8.70年代ふうニューシネマのパロディとも見られる。あの新しさとテレビの退屈さとが同じものであった、っていうか。二人の出会いの場が「ルーシー・ショー」ふうのコメディにされて出てくるあたりは実にワクワクした。あとアニメあり、ニュースふう事件再現あり、とごちゃまぜの文体で「テレビの国のユリシーズ」といった面白さ。二人は社会に対して特別に恨みつらみがあったわけじゃない、あったのは家族に対してだけ。この世はゲームの場となり、イノセントに殺人を続けていく。そこにリアルな感じがあった。マスコミ批判は戯画的になりすぎて、それほど印象に残らず。インディアンの場は、これだけ「裁き手」になってしまうのでつまらない。ナチの悪もアニメの悪も、ブラウン管の中では同質になってしまうって視点が大事なんだ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-07-03 11:45:03) (良:1票) |
《改行表示》 7.家庭内の暴力が新たな暴力を生むという暴力の連鎖とメディアによる暴力の垂れ流しが人々の暴力への感覚を麻痺させるという二つの仕組みが暴力の源のように描いていると思う。 このあたりは大体の人が納得できると思う。 しかし、テレビのレポーターが銃を喜んで乱射することを描くことによって人はみな心に悪魔を抱いているとかみな罪を犯しているようなことまでを描いているが、このあたりまで来ると多少分からなくなってくる。 確かに暴力願望というのは誰でも持っているかもしれない、メディアと共に暴力への好奇心を募らせているかもしれない、しかし罪を犯す人と犯さない人は紙一重ではない。 もちろんある環境に置かれれば罪を犯さざるを得ないというケースはあるかもしれないが、やはりこの境界線には決定的な差があるのではないか。 そして、この映画が導く暴力に対しての答えが見えにくいと考えられる。 ストーンのことだからよくは分からないが、暴力を推奨しようという人はまずはいないだろう。 しかし嘘だらけの一生より純粋な一瞬を望むというようなセリフもあり、暴力を実行することこそ「生きている」人生であり、暴力を頭に留めておくことはまやかしのようなことも描いていた気がする。 この映画は「暴力」について考える一助にはなるが、これでは答えがないだろう。 しかも「暴力」に加えて訳の分からん「愛」まで持ち出してくるともうこれはちょっとお手上げ状態に陥る。 しかし中身のテーマ性はともかく、この映画を見てその映像の奇抜さに相当の衝撃を受けたことは事実。 その演出に果たして意味があるかどうかは置いておいて前半1時間はまさに驚きの連続だった。 後半は多少ダレルような気がした。特に暴動から脱獄に至る部分はやや平凡な創りという印象。 レポーター殺しは良かった分、この辺りはもっと何とか出来たような気もする。 【六本木ソルジャー】さん 8点(2005-01-06 01:14:55) (良:1票) |
6.これに触発されて殺しをやったやつの顔がみてみたい。 【ドレミダーン】さん 8点(2004-07-11 15:50:26) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 オリバー・ストーンによるタランティーノ風味の怪作アメリカン・ヴァイオレンス・ムービー。MTV風の細かいカット割といい、能天気なハッピー・エンドといい、もう全てがあざとい!あざと過ぎる!!こういうハッタリ全開の奇を衒った愚作に深い哲学的な意味なんか探っても時間の無駄、無駄ぁ!「いろんな人に警告したい映画」の定義に従い2点。やっぱO・ストーンとは全然波長が合わねぇ~!! 【へちょちょ】さん 2点(2004-04-13 01:36:15) (良:1票) |
4.タランティーノの原作とオリバー・ストーンの作風とが合っているようで微妙に違和感があった。タランティーノらしいバイオレンスストーリーであるが、そこにカラっとしたセンスの良さはなく、ストーン調のギトギトした空気感が気持ち悪かった。オリバー・ストーンから持ちかけた企画かもしれないが、彼が監督をする意味はなかったように思う。 【鉄腕麗人】さん 3点(2003-11-08 11:19:31) (良:1票) |
3.映画と観客をナメとんのか、ワリャ! あまりにもうざったいスローモーションの多用と、ダサすぎるMTV的なカットつなぎ、反社会性を気取るアタマの悪いストーリー展開(タランティーノの名誉のために言っておくが、オリジナルシナリオはもっとマシな内容だった)の連続に、ずぅ~~~っとヘナヘナ状態。誰か、オリバー・ストーンに忠告してあげなよ。こんなの、映画じゃないって…。 【やましんの巻】さん 0点(2003-07-25 12:43:38) (良:1票) |
2.オリバー・ストーンさんは、この映画のインタビューに「現代にビジョンはない。あるのはテレビジョンだけだ」って言ったんだよね。それは、テレビっていうものが、どんなものでも並列化して、つまんなかったらパッパッとチャンネル変えていく。たとえ殺人事件だろうが、戦争だろうが、またはバラエティーだろうがなんだろうが、それらは見る人にとってはただの茶番というか、冷笑的にしていくのよね。この映画ってまさにそういうテレビと同じなのね。人の死なんてほんと軽いし、パッパッといろんなシーンがモンタージュして、テレビ的冷笑そのもの。この映画見て腹立たしさとか、陳腐さとかを感じたら、まさにそれがオリバー・ストーンの表現したいことなのね。ただ、この映画見た人が、そういう意図を果たして理解できるかどうか、それが疑問だけどね、、、。 【あろえりーな】さん 6点(2001-08-15 05:46:14) (良:1票) |
1.完全に「好み」なんですけど、このジュリエット・リュイスが一番好き!!殺人を肯定するつもりも賞賛するつもりもないですけど、「映画」として、なんだかスッキリするんです。どうしても断ち切れない親と子の絆が、自分にとって重苦しく負担にしかならないとしたら、せめて空想の中でだけでも、開放されればな、と。この映画の影響でアメリカで学校での銃の乱射事件がおきたと聞いて、少し残念に思った。「せめて空想の中でだけでも」を現実の世界に当てはめてしまう子供もいるんだなーと。あ、そうそう、この刑事役がトミー・リー・ジョーンズだと知った時には泣きたくなりました(ファンは見るべきじゃないかも…) 【ちっちゃいこ】さん 9点(2000-07-30 21:34:31) (良:1票) |