7.女二人による支配と服従の葛藤を描いた心理サスペンス。包帯グルグル巻きの綾波レイに萌える輩も多数いる位、包帯フェチ(ケガ人フェチか?)もポピュラーらしく、流石に塩田明彦は題材の選択眼が鋭い。もうとにかく、この二人の女は包帯なんか巻かなくたって充分痛い。例え態度がどんなにクールだったとしても、ケガ人や病人を装うのは究極のぶりっ子。主人公が環に惹かれるのも、環が弱い自分より更に弱い存在に見えたからに他なりません。しかしやがて、彼女にもギプスが「力」であるということが解ってくる。すると今度は、自分がギプスを求める様になるのです、6点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-07-01 00:08:32) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 塩田監督と今や引っ張りだこの鈴木一博氏が組んだ作品。尾野真千子さんという女優はムーミンぽくて可愛らしい。声がやや常盤貴子似である。役柄は、ふてぶてしく性格の悪いどうしようもない女である。同僚を泣かせて、時計渡して「これあげるから許して」と言う。その欠落感が彼女たる所以で、どんどんギプス女に入れ込んでいく。そのキャラクター設定は良い。佐伯日菜子さんは、幻惑する女を嬉々と演じてるが、やや演技(表情)過剰の作為が見られる。でも彼女の目力はいい。テンポの遅い展開を弦音が強いコミカルな音楽で引っ張っている。水槽の金魚はそれだけで絵になる。割れた水槽もGOOD。女→女への執着と関係性の面白さは同じ鈴木カメラマンの「ココロとカラダ」(安藤尋監督)の方がやや上か。でも嫉妬の果てに尾野が佐伯に出す脅迫状のくだりから面白くなってくる。サスペンスの度合いが後半強くなるが、低温モードはそのままである。いいシーンがある。脅迫状を出した尾野が佐伯の部屋に様子を見に行くと。佐伯は胡弓を弾いている。その隣には封が破かれた脅迫状。佐伯は「今日は帰って」と言う。尾野は佐伯の表情と共にその脅迫状を見て微妙にほくそ笑む。すると、その微妙な表情の変化を佐伯がまばたき一つせず、凝視している。その目にはぞっとするものがあり、かなり効いている。そして、ラスト。最後のギプスと包帯に巻かれた二人は、情けなくも、滑稽である。 【ムーチン】さん 5点(2005-03-12 00:36:49) (良:1票) |
5.もやもやしますね、この作品は。なんとも佐伯日菜子が怖い!エコエコアザラクからも感じますが、この女優さんは笑えば笑うほど怖い。そして魅力的。観ている自分も虜にされそうな勢いです。そう美人なわけではないですが、眼でしょうか、魔力がありそうです。二胡を弾く姿は、本当に呪術かけられそうです。それに対して、尾野真千子は普通でいいですね。さらりと普通の女性を演じている。そして困惑や、怖気、嫉妬が上手く表現されていますね。萌の朱雀で河瀬監督はいい女優さんを発掘したと思います。 【fero】さん 7点(2003-12-15 20:16:58) (良:1票) |
《改行表示》4.《ネタバレ》 人殺し 変態 雌豚 ギプス女 目デカ女 陰気顔 ホラー顔 笑顔が笑顔になってない オマエはもう死んでいる って誰かさんに罵られてしまいます 日菜子さん。 後半から一気に面白さが増します。かわゆい小悪魔ですね まいっちんぐ真千子さん。 【3737】さん [インターネット(字幕)] 7点(2012-09-13 23:46:19) |
3.『害虫』『カナリア』『黄泉がえり』『どろろ』と見てきて本作が塩田作品5本目。一般受けするサスペンスにもホラーにもなる素材を(しかもかなり良質の)よくぞ淡々と仕上げたなあ・・・。凡人ならもっと面白くもっと面白くとつい盛ってしまうところを。朴訥なしゃべりの和子と芝居じみたセリフ回しの環のコントラストがいい感じ。『害虫』『カナリア』ほど重くなく監督が素直に撮りたいものを撮ったんじゃないかと思わせる作品。 【フラミンゴ】さん [インターネット(字幕)] 4点(2011-11-21 15:15:53) |
2.《ネタバレ》 キャラクターの掘り下げがない分、展開と結果を追うだけの上っ面文芸になっている。 【カラバ侯爵】さん [DVD(邦画)] 1点(2008-01-09 06:01:02) |
1.エロチックというよりも、女のいい匂いが充満した映画という感じ。実際、さほどエロチックなシーンはない。その代わり、極端に妖しげな佐伯日菜子も、ものすごく普通っぽい尾野真千子も、どちらも同じくらいに女の匂いをプンプンさせていて、もうそれだけでこの作品は評価されても良いくらいの雰囲気を持っている。『月光の囁き』にも似た二人の関係をサスペンスで推し進めるというだけのストーリーが、この充満する女の匂いによってエロスにもホラーにも、はたまたラブストーリーにも不条理劇にもなり得る可能性を秘めながら進んでゆく。『月光の囁き』ほどのインパクトは無いものの、「女を撮る」ことに対する塩田監督の可能性を見た気がした。 【R&A】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-04-11 12:15:17) |