーラ(女)を背後から撃つデッカードと、それを観て驚きと怒りを表すレオン。撃たれて苦しむプリスにとどめを刺して、苦悶の表情のままのプリスを放置するデッカードと、キスをしてプリスの舌を納めるロイ。感情豊かなレプリに対し、人間味の薄いデッカード。透明な酒(チンタオ)を濁す赤い血が、彼が人間である証明とでも言わんばかり。過去が造り物と知り涙するレイチェルに対しては人間臭さを見せるデッカード。 寿命が来て静かに死んでいくロイ。手には釘(痛み、争い)と白い鳩(平和、自由)。鳩の側でなく釘の側の手でデッカードを引き上げる。ロイの遺言、自分の生きた証を、自分達を創り出した人間に語ったのか、自分達とは違う寿命のない新型レプリに語ったのかで、解釈も変わってくる。私はデッカードは人間であってほしいと思うなぁ。 一番最後のドライブのシーンがない。重たい空ばかりの未来映像のなか、開放感ある最後のあのシーンが、この映画の清涼剤として機能していたんだな。って思ったわ。だからたぶんDVD買い直すわ。その際未見の〈FC版〉にしようか迷うところだけど… 【K&K】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-05-06 14:36:52) |
《改行表示》52.世界観がよくてかっこいいです。 デッカードがレプリカントじゃないかと思いながら観てました・・・ 【へまち】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-04-07 23:51:23) |
《改行表示》51.《ネタバレ》 「ブレードランナー」を初めて観たのはこのバージョン。ナレーションが無くなり、ラストのハッピーエンド的なシーンも削除されている。完全版の残酷描写の追加も今作は無くなっているみたいだ。自分はこのバージョンのエレベーターのドアが閉まってエンドクレジットが流れるラストの方が好みだ。 ナレーションのあるバージョンはこの作品の理解を助けるため一見の価値はあると思う。が、観ていればわかることも多いし別に知らなくても影響がない情報もあるため個人的には必須ではない考え。特にロイが死んだ後のナレーションは直前に観たことを説明されるのがとても無粋な感じで好きでない。娯楽性の観点からすると相当ゆるい作りの作品だがこれ程どっぷりと世界観に浸れる作品も稀だ。ナレーションが無くなったことによって更にそれが強まっていて良い。 あとはユニコーンのシーンの追加で匂わせるデッカードのレプリカント説だが自分はデッカードは人間だと思っている。レイチェルと恋に落ちるところやロイがデッカードを助けるところ等はデッカードが人間である方が素敵だからだ。リドリー・スコットはデッカードはレプリカントだと言及しているようだが、それは作品の外の言葉だ。匂わせた程度では確定しない。富野由悠季が「Gのレコンギスタ」は「∀ガンダム」の後の世界だと頓珍漢なことを言ってもそれは作品の外の言葉だ。作品には表現されていない。無視して良い。 ただ、匂わせたことは色々論争や考察を産んだのも確かでそれはそれでとても興味深いし良かったと思う。 【⑨】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2017-10-29 18:23:57) |
《改行表示》50.大昔に見たはずなのに、暗くてジメジメゴミゴミした街+広告スクリーンに登場し続ける和服女性のイメージしか覚えていませんでした。で、久しぶりにこの別版で再見。しかしやっぱり、暗くてジメジメゴミゴミした街+和服女性の描写に目を奪われるばかりで、あまりストーリーについて行けず。Wikiなどで補完して、けっこういい話だったんだと気づいた次第。 出来過ぎ・凝り過ぎのセットが凡庸で退屈な脚本を補うどころか霞ませてしまうという、けっこう奇特な作品なんじゃないでしょうか。雰囲気を楽しめたので十分ですが。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-07-21 01:54:23) |
49.全編じめっとした感じで重々しく、自分には合わなかった。 【miso】さん [地上波(字幕)] 4点(2016-08-12 18:12:50) |
《改行表示》48.数年前に鑑賞し、このたびもう一度挑戦! 何度観ても、私には理解が難しい(降参)と言うのが正直な感想。 ハードボイルドでカッコイイ。 そかし当時の技術の限界もあり、ワイヤーが見えちゃう空飛ぶパトカーが一台じゃあ、監督は本当は寂しい思いをしたのかもと感じています。 今の技術でリドリー・スコット監督が作ったらどうなるの?と言う興味があります。 【たんぽぽ】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-02-11 21:04:27) |
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47.《ネタバレ》 エレベーターの扉が閉まって、パッとエンドタイトルに切り替わるのは渋くてカッコいいなと思いました。余計な注釈つけないのはエンディングに関しては「これもアリだな」と思えました。【2013/7/31書き換え】時間潰しに劇場版と見比べてみましたが、デッカードが人間なのかレプリなのか怪しいのは、撮影当初から監督の中に設定としてあったんでしょうね。劇場版見てもデッカードの様子はなにか変で、レプリが思い出にこだわることについて反芻する描写は戸惑いのようなものをうっすらと感じさせます。レイチェルが「例のテスト、あなたは受けたことある?」と尋ねるとデッカードは眠っちゃってるという場面は今の自分なら充分「?!」となるところですが、あのゆるーいテンポのなかでボケーと観てるとなかなか難しい気もする。適度に『ツッコミ精神』持ってるタイプじゃないと、映画の流れにただ素直にのっかてると「主人公はレプリ退治の人間でしょ」と当然のように思い込むだけ…と、僕は思っています。で、「もっと気づいてよ」ということでユニコーンの夢シーンが投入されたようですが、なんでレイチェルの質問をはぐらかして眠ったとこではなく、一人でピアノの鍵盤押してる時なのだろう? レプリの記憶について思いを巡らすシーンだからなんでしょうが、夢とは認識しづらいし、「俺の場合はこんな記憶…」という表現ではユニコーン現実じゃないから成立しない。そもそもユニコーンの夢を見ることがレプリ疑惑になるという理屈がよくわからないし、「デッカードはどうなのさ?」に思い及ばない人がユニコーンの夢シーンで気づくのだろうか? 僕は監督の冒頭解説があったから知っただけで、それなしなら意味不明でいたと思います。ただ、思ったことを口にしないで折り紙を折る男が最後に残したメッセージとかぶるから、チキンに意味があるようにユニコーンにどんな意味があるのか気にはなってきます。ユニコーンて人の力で殺すことはできても生け捕りにはできず、たとえ生きたまま捕えても激しい怒りで自殺するんだとか。ユニコーンを捕らえる方法として処女の娘で誘き寄せるというのがあるそうで、処女の懐に抱かれるとおとなしくなるんだそうな。にゃるほど! あのワイルドにレイチェルに迫るシーンもラストも、そういうわけだったのか~! レプリ退治用の獰猛なユニコーンを放ち、処女で誘き寄せておとなしくさせるタイレルの作戦だったわけだ。 【だみお】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-08-30 23:05:37) |
《改行表示》46.どこが完全版なのか、ちょっとわからなかった。 エグいシーンだけが、数十秒追加されていた所だけはわかったけど・・・。 解説を見ると、リドリー・スコット監督は「これが本当にやりたかったことだ」と 書いてあるんだけど本当かな? 感想自体はオリジナルと変わらず。 重厚な映像と、レプリカントの悲しみをうまく描けたいい作品だと思う。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-08-21 11:28:24) |
45.《ネタバレ》 ブレードランナー初鑑賞がこれだったのはやっぱりあんまり良くなかったのか。映像から伝わってくる近未来の雰囲気は良かったんだが、2時間が長く感じた。主人公の考え、感情があまり伝ってこないせいか、ロイの最後の台詞のシーンは「生」について考えさせられる素晴らしいシーンだと思うんだけど、あんな淡々と何も考えてなさそうな主人公に言ってると思うとちょっと興ざめ。 【ほかろん】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2010-06-19 17:31:16) |
44.《ネタバレ》 全編を貫くのは「見る」という主題。人造人間識別機の画面に映る瞳、潰される目、眼球製造者、フクロウの目。画面の到る場所に様々な「瞳」が提示される。人間は識別機を通してしかレプリカントを判別できない(直接視覚の無力)。ハリソン・フォードがエレベーター内のショーン・ヤングに視覚では気付かない場面なども象徴的だ。これを画面上で補強するのが、闇の領域と蒸気・雨を大きく取り入れて視界を遮るノワール風照明設計である(ブラインド等の使い方も秀逸)。この映画はその盲目的人間が、目を閉じ頭を垂れたルトガー・ハウアーとの視線の切り返しを経て「開眼」(夜の闇から晴天への転換)するドラマともとれるだろう。ラストで対峙するルトガー・ハウアーの見開いた瞳は映画冒頭の「青い瞳」へと回帰し、その台詞「オリオン座の片隅で燃える宇宙船」「タンホイザー・ゲートの側で輝く星」が、映画のファーストショット(夜景と炎の俯瞰)と重なり直結していく巧妙な構成が非常に見事である。 【ユーカラ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-10-11 19:56:35) |
43.いかにも狙ってる感が否めません。途中変なものが落ちてるし。カルト的な人気の理由がいま一つわからなかったです。 【色鉛筆】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-07-18 20:08:05) |
42.《ネタバレ》 ホネは一言でまとめられるくらい単純なお話なのに、デコレーションへのこだわりだけでここまでのものを生み出したスタッフの執念が凄い。真面目に筋を追いかけるよりも、独特の空気に身を委ねてたっぷりと浸る映画。というのは制作者の自己満足に終わってしまう場合が多いんだけど、この作品は貴重な成功例。そんな中にもいろいろ小ネタもあったりするから侮れない。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-13 00:57:04) |
41.《ネタバレ》 舞台設定の割に地味で単純な内容でありながら深く考えようとすると俄然面白くなった。レプリカントを追いかけていたはずのデッカードが追われる。非人間でありこれからこの世を去る生とは対照的な存在であるレプリカントに生について考えさせられるデッカードなどはいまだに忘れられない。 【spputn】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-05-06 12:53:51) |
40.世界観についていけるかが重要な作品だったのですが、少し取り残されぎみでした。でも映像はきく通り素晴らしかった。 【たっけ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2009-03-12 23:37:48) |
39.映像センスが凄いし、シド・ミードの美術デザインやヴァンゲリスの音楽も素晴らしい。ここ何年かなんてもんじゃないですね、、最高 【ギャングスター】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-12-12 18:55:18) |
38.そんなにおもしろくなかったなあ。JFのおもちゃとガフの折り紙は良かった。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-11-08 13:36:30) |