182.《ネタバレ》 主人公二人組の魅力や、ギャング二人組のおかしさ(トランクを開けるシーン等々タランティノの「レザボア~」のパクりではあるが)、または〝死ぬ前に海を見たい〟や〝母親にキャデラックを送りたい〟という男の願望には思わず共感してしまいますし、けっこう好きなのですが・・・、この映画が致命的なのはロードムービーであるのにもかかわらず全く移動が感じられないというところです。冒頭はギャングの風俗店ですが、主人公たちが海にたどり着く前に最後に立ち寄るのがこの場所となっているので、位置関係としてはギャングの店が海の近くにあるという事になります。従って病院からギャングの店方面へ向かっているということになるのですが、あの二人組のギャングがちょくちょく主人公たちのもとに訪れてはボスのもとに戻るので、主人公の二人が全く前進せずに同じところをグルグル回っていたように思えてしまい、さっぱり海への道を歩んでいるという感じがしないのです。ただ、ラストシーンとそこにかかる〝天国の扉〟はやっぱり良い! 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-07-02 18:31:14) (良:3票) |
181.「生きる」を観て、市役所の公務員になりたかった。「ショーシャンク」を観て、囚人になりたかった。この映画を観て、末期患者になりたくなった。・・・・どんどんネガティブになってる気がする。それはそうと素晴らしい映画でした。極論を言えば、全ての映画はこうあるべきです。 【ぶらっくばぁど】さん 9点(2005-01-31 19:08:54) (笑:3票) |
180.《ネタバレ》 タランティーノやガイ・リッチーの簡単に人殺すチンピラ映画より、こういうのが好き。 監督は英国のエドガー・ライトのようにアメリカ映画に心酔しているらしくそれっぽいところもあるけれど、同時にドイツらしい真面目さ、律儀さが感じられまする。 銃撃戦で誰もケガしないのはズルイけど安堵、銀行から盗った分は後でちゃんと返したりして。 ママへのプレゼントもじんとくる。 女性をだしてもお行儀わるくならず、何といっても野郎ふたりの友情! マーティンの発作の演技が迫真、ルディはダウニーJrに似てるな~(笑) シリアスとコメディの切り替えがスカッとしてて、1時間半とコンパクトなのもいい。 貫禄ルトガー・ハウアーもいいところでBRのように詩的な台詞をキメてくれるぅ。 ラスト、「ショーシャンク」のようにきれいな海ではなくて荒れた海なのが、また彼らに合ってた。 あの赤錆びた色合い。 思いを遂げて一足先に逝った友を見やる相棒の心も、もはや半分地上を離れているよう。 今時あまりないような「青くさい純粋さ」が愛され好まれる理由? 【レイン】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-12-03 00:00:04) (良:2票) |
179.《ネタバレ》 世間は死にゆく人間に対して寛容です。出来るだけ望みを叶えてあげたいと思う。ただし、無制限ではありません。当然ながら度を越した我侭や犯罪はダメ。本作はその設定上のウィークポイントを、コメディ色を強くする事で緩和しています。銃撃戦は派手なのに誰一人怪我さえしない。登場人物たちは、みな憎めないオトボケぶり。“笑って済ませられる”調整が施されています。この匙加減が上手かった。笑いの中から核となるヒューマンドラマが浮き立つ仕組み。ラストは涙涙のエンディングを予想していたのですが、それは軽やかに裏切られます。念願の海にたどり着いた2人の男。想像していたような幻想的な風景も無ければ、期待していた大らかさも感じられない。目の前に在るのは、荒れ狂う海。頬を刺す強風と波しぶき。優しさの欠片もありません。決して夢に描いた海ではなかった。でもそれが、“らしい”と思う。人生は思い通りに行かない。でもゴールにたどり着いただけで上等じゃん。喜びも感動も無く突っ伏す男。その姿に自分を重ねて胸を熱くするのです。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-11-06 19:17:05) (良:2票) |
178.《ネタバレ》 男は単純だ。人生に必要なのは、酒、たばこ、女、車。余命いくばくも無いと宣告された二人。やけになって煙草を吸うし、酒は飲む。あんなところにテキーラがあるのは実に不思議だ。「天国じゃ海の話題が流行っているらしい」「おれはまだ海を見たことがないんだ」「じゃあ、見に行こう」酔っ払った二人は高級ベンツを盗んで出かける。途中でお金が必要となって、ガススタンド強盗と銀行強盗。驚くほどうまくいく。また車のトランクから大金の入った鞄も出てきた。こうして道具立ては揃い、ギャングと警察の追求をうまく逃れて無事海にたどり着けるかの、痛快なロードムービーが始まる。ギャングがトジなのはいいが、警察が間抜けすぎるのは笑えない。やりすぎてはいけないのだ。海を見るのが目的だったが、お金が入ったので予定変更。もうひとつのやりたいことをする。一人はプレスリーの真似をして母にキャデラックをプレゼント。一人は女二人と寝る。ギャングに捕まり、絶体絶命のピンチ。だが大ボスが粋な計らいを見せる。「海を見に行きたいんだろ?行きな」最大のサプライズだった。大ボスの人生ドラマを少し描いておいて欲しかった。銃撃戦があっても弾は人には当たらない。車が崖から落ちても平気。大ボスは許してくれる。本当は二人はすでに死んでいて、天国にいるのだろうか?結局強盗で奪った金は戻し、損をしたのは大ボスだけ。残った金は見知らぬ誰かに送る始末。最後までギャグを忘れない二人。二人は海に辿りつくが、もう終りだと思うと寂しい気分になった。目的があるということが人生を価値あるものにしている。彼らにはもう目的がない。ささやかな目的を達して、彼らは死ぬ。ささやかな人生だけど、つかの間の夢をありがとう。 【よしのぶ】さん [DVD(吹替)] 7点(2009-10-24 02:56:07) (良:2票) |
《改行表示》177.《ネタバレ》 端から見てしまえば、結構酷いことやってる二人。いいじゃないか最期なんだから、とばかりに偶然手に入れた金で好き勝手遊び回る、回りに迷惑かけようとも。でもそれが人生最期の瞬間である二人は、いちいち構ったりしない。ガキの遊びのように、いたずらをするみたいに悪事を繰り返し、時々自分達の残り時間を痛感し、ちょこっとカッコつけたような台詞がホントにカッコイイ。それにニコニコ笑う二人を見ると、どうしたって許したくなっちゃう。ギャングをはじめ、みんな二人の最期に付き合ってあげてるんじゃないかというくらいのマヌケっぷりも、愛嬌があってなんだかいい。ハチャメチャなことをして、やり残した事は無い、と海を眺める姿から切なさがにじみ出る。まだ生きたいという願いはあったと思う。そんなことをまさに背中で語る姿には泣けてくる。 「Knockin' On Heaven's Door」最後の最後にタイトルにもなったこの曲がかかります。本物のディランファンの方に比べれば、足下にも及ばない駆け出しファンですが、自分の中ではこの曲、特別優れているという訳ではありませんでした。しかし、この映画にはピッタリあっています。この映画とセットで聴くと文句なしに素晴らしいのです。 【Sgt.Angel】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-08-16 03:18:51) (良:2票) |
《改行表示》176.《ネタバレ》 テーマも興味深く高得点なので観てみたが、表現があまりにも軽くテーマとアンバランス。 死期を宣告された2人。やけ酒飲んで、見たことない海を見に行くのにベンツ盗んで強盗に変身。 死に直面している2人が、よくこんなに早く気持ちの切り替えをして、割り切った行動にでたものだ。 挙句は銀行強盗まではたらくとは、法もモラルもあるものか。 これで捕まらないのだから、どんな滅茶苦茶な筋書きも有りかと思うと、この時点で真剣に観る気はしない。 ギャングは馬鹿だし、警察官は間抜け。笑いのセンスはマニアック。銃はバンバン撃ちまくる。 命の重さなど無視したこの展開、脳腫瘍の男が発作を起こす場面や最後に海を見る場面だけ、やけにシリアス。 この映画、私にはどのように感動したらよいのか分からなかった。 【Gang10】さん [DVD(字幕)] 4点(2006-01-30 18:52:46) (良:2票) |
《改行表示》175.《ネタバレ》 余命を宣告され、残りわずかな時間に何をするのか? 扱っているテーマは大変興味深い。切り口としてはとても良いのだと思います。 ただどうしても、倫理観、モラルの面で『待った』がかかってしまって素直に二人に共感しきれなかったのが残念です。 コメディですから、いくら撃ち合ってもだれも死なないというのに文句はありません。ですが、それは脚本や演出でそうなっているからであって、実際は二人の行動によって死人が出てもおかしくない事態はいくらでもあったわけです。 自分たちの余命が残りわずかであれば、他者の命を危険に晒しても良いのか?重病の人であっても健康な人であっても命の価値は等価値だと思っている私としては、自分たち以外の人達の命を軽んじている行動には賛同できないのです。 こーゆー見方をする映画ではないのかもしれませんが、『生』や『死』、そして『人生のテーマ』を扱っている以上は、ちょっと看過できないものがありました。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-05-16 14:21:57) (良:1票) |
174.《ネタバレ》 致命的な重病を患った二人の若者のちょっとオフビートな逃避行。彼らは天国に行く前に海を一度見てみたいと海を目指す。海は数々の映画で絶望の象徴や終着点の暗喩として登場する。最も有名な例はトリュフォーの「大人は判ってくれない」だろうし、北野武の「HANABI」も長年連れ添った夫婦は人生の終わりに海を目指す。恐らく全ての大陸において歩き続けた先に広大な海という終点が広がっているからだろう。本作はその様な象徴として描かれることが多い海を天国への切符、ある意味希望の象徴として描いている点が面白い。主人公二人は海を目指していなければあの病院で自身の望みも果たせぬまま死んでいただろう。海と言う絶望・終着点が皮肉にも彼らを希望へと導いたのだ。ルディは最後にマーチンに「(死ぬのは)怖くないさ」と言う。最後に海を見ることで天国への扉を開けた彼らは雲の上で仲良く駄弁っていることだろう。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-07-29 18:38:54) (良:1票) |
173.《ネタバレ》 人はいつかは必ず死ぬ。その「死」について前向きに考え、ただひたすら自分達の希望、夢に向ってひた走る二人の男の姿がとにかく微笑ましくて良い。それがこの映画をけして、暗くならずに悲壮感だけ漂うものにはしていない。死ぬ前に一度も見たことのない海を見たいと願う男とその夢に付き合うもう一人の男、この二人、病院で自分達の命はもう残り僅かだと知らされる。そんな二人が出会い、ただ海が見たい。それだけの為にとにかく突っ走る。「死」を描こうとするとどうしたって暗くなりそうな所がまるで無いのが良い。何一つとして説教臭さも無ければこの主人公の姿には悲壮感よりも「死」よりも「生」、今を一生懸命行きようというものが描かれていて見ていて気持ち良い。気持ち良いと言えばこの二人に終始、振り回されぱなしのマヌケな二人のギャング、このマヌケぶりも可笑しい。ボスからの大切な車で少年を引いてしまった後の少年へバナナを差し出すというアホぶり、マーチンとルディと一足遅れで銀行強盗に入ったり、その後も振り回され続けるギャング二人に銃を浴びせられ、車の後ろで隠れるマーチン、ルディの姿に、銃なんかでは死んではいけない。どうせ死ぬのなら好きな海を見て、死のうではないかという温かい視線もこの映画全体から感じられる。ラストの海を前に倒れるマーチン、その横で一人、海を見つめるルディ、この二人の姿に天国は待っている。海が二人を待っているとでも言ってるようで、正しく天国へのドアが叩かれた瞬間を見た気がした。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-05-14 21:29:59) (良:1票) |
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172.《ネタバレ》 90分という上映時間の中にたくさんの笑いとちょっとの感動がある、好感の持てる娯楽映画。 「命だけは助けてやる」って台詞はよく見るけど、こんなに可笑しく聞こえたのは初めてです。助けられるものなら助けてくれと。 【Trunk】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-01-19 23:36:45) (良:1票) |
171.《ネタバレ》 「天国では雲に腰かけて海の話をするのが流行りなんだぜ」と、余命あとわずかの2人が死ぬまでに海が見たいと病院を抜け出し、海を見に行くまでのお話です。途中銀行強盗をするなどやりたい放題、しかも海に行く為に盗んだ車がヤクザの車でトランクには大金が。そのカネでお互いの最後の夢を叶えようとするくだりはしんみりとさせられます。警察と組織の両方から追われる事になるのですが、何ともドジでマヌケな警察とヤクザでピンチは何度もあるのですがその都度切り抜けていくという、いささか都合が良すぎるストーリーですが、観ている僕達が「あの二人に海を見せてやりたい」と思った時点でこの映画の勝ちですよね。テンポ良し、90分という尺もちょうど良し、音楽も良し、笑い所満載、かつホロリとさせられる場面もあり、これはなかなかの傑作だと思いますよ! 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-12-30 02:23:28) (良:1票) |
170.《ネタバレ》 「ウチら難病なんです、もう余命幾ばくもありません、だからどうせなら海へ行くまでに車の窃盗とか強盗とかいろいろ好き放題バカやってから死んでしまおうと思いまぁ~す☆」というおはなし。これまで犯罪歴がなかったマーティンだが、脳腫瘍でもう余命わずかと告げられた瞬間から何かが彼の中ではじけてしまったのかもしれない。でも彼にはあまり感情移入できなかったし、展開も最後まで二人に都合が良すぎだし、最後に海に辿り付いたマーティンがどうなるかもオチが読めたし。あの浅いような深いような筋書きから、いろいろ感じ取れる人でないとダメだね、この映画。ハイ、私は感じ取れなかった人間です・・・。 【☆Tiffany☆】さん [地上波(字幕)] 3点(2008-12-03 05:43:55) (良:1票) |
169.平均点高っ。海の場面はさすがにぐっときたけど、他はそんなでもない。この設定であればもっと疾走感があっていいと思うし、映像的なセンスもとくに突出したものはない。ユーモアも微妙な抑え方で、大笑いさせられるようなギャグはなかった。もっとやろうと思えばかっこよく、むちゃくちゃにできたろうに。ただ、後味の爽やかさは抜群。暴力シーンも女の裸もあるのに、ものすごく健康的な映画だった気がする。死の宣告が主人公たちの生の密度を奇跡的に高め、短くとも生きている実感のこもった最高に楽しい時間が過ぎる。まったく悲壮感のない、幸福な最期。乗ることができればものすごく気持ちいい映画であることは間違いない。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-18 02:25:01) (良:1票) |
《改行表示》168.《ネタバレ》 悪そうな奴が、母親に車プレゼントする。賢そうな方が、女買うとか、そういう馬鹿なところも良い。が、やはり、それでも最後のシーンで全部綺麗にまとまってしまう。台詞が格好良い。「今天国じゃ、海の話がブームなんだぜ?」どんな天国だよ!くぅー!最高。男の友情っていいなー。 【アンナ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-12-21 10:45:08) (良:1票) |
《改行表示》167.《ネタバレ》 強引すぎる展開に正直ついていけない。主役の二人の行動はめちゃくちゃだ。だから、母親にキャデラックを渡す場面や、ラスト二人で海を眺める場面など、それ自体はとても美しくて感動を誘うであろうシーンが、映画全体の雰囲気からはやや浮いてしまっていたように感じた。 しかし、脇役たちはとてもいい味を出していて、「センスいいな~。」と思わせる場面が多々あった。それだけに、全体を通しての馬鹿さ加減と、たまに見せる主人公たちのシリアスな部分とが上手く融合できていないということが、少し残念であった。 【太郎】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-04-14 12:25:30) (良:1票) |
166.《ネタバレ》 二人のキレっぷりがいい!キレると言うと暴力的なものを連想するけど、そうじゃない。キレてるけど爽やかでせつないんです。このあたりがハリウッドとの違いかな。それに何と言っても微妙なズレがいい!殺し屋は言葉を間違うし、追跡するパトカーは信号で止まるし…そして死をテーマにしているのにどこか軽い、最後にしたいことが女二人を抱きたいって、オイオイお前…な感じなんだけど、この軽さが死を背景にしているせいか、なんか切ない…泣き笑いです。とにかく良い映画でした。 【ペリエ】さん 10点(2004-05-04 15:14:19) (笑:1票) |
165.《ネタバレ》 やっと二人が見ることのできた海が、とてもきれいとは言いがたい荒れた大海原(浜だけど)だったのがすごく印象的。きれいな穏やかな青い海ではなく、あの海だったのがドンときた。 【らいぜん】さん 7点(2003-11-25 22:30:15) (良:1票) |
164.余命わずかな二人が、海を見るために起こす数々の犯罪は最低である・・・。しかし、暗いテーマにも拘わらず、コミカルでスピーディな展開は心地良い。バカな事をしているな、と思いつつも、彼等の純粋な心に、なぜか共感してしまう・・・。ラストの海辺でのシーンが切ない!!。 【sirou92】さん 7点(2003-09-02 02:38:13) (良:1票) |
163.期待せず観たせいでしょうか「参りました」状態です。これだけシリアスな状況で切ないお話しなのに、最後まで明るく、スマートに楽しませてもらえました。極悪人じゃないギャング達、マヌケな警察、血の匂いのしない銃撃戦、全部が好きです。リアリティーに欠けたって、展開に無理があったって、ここまで楽しめればいいんです!余韻の残るひたすらカッコイイラストシーンにも満点あげちゃいましょう。 【poppo】さん 10点(2003-04-27 19:41:17) (良:1票) |