165.実は「エスねこ」ってのはシュレディンガーの猫の略なんです…ってのはおいといて。ローラ最強。映画史上最速最凶のガテン系ヒロインだ。運命に弄ばれるのを拒み、最後には殺人的な目線で偶然の神を支配してしまうほどの凶悪さ。短編映画の濃密な雰囲気を巧く長編映画に持ち込んでる点も注目っすね。近年のドイツ映画最大の武器「キレ味」が最も色濃く使われ、観客の推理心を刺激しながらも肝心のところを先読みさせず、最後まで飽きさせない人生ゲーム映画でした。作品は8点。主人公の『ゼイリブ』並にバカ過ぎるキャラクターでマイナス1点。 【エスねこ】さん 7点(2004-09-05 02:01:19) (良:2票) |
《改行表示》164.《ネタバレ》 海外ドラマ『トゥルー・コーリング』を思い出す演出。 何か行動を大きく変えるのではなく、小さな変化で結果が大きく変わるというところがミソでしょう。 映画というよりかはゲームのリプレイを見ている感覚。今作を観て、世界には“If”があふれているものだと思いました。音楽が個人的に大変好みです。遊び心も好き。 ただ、同じフィールドで違う展開を楽しむだけの作品ですから、『飽きる』という意見は、わからなくもないです。それに、ゆっくり落ち着いて映画を観たいときには不向きな作品でもありますね。それでも娯楽作品としては◎でしょう。 少々残念だったのは、ローラの強さ・性格がブレてしまったことでしょうか。特に父親とのファースト・エピソードで完全にブレちゃいましたね。強いキャラでいきたいのであればもう少し強さを前面に押し出しても良かったのでは。 ですがそんなことよりも最も致命的なのは、父親、マニ、ローラといった主要人物に、何と言っても魅力が足りないことでしょう。いや、これがドイツではウケるのかもしれませんが、きっと私達日本人の感覚とはずれています。マニとローラは何となく応援したくはなっちゃうんですけどね。 ついでに言うと、道行く人の運命までもが大きく左右されちゃうってのはかなり強引だったかもです。その着眼点は面白いと思いますが。 ・・・ってゆーか、あんなところからやり直さずに、ローラが車で迎えに行くところからやり直せば簡単に解決できるのに・・・とか考えたらだめなんでしょうね。きっと。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-11-16 00:17:19) (良:1票) |
《改行表示》163.《ネタバレ》 バタフライエフェクト…よりこっちが先だけども、父の不倫とか出生の秘密とかおいしいネタをうまく使って料理しているところがいい。 最初のパターンの際の父の反応が個人的にウケまくってしまった。 一分のスキもなくあそこまではっきり拒否されると、ものすごく気持ちがいい。 意味不明の無敵の絶叫はなにか「ブリキの太鼓」を思わせる。 そもそもで女に理不尽な要求をして助けを求める男は放っておく、というパターンもあってもよかったな。私ならほっておく。 ポテンテごつい。走る走る。やっぱり美人じゃないけどポテンテの場合はそこがいいのだと思います。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-21 21:42:55) (良:1票) |
162.《ネタバレ》 久しぶりに「アイデアで勝負!」という映画に出会いました。ジャーマン・テクノに乗って走りまわるローラの姿は実に爽快!バギーパンツ姿で走るローラは下半身がどっしり(安産型)しているから走るフォームに説得力があります。しかし、恋人のマニの情けなさはツボにはまります。こいつが自転車に乗った浮浪者を追いかけるときの走りっぷりは、ローラと対照的でおかしかったです。監督の意図が?だったのは冒頭ローラが走り出す前の部屋でテレビがドミノ倒しの番組を放送していますが、テレビの音声が日本語なんです。これはなんなのでしょうか。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-03-15 12:21:37) (良:1票) |
161.《ネタバレ》 昔は女が囚われてて男が助けに走ったものだが、いまは逆になってしまった。どちらにしろ人が走るってのは、見ていて気持ちのいいものだ。趣向頼りの映画ってしばしば薄っぺらになってしまうものだけど、ここまで徹底すればそれが全体の味になる。上映時間80分てのもちょうどよかった。『羅生門』に始まる変奏曲形式映画。ヤクザの車を回避したかと思った3回目で正面衝突してしまうのがおかしい。3回目では男も走り、そうするとメデタシメデタシになる。もちろん2と3は死にぎわのローラが見た束の間の夢かもしれないのだが。ただこのラストは物足りない。こんなつまらん男は捨てて、ローラは別角度を向いて走り出すべきではなかったか。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-11-16 12:10:09) (良:1票) |
160.バッドエンディングを迎えたら、リセットボタンを押して再度やり直しをするようなゲーム感覚の作品。最初の失敗を2度目で修正し、2度目の失敗を3度目で修正するという具合に、あるエピソードをやり直し、最終的にハッピーエンドを目指すというもの。途中アニメーションが挿入されたり、当時としては実験的な作品だったと思います。ただ、物語自体に魅力を感じなかったのが残念でした。ハッピーエンドへのもっていき方も結構力技です。ローラ役の女優さんは、あまり演技が上手いとは思えませんし美人とも思えませんが、何ともいえない魅力があります。走るローラのポスター(販売用の図柄)はどれもカッコイイです。 【目隠シスト】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2006-05-29 18:18:15) (良:1票) |
《改行表示》159.《ネタバレ》 最初の一回に関してはかなり良かったが二回目三回目は違いはあるものの同じようなことをしているからつまんない。 タイムラグで変化を出すより誰のところに助けを求めに行くかで変えたほうが良かったと思う。 【トクタ】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-11-26 19:47:05) (良:1票) |
《改行表示》158.『ラン・ローラ・ラン』は、ハイゼンベルグの不確定性原理によって見出され、シュレディンガー方程式により導き出された世界の確率論的存在、多世界解釈論に基づいている。さすがドイツ映画である。この映画は、スタートからローラという電子を発射させ、観測によって3つの違った結末(位置)を用意する。これはまさしく量子論の基礎となる「2重スリット実験」そのものではないか。。。 この実験により、電子は粒子であると同時に確率論的に存在する波であり、観測前の電子は確率としてしか存在し得ないということが明らかとなったのである。観測前のローラの世界には幾多の行き方が確率論的に存在するが、それは観測と同時に収縮する。結局、ローラは最後にどうなるのか? 生きているのか、死んでいるのか。この映画は、3つの収縮の可能性を提示したのみで、どれを選択しているとははっきり言っていない。シュレディンガーの猫は、生きているのか?死んでいるのか? 生きている状態も死んでいる状態も量子論的には同時に在りえて、そしてその状態は確率としてしか存在し得ない。あぁ、つまり、彼女(世界)は生きていながら、同時に死んでいるという、「確率」という存在でしかないのだ。。。あぁぁぁ、それを否定するには、彼女が生きている世界と死んでいる世界が同時に存在しなければならず、それは観測者である僕らが既にパラレル(多世界)に存在しているということになるのだぁ!! と、別に感嘆するまでもなく、この映画はパラレルワールドをさらりと描いているので、あまり考えすぎずにパンクに楽しむのが正しい鑑賞方法だろう。 【onomichi】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2004-08-29 16:51:56) (笑:1票) |
《改行表示》157.いいね、タイトルがいい。 「走れ!ローラ、走れ!」 人生、疾風のごとし。微妙が微妙に重なって、偶然が偶然に顔を出す。ちょっとしたことで変わるもの、ちょっとしたことじゃ変わらないもの。人生を追いかけるのか、人生に追いかけられるのか、あるいは人生を追い越すのか。 実際の人生は、考える暇もなく、繰り返す余地もなく、ましてリセットする慈悲もなく、ただただ懸命で闇雲で手探りで恐る恐る、ぎゅっと目をつぶって、わーっと叫んで突っ切るもの。 それを笑って、試みに遊んでみる。映画の余裕と映画の糊しろが、ジャーマンテクノにぐるぐるに回る。 詳しくはこちらのブログ記事で→http://escargot1.exblog.jp/1069458/ 【よしの】さん 9点(2004-03-08 16:15:50) (良:1票) |
156.《ネタバレ》 3つの話の冒頭の犬と少年を通りすぎるアニメはそれぞれの話を暗示しているのかな?最初は、普通に横をすりぬけていて、2度目は少年の足にぶつかり、3度目は跳び越えている。2話目は、その通りぶつかるがテーマ。ローラは2話目だけ曲がり角のおばさん(UND DANNでは宝くじに大当たり)、例のホームレスにぶつかる。救急車は通行中のウインドウにクラッシュ、そしてマニは救急車にひかれる。三つ目の犬を跳び越えるところは、超越=神を象徴。ローラを見つめる銀行の警備員は神がかったようなものでも見る表情。その後、ローラは当然のようにトラックには寸前でぶつからず、カジノで神がかり的な連続的中、そしてカジノの窓はステンドグラス。救急車で瀕死の患者に触れると奇跡的に回復。電話ボックスでは、盲目のおばさんがなぜか「待って」とマニにホームレスが通るのを教える。ついでに曲がり角のおばさんのUND DANNは伝道師になっている。以上まとめますと、人生なんてちょっとのずれで神に祝福されたり、嫌われたりするんですよ、確かなことは生を受け死を迎えることだけなんですよ。だから、どうすれば神に祝福されるような生き方ができるかを考えましょう、答えはないんだけどね、という映画かな。 【彦馬】さん 8点(2004-03-05 00:51:33) (良:1票) |
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155.何度もは出来ないかもしれないけれど、試みとしても面白かったし、内容も割とよくまとまっていて楽しめました。スタイルとしてはちょっと違うけど、「メメント」と似た試みのような感じがしましたが、あっちはもっと分かりにくくて私には向いてなかった気もするのですが、こっちは…昔流行した「シミュレーション・ブック」みたいな感じも受け入れやすく楽しめました。ローラが可愛いだけの女優さんじゃないところがいいですね。燃えるような赤い紙も似合っているし。マニは責任転嫁の無責任男って感じで好みのタイプではないのですけどね(笑)。ローラとマニを描いているようでいて周りの人達にもそれぞれの分岐点があって、人生があると言うのがさりげなく描かれていてよかったと思います。 【あかりん☆】さん 7点(2004-02-08 23:26:18) (良:1票) |
【k】さん 7点(2004-01-23 18:12:41) (良:1票) |
153.冒頭のシーンでの掴みは素晴らしい。哲学を平易にお洒落に語る。ドイツというのは基本的に小難しくて理屈っぽく、勤勉なイメージが昔から一般的にある。これはそういうドイツ流哲学を新しい時流に乗せ、極めて現代的で斬新な映像表現でライトに見せた、新世代のドイツ映画だと思う。ほんのちょっとのタイムラグで未来は変わる。映画を貫く1つのメッセージ。走れ、ローラ!走れ!彼女はジャーマンテクノに乗って、ただひたすらに疾走する。彼女のその赤い髪はなんてかっこいいことか。ただやはり、いくら斬新で面白い演出をしても、何度もの繰り返しはちょっとくどい。退屈させまいとする試みは随所で伝わるものの、中だるみする感はどうしても否めない。もともと深みを追及した作品ではなく、表層的なお洒落感で魅せるタイプの作品なので、その表層的なものがトーンダウンして来たらちょっときつい。好きな映画だけれど、その点は微妙。それに根本的な問題として、あんな男、私だったら助けない。てゆうか付き合わない。 【ひのと】さん 9点(2003-12-26 16:16:36) (良:1票) |
《改行表示》152.ローラ・ラン?さんの運命が少しのズレで変わっていくのはわかるけど、 通行人の人々の運命が変わる因果関係がよくわからなたっす。 そんなに劇的に変わるものかなあ。 まあでもこの疾走感は好きです。自分も走るの好きなんでw 街角の風景もおしゃれでいいと思うし。 しかしよくあるあるファッション系映画で、あんまり繰り返し見たいとは・・・・。 【コチョレ】さん 6点(2003-12-15 13:10:17) (良:1票) |
151.痛快な音楽に乗せた、OPアニメが良い。リバースによる、二通りのバットエンドとハッピーエンドは単純に楽しめたが、正直くどい。すれ違う人々の人生が変わっていることを、写真形式で見せるあたりはも良かったが、やはりくどい。でも、この「くどさ」が、この作品の魅力でもあるので、文句は言えない・・・。 【sirou92】さん 4点(2003-09-02 02:12:10) (良:1票) |
150.当時雑誌なんかでもよく取り上げられてたけど、必ず「音楽が」「斬新な」「スタイリッシュな」などと言われていたので、その手のほめられ方をする映画ってえのはストーリーそのものはつまらない、というワタシの持論を裏打ちしてくれました。アニメは無駄だし、走っているシーンは早送りで見ました。ヒロインが不細工ってのも「個性的」なんだな、と合点。確かにスタイリッシュなんでしょうな。でも、同じネタで3回押すのは萩本欽一だけでいいです。 【S・R・カーン】さん 1点(2003-04-15 19:08:50) (良:1票) |
149.ゲーム的。一回目巻き戻った時点で先の構造は読めてしまう。3回も同じ場面が出てくるのを、小ネタでかわそうとしている(例:犬の避け方は毎回違う)が、構造的欠陥なので退屈するのは避けられない。展開は場当たり的で、最終的な大金の入手方法もかなり陳腐。要するに脚本が甘い。そうした欠陥にかかわらずけっこう見られる映画になっているのは、ローラの存在が大きい。赤毛で目立つし、大柄だから走る姿が絵になる。いっぽうローラの恋人はどう考えても「死を賭して助けたい!」と切実に思うようなキャラクターではないのだが、それでもローラが必死で奔走するところも彼女の株を上げる要因のひとつ。 【ひかりごけ】さん 6点(2002-11-26 01:21:59) (良:1票) |
148.《ネタバレ》 20分後に10万マルクを工面しないと殺される彼氏のために、走りまくる女性ローラの話。無限にある可能性の中の3つのカケラの話。各カケラの序盤にアニメが挟まっていて、このアニメが雑で下手なのが、また、いいリズムと味を出しています。一番感心したのは、ローラが激走中に遭遇した人の未来の運命を、十数枚の連続写真でチラ見せするというアイディアです。ローラがリセットを繰り返すことにより、ローラの運命だけでなく、激走ローラの周りの人達の運命をもピタゴラスイッチ的に、バタフライエフェクト的に変えてしまうことを端的に示すだけでなく、アクセントとしても有効で、更には、チラ見せ運命は笑える結末が多く、爆笑の連続でした。まったく飽きずに最後まで楽しめました。また、機会があったら見たいくらいです。独語原題は「Lola rennt」、英題が「Run Lola Run」。今気づいたのですが、英題をつける際「能登かわいいよ能登」構文を採用したことが成功の秘訣だったのかも知れません。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-05-17 20:23:21) |
《改行表示》147.《ネタバレ》 リミットまで20分しかないのに、それで映画作れんの?って思ったら、そういうことね。 受話器を放り投げるシーンからのスピード感は秀逸。 音楽もいい。 一分一秒を争う映画は、ドイツ語だから可能なんであって、これフランス語なら成立しない気がする。 |
《改行表示》146.《ネタバレ》 テクノミュージックに乗せて主人公が走りまくる。 観てる方もカタルシスを感じる。 最初の邪魔で運命が変わる、ついでに周りの運命も大幅に変わる。 バッドエンドになったらリセット、ハッピーエンドになるまで走り続ける。 他人がやってるゲーム実況を観てる感じか? 【たんたかたん】さん [インターネット(字幕)] 6点(2017-08-22 22:18:40) |