《改行表示》441.《ネタバレ》 この映画の主人公に共感できてしまうと危険、という評価が散見されたので気をつけましたが、残念ながら「俺が映画に出てる!」というのが私の感想でした。 口を開けば周りと感覚が絶望的にズレていて「お前は何を言ってるんだ」という顔をされたり、女の子に気に入られようと思ってやった超イカす行為でドン引きされたり、人が寄り付かないのは自分のせいという分かりきった事実を全力で無視しつつ、自分とまったく関係のない幸せそうな人たちを悪し様に罵ったり…と、ビデオ録画した自分を見ているような不快さと恥ずかしさを感じました。 極めつけは例の有名な鏡のシーン。私も鏡の中の自分と目が合うとイケメンに見える角度を探して(そんなものない)小一時間格闘した挙句、落ち込んでもう今日は外出するのやめよう…ってなることがしょっちゅうあります。だからトラビスが鏡の前でポーズとって悦に入る姿が痛々しいやら滑稽やらで胸が苦しかった。自分大嫌いなくせに唯一の友達が鏡、なんて皮肉を通り越して悪意すら感じます。終始トラビスの中に没入しての鑑賞だったので、彼があれだけの大事件を起こして自分を変えようとしたにもかかわらず、最後は元通り…ってオチも、トラビス以上に私自身が打ちのめされたような気分になりました。こんなに感情移入しながら観た映画は初めてで、しばらく忘れられそうにありません。 そんな映画でしたが、これは私みたいな人たちよりも、「何考えてるか分からない、気味が悪くて扱いにくい人間が身近にいる」っていう普通の人たちにこそ観てもらいたいと思いました。これ観て普通の人たちが私たちの考えてることを知り、うまいこと操ってくれたら、私たちも犯罪に走らずにうまいこと社会と折り合いをつけてやっていけるんじゃないかなぁ…と思いました。他力本願ですみません。 【池田屋DIY】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-07-08 21:53:22) (良:3票)(笑:1票) |
《改行表示》440.《ネタバレ》 上映されて30数年、今でも色褪せない名作だと思った。現代にも通ずる人間の心情を抉り出している。26歳のトラヴィス。タクシードライバーをやっているが、自分は社会や人間にもっと認められてもいい人間だと感じている。若い男なら誰でも抱くであろう自己顕示欲と焦燥感と孤独。『オレは、このまま人生を終わるような人間じゃないんだ。今に見ていろゴミどもめ』という感情がひしひしと伝わってくる。孤独は、自分の内面に向かう刃である。だが彼には、それを癒してくれる友達も、女性もいない。決して消極的ではないし根暗でもないのだが、人との付き合いが不器用であるが故に、孤独は癒されない。いつもから周り。そんな彼は、タクシーで街を走らせ、腐敗しきった社会の闇を覗く。女性にもフラレる。NY夜の闇に溶け込むにつれ、次第に彼の孤独は、外面に向かう刃へと変わっていく。銃を手にすることで自己有能感が姿を現し、身体を鍛えることでナルシズム的な陶酔を味わう。自分が認められないのは、社会が悪いせいであり、他人が悪いせいであると思い込む。彼は、不満や焦燥の本当の原因に気づいていない。それは、心の奥底で自分で自分が嫌いという感情から発せられるものである。何とも暗澹たる気持ちになる。 鏡のシーンは歴史に残る素晴らしいシーンだと思う。鏡は、主観的視点を客観的視点にする特徴的なものであるし、自分というものを認識するのには重要なものだと思うからだ。彼が内省もせずに自己正当化とナルシズムに浸ってるのは、滑稽であり、同時に観る者の心を抉る。それでいて、映像的にかっこよすぎるのだから始末が悪い。 彼が起こした事件は、現代でも世間を賑わしている無差別大量殺傷事件などの容疑者の心情と大して変わらないだろう。この映画は犯罪の動機付けに正義(見せ掛けの)を仕込むことによって、彼を英雄化する。英雄になった彼は、最後、一度振られた女性の優位に立つことで自己満足に浸る。スコセッシは最後のシーンで強烈な皮肉で彼を突き放し、タクシーから見た風景は、孤独なニューヨークの闇に溶けていく。全編に渡りダウナーで娯楽映画では全くないのだが、余韻を強烈に残す作品だった。 【Nujabest】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2009-06-24 14:26:14) (良:4票) |
439.血と暴力と狂気、そしてロマンチシズム、センチメンタリズムの見事な融合。NYの体臭がプンプン。ウディアレンが描くNYとまるで別世界のようだ。 トラヴィスが女性とのデートでポルノ映画館に連れてって彼女を怒らせる場面があるけど、あの映画館はNYでは、ちゃんとメインストリートにある、有名な映画館で、普通のカップルも普通に行く映画館らしい。そこへ女性を連れて行くということは、この男としては、精一杯奮発した、気合入れたつもりなんだよ。そこを認識しておかないと、トラビスのズレ方の悲しさ、怖さ、可哀相さがわからないぞ。 【ひろみつ】さん 10点(2003-11-21 01:50:50) (良:4票) |
《改行表示》438.《ネタバレ》 公開当時はベトナム後遺症ものの一つとして理解されていましたが、現在の目で見れば、本作には時代や社会に縛られない普遍性があるということがわかります。トラビスがベトナム帰りであるという点は、銃器やナイフの扱いに慣れているという便宜上の設定に過ぎず(完全な素人では、クライマックスの大殺戮が荒唐無稽になりすぎてしまう)、作品の本質には何らの関係がありません。誰にでもある心の闇、それが克明に描かれているからこそ、本作は40年近くに渡って見続けられているのだと思います。。。 トラビスを完全な基地外ではなく、多くの人にとって心当たりがある範囲内でズレた人にしたという設定は、極めて秀逸でした。人と接したいんだけど、うまく立ち振舞うことができない。シビル・シェパードをナンパする時にトラビスが着ていたジャケットの絶妙なダサさ加減が(なぜ小豆色をチョイスしたんだ、トラビス)、何とも言えない哀愁を漂わせています。さらには、初デートでもこのダサいジャケットを着てくる。トラビスにとって唯一のおしゃれ着であるという点が二度泣かせます。初デートの失敗についても、彼らの周囲にはカップルが多く座っており、完全アウトの行為ではなかったという点が哀れみを誘います。ただ初デート向きではなかっただけなのですが、トラビスにはそれが分からなかった。デート先の選定ミスは男であれば誰もが経験することですが、迷惑そうなシビル・シェパードの表情と、気まずさ漂う二人の間の空気感には、自分自身の苦い経験を思い出させられるほどのリアリティがありました。。。 いくつかの失敗を重ねたトラビスは世間との関わりを諦め、自分自身の世界に閉じこもるようになるのですが、「今のみっともない自分は、本当の自分ではない。自分は、何か大きなことを成し遂げられる人間のはずだ」という漠然とした自信や、「自分を踏みつけた人間達に、いつか目にもの見せてやる」という復讐心は、誰しもが持つものです。こうした負の感情は映像化しづらいのですが、これを見事に映画で表現できているという点が、本作を傑作たらしめている要因だと思います。。。 ラスト、ちょっとした街のヒーローになったことでトラビスの虚栄心は満たされ、職場の同僚と談笑したり、自分をフった女とも大人の会話ができるようになる。あれだけ人を殺しといてオチはこれかいという脱力感も、本作のテーマに沿っていると思いました。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-02-15 15:52:15) (良:3票) |
437.《ネタバレ》 すでに30年ほど昔のことだけど、初めて観たときはかなり衝撃的でした。明確な動機が存在しない犯罪心理を映像で解き明かした傑作という意見です。鬱屈した想いが行き場を失って行動に繋がる。大統領候補の暗殺もポン引き殺しも、主人公の中では同列に扱われて矛盾しない。彼は銃を使って「何かをしたかった」だけだ。その流れに不穏な空気は感じても、不自然な違和感を覚えない。社会通念的には狂気であるが、トラヴィスの行動は分かる気がする。それは、実際に一線を越えるかどうかは別にしても、自分の中にもトラヴィスがいるということだ。世間では時々、何を考えてそんなことを、という犯罪が起こる。あれもトラヴィスじゃなかろうか。それらしく報道される動機は真相の一面しか捉えていないと思える。トラヴィスが英雄扱いされているエンディングには、アメリカって怖い国だなと思いましたが、もはやよその国の話じゃないですね。 【アンドレ・タカシ】さん [地上波(吹替)] 9点(2011-04-23 21:55:13) (良:3票) |
436.《ネタバレ》 スコッセッシ監督の作品は良作が多いけれども、それほど自分にピタッとはまるようなものは少なかった。しかし、本作は彼の作品の中でも全く異なる印象を受けた。かなり自分にピタッとはまった。これほど丁寧に、繊細にかつ念入りに人間の孤独、心の闇を丁寧に描いた作品にはそうお目にかかれることはないだろう。一見するとテンポが悪いようにもみえるが、じわじわと一人の孤独の男が心の闇に支配されていくような感じも受けて、ぞくぞくする興奮を覚えた。トラヴィスは元々から狂っているわけではない。特殊な存在ではなく、どこにでもいるただの普通の寂しい男だ。寂しさを紛らわせるために、タクシードライバーを始め、働いているうちに道で見かけた女性に恋もしたりもする、やはり普通の男だ。ベッツィにとっても、彼のような不器用ながらも直球を投げてくるタイプの男は珍しかったのだろう。二人は少しはよい関係になるが、ありがちなコミュニケーション不足や、女性に対する接し方の経験不足から、あっさりとふられてしまう。振られた痛手が導く「自分が認められない、自分を受け入れてもらえない」気持ちと、さらに汚れた街、孤独な街がトラヴィスの心を一層、孤独にし、闇に染めていき、狂気へと駆り立てていく。しかし、どこかにまだ心の中に自分を必要としてくれる人がいるのではないかという希望は消えていない。それが忘れられない20ドル(アイリスの存在)である。トラヴィスの一方的な思い込みではあるが、やはり彼は完全な狂人ではなく、救いを求めている人間らしいところも垣間見れる。救いを求めたとしても、心の闇に支配された男はそう簡単に変われるものではない。狂気は実現へと進んでいく。狙撃する対象は、別に誰でもよかった。大統領候補でも、ギャングでも。この世界と、自分の環境が少しでも変わり、自分という存在が誰かに認められ、自分の孤独が少しでも癒されればよかった。しかし、大統領暗殺の犯罪者から一転して、トラヴィスはヒーローに祭り上げられた。アイリスの両親からも感謝され、新聞にも取り上げられた。自分の存在を誇示するように、新聞の切り抜きを自宅の壁に貼り付けるものの、彼は変わっただろうか。少しも自分の心の乾きは潤されることはなかった。ベッツィと復縁のチャンスがあっても、自ら孤独から逃れる機会を拒否している。やはり、孤独な男はいつまでも孤独でしかないのだろうか。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-07-29 02:18:13) (良:3票) |
435.社会への「毒」が注ぎ込まれた芸術であり、これぞ、R-25からのバイブルと言えよう。というのも、主人公のトラヴィスは26歳であり、あまり若年期の多感な時期に見る映画でもない。なぜなら、テーマへの共感と主人公への同化は、この映画においては安易になされるべきものではない。それは、少なくとも狂人賛美の映画ではないからである。人生の辛酸をある程度、味わってからの方が、この映画は、より楽しめる。見る人にとどまらず、おそらくは見る年代によっても、見方が変わる映画であり、それは、年を追うごとに、自分の社会に対する見方や考えが変わるように、この映画に対する評価も変わるのである。だから、見る人を選ぶ映画だとも言える。とは言え、たとえ主人公に共感しなくても、楽しめる要素は充実している。たとえば、男性理解の一助としてもこの映画は有効であろう。女性から見たトラヴィスは、お世辞にも感情移入できる対象ではないだろう。彼の内面にひそむニヒルな孤独と、ヒーロー願望的な自己顕示欲と、直情的な不器用さというものは、まぎれもなく男性的な性の側面である。多かれ少なかれ、男性にはこうした性質がある。トラヴィスはその性質がどぎついだけである。また、作品の持つ独特の雰囲気(映像美あるいは音響美)が、理屈抜きの面白さを演出している。魅惑的なミュージック・クリップとして、見る者の心を打つ作品としても、希少価値は高い。反社会的な映画を生み出すことに消極的な、現代のハリウッド系映画とは一線を画し、現実社会に潜むダークサイドなひとつのリアリティを、包み隠さず描き出そうと努力する挑戦的な姿勢が、見る者の心を、揺さぶらずにはおかない映画であることは疑いない。社会に対して悪徳、不条理を感じとって、目に余る思いをしている人にとって、実に、問いかけられるものがある。事なかれ主義に憤りを覚え、社会への不満をぶちまけたくなるフラストレーションを、この映画は代弁し、なだめ、すかしてくれる。小説で言えば、さしずめ、太宰治の『東京八景』を読んで、「自分は太宰ほど狂人でもない」と安堵する感覚である。トラヴィスの正義感は、手放しで誉められるものではないが、これが単に訳の分からぬ狂気にしか思えないとなれば、この映画はある意味、淡々とした退屈な映画として、受けとられてしまうのかもしれない。 【yuua】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-19 12:58:48) (良:3票) |
434.『タクシードライバー』・・・私はこれ観終わった後自分自身がかなりへこみました。トラヴィスという存在がまるで自分を鏡で見るような想いでした。何かをしたいが何をしたいかが見つからず常に不満な自分がいる。それを打破しようと何かを始めると方向違いで他には認められない。結局他を見限り孤立していく一人の男。まったくもって「はぁ・・・」という溜息しか出なかった覚えがある。共感してしまった自分はどこかが病んでいてトラヴィスを憎めない。そしてトラヴィスを直視出来ない、彼を観るのが辛いんですよ。トラヴィスに私の心の中を覗かれているようで心が痛むんですよ。クズ人間がダメダメ生活を送っているだけのストーリー。出来ればこの映画のトラヴィスの気持ちなんてまったく理解できないような人生を送りたかった。今現在における私の観た映画の中でベスト1であり2度と観たくない映画ベスト1でもある。 【tetsu78】さん 10点(2004-06-03 00:24:20) (良:3票) |
433.トラヴィスは俺だ!(ベトナム戦争は経験ないけど) 【ガブ:ポッシブル】さん [ブルーレイ(吹替)] 10点(2015-10-30 21:00:05) (良:2票) |
432.社会に対し根拠の無い故に解消もできない怒りを覚えた若者が犯罪に走り民衆もそれを支持してしまうといういわゆるアメリカンニューシネマ。実際にこの映画に触発された精神病患者がレーガン暗殺未遂事件を起こすのだが…今となっては映画というより思想自体が古臭く世代が違う自分にははっきり言って理解しようがない。社会も病んでいるのかもしれないが、それが犯罪を、それも殺人を犯す理由にはならない。病んでいるのは犯人である。見所はデニーロと、当時13歳というジョディ・フォスター、二人の天才役者の演技くらいか 【Arufu】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2005-08-28 07:42:08) (良:2票) |
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431.一緒に観ていた旦那の「ピンとこなかった」というコメントを聞いてホッとした。 【ナオちん】さん 5点(2004-06-13 06:50:37) (笑:2票) |
《改行表示》430.「俺に言ってるのか?俺に言ってるのか?(ニヤリ)」『バックトゥーザフューチャーPART3』でパロってましたなぁ。クライマックスの殴り込みは「中学生男子の妄想度数100パーセント」のカッコ良さ!!シャキーン!!バキューンバキューンバキューン!! 俺的に『地獄の黙示録』の「ワルキューレの騎行シーン」と並ぶ「ヤバいぐらいに痺れるバイオレンスシーン」に認定! ちなみに、高校の時に父と一緒にこのビデオを見た後に父が一言「お前も気をつけろよ」ちょっと、父さん・・・。 【幻覚@蛇プニョ】さん 10点(2004-06-10 01:02:42) (良:1票)(笑:1票) |
429.10代の頃この映画を見た印象では狂ったデニーロが恐ろしくて、「タクシードライバー」のトラヴィスと言えば危ないキ印の代名詞と思っていた。ところが昨日20年振り位に見て思ったのは、「なんだトラヴィス。思ったほど狂ってないじゃん。」ってこと。彼は「汚いモノを俺が掃除する!」に気持ち持っていったけど、私は無視してるだけ。それが単に長年慣れ親しんだ私のやり方だから。結果はどうあれ彼の行動原理は実にすっきりしていると思うな。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2004-01-26 18:11:20) (良:2票) |
428.《ネタバレ》 恐るべし、デ・ニーロ…(汗)この映画ではただのさえない地味な若者で、デ・ニーロという情報が無ければ「誰、コイツ?」ぐらいなルックスだ。しかし圧倒的な彼の演技にグイグイ引き込まれていく。あこがれの彼女をうまいことデートに誘えたのになぜかポルノを見せドン引きさせてフラれてしまう。大統領候補を暗殺すべく身体を鍛え、特殊な武器で武装する。その一方で幼い娼婦を救うために暗躍する…不条理なことばかりだ。これが「狂気」なのだろう。鋭い眼差しで張り詰めた表情から人懐っこい笑顔を見せるところにもそれを感じさせる。結果的にはデ・ニーロは死ぬこともなく復職し幼い娼婦は無事に家庭に戻り、まあめでたし風。フラれた彼女も近づいてくるのだが目をくれることもなく去っていく…やっぱ狂気だね。不味そうなシリアル食ってる姿とモヒカンが印象的。 【イサオマン】さん [地上波(吹替)] 9点(2020-03-14 10:34:42) (良:1票) |
《改行表示》427.ご多分に漏れず、私も学生の頃とかには、この映画にハマったもんです。カッコいい、あまりにカッコいい狂気。ああ、こんな映画を考え出すなんて、ホント、世の中には頭のいい人がいるもんだ、なんてね。 で、今見ると、何だか懐かしく、そして何だかちょっと恥ずかしい。過去の自分の青臭さと向き合う恥ずかしさ、ってのも当然あるんですけれど、それだけじゃなくって、映画自体が少々薄っぺらいような、やっぱりコレじゃあダメなんじゃないの、という気持ちも。トラヴィスという特異なキャラに寄りかかり過ぎていて、思い付きの一発ネタで作られた作品、という感じがしてくるんですね。で、「俺は誰にも理解されねえ!」「理解されなくて結構!」という映画を作ることによって、結果的に、世界の若者からの共感を得る、ってのも、何だか、ねえ。ラストの修羅場も、いささか露悪趣味が見え透いていて。 でもでもやっぱり、コレじゃあダメということはなくって、コレでいいんだよなあ、と思い直す(本作観て、大統領暗殺未遂みたいな暴走事件を起こさなければ、ですが)。単なる思い付きだろうと一発ネタだろうと、いいじゃないの。それで、映画がこんなにも光ってるんだから。カッコいいんだから。芸術作品のすべてがすべて、「老成」していなければいけない、などという事は無い訳で。今日もまた世界のどこかで、この映画にハマった若者がいるんだろうし、明日もまた、誰かが新たにこの映画にシビレるんだろう、そういう映画を、使い捨てのごとく悪く言う気には、なれないのです。さあみんな、一度はハマってよ、と言いたいのです。だからやっぱり私はこの映画を支持するのです。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2017-10-15 23:06:06) (良:1票) |
《改行表示》426.《ネタバレ》 女生とのデートでポルノ映画に行くあたり、まずまともな人格の持ち主とは言い難い。 それと最後に何事もなかったかのようにタクシードライバーに戻っていたシーンの強烈な違和感。3人殺して無罪放免だったのか?いくらなんでもあり得ない。回想シーンかと思ってしまった。 それと、なんかメッシに見えた。 【マー君】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-12-03 11:18:55) (良:1票) |
《改行表示》425.《ネタバレ》 デニーロの狂気迫る演技が凄い。時代も背景も違うがベトナム帰りの強烈な孤独感はどこか人生の断片に共感する人も多いのではないでしょうか。 はっきり言って派手さは無く退屈な映画ですがタクシードライバー特有の時間の流れ方、狂気パロメーターが上がっていく有様、女性の付き合いの不器用さ・・ ひとつひとつのシーンにトラビスという人間の味が出ている。 特にラストは印象的。ヒーローになったトラビスは女に目もくれず夜の街に再び消えていく姿は払拭されない孤独が漂う。 |
《改行表示》424.《ネタバレ》 特別な映画。 幼い子供と親が観る映画じゃないし、若い男女が観る映画でもない。 いま再上映したら、意外に、気持ち悪いアニメオタクたちが、楽しそうに、おしゃべりしながら並んでいるかも。「トラヴィス、わかるー」とか言って。 ●「これは俺だ。映画の中に俺がいる!」。 そう思った人には評価が高い映画。 そうじゃないなら、わかんない映画。 で、俺にとってわかる映画。 ●初めてのデートでポルノに誘うなんて。 でも俺には、トラヴィスの行動がわかる。 同時に、ベッツィの反応も当然と思う。 そしてラストでベッツィが近寄ってくるが、トラヴィスはもう彼女に興味がない。不協和音、狂気の一瞬。ハッピーエンドじゃない。終わりの始まり。トラヴィスはまたやる。DVDコメンタリで監督がそう言ってるし、俺もそう思う。 ●町山智浩の『映画の見方がわかる本』(洋泉社)。その第7章は何度読んでも熱くなる。トラヴィスが「元海兵でベトナム帰還兵」というのは、銃を扱うための設定でしかない(P189)とあり、その通りだと思う。 ★特別な映画。10点! 【激辛カレーライス】さん [DVD(字幕)] 10点(2015-06-19 07:55:07) (良:1票) |
《改行表示》423.《ネタバレ》 これほど名作として名声を得ている映画も珍しいなと、、疑いもせずにビデオしかない時代に高額で購入しました。(25年ほど前) 三回観ましたがどうしても理解できませんでした。どこが理解できない?全部ですね。女を付回すのも理解できなかったし、鏡の前のポーズも理解できなかったし、モヒカンで売春宿へ乗り込むのも理解できなかった。とにかく全部ダメ、なぜこの映画が名作なのか全く理解できませんでした。。 たまにこういうことってありますよねー。他人の評価なんて全く当てにならないんだなと痛感した映画です。 【アラジン2014】さん [ビデオ(字幕)] 2点(2015-01-08 17:35:13) (良:1票) |
422.《ネタバレ》 最後の展開が非常に残念。戦争でもないのに、人を殺して無罪放免で英雄扱いされるって一体…?印象的なセリフもあったのですが、結局何を描きたかったのかよく分かりませんでした。 【川本知佳】さん [DVD(字幕)] 3点(2014-06-21 18:55:19) (良:1票) |